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●最「低」裁の《忖度判決》…<金口木舌>《自治と民主主義は今にも吹き飛ばされそう。誰も気付かないようでは、この国の行く末は危うい》

2023年09月18日 00時00分33秒 | Weblog

[↑ 三上智恵監督/最新作『沖縄、再び戦場 (いくさば) へ(仮)』製作応援のお願い (https://okinawakiroku.com/images/hero_pc_l.png)]


(2023年09月11日[月])
軍隊は住民を守らない》…軍事費倍増・軍事国家化のいま、語られない《歴史上明らかなこの教訓》。《標的の島

   『●6月ジャーナリズム…《戦争について集中的に報道される様を指す。記念
     日までの雄弁さと、対照的にその時期以外は沈黙するメディアへの不信》


【「軍隊は住民を守らない」スパイと言われた沖縄住民 (大城勇一さん)【うりずん通信特別号】】
 (https://www.youtube.com/watch?v=YNnRdK2Sces

 デモクラシータイムスの映像記事【「軍隊は住民を守らない」スパイと言われた沖縄住民 (大城勇一さん)【うりずん通信特別号】】(https://www.youtube.com/watch?v=YNnRdK2Sces)。《うりずん通信MC三宅千晶が1945年の沖縄戦を生き延びた大城勇一さんにききます。いざというとき、軍隊は住民を守るのか、台湾有事に東京が関与を決めた時、戦場となる沖縄で自衛隊は県民を守るのか。もやもやとある疑問に、沖縄戦の経験者は答えます。「戦場では、住民は邪魔者。軍隊は住民を守らなかった」。歴史上明らかなこの教訓は、いま意図的に無視され、国の政策決定に反映されることもありません。沖縄で地上戦が始まった1945年4月から日本軍の組織的抵抗が終わったという6月23日の後、7月初めに米軍の捕虜になるまで、わずか3か月に大城少年が目の当たりにした戦争と、その戦争の兆しであった戦陣訓と日本軍の駐留についてもうかがいました。今、沖縄では、日々の平和に見える生活に並行して、なし崩し的に軍事化が進みます。その雰囲気は、あの沖縄戦前夜に重なります。歴史の教訓を知ることで、戦わずに済む方法を模索することの重要性をあらためて確認しました》。

   『●最「低」裁の政治判断…新基地は決して完成しないし、決して普天間飛行
     場も返還されない。N値ゼロで、工期と費用は∞、血税を日々ドブガネ…

 さて、デタラメなキシダメ首相。N値はゼロで、工期と工費は∞。決して新基地は完成せず、普天間も返還されない。踏んだり蹴ったりな辺野古は、単なる破壊「損」
 山田祐一郎木原育子両記者による、東京新聞の記事【軟弱地盤の沖縄・辺野古 県が未承認でも工事契約なんて…地元で渦巻く怒りが向かう先は】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/273772?rct=tokuhou)。《マイナカード原発処理水で岸田政権の強権ぶりが際立つ中、この問題も見過ごせない。沖縄県名護市辺野古の新基地建設計画。軟弱地盤の改良工事を巡り、国は設計変更の承認を県から得ないうちに、関連工事の契約に踏み切った。29日には県が行政指導を出して強く反発。新基地反対派の間にも「建設ありきの先走り」と憤怒の渦が広まる。(山田祐一郎木原育子)》、《つじつまが合わず、自分たちの言葉を無視。…政権の姿勢を的確に表す。原発処理水も「関係者の理解なしに処分せず」と約束したのに、つじつまが合わない放出強行に踏み切るため、自分たちの約束を無視したまさに何でもあり近代国家とは到底思えない》。

 ホントに最「低」裁だな! 政治判断乱発し、マトモな判決・司法判断無し。
 沖縄タイムスの記事【沖縄の新基地建設巡る裁判 県の敗訴確定 知事に承認義務 国連までに是非判断か 最高裁が上告棄却】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1216747)。《名護市辺野古の新基地建設の防衛省の埋め立て変更申請を巡り、国土交通相が県に承認を迫った「是正指示」は違法な国の関与として県が取り消しを求めた訴訟で、最高裁第1小法廷(岡正晶裁判長)は4日、是正指示を適法とした一審福岡高裁支部判決を維持し、県の上告を棄却した。裁判官5人全員一致の結論県側の主張への判断は示さず、補足意見もなかった。敗訴確定で県側は承認する義務を負った。県関係者によると、玉城デニー知事は9月中旬に出席予定の国連人権理事会までに承認に関し何らかの判断を示す考えだという。(社会部・新垣玲央、政経部・又吉俊充)》。
 沖縄タイムスの【[社説]辺野古 県敗訴確定 自治踏みにじる判決だ】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1216670)。《名護市辺野古の新基地建設に伴う設計変更申請を巡る裁判で、最高裁第1小法廷は、県の上告を棄却した。県の敗訴が確定したことで、民意を背景に反対の姿勢を貫いてきた玉城デニー知事は、重大な決断を迫られることになった。軟弱地盤改良工事のための設計変更申請を不承認とした県に対し、国土交通相は不承認を取り消す「裁決」と、承認するよう求める「是正の指示」を行った。「裁決」は無効だとする訴訟は上告不受理が決定しており、今回の辺野古訴訟は「是正の指示」を違法な国の関与だとして県が取り消しを求めていたものである。最高裁の判決は、県がこれまでさまざまな場で主張し、司法の場でも問題にしてきた辺野古埋め立てを巡る重要な論点がまったくと言っていいほど取り上げられていない。取り上げているのは、本来国の業務である法定受託事務の審査請求に関する法解釈などの問題である。判決は、県の不承認を取り消す裁決が出された場合、県知事は「裁決の趣旨に従った処分をする義務を負う」と指摘する。裁決後も同じ理由で申請を認めないと「紛争の解決が困難になる」というのが最高裁の言い分だ。国の関与について地方自治法は「必要最小限度のものとし、普通地方公共団体の自主性、自立性に配慮しなければならない」と規定する。最高裁判決は、反対する地元の民意を切り捨て、地方自治の視点を著しく欠いた内容だ》。

 最「低」裁、もはや沖縄イジメ沖縄差別。司法がそれに加担してどうする。
 琉球新報の【<社説>設計変更敗訴確定 沖縄の不条理を直視せよ】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1778556.html)。《2000年施行の地方分権一括法による地方分権改革の意義は失われてしまったのか。辺野古新基地建設の設計変更申請に対する玉城デニー知事の不承認に対する国交相の「是正の指示」取り消しを求めた訴訟で、最高裁は県の主張を退け、県敗訴が確定した。沖縄の基地集中を考慮しない形式的判断に終わった》。

 川内博史さんのつぶやき:

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https://twitter.com/kawauchihiroshi/status/1698606887430914343

川内 博史@kawauchihiroshi

明かな不当判決
県が不承認の理由とした「国の地盤調査の不足」は明らかであり、最高裁の忖度判決
最高裁は後世に恥をかくことになった

【速報】辺野古訴訟、沖縄県の敗訴確定 最高裁判決 - 記事詳細|Infoseekニュース
………
午後5:00  2023年9月4日
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 琉球新報のコラム【<金口木舌>むちゃな話なのに】(https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1779846.html)。《暦の上では既に秋。秋と夏の空気の境目となる秋雨前線が南下する時季を迎えた。北から冷たい空気がやってくる。そんな“冷たい空気”が沖縄に向かっていきなり南下してきた ▼最高裁判所は4日、辺野古の新基地に関わる軟弱地盤の改良工事を巡る県の訴えを退けた。「マヨネーズ並み」の粘土層の上に新基地を建設するのだから危ない。工事の設計変更を県は認めなかったが、最高裁は認めろという ▼環境面を含む危うさの審査には踏み込まず、国に従えでは乱暴に過ぎよう。自治の否定だ。危険を回避できるのかも不明なのに予算を軟弱地盤に埋没させ続けるとは ▼風をまともに受けた沖縄。玉城デニー知事は「憲法が定める地方自治の本旨をもないがしろにしかねない」と語った。日本本土の人々は沖縄に吹きつける風の強さと冷たさ想像できるだろうか ▼国は相変わらず公金を散財しむちゃな工事を続ける。そんな中、おかしな風にあおられ、自治と民主主義は今にも吹き飛ばされそう誰も気付かないようでは、この国の行く末は危うい》。

 この沖縄差別、沖縄イジメ。自民県連やその会派「辺野古、人権問題に結びつけないで」!? いうに事欠いて。何故にこんな《釘を刺》されなけらばならぬのか? 「国内政治の場で議論を深めるべき」!? よく言うよなぁ。さんざん「国内法秩序をないがしろ」にしてきたのは自公お維コミじゃないのかね? 自民県連の酷い腐敗具合よ。沖縄の皆さん、こんな自民党議員に絶対に投票してはいけない。
 琉球新報の記事【「辺野古、人権問題に結びつけないで」 沖縄の自民県連が玉城知事にくぎ刺す 国連出席を前に 】(https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1779731.html)。《9月後半に予定される玉城デニー知事の国連人権理事会への出席を前に、自民党県連と同会派は6日、県庁で知事と面談し、人権理事会での発言について「辺野古問題を人権問題と結びつけず、冷静な発言をしてほしい」などと申し入れた。自民県連の座波一政調会長が申し入れ書を読み上げた。米軍基地から派生するさまざまな問題について「国際世論ではなく、まず国内政治の場で議論を深めるべきだ」と強調した。名護市辺野古の新基地建設で、軟弱地盤改良工事に伴う沖縄防衛局の設計変更申請を県が不承認とした処分を巡る訴訟で、県敗訴とした最高裁判決についても言及し「行政権の一翼を担う地方行政の長たる知事は(県敗訴の)確定判決に従って承認すべき」とした。その上で、人権理事会において「国内法秩序をないがしろにしかねない言動は慎んでいただきたい」などと述べ、くぎを刺し。知事は「日米安保体制の中で70%もの米軍専用施設面積を(県が)持たされていることについての考え方。人として平穏なあり方を考えて政府、国際社会とも協力していきたいということについて、一定、われわれの考えを述べたい」とした》。

 司法判断できない最「低」裁、政治判断連発の最「低」裁。(川内博史さん)《最高裁の忖度判決》。さすが、泉房穂さん《“裁判”といっても、これは“政治”そのもの》。
 沖縄タイムスの記事【辺野古判決は「裁判といっても、これは政治そのもの」 前明石市長・泉房穂さんがXに投稿】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1218150)。《沖縄県名護市辺野古の新基地建設を巡る最高裁判決で県敗訴が確定したことを受け、前明石市長で弁護士の泉房穂さん(60)=写真=は5日、自身のX(旧ツイッター)を更新し、「“裁判”といっても、これは“政治”そのもの最高裁の裁判官を決めるのは、ときの政権」と投稿した。泉氏はさらに「政権が許容できる範囲の裁判官しか今は選ばれていない政権が許容できない判決が出ることはなく、結局は“政治”だ」と断じた。泉氏は今年4月まで兵庫県明石市長を務め、子育て政策などで注目を集めた。(社会部・榧場勇太)》。

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/273772?rct=tokuhou

こちら特報部
軟弱地盤の沖縄・辺野古 県が未承認でも工事契約なんて…地元で渦巻く怒りが向かう先は
2023年8月31日 12時00分

 マイナカード原発処理水で岸田政権の強権ぶりが際立つ中、この問題も見過ごせない。沖縄県名護市辺野古の新基地建設計画。軟弱地盤の改良工事を巡り、国は設計変更の承認を県から得ないうちに、関連工事の契約に踏み切った。29日には県が行政指導を出して強く反発。新基地反対派の間にも「建設ありきの先走り」と憤怒の渦が広まる。(山田祐一郎木原育子


◆「そこまでやるのか。沖縄だからか」

 「何でもあり。あきれて物が言えない」。ため息交じりに吐き出すのは名護市議の東恩納琢磨さん(61)。

 米軍普天間飛行場(宜野湾市)を移設する名目で進む新基地建設。県の承認を得ないまま国が関連工事を契約したことに「そこまでやるのかと。これも沖縄だからか」と不信を強める。

 今月上旬の台風6号の影響で護岸が壊れ、工事は一時止まっている。国の計画では、米軍キャンプ・シュワブの南側と東側の海域で埋め立てが予定される。

 南側の海域では2018年12月、土砂の搬入が開始された。浜田靖一防衛相は今年4月の衆院安全保障委員会で埋め立ての進捗(しんちょく)率に触れ、3月末時点で92%と説明。まもなく土砂投入は終了するとみられる。


◆国は100万立方メートルの土砂を仮置きへ

 一方、軟弱地盤の存在が問題視されたのが、東側の海域だ。防衛省は20年、地盤改良工事のために設計変更を申請したが、県は翌年に不承認とした。

 防衛省の不服審査請求を受けた国土交通相は22年、不承認を取り消す裁決を下し、承認を求める是正指示を出した。これに対し、県は裁決と是正指示に異を唱えて提訴。今年3月の高裁判決で県側は敗訴となったが、上告を申し立てた。

 県は是正指示に応じていないため、「未承認の状態となっている」(辺野古新基地建設問題対策課の担当者)のだという。

 それでも沖縄防衛局は4月、2件の入札を公告。既に埋め立てが進む南側の区域に土砂を仮置きする方針で、その量は100万立方メートル。今月3日には工事契約を業者と締結した。浜田防衛相はこれまでの会見で「(東側の)埋め立て工事に必要となる土砂を準備しておくもの」「現行の承認処分で可能」と認識を示した。

 県は反発を強め、29日には仮置き工事に着手しないよう、沖縄防衛局に行政指導した。県海岸防災課の与儀(よぎ)喜真副参事は「今の工事の根拠は当初の計画書。これほどの大規模な仮置きは規定されておらず、認められない」と防衛省側の主張を批判する。


◆「国は、県にも市民にも余力がないとみている」

 新基地反対派は司法判断にも懐疑的な見方を示す。

 最高裁は今月24日、設計変更の不承認を取り消した裁決を巡り、不服としていた県の上告を受理しない決定をした。冒頭の東恩納さんは「内容に踏み込まず門前払い」と憤る。

 承認を求める是正指示を巡っては9月4日に最高裁で判決が言い渡されるが、高裁判決の変更に必要な弁論は開かれていないため、県にとって厳しい結果が見込まれる。

     (本紙のインタビューに答える沖縄県の玉城デニー知事)

 「沖縄ドローンプロジェクト」の活動を続ける土木技師の奥間政則さん(57)は「最高裁の判断が全てではない。新基地建設は軟弱地盤だけではなく、耐震設計の問題もあり、徹底的に闘う必要がある」と語る一方、危惧を強める。

 「知事は毅然(きぜん)と対応しているが、土木事務所が仮置き土砂の搬送のためのベルトコンベヤーの使用を許可するなど、対応に矛盾がある。国の方は、県にも市民にも余力がないとみているのでは」


◆工事を認めたとは一言も言っていないのに

 新基地建設の埋め立て工事を巡っては他にも懸念がある。土砂の問題だ。特に重要なのが、岩石以外の砕石や砂などがどれだけ含まれるかを示す「細粒分含有率」になる。

 沖縄防衛局が2013年、県に承認を求める文書で明記していたのは「おおむね10%前後」。だが18年末から始まった南側の海域の埋め立て工事で、国は県に無断で40%以下として業者側に発注した。細粒分の割合が増すほど、土砂を投入した時に濁りが起きやすく、環境に影響を及ぼす懸念がある。

     (埋め立てが始まった当初の辺野古沿岸部
      =2018年12月14日、沖縄県名護市で)

 元土木技師で「沖縄平和市民連絡会」の北上田毅さん(77)は「とんでもない話だよ」と憤まんやる方ない。30日も県庁で工事をやめさせるよう、担当課との交渉に奔走していた。

 前出の県海岸防災課の与儀副参事は「国側は『40%以下でも護岸に囲まれているため危険性は少ない』との説明だった。県としては工事を認めたとは一言も言っていないが、勝手に進められてしまった」と話す。

 東側の海域の埋め立ての仕様規格も「10%前後」から「40%以下」に変更された。19年当時、防衛局は細かい土が増えても、護岸で外海と遮断されるため、周辺海域への影響はないと主張していた。

 県などによれば、今回は護岸の完成前に埋め立てに着手する。「こちら特報部」は30日、防衛省に確認を求めたが「時間がかかる」と回答するにとどまった。北上田さんは「国は自分たちの弁明のつじつまが合わなくなり、自分たちが主張してきた言葉を無視せざるをえないようになっている」とあきれる。


◆サンゴは、遺骨は…

 東側の海域は砂地や藻場、サンゴ礁など生物および地形に富んだ環境を持つ。国は埋め立て予定海域に生息していた4万群体の小型サンゴ類を既に移植し、さらに小型サンゴ類約8万4000群体などの移植に必要な特別採捕許可を申請。県が不許可とすると、農相が是正指示を出したため、県が提訴している。

 日本自然保護協会の保護・教育部主任の安部真理子さん(57)は「すでに進められている護岸工事で、海の環境は大きくダメージを受けている」と指摘する。「日本生態学会など19の学会から工事の一時停止を求める要望が出るほど、国が実施した環境アセスメントではの海域が持つ生物多様性を把握できていない

 国は埋め立ての土砂採取予定地に本島南部を加えることを計画している。沖縄戦の激戦地だった本島南部で採取した場合、遺骨の混じった土砂が使用される可能性があり、市民団体などが強く反発している。

 「地元の不信も何のそのと強引に進める岸田文雄首相。福島第1原発事故に伴う処理水を巡り、地元の漁業関係者の理解を十分に得ることなく、海洋放出に踏み切ったさまと通底しているようにも見える。


◆岸田首相はいつも結論ありき

 沖縄大の高良沙哉教授(憲法学)は「岸田首相はいつも結論ありきで進める。地元に寄り添う』『丁寧に説明する』『理解を求めていくとおっしゃるが、実現した試しがない。福島も沖縄もよく見ている。これでは信頼関係を築くことはできない。世界を見渡してみても、今の時代、環境への配慮をこれだけ気にしない国も珍しい」とする。

 翁長雄志前知事が亡くなって今夏で5年。「翁長知事だからつなぎとめられていた経済界を中心とした保守層も離れてしまっている。オール沖縄として一枚岩になれていない一面もある」と高良さん。ただ、それにしても「地元の意見を聞かず、歩み寄りさえせず、断行していく国の姿勢は、大変問題だと感じる。政治姿勢を変えなければ、問題が解決するどころか、ねじれたままだ」と指弾する。


◆デスクメモ

 つじつまが合わず、自分たちの言葉を無視。北上田さんの指摘は政権の姿勢を的確に表す。原発処理水も「関係者の理解なしに処分せずと約束したのに、つじつまが合わない放出強行に踏み切るため、自分たちの約束を無視したまさに何でもあり近代国家とは到底思えない。(榊)

【関連記事】「機動隊派遣は違法」の最高裁判決が意味すること 米軍基地問題で蹂躙されてきた「沖縄の意思」
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●まともな取材も無くデマやヘイトをまき散らしたDHCテレビ「ニュース女子」《番組が差別を扇動した》、《ベースにあるのは沖縄差別》だった

2023年06月08日 00時00分13秒 | Weblog

[※ 「こんな人たち」 報道特集(2017年7月8日)↑]


(20230521[])
まともな取材も無くデマやヘイトをまき散らしたDHCテレビニュース女子」《番組が差別を扇動した》、《ベースにあるのは沖縄差別》だった。(琉球新報社説)《問題の根本には、韓国・朝鮮人や琉球・沖縄人への差別意識や、基地反対運動に対する憎悪、排外主義も存在するとみられる。機動隊が高江で市民に土人と発言したことなど沖縄ヘイトの文脈で問題を捉えなければならない》。

   『●「亡命」させられた辛淑玉さんは「一時帰国するにも勇気がいる…」とは、 
                            一体ニッポンはどんな国なのか?
    「ブログ【海鳴りの島から 沖縄・ヤンバルより…目取真俊
     辛淑玉さんの裁判を応援する。】(…)では、《…辛さんへの攻撃をはじめ、
     ネトウヨ・ファシスト勢力の沖縄や在日、アイヌ、その他への差別と
     暴力許さないために、力を尽くしたい憎悪を向けられている者が
     泣き寝入りし、逃げていたら、いつか実体的に抹殺される》」   

   『●この《レイシスト・歴史修正主義体質》な小池百合子東京「ト」知事に
       「2,912,628票」「3,661,371票」も投じてしまった都民の皆さん
    《そのひとつが「日本女性の会 そよ風」というヘイト団体だった。
     「そよ風」はヘイト団体・在特会の関連団体で、「慰安婦」問題や
     関東大震災朝鮮人虐殺の否定などを主張しており、2013年には大阪・
     鶴橋で「いつまでも調子にのっとったら、南京大虐殺ではなく
     『鶴橋大虐殺』を実行しますよ!」などとジェノサイドを先導した
     ヘイトデモに協力。北海道支部長の女性は桜井誠・元在特会会長の
     「日本第一党」の副党首まで務めている》
    《「平和運動を愚弄(ぐろう)する悪質なフェイクニュースだった」。
     辛さんは会見で、制作会社DHCテレビジョンの番組をこう断じた。
     訴訟の発端となった番組は、2017年1月に放送された。
     「反対運動を扇動している黒幕」「テロリスト」。インターネットの
     SNSなどで事実に基づかない中傷被害を受け続けたこれまでを
     振り返り「むごいものだった」と怒りをにじませた》

   『●《安倍晋三元首相の応援演説でも「日当」5千円》《慣例化》…デマ
     やヘイトをまき散らす悍ましい人たちこそ、汚いことをやっている
   『●三つの忸怩たる思い…ジャーナリストとしての思い、あぁ、アベ様の
     NHKをまたしても批判せざるを得ない思い、情けなきBPOへの思い
    「《沖縄の基地反対運動を中傷し…辛淑玉が黒幕として
     カネを出しているかのような印象操作》、沖縄デマ
     アベ様らこそ、一体何をやっているのやら。デマやヘイトを
     まき散らす悍ましい人たちこそ、汚いことをやっている」

   『●《表現の自由は、民主主義の根幹でもある。しかし出自を理由に人を深く
      傷つける差別表現は、人権を侵害する行為であり決して認められない》
    《判決は、原告側が求めていた差別の認定について一審判決より
     踏み込み「在日朝鮮人である原告の出自に着目した誹謗(ひぼう)
     中傷を招きかねない構成になっている」と番組の構成に言及した。
     番組が差別を扇動したと指摘しており、判決の意味は重い。番組は
     反対運動をする市民をテロリストに例え、辛共同代表を名指し
     して「黒幕」などと報じた。辛共同代表は判決後の記者会見で、
     差別認定が前進したことを評価しつつも「ベースにあるのは
     沖縄差別だ」と述べ、悪質なヘイトを規制する法律の必要性を訴えた》

 目取真俊さんのブログ【海鳴りの島から 沖縄・ヤンバルより…目取真俊/辛淑玉さんの勝訴確定に思う】(https://blog.goo.ne.jp/awamori777/e/bc56cf82b30e929840020d5c908e289b)。《沖縄に対するデマと憎悪をまき散らした「ニュース女子」に関し、制作したDHCテレビジョンを訴えていた辛淑玉さんの勝訴が確定した。ここにいたるまで辛さんに対し、どれだけの脅迫、嫌がらせ、圧力があったことかそれに耐えるのにどれだけの労苦と決意があったか、を考えると胸が詰まる。勝訴は辛さんはもとより沖縄にとっても大きな意義がある。「本土防衛」のために沖縄が犠牲になるのはやむを得ない。日本人の多数にそのような意識をつくり出すため、沖縄人は犠牲になっても仕方がない人たち、というイメージを植え付ける。「沖縄ヘイトはたしている役割がそれだ。「沖縄ヘイトがまき散らすデマと差別意識は、沖縄を戦場にする布石となる決して許してはならない》。

 散々WPでデマやヘイトをまき散らせるだけまき散らし、閉鎖。判決をどう実現するつもりか? 有耶無耶にしてお終いにするつもり。MXテレビも知らん顔? この不始末、どう責任を取るつもりか。
 琉球新報の【<社説>「ニュース女子」名誉毀損 ヘイトのない社会実現を】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1703104.html)によつと、《嫌がらせを受けながら、5年以上にわたる法廷闘争を闘い抜いた辛淑玉(シンスゴ)氏が勝訴した意義は大きい。沖縄の基地反対運動を取り上げたテレビ番組「ニュース女子」で名誉を傷つけられたとして、ヘイトスピーチ反対団体共同代表の辛氏が、番組を制作した旧DHCテレビジョン(現・虎ノ門テレビ)などに損害賠償を求めた訴訟で、最高裁は同社の上告を退けた。辛氏への550万円の支払いとウェブサイトへの謝罪文掲載を命じた一、二審判決が確定した》。


【DHCTVとマスコミの責任 辛淑玉 × 北丸雄二【マイノリティ・リポート】】
 (https://www.youtube.com/watch?v=ko65-Qrq04I)
デモクラシータイムス
《ニュース ピックアップ
・闘うオーストリア レイシストデモを圧倒
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・反差別は「日本の国柄に合わない」西田昌司
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・元外国籍で「ゴルフクラブ入会拒否」一審 合法判決
・マツダ社従業員 障がい者差別動画投稿
・新宿区 差別アート全開 スロープ閉鎖
・デマ放送FOX 1000億円支払い》

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https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1703104.html

<社説>「ニュース女子」名誉毀損 ヘイトのない社会実現を
2023年5月1日 05:00

 嫌がらせを受けながら、5年以上にわたる法廷闘争を闘い抜いた辛淑玉(シンスゴ)氏が勝訴した意義は大きい。

 沖縄の基地反対運動を取り上げたテレビ番組「ニュース女子」で名誉を傷つけられたとして、ヘイトスピーチ反対団体共同代表の辛氏が、番組を制作した旧DHCテレビジョン(現・虎ノ門テレビ)などに損害賠償を求めた訴訟で、最高裁は同社の上告を退けた。辛氏への550万円の支払いとウェブサイトへの謝罪文掲載を命じた一、二審判決が確定した。

 辛氏の訴えをおおむね認めた判決は画期的である。ただ辛氏が「誰かが何かをしてくれる国ではない。討ち死にした人も多くいる。闘い続けるのが私の次の課題」と述べたように、全て解決したわけではない。ヘイトスピーチはいまだ後を絶たないそもそもヘイトを許してはならない。そんな社会を実現したい。判決を機にヘイト抑止の機運を一層高める必要がある。

 「ニュース女子」は、東村高江のヘリパッド建設に反対する住民運動を取り上げ、辛氏を「過激な犯罪行為を繰り返す基地反対運動の黒幕」と名指しし、高江住民らを「テロリスト」扱いした

 辛氏の申し立てを受けた放送倫理・番組向上機構(BPO)は重大な倫理違反や辛氏への人権侵害を認定。その後、辛氏は訴訟を起こした。東京地裁は番組内容について「根拠として薄弱」「裏付け取材をしていない」などと指摘し、名誉毀損(きそん)を認めた。事実に基づかないデマによって辛氏は深く傷つけられたのだ。

 控訴審の判決はさらに踏み込んだ。人種差別の認定を求めた辛氏の訴えに対し「在日朝鮮人である一審原告の出自に着目した、誹謗(ひぼう)、中傷を招きかねない構成」と指摘した。

 この控訴審判決に対し、当時のDHCテレビジョン代表は同社ホームページで掲載を続ける番組の削除が命じられなかった点を挙げ「プチ勝訴」と主張。賠償命令の金額に不満を示し「不当判決」と断じ、上告した。反省の態度はなく、問題の根深さをのぞかせた。

 問題の根本には、韓国・朝鮮人や琉球・沖縄人への差別意識や、基地反対運動に対する憎悪、排外主義も存在するとみられる。機動隊が高江で市民に土人と発言したことなど沖縄ヘイトの文脈で問題を捉えなければならない

 こうしたヘイトを防ぐためには法整備やメディアの自浄作用が必要だろう。しかし、それらを待っていられないほどヘイトははびこり、深刻だ

 県内ではヘイトスピーチ防止を図る「県差別のない社会づくり条例」が先月1日に施行されたばかりだ。条例は、公共の場やネット上でのヘイトを許さないという県民の明確な意思である。その理念の具現化が急がれる。辛氏は最高裁判決後に「長くて、長くて、長かった」と語った。沖縄のためでもあった多大な苦労を無駄にしてはいけない
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●《無防備な姿で体を張って基地建設に反対する人々を面白半分にからかうことはなかった。それを許さない社会の合意があった》はずなのに…

2022年11月16日 00時00分05秒 | Weblog

[↑ 命どぅ宝沖縄を再び戦場にするな! (2022年05月15日、朝日新聞)]


(2022年10月30日[日])
新垣誠教授「人の苦しみを面白おかしく扱う日本全体の病んだ風潮を象徴」。(琉球新報)《米兵に母親を殺害された金城さんは、ひろゆきさんの発言について「どんな思いで基地に反対し、座り込みをしているのか分からないのだろう」とため息交じりに語る》。
 (渡辺豪氏)《少なくとも、無防備な姿で体を張って基地建設に反対する人々を面白半分にからかうことはなかったそれを許さない社会の合意があった》はずなのに…、それを決定的に破壊したのがアベ様や元最低の官房長官・カースーオジサン。

   『●畠山理仁さん《沖縄県民は民主主義の手続きに則って民意を示し続けて
      いる…愛のある沖縄は、間違いなく民主主義の最先端を行っている》
   『●新垣誠教授「沖縄の言葉を奪ってつくった言語的特権に基づく差別、
     侮蔑」「人の苦しみを面白おかしく扱う日本全体の病んだ風潮を象徴」
   『●《米兵に母親を殺害された金城さんは…「どんな思いで基地に反対し、
     座り込みをしているのか分からないのだろう」とため息交じりに語る》

 AERAの記事【渡辺豪/沖縄の「運動」を揶揄するツイッターに群がる人々 「狡猾さ」も消え失せたネット世論の熱狂】(https://dot.asahi.com/aera/2022102700001.html)によると、《実業家のひろゆき氏がツイッターでつぶやいた、沖縄・辺野古の新基地建設に反対する座り込み運動を揶揄するツイートが波紋を広げた。「よく知らないが、なんとなく気に食わない」ものが標的にされる社会。放置していいはずがない。》
 …平気でヘイトスピーチやデマを流すような人、マスコミが有難がって使ってもいいような人なのかね。沖縄の地で「デマを並べ、沖縄への米軍基地集中を正当化」…態度・人間性・思考のお粗末さ、そんな人がまたしても〝登場〟。そんな社会でいいのかね?

   『●百田尚樹氏、沖縄の地で「デマを並べ、
      沖縄への米軍基地集中を正当化」…態度・人間性・思考のお粗末さ
   『●「第二の加害者」として「悪質なデマ」
      「事実関係を無視した沖縄攻撃」「蔑視・差別」、沖縄イジメに加担
    《安田が本書の取材を始めたきっかけは、昨年6月に自民党の
     「文化芸術懇話会」で作家の百田尚樹が発した
     「沖縄の2紙はつぶさなあかん」発言だった。本書は、百田と
     出席議員の発言内容を詳細に書き起こし、反証するところから
     始まる。たとえば、百田のこの発言だ。
       「もともと普天間基地は田んぼの中にあった。周りに何もない。
        基地の周りが商売になるということで、みんな住みだし、
        いまや街の真ん中に基地がある。騒音がうるさいのはわかるが、
        そこを選んで住んだのは誰やと言いたくなる」
     安田は、地元の古老の証言や郷土史誌の記述から、
     この百田発言が全くの事実無根であることを示す。》
    《安田はこうして記者たちを訪ね、資料を掘り起こしながら、さまざまな
     「嫌沖」の俗説・風説を覆す証言や記録を拾っていく。
     「沖縄経済は基地依存」という神話
     「米兵よりも沖縄人のレイプ犯罪率の方が高い」という中傷
     「沖縄の新聞は基地のことばかり書いている」という
      全国メディアからの揶揄
     「沖縄の新聞が反基地・政府批判を扇動している」という誤解…》

   『●「本土」のデマ・ヘイトなオトナ達…
     《子どもたちの日常にある「異常」を放置しているのはだれなのか?》
    《事実かどうかは二の次弱い立場の者をに仕立てて暴言を吐く
     基地に反対する沖縄の人たちを一方的にたたき、留飲を下げる
       基地問題でヘイトスピーチ(憎悪表現)まがいの言説があからさまに
     表面化したのは13年1月。全市町村長らがオスプレイ配備の撤回などを
     求め、東京・銀座でデモ行進した。沿道から浴びせられたのは
     「売国奴」「中国のスパイ」などの罵声だった

   『●大矢英代さん「私たちは、過去の歴史からしか学べません
         …私たちが何を学ぶのかが今、問われている」②
    《同時に、学校で「方言札」(※)を掛けられ、苦しみながら
     「日本語」を習得してきた人たちです。さらに戦争マラリアの
     ために、学校で学ぶ機会すら奪われてしまった》
    《※方言札…いわゆる「標準語」の使用を徹底させるため、
     学校で方言を使った生徒に罰として首から掛けさせた札のこと。
     東北、北海道などでも用いられたが、沖縄では特に厳しく、
     明治時代終わりから第二次世界大戦後まで使われていた》

   『●「アベ様広報」…安田浩一さん「現地の人に話を聞く、
      裏取りするという取材の基本ができていない…デマ」
    「沖縄タイムスの記事【津田大介さん・安田浩一さん、「ニュース女子
     問題でMXテレビ出演辞退】…《津田大介さんと安田浩一さんが
     18日までに同局が放送する別のニュース番組への出演を辞退した。
     「取材がずさんで事実でない」「報道に値しない」と2日の番組
     批判している》」

   『●「差別意識に基づく、官憲による歴史的暴言」…
      ガルトゥング氏「非常に深刻な状況となる兆候…」と警鐘
    「やはり「歴史的暴言」でした。アベ様定義の「積極的平和主義」の
     産物な「歴史的暴言」。「本土」による差別意識が顕在化し、
     表面化した「歴史的暴言」。安田浩一さん《社会的少数者や弱者を
     たたき、引きずり降ろすのを楽しむ空気が日本社会の一部に
     流れている》。歪んでる」

   『●安田浩一さん「沖縄の新聞は本当に『偏向』」? 
      …沖縄への「思い込みによる差別で、それを許す日本社会」
   『●《国民の2割強しか支持を得ていない政治勢力が国会の3分の2
     支配できているところに問題がある》…#投票倍増委員会 会員として…
   『●青木理さん✕安田浩一さん対談 ―――《「この国」には、いったい
     いつから、どういう理由で「憎悪と嘲笑」に満ち溢れてしまったのか》?
   『●《表現の自由は、民主主義の根幹でもある。しかし出自を理由に人を深く
      傷つける差別表現は、人権を侵害する行為であり決して認められない》
   『●沖縄デマによる市民の分断: 『沖縄スパイ戦史』の両監督
               …「反基地運動は中国のスパイ」デマも同根

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https://dot.asahi.com/aera/2022102700001.html

沖縄の「運動」を揶揄するツイッターに群がる人々 「狡猾さ」も消え失せたネット世論の熱狂
沖縄
2022/10/28 08:00
渡辺豪

     (沖縄県名護市の米海兵隊キャンプ・シュワブの
      「ゲート前」で座り込む人たちと、立ち去るよう促す
      機動隊員ら=2022年9月29日)

 実業家のひろゆき氏がツイッターでつぶやいた、沖縄・辺野古の新基地建設に反対する座り込み運動を揶揄するツイートが波紋を広げた。「よく知らないが、なんとなく気に食わない」ものが標的にされる社会。放置していいはずがない。

     (【写真】新基地建設が進む辺野古沿岸部)

*  *  *

 沖縄本島中部の嘉手納町に通い詰め、「基地と振興策」の取材に没頭したのは10数年前のことだ。記者をしていた沖縄タイムスで長期連載し、その後、『国策のまちおこし』という本にまとめて2009年に出版した。

 町域面積の83%を米軍基地に接収されたこの町で、2011年まで5期20年にわたって町長を務めた宮城篤実さんが主人公だ。宮城さんは故翁長雄志知事が晩年、最も頼りにした沖縄を代表する保守政治家の一人でもある。宮城さんとは何度か酒席でお話を聞く機会があり、そのたびに語られる政府や米軍との濃厚な折衝のエピソードに引き付けられた。政府中枢の官僚や政治家だけでなく、歴代の米軍司令官の名前もぽんぽん上がる。宮城さんのまちづくりへの情熱と、日米の政府関係者の思惑や駆け引き。それぞれに人間味が詰まっていた。


■「プロの外交官」だった岡本氏

 記事にすることを前提にいずれ宮城さんにじっくり話を聞いてみたい、と考えていた矢先、絶好の機会が訪れた。

 嘉手納町は宮城さんの町長時代、国の沖縄米軍基地所在市町村活性化特別事業(通称・島田懇談会事業)で予算総額の4分の1近い200億円余に上る巨額の国庫配分を受け、1997年から町中心部の再開発事業に着手していた。それが完成したのが2008年だった。核となる再開発ビルには那覇市から移転した防衛省の地方機関「沖縄防衛局」が入居した。実質的に、町が防衛局を誘致するという前代未聞の出来事が実現したのだ。ぜひこの再開発事業の全容を知りたいと取材を申し込んだ。

 政府側のキーパーソンを尋ねると、宮城さんは真っ先に元外務官僚の岡本行夫さんの名前を挙げた。岡本さんは1995年の米兵による少女暴行事件を受け、日本政府が沖縄の基地負担軽減に本腰を入れて取り組もうとした際、橋本内閣で官房長官を務めた梶山静六氏に請われて沖縄担当首相補佐官を務めた、沖縄にゆかりの深い人物だ。

 岡本さんは宮城町長の紹介だと告げると、取材を快諾してくれた。都内の事務所で1時間ほど取材した。沖縄に詳しかった。人脈も豊富だった。まだ話し足りないと思った。岡本さんもそうだったのだろう、その夜、初対面の私をごく少人数のホームパーティーに招いてくれた。都心の夜景が一望できるマンションの一室でひざを突き合わせて深夜まで語り合った記憶は忘れ難い。

 私が岡本さんに抱いた印象は「プロの外交官」だった。沖縄に対して、岡本さんはこのスタンスに徹したのだと思う。無論、沖縄は外国ではない。だが、沖縄には外務省の出先機関もある。あえて言えば、沖縄に対しては今なお、「準外地」のような捉え方と実態がある。そんななか、政府中枢とつながり、沖縄の漁港で車座になってウミンチュ(漁民)とも対話できる本土の人間は彼(岡本さん)だけだ、と評する政府関係者もいた。

 嘉手納町の再開発事業に関する取材後も、岡本さんから頻繁に連絡がきた。家族旅行で沖縄に来られたときも一緒に食事をした。「普天間飛行場の県外移設」の公約をめぐって鳩山政権が右往左往していた時期。沖縄世論を探る意図は明白だった。政権末期、鳩山由紀夫首相と接触していた岡本さんの動きは、どう見ても「辺野古回帰」だった。地元で「推進派」の経済関係者らと接触していた岡本さんの動向をつかみ、私は沖縄タイムスに「根回し警報」という見出しのコラムを書いて、岡本さんを名指しで批判した。

 間もなく、岡本さんから絶縁の連絡があった。

 20年に新型コロナで岡本さんが亡くなられたとき、辞職した沖縄タイムスから追悼記事の原稿依頼が来たが断った。なのに、なぜ今こんなことを書く気になったのか。断ったのは、追悼記事で故人を批判的に書くことはできないと思ったからだ。しかし今は、少し考えが変わっている。


■かつて沖縄と向き合う人は真剣だった

 岡本さんは「狡猾(こうかつ)」だった。折に触れて沖縄の過重な基地負担に理解を示しつつ、「振興策」という切り札を使って、その維持に尽力した人でもあった。岡本さんなりの「日本の国益を守る」という信念に基づいて職責に忠誠を尽くした人だったと思う。義理堅い人でもあった。だが、それらすべてが「沖縄のため」だったとは私には思えない。日米関係や安全保障政策を考える上で沖縄は大事だからこそ、関係を良好にしなければならないというという意識は、本当に「沖縄のため」だったといえるのか。沖縄社会はあまりにも過剰な基地負担によって常に分断されている。岡本さんに対しては、沖縄で今なお「よき理解者」だったと敬意を表する人がいる一方、根強い批判もある。

 とはいえ、だ。立場や考えは違っても、政府関係者であっても民間人であっても、沖縄の基地負担に向き合おうとする人はみんな真剣だった。沖縄の人たちと対話を重ね、信頼構築を共通の目的に据えていた。

     (新基地建設が進む辺野古沿岸部。北側の建設予定海域(上)
      では軟弱地盤が見つかり、埋め立てに着手できていない)

 少なくとも、無防備な姿で体を張って基地建設に反対する人々を面白半分にからかうことはなかったそれを許さない社会の合意があった。座り込みの運動を「過激」と批判する声もあるが、かつては、日本各地で今の辺野古と比較にならないほど激しい米軍基地闘争があったその結果、日本本土に駐留していた米海兵隊が米軍統治下の沖縄に再配置されたことを知る人は、今の日本にどれくらいいるだろうほんの60数年前。ネットでググればすぐに取れる情報だ。


■座り込み揶揄のツイートに28万いいね

 辺野古で座り込みの運動を続ける人々を揶揄(やゆ)した実業家のひろゆき氏のツイートに28万超の「いいね」がついた。彼はその後、「沖縄の人って文法通りしゃべれない」「きれいな日本語にならない人の方が多い」とも発言した基地への思いとは別に、不快に感じた沖縄の人は少なくなかったはずだ

 沖縄の人々を心情的に日本から分離させるような言動を浴びせることによって、一体誰が得をするのか。故翁長雄志知事は「県民同士が争う様子を上から笑って見ている人がいる」と言った。これを「日本人同士」と置き換えればどうだろう。沖縄と本土を分断することで誰を喜ばせることになるのかそのことを考えるほどの「狡猾さ」もなく、無邪気に「楽しんでいる」のだとすれば、「右派」から批判を受けてもよさそうなものだが、その気配は今のところ限定的のようだ

 岡本さんは私と立場や考えが異なることを知りつつ、沖縄の実情に耳を傾け、現実を知ろうとする誠実さがあった。これは職業上のテクニックだったかもしれない。だが、それはお互いさまだ。たびたび意見は食い違ったが、対話は成り立った。というより、別の視点からの意見が聴けたのは楽しかった。岡本さんが私に「絶縁」を通告したのも、それまでに人間関係を築いていた証しと捉えることもできると思う。


■「これ以上、社会を壊すな」

 わずか10年。当時と今で何が違うのか。

 よく知らないがなんとなく気に食わないものを冷笑し、ゲーム感覚でたたく抑圧されている側と抑圧している側の立場があっという間に根拠なく反転するそうしたことにスリルのような快感をおぼえる者たちの人いきれや熱狂がネットを通じて伝わってくる。SNSやネットメディアのコメント欄の反応は国内世論の一部にすぎない。しかし、これらは社会の深層とつながっているようにも思う。

 「ひろゆき氏をフォローしている人たちも弱者のはずなのに、なぜあんなひどいことが言えるの」というツイートもあった。なぜなのかはわからない。しかし確かなのは、こうしたことが繰り返されれば、沖縄と日本本土の関係にとどまらない、これまで社会が積み上げてきた大事なものを壊すという事実だ

 ひろゆき氏の名前をよく聞くようになったのは、在京メディアの起用が相次いだこの数年だ。今回の件で、金融庁が彼を広報動画に起用していることも知った。沖縄の地元紙が彼のツイートを記事に取り上げたのは、影響力を一層増した彼の発言に感化され、それに便乗するかのように差別や偏見が拡散され、誤った認識が事実であるかのように定着するのを何とか防ぎたい、という思いがあっからだろう。取り上げなければいけないニュースが山積するなかで、貴重な紙面を割いて書かなければいけない、と判断した地元紙の記者たちのやるせなさは痛いほどわかる。正直に明かせば、この記事に彼の名前を出すのも嫌だったし、原稿を書くのも抵抗があった。ネット上の反応は容易に想像できる。記事を読んで共感してくれる人よりも、ネット上の反応を見て、かかわりたくない、と考える人のほうが圧倒的に多いだろう。書かない理由はいくつも挙げられる。しかしやっぱり書かないといけない、と思った。理由は、尊敬する先輩ジャーナリストの言葉を思い出したからだ。

 これ以上、社会を壊すな。これに尽きる。

(編集部・渡辺豪)

※AERAオンライン限定記事
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コメント (2)
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●《自慢の「聞く力」とはなんだったのかと思わせるほど、国民世論はまるで耳に入っていないし、いわんや「バカ」呼ばわりまでしてバカ》なの?

2022年09月19日 00時00分43秒 | Weblog

[※ 「「国葬」という憲法違反」(週刊金曜日 1391号、2022年09月02日) ↑]


(2022年09月04日[日])
国葬強行など、《よほど民主主義を逸脱し独裁的》なキシダメ首相。ましてや、〝箕部〟元幹事長からは《バカ》呼ばわりまでされてしまったよ。断固、国葬反対。週刊金曜日《「国葬」という憲法違反》。
 日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/揺れる安倍晋三の国葬問題 首相・岸田文雄は毅然とできるか】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202208310000147.html)によると、《★元首相・安倍晋三の国葬問題は首相・岸田文雄の鶴の一声で決まったが時間がたつにつれ、国民の反発を買っている。国会の議論は国葬決定のプロセスがあいまいなこと。岸田の感情的、政治的決定でしかなく、合理的な理由も合法的な法律的根拠もないというあいまいさが冷静になった国民から批判されている》。

 こんなに批判されているのに、強行すんの? 正気かね、キシダメ首相?
 長周新聞のコラム【「壺をぶっ壊す!」/コラム 狙撃兵】(https://www.chosyu-journal.jp/column/24339)によると、《各種世論調査でも半数を上回る人々が国葬実施に反対し、統一教会と自民党の関係について8割もの人々が解明を求めているなかで、「これで開催しなかったらバカ」(二階元自民党幹事長)などといって、岸田政府及び自民党は国葬実施に向けて突っ走っている。自慢の「聞く力」とはなんだったのかと思わせるほど、国民世論はまるで耳に入っていないし、いわんや「バカ呼ばわりまでしてバカなんだろうか? と思うような光景だ》。

 《2.5億円》の10倍どころか、どこまで? 100億越えなんて言う声もあり。青天井なの?? 国葬が終わってから経費を積算して、公表するつもり!? 予備費から血税を湯水のように使い、あとでかかった総額を教えたげるね…自公の支持者まで《バカ》にしてないですか。自公お維コミ支持者も《「バカ呼ばわり》されているのですが…何も感じず、今後も支持し続けるつもりかねぇ。
 ところで、予備費11兆円→16兆円選挙買収用軍資金1.5億円、「官房機密費」86億円、等々…どうなってんのかな?
 日刊ゲンダイの記事【安倍元首相の国葬に消える血税は最大70億円! 岸田政権がヒタ隠す“本当の費用”を試算】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/310632)によると、《「要した経費については国葬後に精査してお示ししたい」──。安倍元首相の国葬をめぐり、松野官房長官が30日の会見でこう言い放った。岸田政権は実施経費として2.5億円の支出を決定。この中に含まれていない海外要人の「警備費」や日本滞在に伴う「接遇費」などは事後報告で済ませるつもりらしい。案の定、野党からは「すし屋の時価か」との批判が噴出。政府がヒタ隠す「本当の費用」を試算すると、「ぼったくりバーもビックリの実態が浮き彫りとなった》。

 もう一つ、日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/安倍・菅政権との違い際立たせた“軽やか”岸田は安倍をどう処遇する?】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202209020000069.html)によると、《★では首相や自民党に問いたい。元首相・安倍晋三と旧統一教会との深いつながりは報道の通りで、そのチルドレン議員や安倍派のしかるべき推薦のある議員と教会の関係は深いと伝えられている。井上福田が問題ないとなれば、この旧統一教会問題の根幹にある安倍についてはどう処遇する考えか亡くなったからとがめないというのならば、教会と自民党との過去はすべて不問に付すということになりかねない。もし不問となった場合、それまで教会との関係を「知らなかった」などという関係議員やうそをついてきた議員たちも何の問題もないことになる。一方、もし問題があるというのならば、その自民党が「一切の関係を絶つ」という根幹である安倍を国葬にすることに不都合が生じるのではないか》。

 統一協会とズブズブ壺壺ヅボヅボな自民党やアベ様がよくも言えたものだねぇ。
 日刊ゲンダイの記事【自民党の旧統一教会「絶縁宣言」で思い出される かつて安倍元首相が民主党に向けた言葉】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/310730)によると、《■民主党と共産党の「共闘」について… そんな中、あらためてネット上で拡散しているのが、2016年3月の自民党大会での安倍晋三元首相のあいさつだ。安倍氏は翌4月の衆院北海道5区補欠選挙と夏の参院選を見据え、当時の民主党と共産党が共闘して戦うことについて、こうけん制していたのだ。「選挙のためだったら何でもする誰とでも組むこんな無責任な勢力に負けるわけにはいかない」 ちなみに2016年の参院選で、安倍氏と近しい関係にあった旧統一教会の友好団体から支援を受けた、とメディアの取材に明かしていたのは自民党の前参院議員の宮島喜文氏だ。<いやはや、まさに選挙のためだったらカルト教団とも手を組む張本人だったな> ネット上では、安倍氏の発言を揶揄する言葉が続々と投稿されている》。

 票の差配までしていたズブズブ壺壺ヅボヅボなアベ様、自民党総裁選ではどうだったんでしょうね? 統一協会の皆さんが自民党党員として…。すっごいなぁ、自民党。「選挙のためだったら何でもする誰とでも組む。」…だね。
 日刊ゲンダイの記事【自民党が勝ち続けた選挙の裏側 宗教票で民主主義を冒涜】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/310636)によると、《自民党と統一教会(現・世界平和統一家庭連合)との切っても切れない“腐れ縁”。岸田首相が党内調査について、「国民の不信を払拭するための、もう一段踏み込んだ方策」と意気込んでみせても、A4ペラ1枚という子供だましのアンケートしかやらないところに自民党の及び腰が表れている。朝日新聞の…》。

 アベ様は票の差配までしてたんでしょ? 自民党総裁選でも、どんな影響があったんでしょうねぇ? えっ~、それって調査しないの?
 東京新聞の【<社説>旧統一教会問題 安倍氏調査が不可欠だ】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/199507?rct=editorial)/《岸田文雄首相(自民党総裁)が党所属議員と旧統一教会(世界平和統一家庭連合)との接点を調査する方針を表明した。しかし、故安倍晋三元首相に関しては否定的だ教団との不透明な関係の中核にいた安倍氏について調べなければ、安倍政権の評価が定まらず、国葬の根拠を欠くのではないか。》

   『●「不気味な兆候」は既に現実になっている…《まさに言論の砦たる
        メディアとメディア人の役割が問われています》(青木理さん)
   『●《少数意見を尊重し、歩調を合わせようと努めて議論を重ね、成り
     立ってきた戦後民主主義ではないか。それを「聞かない」とは。…》
   『●《メディアコントロール》は続いている…《だからといって、政治》と
     統一協会の《関係について徹底追及がおこなわれているわけではない》
   『●武田砂鉄さん《繰り返し問題視されてきた団体…付き合いが深い議員…。
      再発防止のためにも、宗教と政治の関係を洗い出すのが必要不可欠》
   『●つまり、アベ様は《堂々と、司法の場でも違法性が指摘されている》
     統一協会の《実質トップの名前を自ら挙げ、敬意を表したのである》
   『●キシダメ首相は「民主主義を断固守る」ために国葬を行うというが、
     (政界地獄耳)《よほど民主主義を逸脱し独裁的ではないのか》?
   『●統一協会名称変更問題…《実体が変わらないのに、名称を変えることは
         できない》はずなのに、《あり得ない》ことがなぜ可能になったの?
   『●元文科相からして、統一協会とズブズブだったのではないのか? 反面
      教師として、文科省道徳教育教材『わたしたちの道徳』に載せては?
   『●伊達忠一前参議院議長が元総理に統一協会票を依頼したと驚きの証言…
     《今回…安倍さんは…。『井上(義行氏)をアレ(支援)するんだ』…》
   『●汚染責任者アベ様という壺の蓋が割れた瞬間に、自民党“統一協会汚染”
      物質が壺から噴出…衆参院議長、防衛相、文科相、国家公安委員長…
   『●《暴力、威力と詐欺的手法を駆使して経済的利益を追求する集団または
     個人》=統一協会…《自民党が大っぴらに反社とつながっていることに》
   『●茂木敏充幹事長、統一協会と「党としては一切関係がない」…《その
     爛れた関係が岸信夫防衛相や二之湯智国家公安委員長、末松信介文科相…》
   『●《法外な寄付を集め、家庭を崩壊させるような活動が問題に…次々と関与が
       判明する自民党こそ、教団との関係を国会の場で丁寧に説明すべき》
   『●《このように安倍氏の一存で統一教会の組織票の差配が決まっていたと
     すれば…》…もはや開いた口が塞がらないよ。どこまでズブズブだったの?
   『●安田菜津紀さん《安倍政権とは何だったのか…「強きにすり寄り、
      弱きをへし折る政権」…「引き継がれた『膿』を出し切るのはこれから」》
   『●統一協会汚染議員一掃…《支持者こそが提言しなければならない善後策
      …あれだけ奉り続けた…元首相が、彼らのせいで殺されたのだから》
   『●斎藤貴男さん《安倍政治の最大の罪は、民主主義を完全に形骸化し、
     日本社会を根底から腐らせたこと…》《ネポティズム》《冷笑主義の蔓延》
   『●《〈関連団体とは存じ上げませんでした〉…「統一教会の何が問題
     なのか正確に承知していません」…しらじらしいにも程がある》お維
   『●悍ましい構図…さらには、アベ様が票の差配までするほどズブズブ
       ヅボヅボだった訳ですが、そんな自民党に投票するとはねぇ…
   『●統一協会…《自民党の政策決定や政権運営にどのような影響があった
     のか、真相を解明して再発防止策を講じる》べきなのに、全くその気無し
   『●憲法53条…《本来国会は開かなければならないが、安倍内閣では
     その要求を無視し続けていたことがある。岸田政権も応じる気がない》
   『●《自民党右派…政界の右派のみならず、それを支える日本最大の右派
     改憲団体、日本会議など》も統一協会と《「蜜月」関係を築いてきた》??
   『●統一協会が《法令に反するなどの例》は山のようにある訳で、《実体が
       変わらないのに、名称を変えることはできない》ことに何の問題?
   『●第2次キシダメ改造内閣の悲惨な船出 ―――― 統一協会非汚染者
     による組閣や役員人事もままならない、ズブズブヅボヅボな自民党…
   『●《安倍元首相の側近で、安倍派内ではポスト安倍の一番手》だった
     萩生田光一政調会長は加計学園問題等だけでなく、やはりヅボヅボだった…
   『●《保守の安倍が反日カルトとつながった》? 《保守ではなく、反日の
     エセ保守…支持してきたのは新自由主義勢力と政商とカルトの複合体》
   『●【適菜収 それでもバカとは戦え/戦後を代表する“ホラ吹き”安倍
    元首相の「思い出に残るデマと嘘」】…息吐く様にウソをつくアベ様
   『●《他人の不幸に付け込み…壺などを売りつけ、信者の家庭を破壊する
     カルト教団に「信教の自由」などないことを、メディアは自覚すべき》
   『●臨時国会どうなった? ゴルフをやってる場合だったのか? 質問したい
       「右派記者」と質問する気のない「左派記者」ももっと突っ込んでよ
   『●票の差配をするほどズブズブヅボヅボなアベ様という壺の蓋…《壺の蓋が
            吹っ飛んで…中から…熟成された汚物が出てくる、出てくる…》
   『●《この国の為政者たちが誰を見て誰のために政治をやっているのか、
     憲法改定をはじめとする諸政策が目指す方向性とも深くかかわっている》
   『●《元首相が殺害されて以降の岸田氏は権力欲の権化だ。統一教会で大揺れ

      の政局に乗じて…国民支配をもくろむ。…民意ごとき屁でもない…》

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https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202208310000147.html

コラム
政界地獄耳
2022年8月31日9時9分
揺れる安倍晋三の国葬問題 首相・岸田文雄は毅然とできるか

★元首相・安倍晋三の国葬問題は首相・岸田文雄の鶴の一声で決まったが時間がたつにつれ、国民の反発を買っている。国会の議論は国葬決定のプロセスがあいまいなこと。岸田の感情的、政治的決定でしかなく、合理的な理由も合法的な法律的根拠もないというあいまいさが冷静になった国民から批判されている。また国葬決定の理由に在任期間の長さを岸田は挙げているが、1980年に現職の首相として急死した大平正芳、同じく2000年に現職で死亡した小渕恵三の2人はいずれも内閣・自民党合同葬だったことも、議論の余地があるのではないかと思われている。

★ここにきて安倍家や昭恵夫人も国葬に難色を示しているという報道や官房長官・松野博一が「参列者は最大6000人程度を見込む」と発言すると「誰が参列するのか名簿を示せ」との声が上がるなど手厳しい。ただ国民から見れば、たった1時間の国葬になぜ警備費が30億とも40億ともいわれる金額になるのかという点だろう。これについて松野は「(警備などの経費は)現時点で確たることを申し上げられる段階になく、要した経費については国葬儀後に精査したうえでお示しする」と逃げの一手に出た。

★来月6日には国葬に関する国会の閉会中審査が行われる予定だが、野党が要求する岸田の出席となると「病み上がりの岸田を出すとなると各党の持ち時間はかなり少なくなる」(自民党国対筋)と激しい攻防が続く。自民党ベテラン議員が言う。「官邸もある程度の説明をしないと国民が納得しないのは理解している。31日に、首相が会見でどの程度説明するか。その反応を見て国葬の合理性はともかく、警備費用などの説明はせざるを得ないだろう。現段階では全国県警の警備部への号令はかかっているようだが機動隊までの指示はない。世論動向次第だが首相が毅然(きぜん)とできるかだ」。(K)※敬称略
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https://www.chosyu-journal.jp/column/24339

壺をぶっ壊す!
コラム 狙撃兵 2022年8月30日

 各種世論調査でも半数を上回る人々が国葬実施に反対し、統一教会と自民党の関係について8割もの人々が解明を求めているなかで、「これで開催しなかったらバカ」(二階元自民党幹事長)などといって、岸田政府及び自民党は国葬実施に向けて突っ走っている。自慢の「聞く力」とはなんだったのかと思わせるほど、国民世論はまるで耳に入っていないし、いわんや「バカ呼ばわりまでしてバカなんだろうか? と思うような光景だ。自民党の政治家どもが統一教会とズブズブだったことが世間に知れわたるにつれ、内閣支持率は急落したが、白々しい顔をして知らぬ存ぜぬですっとぼけて乗り切ろうとする様を見て、さらに唖然とする人間も多いわけで、この調子でいくと国葬実施が近づくにつれてさらに内閣支持率は落ちていくのだろう。

 それにしても、統一教会との関係を指摘されてなお逃げ回る政治家たちを見ていて思うのは、日本の政治にはケジメをつける文化というものがないのだろうか…という点だ。教団は植民地支配をした日本、日本人から献金によって財産を巻き上げることを良しとし、宗教団体というよりはカルト恐喝団体といってもおかしくないほど、信者から途方もない金銭を搾取してきた。CIAやそのエージェントだった政財界のフィクサーたちが育てた「反共」を掲げた右派セクターというが、思想云々以前にやっていることはきわめて反社会的な団体といっておかしくない。しかし、政界ロビーに流れたであろうそのカネと組織票に支えられて清和会をはじめとした自民党政治家どもが暗躍し、一部野党も世話になり、頭が上がらない関係にまでなっていたのである。そのようにカルト宗教とズブズブだった者たちが、よくも「日本を取り戻す」「この国を守り抜く」「美しい国」などと口にしてきたものだといまさらながら思う。

 ケジメがないといえば、あの福島原発事故でも誰も何も責任をとらず、むしろ再稼働や新規増設までいい始める始末であるし、モリカケ桜だって本来なら政権が吹っ飛んでもおかしくないほど悪質かつ低俗な疑惑なのに、ケジメなくすり抜けてきた代表格であろう。今回の統一教会の政界汚染についても、「人の噂も七五日」を期待していることがありありで、どいつもこいつも「統一教会とは知らなかった」をオウム返しするという芸当に及んでおり、ほとほとバカにされたものである。こうして、ただでさえバカにされているような感覚が広がっている折に、二階某のように公然と「バカ」呼ばわりする者までいるから驚かされる。

 カルト宗教というか、宗教団体の衣を被った恐喝団体といっておかしくない反社会的団体と自民党との密な関係について、徹底的にメスを入れて今日に至るまでの実態を解明することが不可欠である。そして、最終的に統一教会の政界汚染を除染するには、彼らが死に物狂いでたたかうという選挙で決着をつけるほかないのだろう。NHK党のワンフレーズに倣うなら「壺をぶっ壊す!が選挙スローガンとしてはふさわしいのかも知れない。

   吉田充春 
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●《表現の自由は、民主主義の根幹でもある。しかし出自を理由に人を深く傷つける差別表現は、人権を侵害する行為であり決して認められない》

2022年07月26日 00時00分00秒 | Weblog

[※ 「こんな人たち」 報道特集(2017年7月8日)↑]


(20220710[])
【<金口木舌>リプレイスメント・セオリー】(https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1526872.html)。

 《中国語やハングルで表記された沖縄本島中北部の観光地案内板をインターネットに上げてこんな書き込みがあったという。「沖縄が中国、韓国に占領されつつある」。ノンフィクションライターの安田浩一さんが伝えている ▼現地に赴き外国語表記の案内板からやや手前に引いて撮影すると、そこには日本語表記の案内板があった。あたかも外国語の案内板しかないようにフォーカスし「占領」とするデマだった》。

   『●「アベ様広報」…安田浩一さん「現地の人に話を聞く、
      裏取りするという取材の基本ができていない…デマ」
    「沖縄タイムスの記事【津田大介さん・安田浩一さん、「ニュース女子
     問題でMXテレビ出演辞退】…《津田大介さんと安田浩一さんが
     18日までに同局が放送する別のニュース番組への出演を辞退した。
     「取材がずさんで事実でない」「報道に値しない」と2日の番組
     批判している》」

   『●「差別意識に基づく、官憲による歴史的暴言」…
      ガルトゥング氏「非常に深刻な状況となる兆候…」と警鐘
    「やはり「歴史的暴言」でした。アベ様定義の「積極的平和主義」の
     産物な「歴史的暴言」。「本土」による差別意識が顕在化し、
     表面化した「歴史的暴言」。安田浩一さん《社会的少数者や弱者を
     たたき、引きずり降ろすのを楽しむ空気が日本社会の一部に
     流れている》。歪んでる」

   『●安田浩一さん「沖縄の新聞は本当に『偏向』」? 
      …沖縄への「思い込みによる差別で、それを許す日本社会」
   『●《国民の2割強しか支持を得ていない政治勢力が国会の3分の2
     支配できているところに問題がある》…#投票倍増委員会 会員として…
   『●青木理さん✕安田浩一さん対談 ―――《「この国」には、いったい
     いつから、どういう理由で「憎悪と嘲笑」に満ち溢れてしまったのか》?

 アベ様の取り巻き連中の醜悪さときたら…(青木理さん、安田浩一さん)『この国を覆う憎悪と嘲笑の濁流の正体』。ヘイトも含めて、その源流は《空疎な小皇帝》石原慎太郎元東京「ト」知事。さらに、メディアあるいはジャーナリズムについて、…青木理さんと安田浩一さん。《「この国」には、いったいいつから、どういう理由で「憎悪と嘲笑」に満ち溢れてしまったのか》?

 東京新聞の記事【DHCテレビ「ニュース女子」の名誉毀損を認定 高裁も一審判決支持「番組に真実性は認められない」】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/181448)《判決は、辛さんが組織的に参加者を動員して過激な反対運動をあおっているという番組の内容に、真実性は認められないと判断。現在もDHCのサイトで番組が閲覧できる状態で「韓国人はなぜ反対運動に参加する?」などとテロップで表示されているとして、「在日朝鮮人である原告の出自に着目した誹謗中傷を招きかねない」と言及した》。
 沖縄タイムスの【社説[「ニュース女子」名誉毀損] ヘイト止める仕組みを】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/970199)によると、《大勢が視聴した番組のうそが再び認定された。制作したDHCテレビジョンは判決を重く受け止めるべきだ。テレビ番組「ニュース女子」で名誉を傷つけられたとして市民団体「のりこえねっと」の辛淑玉(シンスゴ)共同代表が損害賠償などを求めた訴訟の控訴審判決で東京高裁は、一審判決を支持し、DHCテレビに550万円の支払いと、謝罪広告の掲載を命じた。問題となったのは2017年1月に放送された2回。同社が制作し、東京MXテレビなどで放送された》。
 さらに、琉球新報の【<社説>ニュース女子二審判決 差別扇動は許されない】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1529440.html)によると、《判決は、原告側が求めていた差別の認定について一審判決より踏み込み「在日朝鮮人である原告の出自に着目した誹謗(ひぼう)中傷を招きかねない構成になっている」と番組の構成に言及した。番組が差別を扇動したと指摘しており、判決の意味は重い。番組は反対運動をする市民をテロリストに例え、辛共同代表を名指しして「黒幕」などと報じた。辛共同代表は判決後の記者会見で、差別認定が前進したことを評価しつつも「ベースにあるのは沖縄差別だ」と述べ、悪質なヘイトを規制する法律の必要性を訴えた》。

 最後に、沖縄タイムスの記事【「ヘイトスピーチは魂の殺人。暴力だからこそ認められない」作家の安田浩一さん、社会の崩壊を懸念】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/970606)によると、《ノンフィクションライターの安田浩一さん=写真=を講師に招いた学習会では、取材してきた差別と偏見の現場について説明しながら「誰かが差別に苦しんでいる人や地域、社会が壊れていくのをこれ以上、見たくない」と語気を強めた》。

   『●「日本の恥と呼ぶべき存在」
    《鶴橋で行われた街宣で、女子中学生が「鶴橋大虐殺」の演説をしたことは
     ネットで話題になっていましたし、韓国でも報じられていたようです》

   『●ヘイトスピーチ、自らの言論の自由を狭めている
   『●『朝日』の「誤報」よりも、誰が国際社会の印象を落としているでしょうか?
   『●小池百合子「ト」知事、追悼文は? 《…ようやくこう答えたのだった。
      「それは毎年送っておりません」…この回答はあまりに卑怯だろう》
    《その急先鋒になってきたのが「そよ風」というヘイト団体だった。
     「そよ風」はヘイト団体・在特会の関連団体で、慰安婦問題や
     関東大震災朝鮮人虐殺の否定などを主張しており、2013年には
     大阪・鶴橋で「いつまでも調子にのっとったら、南京大虐殺では
     なく鶴橋大虐殺を実行しますよ」などとジェノサイドを
     先導したヘイトデモに協力。北海道支部長の女性は桜井誠
     前在特会会長の「日本第一党」の副党首まで務めている》

   『●自民党亜種トファ・キトの「反作用として期待される
       リベラルの結集」…それが最後の望み・希・希望
   『●「植民地気分」な日米共犯・両政府から
      「犠牲だけを強いられる沖縄」…両国に「真の文明」はあるのか?
    《大阪の鶴橋で女子中学生がこんなことをがなった。
     「…もう、殺してあげたい! いつまでも調子にのっとったら
     南京大虐殺じゃなくて鶴橋大虐殺を実行しますよ!」》

   『●《明らかに、小池都知事の「追悼文拒否」は歴史修正主義の虐殺否定論と
     ヘイトに勢いを与えた》…《空疎な小皇帝》石原慎太郎元「ト」知事越え
   『●この《レイシスト・歴史修正主義体質》な小池百合子東京「ト」知事に
       「2,912,628票」「3,661,371票」も投じてしまった都民の皆さん
    《そのひとつが「日本女性の会 そよ風」というヘイト団体だった。
     「そよ風」はヘイト団体・在特会の関連団体で、「慰安婦」問題や
     関東大震災朝鮮人虐殺の否定などを主張しており、2013年には大阪・
     鶴橋で「いつまでも調子にのっとったら、南京大虐殺ではなく
     『鶴橋大虐殺』を実行しますよ!」などとジェノサイドを先導した
     ヘイトデモに協力。北海道支部長の女性は桜井誠・元在特会会長の
     「日本第一党」の副党首まで務めている》

 琉球新報のコラム【<金口木舌>ヘイトクライムを生まないために】(https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1529019.html)によると、《▼ヘイトクライムは米国だけの問題ではない。昨年8月には朝鮮半島出身者が暮らす京都府宇治市のウトロ地区で放火があった。被告は「韓国が嫌いだった」と供述している。2016年には障がい者が殺傷される事件も起きた ▼人種や国籍、性別、障がいという属性を理由にマイノリティーが暴力の標的にされ命を奪われるこんな理不尽なことがあろうか ▼ネット上の悪意に満ちた言葉、日常生活で聞こえる誹謗中傷偏見ヘイトクライムにつながりかねない「芽」はあふれている。異なる文化や歴史を知り、互いを認め尊重しあう。ヘイトクライムを生まない社会は一人一人の日常の一歩から始まる。》

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https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1526872.html

<金口木舌>リプレイスメント・セオリー
2022年6月2日 05:00
金口木舌 リプレイスメント・セオリー

 中国語やハングルで表記された沖縄本島中北部の観光地案内板をインターネットに上げてこんな書き込みがあったという。「沖縄が中国、韓国に占領されつつある」。ノンフィクションライターの安田浩一さんが伝えている

▼現地に赴き外国語表記の案内板からやや手前に引いて撮影すると、そこには日本語表記の案内板があった。あたかも外国語の案内板しかないようにフォーカスし「占領」とするデマだった

▼こうした事象はリプレイスメント・セオリー(置き換え理論)といわれる。古くはグレイト・リプレイスメントと呼ばれた。白人至上主義に基づき、白人以外の人種に国土が乗っ取られると危機感をあおる陰謀論という

▼那覇市若狭に建つ龍柱をめぐっては「中国の属国か」とする主張もあった。県内でも顕在化する排斥の動きに改善策はないものか

▼作家の落合恵子さんが、微力ではあっても「一人一人がつながる」大切さを提唱していた。確かに身内や友人、知人が差別されてはいたたまれない。社会が分断されては未来は描けないだろう
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/181448

DHCテレビ「ニュース女子」の名誉毀損を認定 高裁も一審判決支持「番組に真実性は認められない」
2022年6月3日 22時08分

     (控訴審の判決後、記者会見をする辛淑玉さんら
      =3日、東京都内で)

 沖縄の米軍基地反対運動を取り上げたテレビ番組「ニュース女子」で名誉を傷つけられたとして、人権団体「のりこえねっと」の共同代表辛淑玉(シンスゴ)さんが、番組を制作したDHCテレビジョンなどを訴えた訴訟の控訴審判決で、東京高裁(渡部勇次裁判長)は3日、名誉毀損を認めてDHCに550万円の損害賠償などを命じた一審・東京地裁判決を支持した。

 判決は、辛さんが組織的に参加者を動員して過激な反対運動をあおっているという番組の内容に、真実性は認められないと判断。現在もDHCのサイトで番組が閲覧できる状態で「韓国人はなぜ反対運動に参加する?」などとテロップで表示されているとして、「在日朝鮮人である原告の出自に着目した誹謗中傷を招きかねない」と言及した。

 番組の司会者だった本紙元論説副主幹の長谷川幸洋氏の責任については「番組の制作や編集に一切関与がなかった」とし、一審と同様に認めなかった。長谷川氏が辛さんに損害賠償を求めた反訴も同様に退けた。

 番組は東京メトロポリタンテレビジョン(TOKYO MX)で2017年1月に放送された。昨年9月の一審判決は、DHCに賠償と自社サイトへの謝罪文掲載を命じた。

 判決後の会見で辛さんは「名誉毀損が認められてうれしいが、沖縄に対して申し訳ない気持ちもある平和運動や沖縄を、在日である私を使ってたたくという、二重、三重に汚い番組だった」と振り返った。金竜介弁護士は、判決が出自に絡む誹謗中傷に言及した点に「人種差別をきちんと認めたことは評価できる」と話した。(小嶋麻友美)

【関連記事】DHC吉田会長、ネット上で「コリアン系」ヘイト声明 荒唐無稽な主張次々
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https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/970199

社説[「ニュース女子」名誉毀損] ヘイト止める仕組みを
2022年6月5日 10:10

 大勢が視聴した番組のうそが再び認定された。制作したDHCテレビジョンは判決を重く受け止めるべきだ。

 テレビ番組「ニュース女子」で名誉を傷つけられたとして市民団体「のりこえねっと」の辛淑玉(シンスゴ)共同代表が損害賠償などを求めた訴訟の控訴審判決で東京高裁は、一審判決を支持し、DHCテレビに550万円の支払いと、謝罪広告の掲載を命じた。

 問題となったのは2017年1月に放送された2回。同社が制作し、東京MXテレビなどで放送された。

 高裁判決では、番組が東村高江の米軍ヘリパッド建設での抗議行動を取り上げ「過激」「襲撃」「警察でも手に負えない」「テロリスト」といった表現を用いたことに対して、実際の抗議活動に比べて「異質のものというべきである」とした

 事実に基づかない報道であり、放送を通じて多くの沖縄県民を深く傷つけた

 また判決では、市民団体が地元の沖縄以外から参加者を組織的に雇って動員したとする番組の主張に対しても「煽動(せんどう)しているとは認められない」とした。

 司会者と出演者とのやりとりや、さまざまなテロップなどを使うことで、辛氏が抗議活動を煽動する危険な人物であると印象付けたとも指摘した。

 判決を受けDHCテレビ側は「不当判決だ」とした。現在もネットで閲覧できる番組の削除は求められなかったとして「プチ勝訴」とするが詭弁(きべん)だ。番組構成全般に瑕疵(かし)が認められたことを率直に受け止めるべきだ。

■    ■

 判決は、くしくもヘイトスピーチ解消法施行から満6年の日に言い渡された。番組は「在日朝鮮人である辛氏の出自に着目した誹謗(ひぼう)中傷を招きかねない」と指摘し、ヘイトスピーチを誘導する危険性があったと認めた。

 解消法は、外国にルーツを持つ人々などへの差別を許さない社会を目指して2016年に施行された。国や都道府県の責務を定める一方、規制や罰則などの定めがない理念法にとどまっている。

 しかし今回のケースを見れば、より踏み込んだ対応が必要だ。東京MXテレビは同番組の放送を打ち切ったが、ネット上ではいまだに配信されている。

 判決後に辛氏は「たたいてもいい存在と見なした沖縄を、在日である私を使ってたたく、二重三重に汚い番組だった」と振り返った。

 ヘイトを放置しない仕組み作りが求められる

■    ■

 表現の自由は、民主主義の根幹でもある。

 しかし出自を理由に人を深く傷つける差別表現は、人権を侵害する行為であり決して認められない

 個人に対する差別表現であれば、訴訟で刑事や民事上の責任を追及する道もある。一方で特定の地域や国、民族をターゲットにした差別表現についての責任追及は難しい。

 沖縄差別が沖縄出身者にも向けられるように、不特定多数への差別表現は個人の人権を侵害する危険性もあるヘイト根絶は社会の使命だ
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https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1529440.html

<社説>ニュース女子二審判決 差別扇動は許されない
2022年6月7日 05:00

 東村高江周辺の米軍ヘリコプター発着場建設への抗議行動を中傷したテレビ番組「ニュース女子」の人権侵害が改めて認定された。名誉を傷つけられたとしてヘイトスピーチ反対団体「のりこえねっと」の辛淑玉(シンスゴ)共同代表が制作会社DHCテレビジョンなどに損害賠償を求めた訴訟の控訴審で、東京高裁は制作会社側に再び損害賠償550万円と同社ウェブサイトへの謝罪文の掲載を命じた。

 判決は、原告側が求めていた差別の認定について一審判決より踏み込み「在日朝鮮人である原告の出自に着目した誹謗(ひぼう)中傷を招きかねない構成になっている」と番組の構成に言及した。番組が差別を扇動したと指摘しており、判決の意味は重い。

 番組は反対運動をする市民をテロリストに例え、辛共同代表を名指しして「黒幕」などと報じた。辛共同代表は判決後の記者会見で、差別認定が前進したことを評価しつつも「ベースにあるのは沖縄差別だ」と述べ、悪質なヘイトを規制する法律の必要性を訴えた。

 辛共同代表はそれまでの活動でもネットでの誹謗中傷を受けてきたが、地上波で公然と行われたことが深刻な人権侵害につながった。国会内で国会議員も参加して「辛淑玉氏等在日朝鮮人による反日反米工作を糾弾する国民集会」が開かれたり自宅前に何時間も不審者がいたりするなどした。危険を感じてドイツに生活拠点を移した時期もあったなどと、法廷で訴えた。

 番組の司会だったジャーナリスト長谷川幸洋氏にも「共同不法行為責任」を負うとして損害賠償を請求した。長谷川氏側は辛共同代表の記者会見での発言で名誉を毀損(きそん)されたと反訴した。双方とも一審で棄却され控訴していたが、再び棄却された。

 ジャーナリストを名乗る立場で司会をした長谷川氏は、差別や誹謗中傷をあおった責任を問われた。だが、判決は「番組収録時点で各出演者がどのような発言をするかを具体的に把握しておらず、どのようなテロップが付されるかも知り得ない」「名誉毀損の結果を招来することを認識し得たということは困難」として認めなかった。

 問題の番組は、その後の「検証番組」も含め、今もDHCテレビジョンのホームページに掲載されている。判決は削除を命じなかった。基地反対運動と辛共同代表に対する誹謗中傷は今も続いている。DHCテレビジョンは全く反省しておらず、差別をあおりながら、誹謗中傷で沖縄の基地反対運動をおとしめ続けている

 裁判に先立って、番組は放送倫理・番組向上機構(BPO)によって人権侵害を認定されている。それにもかかわらず、差別と誹謗中傷が放置されている。法整備を待つだけでなく、ジャーナリズムとメディア界が自浄作用を発揮すべきだ
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https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/970606

「ヘイトスピーチは魂の殺人。暴力だからこそ認められない」作家の安田浩一さん、社会の崩壊を懸念
2022年6月6日 07:47

     (「ヘイトスピーチは魂の殺人」と訴える安田浩一さん
      =5日、那覇市久茂地のブックカフェ&ホール「ゆかるひ」)

 ノンフィクションライターの安田浩一さん=写真=を講師に招いた学習会では、取材してきた差別と偏見の現場について説明しながら「誰かが差別に苦しんでいる人や地域、社会が壊れていくのをこれ以上、見たくない」と語気を強めた。

 安田さんは「在日特権を許さない市民の会在特会)」に迫った著著「ネットと愛国」で講談社ノンフィクション賞を受賞。2016年のヘイトスピーチ解消法の施行以前から問題を指摘し、学習会でも被害者の声なども紹介した。

 昨年3月、名古屋出入国在留管理局の施設に収容中だったスリランカ人女性が死亡した事件についても触れ、「背景にある外国人への憎悪は、以前から日本社会にあった」と指摘した。

 また、基地問題に関連して「沖縄は外国に乗っ取られる」などとの言説があることや、過去に機動隊の「土人」発言擁護する声があったことを挙げ、差別を正当化する理論として危惧。「ヘイトスピーチは魂の殺人暴力だからこそ認められない」と訴えた。

(社会部・平良孝陽)
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●《「人権意識」が徹底して欠如し、差別を差別とも思わず…沖縄の市民を「侮辱」…》お維への批判を、条例を根拠に封じる狙いはないの?

2022年03月16日 00時00分53秒 | Weblog

【↑ 『適菜収 それでもバカとは戦え真相究明と責任追及を“大阪ノーサイド”なんて冗談じゃない』 (2020年11月14日、日刊ゲンダイ)】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/281280


(2022年02月27日[日])
琉球新報【<社説>大阪ヘイト条例合憲 実効性ある県条例制定を】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1474255.html)。

 《ヘイトスピーチの抑止策を定めた大阪市の条例が、表現の自由を保障する憲法の規定に反するかどうかが争われた住民訴訟で、最高裁は初めて合憲と判断した。ヘイトスピーチについて、「差別意識を助長したり、犯罪行為を扇動したりするもの」と認定し、差別を抑止する必要性を指摘した点に意義がある。沖縄県をはじめこれから制定を検討している自治体には、判決の趣旨を踏まえて、ヘイト根絶へ向けた実効性のある条例が求められる。大阪府は特定の人種や民族への差別をあおるヘイトスピーチを抑止するため、2016年に条例を施行した。専門家らでつくる審査会がヘイトに当たるかどうかを検討し、答申を受けた市長がヘイトと認めた場合、実施団体や個人名を公表できる。判決は「表現の自由の制限は合理的でやむを得ない限度にとどまる」と指摘。条例には「表現の自由に配慮しつつ、抑止を図る趣旨が認められる」と述べた。氏名や団体名を特定するための強制的な手段も定められておらず、制限は合理的だとした》。

 《差別を抑止する必要性》があり、《ヘイト根絶へ向けた…条例》は必要でしょう。

   『●日本社会は歪んでる: ネオナチやヘイトスピーチ集団に
                「信奉」される議員が取り巻くアベ様

   『●ヘイトスピーチ、自らの言論の自由を狭めている
   『●「とある暴力集団」による「暴力犯罪」、
           そして「歪んだ社会」ニッポン
   『●(政界地獄耳)《一方、日本では一体何が起きているか。
      官製嫌韓ヘイトをメディアがあおっているお粗末さだ》
   『●《記者…個人に140万円の損害賠償》SLAPP訴訟…
      川崎市議選元候補者が《「差別する自由」を求めている》?
   『●《京都朝鮮学校事件は…有罪が確定した、れっきとした
     暴力犯罪》…「歪んだ社会」の歪みは改善されただろうか?
   『●沖縄出身脚本家上原正三さん、「民意を顧みず、
     基地を押し付け…沖縄を植民地としてしか見ていない証拠」
    《■「怪獣使いと少年」で問うた人間の心の闇
    《登場人物の少年は北海道江差出身のアイヌで、メイツ星人が化けた
     地球人は在日コリアンに多い姓『金山』を名乗らせた。1923年の
     関東大震災で、『朝鮮人が井戸に毒を投げ込んだ』『暴動を起こした』
     などのデマが瞬く間に広がった市井の善人がうのみにし、軍や警察と
     一緒になって多くの朝鮮人を虐殺したんだ。『発音がおかしい』
     『言葉遣いが変』との理由で殺された人もいる。
     琉球人の俺も、いたらやられていた。人ごとではない

   『●瞬く間にデマを善人が鵜呑みにし…
     上原正三さん「琉球人の俺も、いたらやられていた。人ごとではない」
    「瞬く間にデマを善人が鵜呑みにし、警察や軍人らと共に狂気の暴走…
     「怪獣使いと少年」の脚本を書いた上原正三さんは「琉球人の俺も、
     いたらやられていた。人ごとではない」と。「関東大震災朝鮮人虐殺事件」は、
     とんでもない史実であり、反省の意味を込めて、長く記憶され、
     語り継がれなければならない。歴史を抹消し、修正することは許されない。
     「数」の議論に落とし込んでよいような事件ではない。「震災死」と
     同一視して良いものではなく、「人災」と呼ぶ人も居る。悍ましい虐殺だ」

   『●【<金口木舌>島人のこころ】《沖縄出身の脚本家、上原正三さん
       …沖縄に対する日本本土の差別、無理解が創作活動の原点に》
    「「怪獣使いと少年」を、《今回上原さんを偲(しの)び、
     円谷プロがネットで特別公開している》。リンクはこちら
     (https://galaxy.m-78.jp/tv_9-6.html)。」

   『●沖縄差別:目取真俊さん「多くの日本人が
     その嘘っぱちを信じている、というよりも、信じたいんでしょう」
   『●翁長雄志さん「那覇市長として…東京のど真ん中で体感した
           むき出しの沖縄差別に「衝撃を受けた」という」
    「翁長雄志さん「那覇市長として…
     東京のど真ん中で体感したむき出しの沖縄差別
     「衝撃を受けた」という」」

   『●安仁屋眞昭さん《沖縄では民意よりも米軍が優先。
      沖縄の戦後は終わっていない》…何度事故・事件が起きようとも
   『●本土と沖縄を一緒にするなとでも? 《…燃料タンクと数十センチの
      水筒という落下物によって事故の重大性を比較するのは無意味だ》

 大阪でそういう条例が出来たことは素晴らしいのだけれど、《メディアコントロール》下の大阪でお維への批判が抑制される方向に向かわないか? 《大阪府は特定の人種や民族への差別をあおるヘイトスピーチを抑止するため、2016年に条例を施行した。専門家らでつくる審査会がヘイトに当たるかどうかを検討し、答申を受けた市長がヘイトと認めた場合》…《専門家らでつくる審査会》がお維から独立したものとなり得るのか、お維の《市長》がまともな判断をするのか、できるのか?
 《こうした「人権意識」が徹底して欠如し、差別を差別とも思わず、ナチスを肯定する歴史修正主義者と手を結び、沖縄の市民を「侮辱」してきた維新の政治家たち》…そんなお維については頭の隅に入れておくべきである。お維への批判を、条例を根拠に封じる狙いはないのだろうか? 結果として、お維が悪用しはしないのか…。《大阪府警…機動隊員が反対派市民に対し「触るな、土人が」と差別に基づいた暴言を吐いたことが問題…〈…出張ご苦労様〉などと投稿。「土人」というあからさまな差別語を投げつけたことが問題になっていたにもかかわらず、知事だった松井氏はわざわざ機動隊員を労うという差別の肯定》…そんな大阪市長がねぇ?

   『●橋下元大阪〝ト〟知事の問題というよりも、投票者・支持者の問題?
   『●大石あきこ氏のつぶやき…〝文通費〟を《吉村知事。…飲みしろに
     使ったんですか? 「ブーメラン反省」では済まない大問題ですよね》
   『●《「ブーメラン反省」では済まない大問題》を《男性アナウンサーは
      吉村知事が自己申告したことを「潔いというか」と紹介する始末》
   『●「れいわ新選組にビビるゆ党」お維の大阪「ト」知事三代…
     《「ブーメラン反省」では済まない大問題》等々を騒がないマスコミの皆さん
   『●大阪市長がお維議員30人と焼き鳥屋で《反省会》…「ルールに従え
     ないなら、組織を出るべきだと思う」by 松井一郎元大阪「ト」知事
   『●《足立議員は…「…」を犯罪者集団であるかのように取り上げ、
     「破防法を適用すべき」とまで主張…だったら、まず維新に適用すべき》
   『●お維の大阪府と包括連携協定の下足番広報紙…《メディアの役割は
     府政の監視をし、その政策を客観的・批判的な視点から報じること》
   『●数多のお維案件の中でもかなり醜悪な一つ ――― リコール署名偽造
     事件《指示系統や資金の流れなどは依然としてつまびらかではない》
   『●「レッテル貼り」「印象操作」「デマ」で醜態をさらすお維…《弁舌の
       巧みさでは…ドイツで政権を取った当時のヒットラーを思い起こす》
    《その上、松井氏にいたっては、2016年に沖縄県の高江で進められて
     いた米軍ヘリパッド建設工事で大阪府警から派遣されていた
     機動隊員が反対派市民に対し「触るな、土人が」と差別に基づいた
     暴言を吐いたことが問題となった際、〈表現が不適切だとしても、
     大阪府警の警官が一生懸命命令に従い職務を遂行していたのが
     わかりました。出張ご苦労様〉などと投稿。「土人」という
     あからさまな差別語を投げつけたことが問題になっていたにも
     かかわらず、知事だった松井氏はわざわざ機動隊員を労うという
     差別の肯定と受け止められる言動に出た》

   『●無関係を装いつつテレビに出まくる「れいわ新選組にビビるゆ党」お維の
         オーナー・弁護士センセが、あぁ情けなやぁ~スラップ訴訟とはねぇ
   『●《「どのような人権感覚を持っているのか」を問いただされるべきは、
      むしろ》お維の《創設者》《いちコメンテーター》《いち民間人》


 大阪繋がりで。ブログ主が初めてヘイトスピーチを意識したのはこの件だ。反吐が出そうなヘイト者。在りもしない特権には大騒ぎしてヘイトをまき散らし、一方で、明確に存在する在日米軍特権には沈黙する卑怯者たち。

   『●「日本の恥と呼ぶべき存在」
    《鶴橋で行われた街宣で、女子中学生が「鶴橋大虐殺」の演説をしたことは
     ネットで話題になっていましたし、韓国でも報じられていたようです》

   『●この《レイシスト・歴史修正主義体質》な小池百合子東京「ト」知事に
        「2,912,628票」「3,661,371票」も投じてしまった都民の皆さん
    《ところが、小池都知事は知事に就任した翌年、2017年、突如として
     この朝鮮人犠牲者に対する追悼文を取り止めてしまったのだ。しかも
     その背景には、「関東大震災の朝鮮人虐殺はなかった」という
     差別デマを主張するヘイト団体と小池氏の関係がある。
      そのひとつが「日本女性の会 そよ風」というヘイト団体だった。
     「そよ風」はヘイト団体・在特会の関連団体で、「慰安婦」問題や
     関東大震災朝鮮人虐殺の否定などを主張しており、2013年には
     大阪・鶴橋で「いつまでも調子にのっとったら、南京大虐殺ではなく
     『鶴橋大虐殺』を実行しますよ!」などとジェノサイドを先導した
     ヘイトデモに協力。北海道支部長の女性は桜井誠・元在特会会長の
     「日本第一党」の副党首まで務めている》


 最後に…、お維《創設者》初代大阪「ト」知事は《いち民間人》のごとく、大石あきこさんや日刊ゲンダイを訴えているように見えますが…、随分と大きな影響力をお持ちの《民間人》ですね? 市民や報道への萎縮効果抜群だね。まさにSLAPP。お維への批判封じの効果抜群だ。
 【れいわ新選組 衆議院議員 大石あきこ 橋下徹に訴えられたってよ 記者会見】(https://www.youtube.com/watch?v=BOdRMqMpMc8)#れいわ新選組 #大石あきこ #山本太郎 …是非、ご覧ください。

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https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1474255.html

<社説>大阪ヘイト条例合憲 実効性ある県条例制定を
2022年2月22日 05:00

 ヘイトスピーチの抑止策を定めた大阪市の条例が、表現の自由を保障する憲法の規定に反するかどうかが争われた住民訴訟で、最高裁は初めて合憲と判断した。

 ヘイトスピーチについて、「差別意識を助長したり、犯罪行為を扇動したりするもの」と認定し、差別を抑止する必要性を指摘した点に意義がある。沖縄県をはじめこれから制定を検討している自治体には、判決の趣旨を踏まえて、ヘイト根絶へ向けた実効性のある条例が求められる。

 大阪府は特定の人種や民族への差別をあおるヘイトスピーチを抑止するため、2016年に条例を施行した。専門家らでつくる審査会がヘイトに当たるかどうかを検討し、答申を受けた市長がヘイトと認めた場合、実施団体や個人名を公表できる。

 判決は「表現の自由の制限は合理的でやむを得ない限度にとどまる」と指摘。条例には「表現の自由に配慮しつつ、抑止を図る趣旨が認められる」と述べた。氏名や団体名を特定するための強制的な手段も定められておらず、制限は合理的だとした。

 県内でも那覇市役所前などでの外国人を対象にしたヘイトスピーチが問題になった。このため現在、県はヘイトスピーチを規制する条例制定作業を進めている。検討過程で「差別的言動」を外国人に向けられる発言に限定し、県民向けなどは対象外となった。当初案にあった差別的言動をした人の氏名を公表する措置も削除した。

 これでは実態にそぐわず、実効性に疑問がある。なぜなら外国人にとどまらず、沖縄が標的にされているからだ13年に東京都で県内首長たちがデモをしてオスプレイ配備撤回を求める中、おまえら中国人の手先か」「死ねなどの言葉を浴びせかけられた

 16年10月、北部訓練場のヘリパッド建設に抗議する市民に大阪府警の機動隊員が「土人」と、差別的発言をして問題になった。ネット上では差別的な沖縄ヘイト投稿がたびたび問題になる。

 今回の最高裁判決は「特定の個人」だけでなく、「人種または民族全体等の不特定かつ多数」という表現で、集団に対するヘイトスピーチの規制は合憲だと判断した。

 この最高裁判例に従えば、「不特定かつ多数」には沖縄県民に対する差別も含まれると解釈できるのではないか。県は対象の幅を広げるべきだ。

 現在、大阪市を含め2都府6市区町で条例が制定されている。このうち川崎市は全国で初めて刑事罰を定めたが、ネットの投稿は対象外になっている。短文投稿で交流するSNS「ツイッター」では、沖縄県民に対しても「土人」「猿」など蔑称を用いた投稿が見られ、一部は削除されずに放置されているという。

 ネットへの対応を含め、県は、差別を許さないという毅然(きぜん)とした姿勢で条例制定に取り組んでもらいたい
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コメント
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●「レッテル貼り」「印象操作」「デマ」で醜態をさらすお維…《弁舌の巧みさでは…ドイツで政権を取った当時のヒットラーを思い起こす》

2022年02月08日 00時00分45秒 | Weblog

【↑ 『適菜収 それでもバカとは戦え真相究明と責任追及を“大阪ノーサイド”なんて冗談じゃない』 (2020年11月14日、日刊ゲンダイ)】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/281280


(20220130[])
リテラの記事【橋下徹は盟友・石原慎太郎から「ヒトラーに該当」と称賛されていた! 高須院長に協力の吉村、優生思想の松井、維新議員に反論の資格なし】(https://lite-ra.com/2022/01/post-6152.html)。

 《テレビに出まくっては維新のPRに勤しんでいる“維新の創業者”である橋下徹氏について、立憲民主党の菅直人・元首相が「弁舌の巧みさではヒトラーを思い起こす」と指摘した件で、橋下氏をはじめ、維新代表の松井一郎・大阪市長や副代表の吉村洋文・大阪府知事が猛反発、「立憲は謝罪しろ」とがなり立てている。しかも、本日国会でおこなわれた衆院予算員会では、質疑に立った維新の足立康史衆院議員が、政府のコロナ対策よりも先にこの問題を取り上げ、「国際社会だったらアウトだ。許せない。今日か明日にでも泉健太代表に抗議文を出す」「こうした野党のひどいレッテル貼り、印象操作、デマが国益を毀損してきた」などと騒いだのだ。予算委員会は政府の施策や考えをただす場だというのに、その貴重な時間を使って野党攻撃を繰り出すとは、まさしく維新は「税金泥棒にほかならない》。

 またお維か…。果てしなく続く、ウンザリな大阪「ト」知事によるお維案件。《予算委員会は政府の施策や考えをただす場だというのに、その貴重な時間を使って野党攻撃を繰り出すとは、まさしく維新は「税金泥棒にほかならない》…もう、ゆ党ですらないでしょ、与党自民党と合体したら? 来る2022年参院選が思いやられる。それにしても、自公もそうだけれども、お維に誰か一人でもマトモな議員は居るのでしょうか? 《大阪では自民に圧勝している維新政治を謙虚に研究すべき》なんて、冗談は止してくれ。最近の反面教師ぶりとしてのCOVID19対策だけでも、お維政治などを決してマネしてはいけない。謙虚に研究しなくても、反面教師ぶりは明白。大阪のお維支持者の皆さんこそ、目覚めて下さい。《こうした「人権意識」が徹底して欠如し、差別を差別とも思わず、ナチスを肯定する歴史修正主義者と手を結び、沖縄の市民を「侮辱」してきた維新の政治家たち》をなぜに支持できるのですか?
 「レッテル貼り」「印象操作」「デマ」で醜態をさらすお維…《弁舌の巧みさでは…ドイツで政権を取った当時のヒットラーを思い起こす》どころか、現実には、《ヒトラーに喩えられても仕方がない人権侵害集団》なお維。

   『●橋下元大阪〝ト〟知事の問題というよりも、投票者・支持者の問題?
    「相変わらず口先だけ。花火を打ち上げ、ほとぼりが冷めたころに小声で
     謝罪、でも行動は改めず。産経の記事『【大阪市職員アンケートは不当】
     /橋下市長、完敗「大変申し訳ない。謝罪しなければ」』…によると
     「…と陳謝した。…今後も組合に対するチェックを続ける考えを示した」
     ようだ。東京新聞のコラム「筆洗」曰く 「朝令暮改」だそう。
     「謝る時の潔さもこの人の魅力なのかもしれない、と書こう
     と思っていたら、夜になったら前言を撤回していた。まさに朝令暮改。
     なんとも感情的に流れる人である」」
    《▼大阪市が昨年二月、全職員を対象に実施した「思想調査」に対し、
     大阪府労働委員会が「組合活動に対する支配介入だった」と判断した
     のは一昨日の午前中だった。…▼かつて小欄で「いくら問題の多い役所
     としても、密告を奨励するアンケートを強行する人権感覚には
     慄然(りつぜん)とする」と書いたが、その意見は変わらない。
     潔く謝ったのは演技だったのだろう。批判されて乱れるような
     安っぽい演技なら、しないほうがよかった》

   『●大石あきこ氏のつぶやき…〝文通費〟を《吉村知事。…飲みしろに
     使ったんですか? 「ブーメラン反省」では済まない大問題ですよね》
   『●《「ブーメラン反省」では済まない大問題》を《男性アナウンサーは
      吉村知事が自己申告したことを「潔いというか」と紹介する始末》
   『●「れいわ新選組にビビるゆ党」お維の大阪「ト」知事三代…
     《「ブーメラン反省」では済まない大問題》等々を騒がないマスコミの皆さん
   『●大阪市長がお維議員30人と焼き鳥屋で《反省会》…「ルールに従え
     ないなら、組織を出るべきだと思う」by 松井一郎元大阪「ト」知事
   『●《足立議員は…「…」を犯罪者集団であるかのように取り上げ、
     「破防法を適用すべき」とまで主張…だったら、まず維新に適用すべき》
   『●お維の大阪府と包括連携協定の下足番広報紙…《メディアの役割は
     府政の監視をし、その政策を客観的・批判的な視点から報じること》
   『●数多のお維案件の中でもかなり醜悪な一つ ――― リコール署名偽造
     事件《指示系統や資金の流れなどは依然としてつまびらかではない》

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https://lite-ra.com/2022/01/post-6152.html

橋下徹は盟友・石原慎太郎から「ヒトラーに該当」と称賛されていた! 高須院長に協力の吉村、優生思想の松井、維新議員に反論の資格なし
2022.01.25 10:12

     (橋下徹公式Twitterより)

 テレビに出まくっては維新のPRに勤しんでいる“維新の創業者”である橋下徹氏について、立憲民主党の菅直人・元首相が「弁舌の巧みさではヒトラーを思い起こす」と指摘した件で、橋下氏をはじめ、維新代表の松井一郎・大阪市長や副代表の吉村洋文・大阪府知事が猛反発、「立憲は謝罪しろ」とがなり立てている

 しかも、本日国会でおこなわれた衆院予算員会では、質疑に立った維新の足立康史衆院議員が、政府のコロナ対策よりも先にこの問題を取り上げ、「国際社会だったらアウトだ。許せない。今日か明日にでも泉健太代表に抗議文を出す」「こうした野党のひどいレッテル貼り、印象操作、デマが国益を毀損してきた」などと騒いだのだ。予算委員会は政府の施策や考えをただす場だというのに、その貴重な時間を使って野党攻撃を繰り出すとは、まさしく維新は「税金泥棒にほかならない

 いや、それ以前に「レッテル貼り」「印象操作」「デマ」と批判されるべきは、橋下氏や松井氏、吉村氏らがまくし立てている反論のほうだ。事実、彼らの反論はことごとく筋違い・的外れであるだけでなく、「お前が言うか」というものばかり。せっかくなので、いかに橋下・松井・吉村の三者がアホ丸出し・恥知らずな反論をしているのかを順番に指摘していこう。

 まず、発端となった21日の菅氏のツイートは、以下のようなものだった。

〈橋下氏をはじめ弁舌は極めて歯切れが良く、直接話を聞くと非常に魅力的。しかし「維新」という政党が新自由主義的政党なのか、それとも福祉国家的政党なのか、基本的政治スタンスは曖昧。主張は別として弁舌の巧みさでは第一次大戦後の混乱するドイツで政権を取った当時のヒットラーを思い起こす。〉

 そして、この菅氏のツイートに対し、橋下氏は23日にこのような反論をおこなった。

〈ヒットラーへ重ね合わす批判は国際的にはご法度。こういうことを平気でやるのは京都大学の藤井聡氏のような非常識な学者。まあ今回は弁舌の巧みさということでお褒めの言葉と受けっておくが。それよりも強い野党を本気で作る気があるなら、大阪では自民に圧勝している維新政治を謙虚に研究すべき。〉

 「ヒトラーへ重ね合わす批判は国際的にはご法度」……!? これ自体が噴飯ものの主張なのだが(詳しくは後述する)、その前に、この橋下氏の態度は完全なダブルスタンダードなのだ。

 じつは、橋下氏をヒトラーに重ね合わせて論評したのは菅氏がはじめてではない。 “ナベツネ”こと渡邉恒雄・読売新聞グループ本社代表取締役兼主筆も「文藝春秋」2012年4月号に寄稿した文章のなかで、「選挙はある種の白紙委任」という橋下氏の発言を取り上げて、〈私が想起するのは、アドルフ・ヒトラーである〉と指摘している。

 また、自民党総裁だった谷垣禎一氏も2012年、橋下氏率いる大阪維新の躍進を受けて「政党政治が駄目だということで昭和10年代に日本で軍部が出てきた。ヒトラー、ムソリーニが出てきた時もそういう雰囲気だったのだろう」と、維新とヒトラーの共通性を指摘している。

 このナベツネや谷垣氏の「ヒトラー」発言に対しても、橋下氏は今回と同様に反論をしていたが、じつは、同じようにヒトラーにたとえられながら、なぜか反論した形跡のない相手がいる。

 それは、石原慎太郎・元東京都知事だ。橋下氏と石原氏はまさに盟友で、2012年の衆院選では石原氏率いる「太陽の党」が橋下氏の「日本維新の会」に合流(その後分裂)したほどだったが、その石原慎太郎は2014年の政界引退会見において将来の総理候補として橋下氏の名前を挙げ、「彼は天才」「あんなに演説のうまい人は見たことない」「彼の演説のうまさ、迫力っていうのは若いときのヒトラーですよ」「ヒトラーの伝記を読んでもそうだけどね、彼に該当する政治家だね、橋下徹ってのは」と発言した。

 石原氏が橋下氏をヒトラーに重ね合わせて称賛したことは、当時、多数のメディアで取り上げられた。

 ところが、このときの橋下氏は、今回の菅氏への対応とはまったく違っており、石原氏の発言に対して表立って反論をおこなった形跡がまったくないのだ。

 ようするに、橋下氏が今回、菅直人に「国際的な御法度」などと噛み付いたのは、自分への批判として「ヒトラー」に重ね合わされたからであって、「ヒトラー」を褒め言葉として使われていた場合は、それになんの文句も言っていないのだ。これぞダブルスタンダードというやつではないか。


橋下徹は自身を批判する学者に「お前の顔の方が安もんのヒトラーだろ!」と攻撃した過去

 しかも、橋下氏は自身が過去に他者をヒトラー呼ばわりしていたこともある。今回、橋下氏は菅氏への反論で「こういうことを平気でやるのは京都大学の藤井聡氏のような非常識な学者」と書いていたが、橋下氏は2017年2月18日のツイートで、こう藤井氏を批判していたのだ。

〈僕のことをヒトラー呼ばわりしておいてお前の顔の方が安もんのヒトラーだろ!お前の家には鏡がないのか!〉

 橋下氏は相手が先に「ヒトラー」を持ち出してきたからだと主張するかもしれないが、「国際的な御法度」と言うなら、反論で使うのももちろん御法度だ。しかも、橋下氏の場合は政策や思想批判ではなく「お前の顔の方が安もんのヒトラー」などと容姿差別として使っている。これでよくもまあ「国際的な御法度」などと言えたものである。

 というか、そもそも、橋下氏がわめいているこの「ヒトラーにたとえるのは国際的にはご法度」というロジック自体がインチキきわまりないのだ。

 橋下氏はあたかも菅直人元首相が差別用語を使ったかのように語っているが、あらためて指摘するまでもなく、国際社会で「ご法度」となっているのは、ヒトラーや戦前のナチスドイツを肯定・正当化したり称賛・美化すること。今回のように大衆扇動や思想統制、優生思想、独裁などに警鐘を鳴らす際、ヒトラーやナチスに喩えることは国際的にしょっちゅうおこなわれていることであり、当然ながらそれは正当な批判・表現で、御法度でもなんでもない。

 むしろ「国際的にもご法度」なのは、前述した石原慎太郎のような評価・称賛すべきポイントとしてヒトラーやナチスを持ち出した場合だ。しかも、石原氏は橋下氏をヒトラーになぞらえた際、ドイツ大使館にいた外交官が「ヒトラーが若いときにやったことは間違っていなかった。素晴らしかった」と言っていたという話を語った上で、「ユダヤ人を偏見で虐殺したことは許せないけど、私はその言葉を是とする」と述べ、その上で“橋下氏はヒトラーに該当する政治家”と評価したのだ。

 これこそまさに「国際的にもご法度」な問題発言だが、前述したように橋下氏はこのとき、石原氏がヒトラーを肯定するという大問題発言をしでかした上で自分をヒトラーに重ね合わせられたというのに、そのことに何も反論・批判していない。そればかりか、橋下氏はこんな「国際的にもご法度」な人物と同盟を組んでいたのである。

 いや、それどころか橋下氏には、ナチス・ドイツを評価する「国際的にもご法度」な発言を擁護したことさえある。

 2013年に当時の麻生太郎副総理が「憲法はある日気づいたらワイマール憲法が変わって、ナチス憲法に変わっていたんですよ。誰も気づかないで変わった。あの手口を学んだらどうかね」と発言。ユダヤ人権団体のサイモン・ウィーゼンタール・センター(SWC)が抗議声明を発表したほか、ドイツの有力紙・ヴェルトも「日本の副首相、ナチスの戦術を称賛」という見出しで報じるなど海外にも波紋が広がったが、なんと、このとき橋下氏は「行き過ぎたブラックジョークだったのではないか」「政治家だとこういった批判は出るが、エンターテインメントの世界ならいくらでもあるなどと麻生発言を擁護してみせたのだ。

 「ナチスの手口を学べ」という発言は冗談で済むようなものではなく、これこそまさにナチス・ドイツを評価する「国際的にもご法度」な発言にほかならない。にもかかわらず橋下氏は「ブラックジョーク」「エンターテインメントの世界ならいくらでもある」などと庇ったのである。当然、この擁護発言に対しても、SWC幹部であるエイブラハム・クーパー氏は「ブラックジョークとして扱ってはならない事柄がある」「私は30回以上、日本を訪問したが、原爆を投下された広島と長崎の人々の苦しみが冗談にされているのを聞いたことがない」と批判をおこなった。


ヒトラー礼賛を繰り返す高須克弥院長を一切批判せず、ファンアピールする吉村洋文知事

 自分はヒトラー礼賛の政治家と組んだり、ヒトラー礼賛言説を擁護しておきながら、批判としてヒトラーに喩えられた途端、ありもしない「国際的にも御法度」などという言葉で反撃する──。まさに橋下氏らしい詐欺的手口といえるが、しかし、こうした棚上げインチキ反論は、松井氏や吉村氏、維新も同様だ。

 松井氏は22日に〈誹謗中傷を超えて侮辱〉と怒りのツイートを投稿し、吉村氏も24日に会見で「どういった人権感覚を持っているのか。これが許されるのであれば何でもありになる」などと噛み付いたが、よくもまあ言ったものだ

 というのも、吉村氏はこれまで、ナチス・ドイツを礼賛する人物を咎めることもなく、むしろ懇意の間柄をさんざんアピールにしてきたからだ。

 「ナチスドイツを礼賛する人物」というのは、言うまでもなく高須クリニックの高須克弥院長のこと。高須院長といえば、〈ナチスが消滅してもナチスの科学は不滅〉〈南京もアウシュビッツも捏造だと思う〉などとナチス肯定や歴史修正のツイートを繰り返してきたが、吉村知事は高須院長から応援されるたびに「高須院長、ありがとうございます!」と応答するだけでなく、高須院長の顔がプリントされた枕を購入した際にはわざわざ動画まで付けて〈高須先生の枕をゲットした、なう〉〈大阪でも販売期待、なう〉などと発信。高須院長が入院したときにはカレーパンを差し入れしたり、誕生日には今治タオルをプレゼントしたり、その交友関係をTwitterで明かしてきた。

 さらに、後に不正が発覚した愛知県の大村秀章知事のリコール運動では、吉村知事はおおっぴらに「賛同」を表明して〈応援してますとエールを送り、〈口だけでなく信念に基づいて現実に動く高須先生に敬意です〉などと投稿していた。

 石原氏の発言同様、高須院長の〈ナチスが消滅してもナチスの科学は不滅〉〈南京もアウシュビッツも捏造だと思う〉などという主張は、それこそ紛れもない「国際的にもご法度」な発言であることは論を俟たない。事実、2017年には、高須院長のナチス礼賛投稿をSWCが問題視し、アメリカの美容外科学会に高須院長を会員から追放するよう要請。イスラエル大手紙のエルサレム・ポストが報じ、世界的な市民メディアであるグローバル・ボイスも高須院長の問題ツイートを大々的に取り上げた。しかし、国際的にも問題になったこれらの投稿について謝罪も撤回もしない高須院長との間柄を、吉村氏は隠そうともせず、逆にアピールに使ってきたのだ。

 水道橋博士は昨日24日、吉村氏と松井氏を批判する投稿を引用リツイートし、〈まずこの人と共闘していた高須医院長がどれほどのヒトラー礼賛を繰り返したのか、誰か教えてあげて欲しいし、橋本徹が石原慎太郎に「ヒトラーの再来」のように称賛されても抗議しなかったことを教えてあげて欲しい〉(原文ママ)とツイートしたが、まさにそのとおりとしか言いようがないだろう。


維新はグロテスクな優生思想でもナチスと共通 「人工透析患者を殺せ」発言の長谷川豊を擁立したことも

 いや、それだけにとどまらず、松井氏や馬場伸幸幹事長など維新の面々は、これまで度々ナチスに通じるグロテスクな優生思想を全開にしてきた、「人権意識」の欠片もない連中だ。

 実際、維新の松井代表は、「自業自得の人工透析患者なんて、全員実費負担にさせよ!無理だと泣くならそのまま殺せ!」という暴論を振りかざした元フジテレビアナウンサーの長谷川豊氏を2017年の衆院選で擁立し、2019年の参院選でも公認(のちに部落差別発言で公認辞退)。また、京都でALS患者の女性が元厚労省医系技官ら2名の医師によって殺害された事件が発覚した際は、松井氏は〈維新の会国会議員のみなさんへ、非常に難しい問題ですが、尊厳死について真正面から受け止め国会で議論しましょう〉などと呼びかけ、馬場幹事長も、ALS患者であるれいわ新選組の舩後靖彦・参院議員がこの事件を受け〈「死ぬ権利」よりも、「生きる権利」を守る社会にしていくことが、何よりも大切です〉といった声明を出したことに触れ、議論の旗振り役になるべき方が議論を封じるようなコメントを出している。非常に残念だ」などと非難。松井代表と馬場幹事長は「尊厳死」の名を借りて「命の選別」をしようという本音をダダ漏れにさせたのだ。

 その上、松井氏にいたっては、2016年に沖縄県の高江で進められていた米軍ヘリパッド建設工事で大阪府警から派遣されていた機動隊員が反対派市民に対し「触るな、土人が」と差別に基づいた暴言を吐いたことが問題となった際、〈表現が不適切だとしても、大阪府警の警官が一生懸命命令に従い職務を遂行していたのがわかりました。出張ご苦労様〉などと投稿。「土人」というあからさまな差別語を投げつけたことが問題になっていたにもかかわらず、知事だった松井氏はわざわざ機動隊員を労うという差別の肯定と受け止められる言動に出た。

 こうした「人権意識」が徹底して欠如し、差別を差別とも思わず、ナチスを肯定する歴史修正主義者と手を結び、沖縄の市民を「侮辱」してきた維新の政治家たちが、「誹謗中傷を超えて侮辱」だの「どういった人権感覚を持っているのか」だのと反論するとは……。「どういった人権感覚を持っているのか」「誹謗中傷を超えて侮辱」と批判されるべきは、あきらかに自分たちのほうではないか。

 しかも、今回、菅直人は橋下氏の「弁舌の巧みさ」をヒトラーに喩えたが、橋下氏や維新のナチス・ヒトラーとの共通性はそれだけではない。下氏が政治家として実行してきた「思想統制」はヒトラーとそっくりであり、そのことは随時指摘されてきた。

 

 たとえば、橋下氏は大阪市長時代の2012年、市職員に対する政治・組合活動にかんする“思想調査”アンケートを市長の業務命令として実施。これは労働組合への参加の有無や、組合や演説会に誘ったのは誰かなどの回答を求めるという人権無視・内心の自由を奪おうとする明白な憲法違反のシロモノだったが、なんと橋下氏はこのアンケートに回答しない場合は処分の対象になり得ると強制までした。無論、この思想調査に対しては抗議・反対の声があがったが、民主法律協会、連合大阪法曹団、自由法曹団大阪支部などの法律家8団体がおこなった集会では、浦部法穂・神戸大学名誉教授が橋下氏や大阪維新とナチス・ヒトラーの酷似点を指摘していた。

 また、橋下氏は市職員に入れ墨を入れているか否かを申告させるというプライバシー侵害も甚だしい調査もおこない、回答を拒否した職員を戒告処分にするなどという暴挙に出たこともある。さらには、公立校の行事で教職員に「君が代」の起立斉唱を義務付ける条例を大阪府・大阪市で施行した結果口元チェックまでおこなわれる状況になった

 このように、権力で押さえつけ、数の力でやりたい放題という橋下氏の政治は、まさしくヒトラーによるファシズムに通じるものであり、実際、入れ墨処分問題については、米ワシントン・ポストが2012年5月23日付記事で、前出の渡邉恒雄の言葉を引用するかたちで「アドルフ・ヒトラーを想起させる」と指摘している。

 そして、吉村知事、松井氏、維新という政党に所属している議員たちもこの橋下的な恐怖支配と大衆扇動の政治を完全にトレースし、優生思想を平気で振りかざすような言動まで繰り返してきた

 ようするに、橋下氏の政治家時代の政治手法、その後の維新の体質を見れば、「弁舌の巧みさはヒトラーを思い起こす」どころか、「ヒトラーそっくりの独裁手法」「維新の優生思想や排外主義はナチス・ドイツばり」と指摘してもいいレベルなのだ。

 ところが、橋下氏や松井氏、吉村氏をはじめとする維新の連中は、この正当な批判・批評に対して「国際的にもご法度」などというあきらかなデマを垂れ流し、完全にブーメランな「どういった人権感覚を持っているのか」「誹謗中傷を超えて侮辱」「ひどいレッテル貼り、印象操作、デマ」などと喚き立てている

 まん延防止等重点措置の適用要請で後手に回り、爆発的な感染拡大を招いた政治責任をごまかすためなのかは知らないが、詐欺的手口にほどがある。これ以上、維新の連中に騙されないためにも、「維新はヒトラーに喩えられても仕方がない人権侵害集団だ」と言い返していく必要があるだろう。

(編集部)
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●沖縄タイムス《自衛隊と米軍が、台湾有事を想定した新たな日米共同作戦計画の原案を策定…南西諸島に臨時の攻撃用軍事拠点を置く…》

2022年01月20日 00時00分14秒 | Weblog

[※ ↑ 【「空からの写真は一目瞭然」埋め立て進む辺野古の海 ドローンで監視する技術者の思い】(沖縄タイムス21.12.14、https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/879026)]


// (2021年12月30日[木])
マガジン9のコラム【三上智恵の沖縄〈辺野古・高江〉撮影日誌 第106回:宮古島にミサイル搬入と沖縄各地で加速する要塞化の動き】(https://maga9.jp/211222-3/)。

 《「今年のオリンピックが終わったら国内は一気にキナ臭くなる」と、私は去年の今頃から言い続けてきたが、果たしてそれは現実になってしまった。少なくとも私の住む沖縄をはじめ南西諸島は、格段に空気が変わってきた。11月の沖縄県内紙は、連日自衛隊の動きがトップを飾った。今回、これから主にリポートする宮古島への自衛隊ミサイル本体の搬入のみならず、自衛隊の大規模演習や米軍の参加、県内に次々と新しい基地拠点を増やす動きが明るみになった。数日前のシンポジウムでは「沖縄を戦場にしない県民の会」結成が呼びかけられるなど、決して大げさではなく「戦争前夜の危機」が叫ばれるようになってしまっている。一番問題なのは、それが全く、的確に報道されていないこと断片的で全体像が伝わってないこと。マガジン9読者の皆さんのように平和を巡る情報に敏感な人たちでさえも、相当独自に情報を取りにいかない限り、南西諸島の要塞化が何をもたらすのかイメージできないと思う。私自身の発信も弱いことも反省しつつ、今回はこの間の動きをまとめておきたい》。

   『●4野党の共通政策は《米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の
     新基地建設中止》…自公お維に投票=《人柱》を許容することを意味する
   『●N値がゼロ、工期と費用は「∞」…今日もドブガネし、
       ジャブジャブと大量の土砂を美ら海にぶちまけている
   『●あとの祭り…自公お維政治屋は《民を飢えさせない、安全な食べ物の
      供給、そして絶対に戦争をしないことが政治家の役目》を担い得ない
   『●沖縄タイムス《大浦湾…2015年4月…「土木的問題が多い地層が
     厚く堆積している」…「長期の沈下が考えられる」と施工上の懸念も》
   『●《日本全土を米軍の鉄砲玉として…》…【解決策ない辺野古の軟弱地盤
         できもせぬ基地建設で翻弄する一方、日本全土の基地化が進行】
   『●《沖大東島での実弾射撃、宮古島のミサイル部隊による対艦攻撃、
     電子戦部隊配備計画がある与那国島での電子戦などの各訓練が展開》
   『●《SACO合意とは、事件に対する沖縄県民の怒りをはぐらかし、沖縄の
      中で基地をたらいまわしする欺瞞でしかなかった》(目取真俊さん)
   『●本土と沖縄を一緒にするなとでも? 《…燃料タンクと数十センチの
      水筒という落下物によって事故の重大性を比較するのは無意味だ》
   『●無謀な辺野古破壊開始から3年…たとえ万に一つも新基地が完成しても、
       普天間飛行場は返還されることは無く、辺野古は単なる破壊「損」

 《弾薬庫は置かない》…平気で嘘つくよなぁ。ことごとく約束は反故にされ、市民はバカにされていて、やはりコンナモノを受け入れてはいけなかった。
 《虚偽説明》《だまし討ち》。《軍服》を着た集団が島民を分断、市民の内心をかき乱す。《石嶺香織さん…「…憲法に戦力は持たないと掲げているのに、こんな矛盾を子どもに説明できない。矛盾の最前線に立たされてしまった」》。宮古島に「標的の島」を押し付け。《石嶺香織さん…「…沖縄戦の記憶から弾薬庫が真っ先に攻撃されるのは明らか再び島が標的にされる」と訴える》。《敵の弾薬庫を狙わない作戦などない》…標的。《火器がある場所は必ず標的になる》。

   『●与那国島や石垣島、《沖縄は名護市辺野古だけでなく、
          宮古島もまた国防のために政府に翻弄されている》
   『●虚偽説明…《宮古島では、島民の基地負担は
      ますます重くなっている。政府がやってるのはいじめそのもの》
   『●沖縄イジメ…《この74年間、沖縄戦以来、陸兵が軍服を着て
            宮古島を闊歩する姿など誰も見たことはない》
    「マガジン9の記事【三上智恵の沖縄〈辺野古・高江〉撮影日誌 
     第90回:島の色が変わった日 ~宮古島に陸上自衛隊がやってきた~】」
    《この74年間、沖縄戦以来、陸兵が軍服を着て宮古島を闊歩する姿など
     誰も見たことはない。だが軍事基地の島になることを望まない住民らの
     あらゆる抵抗も状況を止めることはできず、ついに陸上自衛隊始動の日が
     来てしまった》

   『●《弾薬庫は置かない》…平気で嘘つくよなぁ。ことごとく約束は
     反故にされ、市民はバカにされていて、やはり受け入れてはいけなかった

 《標的》…《基地を置くから戦争が起こる》(島袋文子さん)。
 沖縄タイムスの記事【南西諸島に攻撃拠点 米軍、台湾有事で展開 住民巻き添えの可能性 日米共同作戦計画原案】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/884619)によると、《自衛隊と米軍が、台湾有事を想定した新たな日米共同作戦計画の原案を策定したことが分かった。有事の初動段階で、米海兵隊が鹿児島県から沖縄県の南西諸島に臨時の攻撃用軍事拠点を置くとしており、住民が戦闘に巻き込まれる可能性が高い》。

   『●《8月ジャーナリズム》と《沖縄にとって戦争は遠い昔話ではない。
     沖縄は、今も一年中、戦争の延長線上を生きている》(大矢英代さん)

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https://maga9.jp/211222-3/

三上智恵の沖縄〈辺野古・高江〉撮影日誌
第106回:宮古島にミサイル搬入と沖縄各地で加速する要塞化の動き三上智恵
By 三上智恵 2021年12月22日


https://youtu.be/zwrFounRiac

 「今年のオリンピックが終わったら国内は一気にキナ臭くなる」と、私は去年の今頃から言い続けてきたが、果たしてそれは現実になってしまった。

 少なくとも私の住む沖縄をはじめ南西諸島は、格段に空気が変わってきた。11月の沖縄県内紙は、連日自衛隊の動きがトップを飾った。今回、これから主にリポートする宮古島への自衛隊ミサイル本体の搬入のみならず、自衛隊の大規模演習や米軍の参加、県内に次々と新しい基地拠点を増やす動きが明るみになった。数日前のシンポジウムでは「沖縄を戦場にしない県民の会」結成が呼びかけられるなど、決して大げさではなく「戦争前夜の危機」が叫ばれるようになってしまっている。

 一番問題なのは、それが全く、的確に報道されていないこと断片的で全体像が伝わってないこと。マガジン9読者の皆さんのように平和を巡る情報に敏感な人たちでさえも、相当独自に情報を取りにいかない限り、南西諸島の要塞化が何をもたらすのかイメージできないと思う。私自身の発信も弱いことも反省しつつ、今回はこの間の動きをまとめておきたい。

 まずは11月14日、ついに宮古島に運び入れられてしまったミサイルを巡る状況を動画で見て欲しい。元ゴルフ場だった千代田地区で宮古島駐屯地が2018年に動き出し、島の南東端に作られた大規模な弾薬庫を擁する「保良訓練場」が今年ほぼ完成したと言っても、ミサイルはまだ島に入っていなかった。もう入れ物ができているのだから時間の問題では、とか、島のリーダーが自衛隊基地建設を容認してきたのだから仕方ないのでは、といった冷めた見方もあるかもしれないが、少なくとも住宅地から250mという距離に大量の弾薬が置かれる保良や七俣という集落は、一貫して弾薬庫の受け入れを拒否してきた。島の活性化や安全などの理由で賛成する人たちが人口の密集する地域に多くいるからと言って、島の人は賛成していると外から言われるのは暴論だ

 弾薬庫は有事の際、真っ先に敵の攻撃目標になる。しかも、それだけではない。人為的なミスで暴発した場合、大惨事になる。保良の弾薬庫でその安全基準が守られていないことに対する住民の質問にも一切答えていない。保良では実際、戦前に大事故があった。日本軍が弾薬を保管していた場所で暴発が起き、兵士のみならず幼い子どもたちが爆死しているのだ。そんな恐怖を体験した地域に、再び弾薬と共に生活しろと強いるのは誰なのだろう。誰を守るために、誰が進めていることなのだろう?

 14日の早朝、まだ暗いうちにミサイルを積んだ戦車揚陸艦「しもきた」が、平良港の沖合に姿を現した。港のゲートではミサイル積載車を市街地に入れまいと抗議する市民がすでに集まっている。警察車両も待機している。突堤の先では、いつも石垣島で自衛隊基地を監視している男性が、黒く巨大な自衛艦が迫ってくる様子を撮影していた。近寄っていくと、目に涙を滲ませていたので、しばし言葉を失う。

 「覚悟して来たけど、悔しい。私たちのくらしは、なぜこんなにないがしろにされるのか?

 絞り出すような声で言った。宮古島でも石垣島でも、この6年、必死に反対してきた人々の存在がある。地道に集会を持ち、議会に要請したり、署名を集めたり、裁判に訴えたり、ありとあらゆる民主主義的な手段で、一日でもこんな日が来ることを遅らせようと努力を重ねてきたことを見てきただけに、私も胸がかきむしられるような思いだった。踏ん張っている石垣島が最も工事を遅らせているが、石垣島での駐屯地の造成工事もかなり進んできた。基地が完成し、弾薬が運び込まれる今日の宮古島の姿は、明日の石垣島なのだ。

 9時前、接岸した「しもきた」から危険物を搭載したことを示す「火」のマークを付けたトレーラーが姿を現した。間もなくミサイル積載車15台と、前後の自衛隊車両合わせておよそ40台の車列が整い、港のゲートが開く。宮古島市の職員がゲートを守るように立ちふさがる。自衛隊の車列の先頭は、桜のマークを付けたジープで、中にいる二人の若い隊員がマイクを握り、警告した。

 「通行の妨げになっています。危ないので道をあけてくださーい」。のっぺりとした声で繰り返す。

 これには既視感がある辺野古で、高江で、抵抗する県民に向かって防衛省の役人がメガホンで「道路に座り込む行為は、大変危険でーす」と壊れたレコーダーのように繰り返す光景。実際に人々を排除するのは機動隊だ。しかし、あれとは違う。一瞬、見慣れた構図のようだが、これは全然違う局面を迎えたのだと気づいた。迷彩服を着てミサイルを携えた軍人が、直接島の人たちに「そこをどけ」と言っているのだかつて国防の名のもとに島々に有無を言わせず乗り込んできた日本の軍隊が、どうやって島民の生活を破壊し、命の危機に陥れたかそれと同じ構図が今、再現されているのだ

 

 今回、直接座り込む人々に手をかけて排除したのは沖縄県警であるが、今後自衛隊員はミサイルを発射するキャニスターを備えた車両で島内を走り回り、撃っては移動するという訓練を繰り返すことになる。そんな島の道路を進む先々に、もし抵抗する住民がいたら、毎回毎回警察に来て排除してもらえないだろう。その次は直接、自衛隊員が抵抗する住民を引きずって道をあけさせるだろう。有事には、作戦を優先する自衛隊員と足手まといになる住民という、沖縄戦と何ら変わらない構図に陥ってしまう

 「説明もないままですか? せめてどれだけの火薬を持ち込むのか説明してください。お願いしているんです!」

 「警察のみなさーん。私たちは島の平和を守りたいだけ。暮らしを守りたいだけ。わかってくれますよね?」

 港に体を投げ出した人たちは口々に訴えるが、機動隊が一人ずつ排除していく。そこには、お母さんと小学生の娘の姿もあった。それは自衛隊ミサイル基地に反対してきたお母さんたちのグループの楚南有香子さん親子だった。

 車で待っていてもいいよ、という有香子さんと娘のやり取りがあり、最初は車の周りで遊んでいた娘さんだったが、座り込みが緊迫してくると自分からお母さんの隣に座った。ゲートが空き、排除が始まると、あまりの怖さに泣き出す場面もあった。それを見ていた、ミサイル車両の運び込みを見物している男性がヤジを飛ばした。

 「こんなところに子どもを連れて来て、泣かして。子どもを泣かせるな!」

 すると、泣いていた娘さんが彼に向かって堂々と言った。

 「お母さんが私を泣かしたんじゃない。あれが泣かしたんだ!

 そう言って自衛隊の車列を指さした。

 子どもを政治的な場に連れてくるなという、一見正当に聞こえる批判が沖縄の抵抗の場に何度も投げかけられてきたが、批判の主は、立ち上がらなければならない状況に置かれたことも、また人のために居ても立っても居られない気持ちで、衝突が起きるようなしんどい現場と知っていて出かけたこともない、何もしない人に違いない。そもそも政治的な場に行かないということ自体が政治的である。子どもに政治の実態を見せないということも悪質に政治的である。

 判断能力もない子どもを洗脳する云々と言うが、親はいつも判断能力のない子どもを連れて社会で生活をするものだし、子どもは親の背中を見て真似をして育つ。親のすることを理解しようとして社会を学ぶ。この娘さんは、私の知る限りかなりの時間、島の平和や子どもたちの未来を守るために、と街で訴え、ビラを配り、寝る時間を削って資料を作るお母さんを見てきている。その結果が、このミサイルが入る日なのだと十分わかっている。お母さんがどんな気持ちでその日を迎えたのか、十二分にわかっていたと思う。だから、怖くて携帯電話を見る格好をしながらでも、お母さんの側にいてあげようとしたのだと思う。それが虐待だろうか?

 デモが傍らを通っても知らないふりをし、困っている人たちのSOSにも関心を持たない親であれば、子どももどう関わっていいのかを学ぶ機会を奪われるし、政治的なことは黙殺するに限る、という親の生き方を身に着けるだろう。それは社会に関わらない、という政治的な姿勢を植え付けていることになる。いつか守りたいものができた時に、状況にひるまず闘う大人たちの姿を見たことがあるかないかが、その若者の行動を左右するだろう。そういう意味では、沖縄の子どもたちは周りに頑張る大人たちをたくさん見てきているという点において、どの地域よりもたくさんの財産をすでに貰っている。少なくとも私はそういう親子や、世代が交替し、若い人が力をつけていく場面をたくさん見てきた。誰にも奪われない財産が受け継がれていく瞬間を、見てきた。

 車列は昼過ぎには保良訓練場に到着し、ゲート前で抗議の声をあげる人々を越えて弾薬庫の側に収まって行った。保良の男性は言った。

 「いつも数人で、ゲート前で抗議したり監視したりしてきた。でも今日はこんなにたくさんに人が来てくれて心強い。これからまた反対、頑張ろうと。そういう気持ちになった」

 運び込まれて終わりではない。これ以上火薬を入れない。今あるものを撤去させる。防衛省の戦略を変更させてでも、宮古島の基地を使わない方向に持っていく。次々に目標を定めて抵抗する。諦めれば、さらにすごいものを押し付けられかねないのだ強い抵抗がなかった奄美大島では、自衛隊がライフル銃を携行して民間地で移動訓練をするまでになった。短期間で島の空気は一変した。落胆して終わりにすることも許されない厳しい状況だからこそ「勇気をもらったから続けられる」という言葉が出てくるのだ。

 オリンピックが終わり、岸田政権になってみると、この国はいきなり台湾有事ありき」「敵基地攻撃能力保持は急務」の路線を爆走し始めた。安倍元総理の台湾有事は日本有事」発言にメディアが大騒ぎしていないことにも驚く。「台湾有事」とは、一義的に中国と台湾の問題である。即座に日本が米軍と共に武力で呼応するのが相当であると国民にすり込むのはやめてもらいたい。それは、日本列島にミサイル防衛網を作ることで中国をけん制するという現在の日米の作戦上、必ず日本国土を戦場にすることになる。言い換えれば、「台湾有事には、日本を戦場にしてでも参戦すると宣言しているに等しいとんでもない

 そんな危うい空気の中で、9月~11月は陸自10万人を動員した大規模訓練が実施された。「南西諸島有事」つまり沖縄あたりが戦場になったことを想定して、それに対応する移動・輸送・後方支援の訓練が、全国各地で民間輸送機関や港湾施設も巻き込んで実施されたのだ。いよいよ尖閣あたりで何かあるのか? という空気が滲み渡っていくのは怖いことだ

 11月19日からは、陸海空の自衛隊員3万人が参加する自衛隊統合演習も実施された。この訓練には米軍5800人も参加。米軍主体の日米軍事演習に自衛隊が参加することはあったが、自衛隊の訓練に米軍が参加する形は初めてだ。それは、日本有事には自衛隊主体で対応すると内外に意思表示したに等しい。もちろん米軍がバックにいることが前提ではあるが、今沖縄にいる海兵隊は、来年度までにEABO(遠征前方基地作戦)に対応するMLR(海兵沿岸連隊)に再編され、「島々に分散型の拠点を配置して中国のミサイル影響下で機動性に富んだ作戦を展開するという方向」にシフトした。つまり、今南西諸島にある、固定された大型の基地は中国のミサイルによってハチの巣にされかねないので、そこは自衛隊に任せて、米軍は臨機応変に太平洋の島々を拠点に戦うということだ。

 だから、この統合訓練でも離島奪還を想定した水陸両用作戦に力点が置かれ、同時に自衛隊は、中城湾港や石垣港といった民間地を訓練に使った。動画にもある通り、普段は釣り人が行き交うようなのどかな中城湾港に、装甲車を含む80台もの自衛隊車両が次々と民間の輸送船から繰り出される光景は、まるで映画の撮影でも見ているように現実離れしていた。

 そして本部町の八重岳というお花見の名所で知られる山にも、自衛隊の車列が登ってきて大騒動になった。八重岳はかつて日本軍が陣地を置いていたため北部で最大の激戦地になり、2週間で700人近い兵隊が戦死。また、自衛隊が登ってきた道沿いには、300人の傷病兵が置き去りにされた野戦病院跡もある。戦後、本部町の渡久地政仁町長が、荒廃した八重岳の慰霊と復興の祈りを込めてカンヒザクラを植える運動を呼びかけた。その桜の枝を折るようにして自衛隊車両が通行することに猛抗議をした市民の勢いに負けて、八重岳での電子線訓練を自衛隊は断念した。自衛隊への抵抗が実を結んだ貴重な事例となった。

 しかし自衛隊が沖縄を拠点化する動きは加速している。沖縄本島東側の与勝半島にある米軍のホワイトビーチには、このところ自衛艦が頻繁に姿を現しているが、その近くにある陸自勝連分屯地には南西諸島の四つ目のミサイル部隊が来ることが明らかになり、しかも石垣・宮古・奄美のミサイル部隊を統括する役目を追う。合わせて先島有事の際に物資を送り込む兵站拠点として整備される。隣のキャンプ・ハンセンや、中途半端でも完成したあとの辺野古基地と共に、沖縄本島東海岸が自衛隊の一大拠点になることも見えてきた。

 さらに「屋良覚書」によって国と県の間で民間使用に限定する約束が交わされている下地島空港や、今回訓練で使われた石垣港も自衛隊の拠点にする意向も明らかになった。ここまでの動きに対して、報道も追いついていないし、沖縄の平和運動の方も、辺野古やPFOSなどの汚染案件はじめ米軍の問題を多数抱えながらとても手が回らない。しかし、この数年で、沖縄を二度と戦場にしないという当たり前の誓いが、崩されようとしている。少なくとも米軍基地問題と自衛隊問題を分けて考えているようでは、私たちは負ける。

 自衛隊が合憲か違憲かとか、今さらイデオロギー論争に回収される時間はなく、急患輸送や災害救助で助かっているという当然の声も、別次元で感謝し支えて継続していただくとしても、いま問題なのは「自衛隊の是非」ではなく「自衛隊が私たちの住む島々をどう使おうとしているかの問題であって「島々を二度と戦場にしない」ために「今のように自衛隊に私たちの生活の場である山も、空港も、港も訓練に提供し、やがて拠点に変えていかれたらどうなるのかという差し迫った問題にどう向き合うか、ということなのだ。

 今やこの国の国防を巡る方針は激変しており、戦争を避けたいのなら、自衛隊問題に踏み込むと選挙に不利、などと避けて通れない地平まで来ている。だとしたら来年の大事な選挙を抱える沖縄で今、何をしたらいいのか過去の縛りにこだわったり、お互いのやり方を批判し合ったりしている暇などない。皆が不得意な「国防」に真正面から向き合っていく英知がなければ、大げさではなく、私たちの生活の場は、戦場の島に逆戻りしかねないのだ
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●無謀な辺野古破壊開始から3年…たとえ万に一つも新基地が完成しても、普天間飛行場は返還されることは無く、辺野古は単なる破壊「損」

2022年01月19日 00時00分29秒 | Weblog

[※ ↑ 【「空からの写真は一目瞭然」埋め立て進む辺野古の海 ドローンで監視する技術者の思い】(沖縄タイムス21.12.14、https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/879026)]


// (2021年12月30日[木])
沖縄タイムスの記事【「空からの写真は一目瞭然」埋め立て進む辺野古の海 ドローンで監視する技術者の思い】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/879026)によると、《土木技術者で沖縄ドローンプロジェクトの奥間政則さん(56)=沖縄県大宜味村=は、新基地建設が進む名護市辺野古の現場を小型無人機ドローンで空から撮影し、監視し続けている。「多様な生き物がすむきれいな海が、どんどん埋められている現状を多くの人に知ってもらいたい」。専門家としての誇りを胸に、新基地建設に反対し続ける。土砂投入から14日で3年。辺野古で新基地建設反対を貫く住民、条件付きで容認する関係者も、それぞれ胸の内を語った。(北部報道部・當銘悠)》。

 《一目瞭然》、破壊され行く辺野古…無残の一言だ。2021年衆院選、自公お維を直接的・間接的に支持してしまう…、あとの祭りだ。

   『●4野党の共通政策は《米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の
     新基地建設中止》…自公お維に投票=《人柱》を許容することを意味する
   『●N値がゼロ、工期と費用は「∞」…今日もドブガネし、
       ジャブジャブと大量の土砂を美ら海にぶちまけている
   『●あとの祭り…自公お維政治屋は《民を飢えさせない、安全な食べ物の
      供給、そして絶対に戦争をしないことが政治家の役目》を担い得ない
   『●沖縄タイムス《大浦湾…2015年4月…「土木的問題が多い地層が
     厚く堆積している」…「長期の沈下が考えられる」と施工上の懸念も》
   『●《日本全土を米軍の鉄砲玉として…》…【解決策ない辺野古の軟弱地盤
         できもせぬ基地建設で翻弄する一方、日本全土の基地化が進行】
   『●《沖大東島での実弾射撃、宮古島のミサイル部隊による対艦攻撃、
     電子戦部隊配備計画がある与那国島での電子戦などの各訓練が展開》
   『●《SACO合意とは、事件に対する沖縄県民の怒りをはぐらかし、沖縄の
      中で基地をたらいまわしする欺瞞でしかなかった》(目取真俊さん)
   『●本土と沖縄を一緒にするなとでも? 《…燃料タンクと数十センチの
      水筒という落下物によって事故の重大性を比較するのは無意味だ》

 2021年「今年の漢字」は「金(カネ)」。出来もしない新基地にドブガネ。9999万に一つも新基地が出来たとしても、普天間は返還されず、辺野古は単なる破壊「損」だ

 琉球新報の記事【識者51人が辺野古中止求め共同声明 知事の設計変更不承認を支持】(https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1439472.html?utm_source=ryukyushinpo&utm_medium=referral&utm_campaign=carousel)によると、《有識者らでつくる「普天間・辺野古問題を考える会」(代表・宮本憲一大阪市立大名誉教授)は14日、名護市辺野古の新基地建設計画を巡り、玉城デニー知事が決定した埋め立て設計変更の不承認処分を支持する共同声明を発表した》。
 行政不服審査国が「個人」になりすまし、国に救済を求め、国に判断を仰ごうというデタラメだ。

   『●目取真俊さん「裁判所が市民を守る立場にないなら、
     誰が市民を守るのか」!? 法的根拠もあいまいなまま長時間拘束
    《大久保正道裁判長…は、目取真さん側が刑事特別法による
     緊急逮捕は違憲ではないと判断した一審判決を不服とした
     控訴を棄却した…目取真さんは「裁判所が市民を守る立場に
     ないなら、誰が市民を守るのか」と批判し、上告する考えを示した》。

   『●非「地方創生」、「僕」(アベ様)が地方「僕」滅…
        沖縄の民意無視し、しかも再び八百長なその「手」で…
    「不服審査請求など論外だろう。そもそも行政不服審査法
     〈行政庁の処分その他公権力の行使にあたる行為に関する国民の
     不服申し立てについて規定する法律〉(大辞林)であり、一般国民の
     権利救済制度を使うこと自体がおかしいが「個人」になりすまし
     に救済を求めに判断を仰ごうというのだからデタラメ過ぎる
     安倍政権は3年前にも辺野古移設で同様の禁じ手を使っている

   『●辺野古破壊を行政不服審査で強行する暴挙:
     「沖縄防衛局は…「私人」を強調するための偽装工作」
   『●アベ様という「私人」の暴挙…平和の党と共に
      辺野古破壊が目的化し、「目的達成」のためには手段選ばず
    《行政の不当行為に対して国民が不服を申し立てる行政不服審査法」に
     基づく不服審査請求を石井啓一国交大臣(公明党)に行い、裁決が
     出るまで効力を一時的に失わせる執行停止も求めたのだ》

   『●《良心に従い職権を行使する独立した存在》ではない
     大久保正道裁判長である限り、アベ様忖度な「行政判断」が続く
   『●「腐臭を放つ「判決」」と臥薪嘗胆:
     「銃剣とブルドーザー」から「自衛隊と機動隊とヒラメ裁判長」へ
    「いまから、最「低」裁のコールが聞こえる。司法には何の期待
     も持てないでしょうね…。」

   『●辺野古基地サンゴ訴訟、最「低」裁上告棄却…《国が、地方自治体の
      裁量を不当に制限し、地方自治を侵害しているという事実》を無視

 琉球新報の【<社説>辺野古土砂投入3年 「唯一の解決策」ではない】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1439343.html)によると、《米軍普天間飛行場の移設に絡む名護市辺野古の新基地建設問題で、政府が辺野古沿岸部への土砂投入を始めてから14日で3年となった》。
 沖縄の市民の民意を無視して3年。コロナ禍で、巨額なドブガネして土砂をぶちまけ続け、辺野古や大浦湾を破壊し続ける自公お維。

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https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1439472.html?utm_source=ryukyushinpo&utm_medium=referral&utm_campaign=carousel

識者51人が辺野古中止求め共同声明 知事の設計変更不承認を支持
2021年12月15日 05:40
辺野古 新基地建設 設計承認 不承認

 有識者らでつくる「普天間・辺野古問題を考える会」(代表・宮本憲一大阪市立大名誉教授)は14日、名護市辺野古の新基地建設計画を巡り、玉城デニー知事が決定した埋め立て設計変更の不承認処分を支持する共同声明を発表した。環境や法律の研究者らを中心に、国内の知識人51人が名を連ねている。

 声明は、軟弱地盤改良に必要な調査や災害防止の配慮が不足しているなど、公有水面埋立法に照らした設計変更の問題点を指摘し、不承認とした県の判断について法的に見た不承認理由として必要十分と支持した。

 沖縄防衛局が行政不服審査法に基づく審査を国土交通相に請求する県への対抗措置を取ったことに対しても、「きわめて不当と批判し全ての工事を直ちに中止することを求めている

 沖縄側の世話人を務める桜井国俊沖縄大名誉教授は「国内の学者が一つになって玉城知事の不承認を断固支持し、今後の国との法律議論においても専門的な観点からサポートしていく姿勢を表明した」と話した。

 声明は白藤博行専修大教授(行政法)ら各分野の専門家のほか、作家の澤地久枝氏や哲学者の西谷修氏らの連名となっている。
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https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1439343.html

<社説>辺野古土砂投入3年 「唯一の解決策」ではない
2021年12月15日 05:00

 米軍普天間飛行場の移設に絡む名護市辺野古の新基地建設問題で、政府が辺野古沿岸部への土砂投入を始めてから14日で3年となった。

 建設予定地を巡っては軟弱地盤が広がっていることが判明している。政府は地盤に問題があることを把握しながら公にせず、埋め立てに踏み切った。行政手続き上瑕疵(かし)があり、完成も見通せない。普天間の一日も早い危険性除去という前提が崩れている以上、「唯一の解決策」とは言えない。政府は直ちに工事を中止するべきである

 軟弱地盤の改良対応などによって工期は当初想定の5年から約9年3カ月と4年以上延び、米軍が使用するまでに少なくとも12年を要する。

 国の示す総工費は3500億円以上から約9300億円と2.7倍となった。専門家が「マヨネーズ並みの可能性」と指摘する軟弱地盤の状況によっては工費がさらに増す懸念もつきまとう。県は独自の試算で約2兆5500億円となると見込んでいる

 地盤の問題について政府が業者から報告を受けた2015年4月、前年の知事選で初当選した翁長雄志知事と当時の安倍晋三首相が初会談した。翁長氏が建設反対の県内の民意を訴えたのに対し、安倍氏は推進に向けて「丁寧な説明と理解を得る努力をしていく」と強調した。これ以降、政府は軟弱地盤について3年9カ月も隠し続けた

 計画に問題があり、見通しとずれが生じた場合、いったん作業をやめて比較衡量することは当然のことである。これまでの政府の対応にはこうした点が欠落している。もはや、辺野古新基地建設ありきでしかない。

 これをただすべき国会の論戦でこの問題が取り上げられることは減少した。軟弱地盤は海面下約90メートルに達する。政府は同70メートルまでの改良で問題ないとするが、根拠は判然としない。さらに税金が注ぎ込まれることも否定できない。沖縄だけの問題ではない

 サンゴ移植を巡る訴訟では最高裁判事2人が移植を許可しなかった県の主張を認めた。うち一人は「護岸工事という特定の工事のみに着目」して是非を判断することは「『木を見て森を見ず』の弊に陥る」と述べた。完工が見通せない工事を進めることに疑問符が付けられている。

 米シンクタンクの戦略国際問題研究所(CSIS)はことし3月、「完成する可能性は低そうだと実現を困難視する報告書をまとめた

 完成しても沈下や液状化の恐れが残る辺野古新基地である。玉城デニー知事は「完成の見通しが立たず、事実上、無意味な工事と断じた

 岸田文雄首相は移設問題について新基地建設が「唯一の解決策」と従来の政府方針を繰り返すが、自ら掲げる「聞く力」を発揮してもらいたい。直ちに工事を中止し、政府の持つ全ての情報をつまびらかにするべきだ
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●アベ様を御守りするために…《「桜を見る会」の国会答弁資料の提出…政府は当初から説明を回避する方針だったことがうかがえる…》

2021年08月05日 00時00分05秒 | Weblog

[※ 青木理さん「刑事責任と政治責任」 #秘書が勝手にやるわけないやん ↑(サンデーモーニング 2020年12月6日)]


/ [20210801[]]
新開浩記者による、東京新聞の記事【「桜を見る会」答弁資料を半年以上提出せず 「首相枠」などの疑惑、最初から説明する気なし?】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/119244)。

 《安倍晋三前首相が主催した「桜を見る会」の国会答弁資料の提出を、野党議員が昨年9月に求めたのに、内閣府が「多忙」を理由に半年以上、対応しなかったことが、先の国会審議で明らかになった。資料の中身は招待者の「首相枠」を巡る想定問答や、マルチ商法を展開した「ジャパンライフ」元会長を招いた問題の答弁記録など。こうした問題を巡り、政府は当初から説明を回避する方針だったことがうかがえる内容だ。(新開浩)》。

 そもそも《説明する気なし》な無責任なアベ様、そのアベ様を御守りするために…《「桜を見る会」の国会答弁資料の提出…政府は当初から説明を回避する方針だったことがうかがえる…》、一体どんな国? #投票倍増委員会 会員として強く訴えます、自公お維トファに投票してはいけない

   『●アベ様のポケットマネーを《前首相に断りもなく秘書が勝手に流用
     …それは完全に横領》なはずなのに、配川博之氏が私設秘書に復帰?
    「野尻民夫氏による、リテラの記事【「桜前夜祭」問題で辞職した
     安倍事務所の配川秘書が密かに復職か! 安倍前首相が切れない理由は
     …河井案里の不正選挙にも関与】…《そもそも、安倍前首相は
     重鎮ヅラして政治活動する資格はない。その前に責任をとるべきことが
     いくつもあるだろう。その一つが「桜を見る会」問題だ。なかでも
     「桜を見る会」前夜祭会費補填問題は、政治資金規正法違反も
     疑われている。…ところがここにきて、案の定、その配川氏が、
     また安倍事務所で秘書として働いている疑いが浮上したのだ》。」

   『●《完全に横領》なはずの配川博之氏復職…《つまり、復職させている=
      安倍前首相もやはり共謀していたと思われても仕方ないのではないか》
   『●当時の最低の官房長官による官房機密費の使用の疑いさえある
     1.5億円の税金を誰が買収資金として投入? 当時の自民党党首では?
   『●(永田健氏)《安倍氏が国民が注視する国会であんな答弁をしたのは
      「野党をなめていたから」ではなく「国民をなめていたからだ」…》

 三度目の引用、リテラの記事【安倍晋三「朝日の捏造体質は変わらない」発言に「お前が言うか」と非難殺到! コロナ対策放り出して改憲本部最高顧問に就任する厚顔無恥】(https://lite-ra.com/2021/04/post-5864.html)によると、《そもそも、改憲をうんぬんする前に、お前はまず「桜を見る会前夜祭の明細書と領収書を出せ!という話だ。いや、それだけではない。安倍前首相といえば、少なくとも森友問題では139、「桜を見る会」関連では118も虚偽答弁をおこなったことを衆院調査局が認めているのだ。その責任も取らずに議員も辞めることもなく、「説明責任を果たせた」などと開き直り、いけしゃあしゃあとしていること自体が常軌を逸しているのだが、挙げ句、憲法改正を推進するべく最高顧問としてその活動の中心に立とうなど、図々しいにも程がある。さらに呆れたのは、その就任報道があった数日後の発言だ…》。

 前夜祭の明細書と領収書をさっさと出してよ
 東京新聞の記事【【速報】安倍前首相「不起訴不当」と議決 桜を見る会巡り検察審査会】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/120555)によると、《安倍晋三前首相の政治団体が「桜を見る会」前日に主催した夕食会の収支を巡り、東京第一検察審査会は、公選法違反や政治資金規正法違反などの疑いで刑事告発された安倍氏を不起訴とした東京地検特捜部の処分の一部を「不当と議決した。15日付。特捜部は昨年12月、補塡分を含む夕食会の収支3022万円を政治資金収支報告書に記載しなかったとして、安倍氏の政治団体代表の公設第一秘書を政治資金規正法違反(不記載)罪で略式起訴したが、安倍氏については嫌疑不十分で不起訴とした》。


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午前10:25  2021年7月25日
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 こんなデタラメがまかり通る国を変えなきゃ。
 沖縄タイムスのコラム【[大弦小弦]毒を食っても皿までは/阿部岳】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/792604)によると、《見たいのとは違う。東京五輪が始まってしまった現実と向き合うために、開会式の中継を見た。この感覚は前にもあった。東村高江の路上で朝を迎えた5年前、2016年7月22日のこと ▼全国から来た機動隊員が抗議の市民を暴力的に排除し、ヘリパッド建設が始まった。一帯は封鎖され、交代の同僚も近づけない。熱中症寸前の干からびた状態で脚立の上に座り、何とか夕方まで見守った。虚脱感にあらがいながら ▼排除された女性は言った。「ヤマトの人は無関心でいられるかもしれないでもここでは戦後日本が築いてきた意思決定プロセスやシステムへの信頼が壊されている」 ▼当時官房長官として強行の指揮を執った菅義偉氏は首相になり、...》。

 何もかも《おぞましい》。
 鈴木耕さんの、マガジン9でのコラム【言葉の海へ 第174回:おぞましい!(鈴木耕)】(https://maga9.jp/210728-5/)によると、《組織委、森氏復帰を検討 「名誉最高顧問」政府内に反対論森喜朗氏を、組織委はなぜ異常なほど優遇するのだろう。…考えてみれば、安倍晋三氏の「東京オリンピック・パラリンピック組織委員会名誉最高顧問」というのも「おぞましいの一言だ。だいたい「名誉」に値するようなことを、安倍氏は少しでもしたか。IOC(国際オリンピック委員会)の2020年開催地決定総会の際に「原発事故はアンダーコントロール」との大嘘を吐いたことが「最高の名誉」に値するのか。自分の選挙のための道具として五輪を使おうとし、結局、おナカを壊してそれも出来ずに逃げ去った男のどこに、名誉があったか。彼が「最高名誉顧問」であったという事実を再確認して、このオリンピックの「おぞましさ」をもまた再確認したのだ。それにしても「名誉」にこだわる老醜には辟易する、反吐が出る! 最高名誉顧問の「安倍晋三・森喜朗ツーショット」など、見るも不快だ。「おぞましさの極致」だ。もし閉会式のステージにふたりそろって現れるようなことがあったら、ぼくはテレビ画面に汚れ雑巾を投げつけるだろう。…IOCという組織が腐りきっていることを露呈している今回の「東京五輪」だが、それをはっきりと示す事例がある。IOC副会長コーツ氏が、森喜朗氏以上の強圧的な女性蔑視を公然と演じて見せたのだ。東京新聞(7月25日)の記事だ。【開会式出席強要「隠れようったってそうはさせない」 IOCコーツ氏 女性に公開説教】…《コーツ氏は会見の席上、隣に座るバラシェ氏に向かって「君たちは開会式には来るんだろうね。32年の五輪にも開会式がある。君らは伝統のなんたるかを理解しなくてはならない」と持論を展開。「いいか隠れようったって、そうはさせないぞとすごんだ。うつむいて聞いていたパラシェ氏は、消え入るような声で「わたしは(コーツ氏やIOC関係者の)気分を害するようなことをするつもりはありません」と話し、会見場を後にした》》。

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/119244

「桜を見る会」答弁資料を半年以上提出せず 「首相枠」などの疑惑、最初から説明する気なし?
2021年7月26日 06時00分

 安倍晋三前首相が主催した「桜を見る会」の国会答弁資料の提出を、野党議員が昨年9月に求めたのに、内閣府が「多忙」を理由に半年以上、対応しなかったことが、先の国会審議で明らかになった。資料の中身は招待者の「首相枠」を巡る想定問答や、マルチ商法を展開した「ジャパンライフ」元会長を招いた問題の答弁記録など。こうした問題を巡り、政府は当初から説明を回避する方針だったことがうかがえる内容だ。(新開浩


■「多忙」理由に対応せず

 問題の資料は、共産党の宮本徹衆院議員が国会で最初に「桜」の問題を聞いた2019年5月13日と、2回目の質問をした同21日の政府の答弁資料。
 宮本氏は20年9月に提出を求めたが、内閣府は対応せず、今年4月の国会で宮本氏が「ありえない」と抗議すると、加藤勝信官房長官が「速やかに対応する」と答弁。内閣府は4日後に提出した。
 内閣府大臣官房総務課の担当者は「数人で国会議員の資料請求や質問、一般の情報公開請求などに対応しており多忙だった意図的に遅らせたつもりはない」と本紙の取材に語った。ただ、資料提出に応じる前の20年12月には、桜の問題を巡る安倍前首相の国会招致が行われた。
 提出資料は、宮本氏が事前通告した質問の答弁などが記されたA4用紙で計27枚の書面。5月21日分には、安倍政権で招待者が増えた理由に関し、国会での追加質問を予測した11問の想定問答がある。
 内容は「招待者には首相や与党が推薦する者も含まれているのか」「安倍首相の支持者とみられる人たちが多数来場しているが、どのような功績・功労がある者なのか」など、その後に問題化する「首相枠」に関する設問が複数ある。答弁は、個人情報などを理由に「回答を控える」とした


■ジャパンライフ飛び火警戒?

 このほか、15年のジャパンライフ元会長の招待に関する18年1月の野党議員の質問と、安倍氏の答弁をまとめた資料もある。結局、当日は首相枠やジャパンライフに関する質疑は行われなかった。
 公文書管理の問題に詳しい龍谷大の瀬畑源准教授は「桜の問題が元会長と安倍氏の関係に飛び火することを、政府がこの段階で想定していた可能性がある。だから、回答を曖昧にしたように見える」と指摘する。


■元会長は「首相枠」か? 明言せず

     (2019年4月、「桜を見る会」で招待客と記念写真に納まる
      安倍首相(中央左)と昭恵夫人ら)

 桜を見る会の従来の参加者は1万人前後だったが、第2次安倍政権下で増加し19年には約1万8000人に膨らんだ。同年11月の国会で、会の前夜に安倍氏が地元後援会との夕食会を13年以降に毎年開き、会の当日も関係者を招いていたことが判明すると「公式行事の私物化」との批判が強まった。
 安倍氏は当初、招待者の人選に「関与していない」と語ったが、その後、野党の追及を受け「推薦者について意見を言うことはあった」と、軌道修正した。
 首相枠を巡っては、政府は19年の招待者約1万5000人のうち、首相の推薦者が1000人だったことは明らかにした。ジャパンライフ元会長を15年に招待した際の受付票には、過去の政権で首相枠を意味した区分番号「60」が記されていたが、安倍氏の推薦だったかどうかは、政府は明言を避けたままだ

【関連記事】「118回ウソ」証拠なき弁明 安倍氏「後援会が契約」認める 「桜」答弁訂正
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●辺野古基地サンゴ訴訟、最「低」裁上告棄却…《国が、地方自治体の裁量を不当に制限し、地方自治を侵害しているという事実》を無視

2021年07月16日 00時00分46秒 | Weblog

[↑ 辺野古破壊反対広告 (2021年06月06日、朝日新聞)]


/ (2021年07月10日[土])
琉球新報の【<社説>サンゴ訴訟上告棄却 自治権侵害に背を向けた】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1350547.html)。
弁護士の馬奈木厳太郎さんによる、日刊ゲンダイの記事【「木を見て森を見ず」の判決 辺野古基地サンゴ訴訟最高裁、県敗訴を受けて】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/291627)。

 《国が、地方自治体の裁量を制限し自治を侵害している事実に背を向けた判決だ。米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設を巡り、農林水産相が県にサンゴの移植を許可するよう指示したのは違法だとして、県が取り消しを求めていた訴訟で、最高裁小法廷は県の上告を棄却した。県の敗訴が確定した。判決は「工事により(サンゴが)死滅する恐れがあった以上、避難させ移植する必要があった」と指摘。県の対応は「裁量権の範囲の逸脱又はその乱用に当たる」とし、請求を棄却した福岡高裁那覇支部判決を是認した》。
 《東京合同法律事務所の馬奈木厳太郎弁護士…県を敗訴させた多数派の意見は、軟弱地盤の問題や設計変更の必要性など、工事の続行に関する不確実性を全く考慮に入れず、新基地は完成するという前提に立った極めて形式的な判断に終始するものでした。国が、地方自治体の裁量を不当に制限し、地方自治を侵害しているという事実に正面から向き合うこともなく、結論ありきとの印象を免れません》。

   『●アベ様らは何が何でも辺野古破壊、「ヒラメ裁判官が、
          よりによってこのタイミングで那覇支部長」に就任
   『●高江破壊差し止め仮処分申請が却下
     …司法判断ではなく、「工事者の政府に寄り添う」政治判断
   『●県の敗訴を前提にするアベ様や裁判長という 
      異様な辺野古破壊訴訟…そもそも「違法」を口にする資格は?
   『●「最低裁」のコールが聞こえる…沖縄負担軽減担当相らの
             「辺野古が唯一の解決策」をオウム返しでしょう…
   『●辺野古破壊への「県側の徹底抗戦はこれからだ…
       翁長知事は二の矢、三の矢で巻き返しを図るつもり」
   『●「戦争のためにカメラを回しません。
     戦争のためにペンを持ちません。戦争のために輪転機を回しません」
   『●望月衣塑子東京新聞記者、議論無く「「欧米列強に倣え、進め」
                    と武器輸出推進の道に歩みを進めている」
   『●壊憲反対の不断の声を: 
     「戦後の歴史の岐路かもしれません。不断の努力こそ求められます」
   『●「腐臭を放つ「判決」」と臥薪嘗胆:
     「銃剣とブルドーザー」から「自衛隊と機動隊とヒラメ裁判長」へ
   『●重大な誤りを含む「腐臭を放つ「判決」」:
     「沖縄を弄んだというしかない」異常な辺野古破壊訴訟判決
   『●辺野古破壊のデタラメ: 《司法の監視機能の形骸化》、
        どこが法治国家なのか? アベ様が統治する人治国家
    《辺野古岩礁破砕訴訟 監視機能が形骸化 …沖縄県名護市
     辺野古の岩礁破砕差し止め訴訟は一審に続き二審判決も裁判所の
     審理対象かどうかの入り口論に終始し、県の訴えを門前払いした
     国の違法性が問われている中、沖縄防衛局の法手続きの是非に
     一言も触れない判決司法の監視機能の形骸化といえる…
     福岡高裁那覇支部の大久保正道裁判長は一審那覇地裁に続き、
     漁業法の解釈や無許可の根拠法などについて国に主張を求めよう
     としなかった法解釈への見解を避け、問題解決への道筋も
     示さなかった

   『●目取真俊さん「裁判所が市民を守る立場にないなら、
     誰が市民を守るのか」!? 法的根拠もあいまいなまま長時間拘束
    《大久保正道裁判長…は、目取真さん側が刑事特別法による
     緊急逮捕は違憲ではないと判断した一審判決を不服とした
     控訴を棄却した…目取真さんは「裁判所が市民を守る立場に
     ないなら、誰が市民を守るのか」と批判し、上告する考えを示した》。

   『●非「地方創生」、「僕」(アベ様)が地方「僕」滅…
        沖縄の民意無視し、しかも再び八百長なその「手」で…
    「不服審査請求など論外だろう。そもそも行政不服審査法
     〈行政庁の処分その他公権力の行使にあたる行為に関する国民の
     不服申し立てについて規定する法律〉(大辞林)であり、一般国民の
     権利救済制度を使うこと自体がおかしいが「個人」になりすまし
     に救済を求めに判断を仰ごうというのだからデタラメ過ぎる
     安倍政権は3年前にも辺野古移設で同様の禁じ手を使っている

   『●辺野古破壊を行政不服審査で強行する暴挙:
     「沖縄防衛局は…「私人」を強調するための偽装工作」
   『●アベ様という「私人」の暴挙…平和の党と共に
      辺野古破壊が目的化し、「目的達成」のためには手段選ばず
    《行政の不当行為に対して国民が不服を申し立てる行政不服審査法」に
     基づく不服審査請求を石井啓一国交大臣(公明党)に行い、裁決が
     出るまで効力を一時的に失わせる執行停止も求めたのだ》

   『●《良心に従い職権を行使する独立した存在》ではない
     大久保正道裁判長である限り、アベ様忖度な「行政判断」が続く
   『●「腐臭を放つ「判決」」と臥薪嘗胆:
     「銃剣とブルドーザー」から「自衛隊と機動隊とヒラメ裁判長」へ
    「いまから、最「低」裁のコールが聞こえる。司法には何の期待
     も持てないでしょうね…。」

 《工事により(サンゴが)死滅する恐れ》を引き起こしているのは沖縄県なのか? あまりにデタラメ過ぎる。
 《法令で知事に与えられた権限を奪うことになる…。国と地方が「対等・協力」の関係という分権改革の趣旨を逸脱新基地建設という国策を遂行するため、地方自治を破壊》(琉球新報)。
 もはや最「低」裁を頂点とした司法による沖縄イジメ。元独裁政権・現独裁政権や行政にいじめられ、それを司法は見て見ぬふり。むしろ司法がいじめに加担する絶望的な状況。
 《沖縄は今日まで自ら進んで米軍基地のために土地を提供したことはありません新基地建設反対の民意も何度も示されています。…私たちの無関心が沖縄を苦しめているということを認識する必要があります》(馬奈木厳太郎さん)。

   『●「普天間飛行場の辺野古移設問題」に非ず、
      息吐く様にウソをついてでもな「辺野古の新基地建設」問題
   『●辺野古破壊: 政権広報・アベ様のNHKが「移植できないのは
               沖縄のせい」と攻撃…開いた口が塞がらない
   『●《工期も費用も言えない》辺野古破壊を進める
   『●「辺野古技術検討会」が「公正」「中立」ねぇ?
     「検討」しないし、「批判」「是正」「破壊中止」することもなし

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https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1350547.html

<社説>サンゴ訴訟上告棄却 自治権侵害に背を向けた
2021年7月7日 05:00

 国が、地方自治体の裁量を制限し自治を侵害している事実に背を向けた判決だ。

 米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設を巡り、農林水産相が県にサンゴの移植を許可するよう指示したのは違法だとして、県が取り消しを求めていた訴訟で、最高裁小法廷は県の上告を棄却した。県の敗訴が確定した。

 判決は「工事により(サンゴが)死滅する恐れがあった以上、避難させ移植する必要があった」と指摘。県の対応は「裁量権の範囲の逸脱又はその乱用に当たる」とし、請求を棄却した福岡高裁那覇支部判決を是認した。

 防衛省沖縄防衛局は2019年、県にサンゴ類の移植許可を申請した。県が判断を保留する中、20年2月、防衛局の申請通りに移植を許可するよう、農水相が県に是正を指示した。県は国の第三者機関「国地方係争処理委員会」に審査を申し出たものの退けられ、昨年7月に提訴した。

 一方、小法廷は5人の裁判官のうち2人が反対意見を述べた。反対意見は、県側の主張を認める内容であり注目したい。

 判決は仲井真弘多知事(当時)が埋め立て承認したことを前提にしている。しかし、反対意見を述べた宇賀克也裁判官は、埋め立て承認後に、予定海域で軟弱地盤の存在が判明した点を重視している。

 軟弱地盤の存在により仲井真知事の承認判断とは事情が変わってきた。にもかかわらず「護岸工事という特定の工事のみに着目」して是非を判断することは「『木を見て森を見ず』の弊に陥る」との指摘は納得できる。

 軟弱地盤の存在によって防衛局は設計変更申請を県に提出している。「変更申請が拒否されることになれば、サンゴ類の移植は無駄になるばかりか、水産資源保護法の目的に反する」とも指摘し、知事が移植を許可しないことに「違法性はない」と結論付けている。県が評価するように「画期的」である。

 同じく反対意見を述べた宮崎裕子裁判官は、埋め立てを行うには、県から設計変更承認を受ける必要があると指摘。仲井真知事による埋め立て承認の際になされた要件適合性の判断は「実質的に無意味」と断じた。

 判決後に玉城デニー知事が述べたように、農水相の指示は「沖縄県知事が判断する前に大臣が具体的に許可を命ずるものであり、法令で知事に与えられた権限を奪うことになる」のである。国と地方が「対等・協力」の関係という分権改革の趣旨を逸脱している。新基地建設という国策を遂行するため、地方自治を破壊することは許されない。

 辺野古新基地を巡る国と県の裁判はこれまでに9件ある。地方自治体が司法の場でここまで国と争うのは異例だ。辺野古新基地建設に反対する沖縄の民意があることを忘れてはならない。
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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/291627

「木を見て森を見ず」の判決 辺野古基地サンゴ訴訟最高裁、県敗訴を受けて
公開日:2021/07/09 06:00 更新日:2021/07/09 06:00

     (東京合同法律事務所の
      馬奈木厳太郎弁護士(C)日刊ゲンダイ)

 沖縄県の辺野古新基地建設をめぐって、農水大臣が県にサンゴの移植を許可するよう指示したのは違法だとして、県が取り消しを求めていた訴訟で、最高裁第3小法廷は6日、県の上告を棄却し、県の敗訴が確定しました。

 判決は、サンゴについて、「工事により死滅するおそれがあった以上、避難させ移植する必要があった」と指摘。県の判断は、「護岸工事を事実上停止させ、これを適法に実施し得る沖縄防衛局の地位を侵害するという不合理な結果を招来する」としたうえで、県の対応について、「裁量権の範囲の逸脱又はその乱用に当たる」としました。

 この問題は、沖縄防衛局が2019年、約4万群体のサンゴの移植許可を県に申請したことに端を発します。県が判断を保留するなか、農水大臣は昨年2月、地方自治法に基づき、県に是正を指示しました。県は、国の第三者機関である国地方係争処理委員会に審査を申し出たものの退けられたため、昨年7月に提訴していました。

 県を敗訴させた多数派の意見は、軟弱地盤の問題や設計変更の必要性など、工事の続行に関する不確実性を全く考慮に入れず、新基地は完成するという前提に立った極めて形式的な判断に終始するものでした。国が、地方自治体の裁量を不当に制限し、地方自治を侵害しているという事実に正面から向き合うこともなく、結論ありきとの印象を免れません。


■裁判官5人のうち2人が反対意見

 一方、この判決では、5人の裁判官のうち2人が反対意見を述べたことは注目されるべきです。

 2人の裁判官は、県知事が埋め立てを承認した後に、埋め立て予定の海域に軟弱地盤が存在することが判明した事実を重視し、サンゴ移植の許可処分を行うには、大半を軟弱地盤が占める予定海域で、確実に事業が実施されることが前提になると指摘しました。

 そのうえで、軟弱地盤の存在が判明したことによって、事情が変わったにもかかわらず、護岸工事という一部の工事だけに着目して判断することについて、反対意見を書いた宇賀克也裁判官は、「木を見て森を見ず」だと批判しました。

 多数派と反対派の判断は、軟弱地盤の存在が判明したことによって、当初の承認の前提が崩れたと評価するかどうか、その事実が移植を許可するかどうかの判断に影響を及ぼす内容かどうかをめぐって分かれることになりましたが、より根本的には、国と地方自治体が対等であるという原則に対する認識の相違があると考えられます。

 今回の判決は、政府の立場に追随するもので、新基地建設に反対する民意は今回も顧みられることはありませんでした。しかし、今回の判決によっても、新基地建設をめぐって、国に「お墨付き」が与えられたわけでも、問題が解決されたわけでもありません。

 今月には、玉城デニー知事が変更申請を不承認するとの話も出ています。そうなると、国が承認を求めて訴訟を起こすことになります。

 沖縄は今日まで自ら進んで米軍基地のために土地を提供したことはありません新基地建設反対の民意も何度も示されています。沖縄の基地負担や基地被害をめぐっては、古くから「小指の痛みは全身の痛み」という言葉がありますが、沖縄という一地域の問題ではありません。私たちの無関心が沖縄を苦しめているということを認識する必要があります。

(弁護士・馬奈木厳太郎


▽まなぎ・いずたろう 1975年、福岡県生まれ。大学専任講師(憲法学)を経て現職。福島原発事故の被害救済訴訟などに携わる。

【辺野古サンゴ訴訟】 米軍普天間基地(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設をめぐり、埋め立て予定海域にあるサンゴの移植を許可するよう農水相が県に是正を指示したのは違法として、県が取り消しを求めた訴訟。沖縄防衛局は2019年、環境保全を目的にサンゴの採捕(移植)許可を県に申請。県が判断を示さなかったため、漁業法などを所管する農水相は20年2月、許可するよう指示。県は指示を違法として国地方係争処理委員会に申し出たが退けられ、福岡高裁那覇支部に提訴。同支部も今年2月、県側の請求を棄却したため、県は判決を不服とし、最高裁へ上告していた。
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コメント
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●【<金口木舌>差別を乗り越える】…《アイヌ民族…差別を乗り越え固有の歴史、文化を守るすべを模索する状況は沖縄にも通じている》(1/2)

2021年06月24日 00時00分50秒 | Weblog

サケ漁をするアイヌ民族の畠山敏さん… (東京新聞2019年9月2日)↑】


(20210503[])
(その2/2へ)
集英社新書プラスのロング対談【対談 戦後75年 沖縄戦を生き抜いた人たちの思いをどう伝えるか?/香山リカ×三上智恵対談 前編】(https://shinsho-plus.shueisha.co.jp/interview/kayama_mikami/10110)と、
【対談 沖縄戦をはじめ歴史検証で、証言者を失うことの意味/香山リカ×三上智恵対談 後編】(https://shinsho-plus.shueisha.co.jp/interview/kayama_mikami/10122)。

 《護郷隊の生き残りたちの証言を丹念に拾ったドキュメンタリー映画「沖縄スパイ戦史」を撮った三上智恵監督は、映画に収まりきらなかった膨大な証言と、取材を継続する中で浮かび上がった事実を『証言 沖縄スパイ戦史』にまとめた》。
 《三上智恵監督は、映画に収まりきらなかった膨大な証言集を『証言 沖縄スパイ戦史』にまとめた。750ページの大著は今年2月の発売直後から注目を集め、重版を重ね、このほど4刷が出来(しゅったい)した。その三上氏と、平和運動や反差別運動にも携わる精神科医・香山リカ氏が、沖縄、戦争と平和、差別、ジェンダー、コロナ禍について、縦横無尽に語りあった対談の後編》。

   『●《「慰霊の日」を迎えた。…鉄血勤皇隊やひめゆり学徒隊の悲劇が
     伝わる一方、護郷隊の過酷な運命は長年ほとんど知られていなかった》
   『●《戦争体験の継承はどうして必要》? 大矢英代さん《二度と同じ手段で
     国家に殺されないように、生活を奪われないように、知恵をつけること》

 琉球新報のコラム【<金口木舌>差別を乗り越える】(https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1288773.html)によると、《▼成績優秀だった清水さんは教師になった。近年は市民団体「コタンの会」共同代表としてアイヌ民族の権利回復運動に取り組む。ただ幼少時からの被差別体験のせいで、自身の出自を公表するまで長い年月を要した ▼日本テレビの情報番組「スッキリ」でアイヌ民族に焦点を当てたドキュメンタリー番組を紹介…視聴者から批判があり、同社は「アイヌの方たちを傷つける不適切な表現があった」と謝罪した ▼アイヌ民族は政府の同化政策で固有の歴史や文化、言語などを否定されてきた。差別を恐れ、出自を隠して生きるアイヌ民族は今も多い。しかし国内での理解はまだ深まっていないようだ ▼番組で紹介された動画はアイヌ民族の萱野りえさんが米国の先住民族と交流する物語だ。言語や文化を取り戻す活動をする先住民女性は「私のすることは全て先人の夢である」と語る ▼出自と向き合うことに迷いを抱える萱野さんにこの言葉が勇気を与えた。差別を乗り越え固有の歴史、文化を守るすべを模索する状況は沖縄にも通じている》。
 東京新聞の記事【アイヌ不適切表現で日テレ謝罪 社長「責任重く受け止める」】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/93046?rct=culture)によると、《日本テレビの情報番組がアイヌ民族に不適切な表現を使った問題で、小杉善信社長は22日の定例会見で「公共性と多様性、基本的人権を尊重することが求められているマスメディアにおいて、こうしたことがあったことの責任を大変重く受け止めている」と謝罪した。小杉社長は「アイヌ民族の皆さまが差別を受けてきたことへの理解が制作担当者に足りておらず、放送した言葉が直接的な差別表現であることの認識が欠如していた」と説明。今後さらに検証し、再発防止策をまとめる予定だとした。12日放送の情報番組「スッキリ」で、出演者が披露した謎かけの中にアイヌ民族を差別する言い回しがあった》。

   『●麻生太郎氏…《誰も誤解など生じていない。間違っているのに
      誤解と言い張っているだけで謝罪にも訂正にもなっていない》
    「【政界地獄耳/79歳麻生太郎の「責任と自覚」とは】…《麻生は
     総務相時代の05年にも「一文化、一文明、一民族、一言語の国は
     日本のほかにはない」と発言している。政府は昨年5月に
     アイヌ民族先住民族と明記したアイヌ施策推進法を施行している。
     …誰も誤解など生じていない。間違っているのに誤解と言い張っている
     だけで謝罪にも訂正にもなっていない。それでいて12日には成人式の
     来賓あいさつで「皆さんがた、もし今後、万引でパクられたら名前が
     出る。少年院じゃ済まねえぞ。…」》」


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https://shinsho-plus.shueisha.co.jp/interview/kayama_mikami/10110

対談
戦後75年 沖縄戦を生き抜いた人たちの思いをどう伝えるか?
香山リカ×三上智恵対談 前編
2020.8.14

太平洋戦争末期、日本軍第32軍牛島満司令官が自決し1945年6月23日に終わった表の戦争の裏で、沖縄北部では、少年兵部隊〝護郷隊〟が山にこもってゲリラ戦を継続していた。彼らを率いたのは陸軍中野学校出身の青年将校たちだ。少年たちは故郷の山で、敵の武器を拾って戦い、死んでいった。
そんな護郷隊の生き残りたちの証言を丹念に拾ったドキュメンタリー映画「沖縄スパイ戦史」を撮った三上智恵監督は、映画に収まりきらなかった膨大な証言と、取材を継続する中で浮かび上がった事実を『証言 沖縄スパイ戦史』にまとめた。
750ページの大著は今年2月の発売直後から注目を集め、増刷を重ねている。
その三上氏と、平和運動や反差別運動にも携わる精神科医・香山リカ氏が、沖縄、戦争と平和、差別、ジェンダー、新型コロナ禍について、縦横無尽に語りあった。
構成・文=稲垣收 撮影=三好妙心


コロナ禍の下で続く沖縄差別や分断は
戦争中から行われていた


三上 香山先生の沖縄地元紙の連載はいつも読んでいます。よく沖縄に来られますよね?

香山 よく、というほどではないんですが……沖縄とは、いろいろご縁があって……最初に沖縄に行くことになったきっかけは、後で詳しく話しますが、実はこの8月22日に、沖縄出身の総合診療医の徳田安春さんとの対談本『医療現場からみた新型コロナウイルス』(新日本出版社)が出るんです。
 徳田先生はNHKの「総合診療医 ドクターG」とかにも出て、若手の教育を一生懸命やっている人で。沖縄出身ですが、ずっと本州、東京でも活躍していたんですけど、2017年に沖縄に戻って。
 その徳田先生が去年ぐらいから平和の問題に関しての発言を始めていて、今年3月には『医師が沈黙を破るとき』(カイ書林)という本も出されてます。
 私は徳田先生が書かれた医学の教科書をずっと読んで医者として勉強させていただいて尊敬していたんですね。その先生が急に平和問題のこともすごく発言されるようになって、去年たまたま先生の講演会が東京であったので、私も行って初めてお会いしたんです。
 今年コロナ禍が始まってから徳田先生はすごく一生懸命、PCR検査を保健所を介さなくても医者の判断でできるようにさせてください、という署名活動を始めたりして。

三上 医師の判断で検査できないのは、おかしいですよね。

香山 すごくおかしいです。それで、8万ぐらい署名が集まって、厚労省もちょっと動いたりした。そのことでも私、「ああ、徳田先生すごいことやっている」と思って、すぐに連絡して、YouTubeで対談を何回かして、それを対談集にまとめてもらうことになったんです。
 だから徳田先生のいる沖縄は、PCR検査をけっこう早い時期から、保健所を通さなくても、医師会がやるということになっていたので、しばらくずっと感染者数が抑えられていたじゃないですか。

三上 はい、5月、6月は新規感染者はゼロでした。

香山 68日間も感染者ゼロだったのです。でもここに来て、人口10万人当たりの感染者数が日本一という状況になっています。一つは米軍基地のクラスター、もう一つは観光の再開によって増えたのは明らかです。でも、そこには沖縄戦の時代からずっと通底しているものがあると思うんです。沖縄に対する構造的な差別の仕組み、いつも沖縄が犠牲になるという。
 で、一旦こういう事態になると、菅官房長官は「前から療養施設を確保すべきであると言っていたのに」と苦言を呈したり、本土の人たちも「沖縄は観光で食べていくしかないし、米軍がいなくなったら経済的にも困るんだから仕方ないでしょ」みたいな言い方する人もいる。いつか見た風景です。いつも同じことの繰り返しだと思うんです。

三上 そうですよね。米軍人やその家族がなぜか検疫も受けずに日本に入れるのか、その特別扱いに日本政府は何も言えない。米軍基地の中のどれだけの人が感染しているかということも、当初は、「軍の秘密だから明らかにできない」って言いましたよね。「いくら何でもそれはないでしょう」って玉城デニー知事が一生懸命訴えて、ようやく、感染者数は出してくれるようにはなったんです。本当の数字かどうか確かめようがないですが。
 でも、やっぱり「米軍基地の中にどれだけ感染者がいて起動力が弱っているかということを中国に知られたらよくない」という理由で、「軍の中のことは機密である」というふうに、常に軍隊のいる地域というのは、軍の都合を優先し人権が制限されていく。とんでもないことだと思います。北谷ちゃたんの、私たちが普通に行く、観光客も来るホテルが、実は米海兵隊に借り上げられていて……。

香山 軽症者の療養施設になっていたというね。

三上 そうそうそう。もしかしたら感染しているかもしれないという移入者を2週間隔離するのは基地の中の施設を使うのが当たり前だと私たちは思っていたのに、それが基地の外の普通のホテルだったり。

香山 ゲートも、その後も普通に開いたままで、中で日本の従業員の方も働いていて。そういうことに対して「おかしい」と言ったりすると、沖縄の中からも「いや、私たちにも米軍は大切な存在です」と体制寄りの人が発言したりする。あるいは「観光も必要ですから来てください」と言う旅行関係の方もいる。
 こういう、ある種の分断の構造、沖縄の中でもそういう意見の違いが出てきて、今度は内部でその人たちが対立しなきゃいけないという構造に、またなってしまいますよね。基地をめぐる構造と同じです。


民心掌握、相互監視……
陸軍中野学校で徹底的に学んで沖縄入りした将校たち


香山 この『証言 沖縄スパイ戦史』を読むと、沖縄の中でこんなふうに「スパイだ」と名指しされて処刑される人が出てきたり、まだ十代の少年たちが見よう見まねでゲリラ戦をさせられたりしますね。規律を守らせるために上官が暴力を振るうんじゃなくて、子供同士でビンタをさせられたり、リンチみたいなことが起きたり。もう本当に、地元の人たち同士が対立したりするような構造に持っていくという。今現在、沖縄で起こっている分断の構図も、沖縄戦の頃からそうなんだな、というのが一番印象的でした。

     (第一護郷隊隊長 村上治夫)

三上 この本の巻末に「教令一覧」として、沖縄戦までに日本軍が作成したゲリラ戦のマニュアルを列挙しましたが、最後の『国内遊撃戦の参考』というのが、護郷隊という少年兵部隊を率いた中野学校出身の青年将校、村上治夫隊長・岩波壽隊長たちが中野学校で教わった時の教科書です。それには、ちゃんと書いてあるんです。
 住民の協力なくして秘密戦はできない。普通の住民たちが絶対に協力して軍の側についてくれて、一心同体になって裏切らず秘密も保持して、でもお互いに監視させて、最後は武器を持って戦わせるというところまで、住民を全部使っていかないことには勝てないんだ、と。こういう教科書を頭に入れて彼らは沖縄に来ているわけですね。
 だから護郷隊を組織したのも、たまたま兵隊適齢期の17歳以上がもういないから15~16歳の少年たちを使ったということはあるんですが、少年たちを使うことで、彼らのお父さんお母さんは護郷隊には何があっても協力しないといけなくなるわけです。食料提供もそうですけど、米軍が「食べ物ありますよ。殺しませんよ。下りてきてください」と投降を呼びかけても、自分の息子が山の中で今戦っているのに、これを裏切って米軍に投降できないですよね。
 だから、日本軍はどうやら形勢不利だし、米軍につかないともう殺されちゃうかもしれないと思って、ばらばらと山を下りる住民たちもいるけど、自分の息子が護郷隊にいたら、最後まで「日本軍を裏切るのか? アメリカにつくなんてあり得ない」という立場になります。そうやって民心を掌握するすべというのを何重にも勉強した上で、中野学校の人たちは沖縄に入ってきていたんです。
 自衛隊は専守防衛ですから、敵が侵略してきて自国が戦場になるシミュレーションをしています。地域の住民を使ってゲリラ戦をやるという想定は現在の私たちとも無縁じゃない。でも先の大戦で「実は国内でゲリラ戦があったんだ」ということ自体が知られていないから想像することすらできない、もうそれ以前の問題なんですよね。だから、まずその事実を知ってもらいたいなと思ってドキュメンタリー映画「沖縄スパイ戦史」を撮り、映画に収まりきらない証言や追加取材の話も入れて、『証言 沖縄スパイ戦史』を書いたわけです。


岐阜や北海道でも少年兵によるゲリラ戦を準備していた

     (第二護郷隊隊長 岩波壽)

香山 この本を読むと、沖縄以外の地域でも、少年兵を使ったゲリラ戦の計画があったことがよく分かりますね。岐阜県の方の証言が出てきます。でも、本当にここまでの規模で実行されたのは沖縄だけ。そこでも沖縄というのがある種、捨て石みたいにされたんだな、というのもよく分かりました。
 たとえば学徒出陣とかで若い人が兵隊に行ったという話は私たちも聞いていましたが、それは、自分が生活したり学校に行ったりしている地域を離れて、どこか遠く、たとえば南方に出征するというイメージだった。でも沖縄戦の場合は地元じゃないですか。自分が暮らしていたところのすぐそばで、こういうゲリラ戦をやらなきゃいけなくて。家にご飯食べに走って帰る、みたいな話も出てきたりして。
 そんな生活と一体化したところで、それまでの生活と全く断絶されて兵士になっていくというのも、最初はイメージできなかったんです。兵隊になるって、もう全然違う場所で違う生活をすることなんだ、というふうに思っていたので。でも、そうやって生活の延長としての戦争、というものがあったわけですね。
 しかも、それがある種の作戦だったわけですね。「自分らの子供たちが地元で戦っているんだから協力しよう」みたいにさせる、という。

三上 ええ。この本に出てくる岐阜県の野原正孝さんに、一昨日、もう一度会いに行ったんですよ。陸軍中野学校の宇治分校の卒業生で、今年98歳なんですが。野原さんも、それまで中野学校の宇治分校のことは、「死ぬまでしゃべらない」ということで卒業しているから、長年誰にも話さなかったし、世間の人も誰も知らなかったんです。でも去年、地元の岐阜新聞の記者・大賀由貴子さんに話したのをきっかけに、そういう話をするようになって。大賀さんが映画「沖縄スパイ戦史」を見て、私に連絡をくれて、野原さんを紹介してくれたんです。

     (「国土決戦教令」)

 取材してから、野原さんはハガキを下さって、「三上さんと出会って、わしの人生面白くなってきた」みたいなことを書いてくれていたんです。でも、この本を出来上がってお送りしたら、またハガキが来て、「こうやってちゃんといろんな知識のある人によって歴史的に位置づけられたものを見る時に、一抹の寂しさを感じます」と書いてあって。

香山 どうしてですか。

三上 結局、すごい武勇伝でもあるし、理解されないところを理解してもらったのはうれしかったけど、自分は岐阜でこの山と川を使って戦うんだということをやっていて、少年兵を使ってその練習もしていて、それをやらないで済んでよかった、誰も傷つけないでよかった、と。でも、この話がどんなふうに位置づけられるのかなと思った時に、たぶんこれを全体で読んだら「国内で地域の少年を使って戦おうと思っていた」ということって、善か悪かでいえば悪い印象しかないですよね。中野学校がやったことというのは、そういうことだったんだ、と。そういうふうに位置づけられていくことが寂しいというか。
 戦争末期に日本の軍隊は何を守ったのか。それは兵隊個々の思いはさておき、「国体」というものになっていって、軍隊が住民を守ることもできなくなって、最後は「住民は兵器だった、消耗品だった」とまで、野原さんははっきり言っている。「武器・弾薬はもうなくて、消耗していいのは十代の若者の命だけだった」と。今の常識では、あり得ない言葉ですよね。そういう流れで見ていくと、やっぱり野原さんは、証言して良かったのかどうか、信じて命がけでやったことを肯定されないとしたら辛くなってきますよね。だから、一抹の寂しさがある、と。

香山 なるほど。私的な記憶だったのがこうして歴史の中に位置づけされると、また違って見えてくるかもしれませんね。

三上 その時の忠誠心や、日本のためと思ってやった、ということに嘘はない。それだけは言える、というようなことがそのハガキに書かれていたから、私は野原さんを傷つけてしまったんだろうなと、すごく気になっていて……。それでまた会いに行ったんですよ。そしたら、お土産も買っていてくれて、手縫いのマスクをたくさん作って待っていてくださって。それで、すごく楽しい時間を過ごしてはきたんですけど。

香山 そうですか。でも生きているあいだに話せて、ご自分なりに整理がつけられたのはよかったのではないでしょうか。

三上 でも、一昨日お会いしたのは野原さんだけじゃなくて、98歳の野原さんと同い年で、陸軍中野学校のもうあと数人しかいない生き残りの方でした。彼は北海道出身で、護郷隊を率いた村上・岩波両隊長と同じ三乙というクラスで中野学校を出て、北海道に戻って遊撃戦の準備をしていたんですね。つまり北海道でも、敵が侵攻してくれば北海道の人と遊撃戦を戦う、という計画があったんです。岐阜では、岐阜出身の野原さんがやれ、ということで、地域のつながり、地縁、血縁、それに、知識というものを総動員して戦え、と。
 戦後もソ連が北海道に攻めてきたら、北海道を使ってどうやって遊撃戦をやるかという検討を続けているんです。その時の参考に陸軍中野学校が沖縄で護郷隊を使ってどういう戦いをやったかということが、そのまま参考にされているんですよ。今もずっと続いているんです。

香山 まったく知りませんでした。終戦で切断されたわけではなかったのですね。北海道が故郷の私にとっては衝撃的です。


慰霊碑の前で泣きじゃくった晩年の村上隊長

香山 私は精神科医だから、登場人物の気持ちもすごく気になったんですけども、これに出てくる護郷隊を率いた陸軍中野学校から派遣された岩波と村上という人、その人たちがどういう人なのかというのが、読んでいてすごく分かるような、分からないような感じがしました。護郷隊にいた人たちは皆、決して彼ら隊長たちのことを悪く言わないわけじゃないですか。それが単純にエリートで頭がいいというだけじゃなくて「とても思いやってくれた」みたいなことを言う人もいたり。あるいは「戦後もずっと沖縄に通って慰霊をしてくれた」とか。そうやって子供たちの心をつかむというのも、実は中野学校での教育の成果というのもあるんですかね。

三上 それもあると思います。人心掌握のために、地域の人たちの心をどうやってつかむかということも村上さんは自著の中で言及もしています。部下の出身地と親の職業を覚える、と。また訓練中ですが、勉強を教えたりもしています。ただでさえ軍国教育で忠誠心を叩き込まれている少年たちが、そういうふうに接してもらったら、「この人と生死を共にしよう」と思いますよね。
 でも、本当に真心というか、「誠」という言葉を中野学校出身の人たちはとても大切にしているんですけど、誠の気持ちで子供たちに接していたとも思います。彼ら自身の心の中でも、嘘とかごまかしとか、「こうやっとけば、あいつらついてくるぜ」というような気持ちはなく本当に誠からやっていたかもしれない。でも結果的に少年たちの気持ちをしっかりつかんで遊撃戦をやれたのですから、元上官からすれば素晴らしい作戦遂行能力だったと評価されるでしょうね。

香山 自分が暴力を振るうんじゃなくて、子供同士で殴り合わせて暴力的な管理をしたと、いうのもそうですよね。じゃあ、戦後慰霊のために毎年通っていたのは、本当に本人たちの個人的な思いなんですかね。

三上 それはそうだと思います。村上さんのほうが数は多く、1年も休まずに来ていて、岩波さんは2年に1回くらいのペースで。でも、晩年はあんまり岩波さんはいらっしゃらなかったんです。岩波さんは自著に「全ては悲しい出来事で振り返りたくない」と書いています。
 でも村上さんは、もう通って通って、通うことで、自分の中にある、やまない声というものを静めたかったのかな、と私は思ったりします。晩年は車椅子で最後の何年間かはいらっしゃっていたけど、一番最後に、顔をくしゃくしゃに崩して泣きじゃくったのを見て、みんなが呆然としたということがあったんですけど……。やっぱり、どうやっても自分の中で収めることのできない思いというのがあったんだろうなと。

香山 逆に言うと、戦争中は、ある種の洗脳に近い教育が彼らに対してもあったということですかね。

三上 これは私も逆に香山さんにお聞きしたいんです。村上さんは、本当に「ラストサムライ」みたいな感じで、正義感も強くて、部下に対する思いも熱く、男としての生き方も非の打ちどころがない。私がもし当時出会っていたら惚れていたんじゃないかというぐらい、性格もスパッとした仁義の人だったと思うんです。
 戦時中も部下の少年たちに、そういうふうにして接してきて、戦後も、罪を償うために彼は十分やったよねと、部下たちは認めていたと思うし。ただ、遺族感情はそれとは別です。
 久高良夫さんという戦死した少年兵のお母さんが唯一、村上さんに食って掛かった人でした。「何でおまえが生きているんだ」とつかみかかったという話を、映画の中で弟さんがしています。そういうふうに、もちろん少年兵の遺族には恨まれもしたけど、ほとんどの人からは、あれだけ誠意を尽くした人はいない、と思われるところまでは頑張った。
 それでも、あれだけの少年たちの命を犠牲にして自分は生き延びてしまった、ということを、自分の中で自分を許すことができなかったのかな、と思うんです。わんわん泣くというのは、どういう気持ちだったんだろうな、と。

香山 この本の中にも、瑞慶山良光(ずけやま よしみつ)さんという、戦後にPTSD(心的外傷後ストレス障害)で苦しんだという元少年兵の方が出てきますが、沖縄戦のPTSDの問題って、一部の精神科医によってしか研究もされていなくて……。

三上 そうですね。私も、心療内科医の蟻塚亮二先生が沖縄で本格的に取り組み始めた時に一緒に取材させてもらいましたが、戦争のPTSDに関しては、広島、長崎のほうが全然進んでいて、沖縄戦に関しては、全く手をつけ始めた頃だったですね。

香山 私も蟻塚先生とある研究会で御一緒させていただいているんですけど、蟻塚先生が、老人ホームとかでいろいろ聞き取りをしていてハッと気づかされたというのが、認知症になって最近のことは覚えていないけど、むしろ昔のことがよみがえってきてしまって、今起きたかのように感じることがある、と。たとえば死体を踏んで歩いたという感触がよみがえってきて、すごい恐怖に襲われる方もいる、という話を聞いて、そうかと思って。
 それまでは理性で抑え込んだり、仕事で忙しかったりして覆い隠していたものが、認知症になると、根源にあった不安とか恐ろしい体験、恐怖心というのがむしろよみがえっちゃうことがあるんだ、と。さっきの村上さんが号泣したというのも、そういうことかもしれないですね。

三上 まさにそうだと思うんですよ。それまで自分の生き方とか常識とか蓄積した信頼関係とかが抑えになっていて「もう罪も許されたかもしれない」という後から上書きしていったものが、消えてしまって。

香山 そうそう。蟻塚先生は、年を取ればもうつらいことも忘れられるのかと思ったら、逆だと言うんですね。これはすごく残酷なことだな、と思いました。

三上 そうなんですよね。だから、この映画のキャッチコピーに、「もう、忘れていいよ。わたしがここで、覚えてるから」とつけたんです。
 私が辺野古や高江の基地反対の現場にずっと行っていると、沖縄戦を体験したおじい、おばあが一番頑張っているんです。時間があるというだけじゃなくて、戦争体験があって、自分だけが生き延びてしまったことを肯定できない、という思いを抱えているお年寄りがすごく多くて。「自分は生き延びたのに、基地が残ってしまってまた戦争が起こるかもしれないことに対して、何にもしないわけにはいかない」って基地反対のデモに出ているわけです。

香山 そうですね。まさにご自分の心的外傷と戦っている姿にも見えます。

三上 これだけ時間が経っても戦争で受けた心の傷を癒すどころか「基地を残したまま死ぬことはできない」という思いがつのっていく。だんだん思考がまだらになって行くのなら悲しすぎる記憶は忘れていってほしいのに、逆にそこがどんどん鮮明になっていってしまう、というのが本当につらいので……。「その苦い記憶は私たちが引き継ぎますから」っていうことは、口はばったくて、私も何年も言えませんでした。でも、少しでも引き受けて「私たちが覚えているから、もう忘れて」と。「このまま、こんな重いものを持ってあの世へ行けない」と言わないで、もう忘れていいよ、私たちが覚えているから、という気持ちで、大矢英代(おおや はなよ)(映画「沖縄スパイ戦史」の共同監督)とこの言葉を作ったんです。

香山 なるほどね……今もまだ解決していない、沖縄戦を生き抜いた人たちのそういう思いがあるにもかかわらず、沖縄っていまだに差別を受け続けているわけですよね。


沖縄やアイヌ民族に対する新たな差別が始まっている

香山 私が沖縄にちょっと関わるようになったのが、2016年に琉球新報の新垣毅(あらかき つよし)さんが東京支社に赴任して来た際、家を借りようと思ったら断られたという事件もきっかけの一つでした。「琉球新報には貸さない」と大家が言った、と。
 その頃私は、在日の朝鮮・韓国の人たちへの差別の反対活動に関わっていて。あと私は北海道出身なのでアイヌ差別にも反対していました。とくに人種差別、民族差別はナチスをはじめとして大虐殺にもつながります。絶対にあってはならないことと思うのです
 アイヌの方は彼らが置かれてきた状況から所得も低かったり大学進学率も低かったり、結婚する際もいまだに差別されたりということがあるんですが、それに加えて新しい差別も起きています。2019年5月にアイヌを日本の先住民族と認めるアイヌ新法が施行され、今年は「ウポポイ(民族共生象徴空間)」という施設も北海道にオープンしました。でも逆に「それでいい思いをしているだろう」ということを言う人たちがいて。アイヌ新法施行に当たって政府がパブリックコメントを募集したら、寄せられた6305件の大半がアイヌ民族の存在を否定するなどの差別的な表現で占められており、約98%が公表の対象外となっていたことを北海道新聞が報じていました。

三上 そんな高い割合でですか。

香山 「アイヌ民族など存在しない」とか「アイヌ民族は先住民族ではない」「アイヌ民族への差別はなかった」といったまったく根拠のない差別的コメントが大半だったのだそうです。
 私はそういう差別反対運動にずっと関わっていたんですが、新垣さんの記事を読んで「えっ、沖縄に対してもそういう差別があるのか」と気づきました。その頃ちょうど作家の百田尚樹さんが自民党の勉強会で「沖縄タイムスと琉球新報は潰れたほうがいい」みたいな発言をしていた影響もあるんでしょう。不動産会社の話では、大家さんが右派的な人なので、と言われたと。

三上 私もその時のこと、強烈だから覚えています。でもあの件は民族や人種差別というニュアンスではなく「左翼がかった新聞社には協力したくない」という感じだったのでは。

香山 そうそう。でも新垣さんがいろいろ調べたら、昔も「琉球民族には貸せない」というような差別を受けた人がたくさんいた、と。

――1950年生まれの翁長雄志元沖縄県知事も、法政大学に通っていた頃、「琉球人には部屋は貸せません」という差別を受けた、と語っていますね。そうした差別は東京や大阪でも多かったようです。

香山 そういう昔からの差別に加えて、また新しい差別が起こっている。アイヌと同じですね。「琉球民族」とか、「彼らに自己決定権を」とか言う人は「左翼だ」「反日だ」と言われて
 2013年に翁長さんら沖縄の全自治体の首長さんたちが銀座でオスプレイ反対デモをしたら、「反日!」という罵声をすごく浴びて衝撃を受けたと、生前、繰り返しおっしゃっていましたよね
 ただでさえ沖縄は日本で唯一地上戦を経験し、戦後は長年アメリカに支配され、復帰後も差別されてきた歴史を引きずって、いろんな不利益を被っているのに、また今、新しく声を上げるだけで「反日だ」とか「売国奴だ」と言われる。差別の位相が変わったと思います。あまりにもひどい話です。


誰が当事者なのか?

香山 2016年にその新垣さんの事件があって、在日コリアンへの差別に反対していた私の仲間も「これ、沖縄も同じなんじゃないか」ということに気づいて。ちょうどその後に、高江ヘリパッド建設反対のデモを鎮圧しに、7月に機動隊が千人来るというできごとがあったんです。それで私の友人の添田充啓そえだ あつひろ君も高江に行ったんです。そして彼らが「高江ではひどいことが起きている。東京で差別反対をやっている人は皆来るべきだ」と言うんで、私も行くようになったんですけど。
 そうしたらそこで添田君たち東京からデモに行った人も、沖縄平和運動センター議長の山城博治(やましろ ひろじ)さんと一緒に逮捕されて、山城さんは5ヵ月勾留されたけど、添田君は199日勾留されて……。彼は裁判では執行猶予だったんですけど、長期勾留でもう本当に心身がボロボロになりました。それがもとで血圧が安定しないなどいくつも病気を抱えることになり、結局2年前に亡くなったんですよ。最期まで沖縄についても勉強を続けていて、本当にかわいそうでした。

三上 そうですよね。何とも言えなかったですね。
 でも、その高江ヘリパッド建設反対が盛り上がっていたころ、「香山リカが来る!」という情報がネトウヨを中心に大袈裟に取り沙汰されましたよね。「香山さんが辺野古や高江とかに関わることは許せない」という人たちがいることに、私はすごくびっくりしたんです。多くの有名人も駆け付けていた中で、あれって何だったんでしょうね。

――よそ者や門外漢は口を出すな、ということだったんでしょうかね?

香山 でも私は、それに関しては、彼らにちょっと感謝しているところがあって……。どこまで当事者じゃない人間がかかわっていいか、ということを深く考えさせてもらいました。
 それまで私も、精神科医としては社会的な弱者の方たちの問題にもいろいろ関わってきました。精神疾患になる人たちは、精神疾患になるというだけでも社会的に弱い立場になるわけですから。
 でも「差別に反対するのは、当事者以外の人が余計なこと言っちゃいけないんじゃないか」という思いが自分の中にずっとあったんです。たとえばアイヌのことも「アイヌの人は言っていいけど、私は搾取してきた和人の側だから私が口を出したら、おまえ何言ってんだよ、と言われるんじゃないか」と思ったり。
 でも世界的に「スタンドアップ・フォー・サムバディ」、つまり「自分以外の誰かのために声を出してもいいんだ」という考え方が2000年代に広まってきて。「当事者をむしろ前に出しちゃいけない、当事者以外の人がやるべきなんじゃないか」と。イラク戦争とか、東日本大震災後の原発の問題でも特にそうですね。福島の人が声を出すのは当たり前だけど、「別に福島の人じゃなくたって声を出していい」という流れが出来てきて。それで、在日差別に反対して声を上げることを在日じゃない人がしてもいい、というようになってきました。
 ただ沖縄のことは、「ウチナンチュでもない私が……」とか「東京から物見遊山みたいな感じで押しかけたりしちゃいけないんじゃないか」という思いもあったんです。だけど先に東京から行った添田君たちは「何言っているの? これは日本の問題なんだから誰だって当事者だし、別に沖縄の人じゃなくたって声上げていいんだよ」と言ってくれて、「ああ、そうなんだ」と思って私も行ったんです。当事者ではないのでおそるおそるでしたし、批判もあって当然と思います。

三上 その「当事者性」ってすごく大事な問題ですね。たとえば辺野古の海の埋め立てについて、誰が当事者なのか? 辺野古の集落の人が、その海の埋め立てについて第一発言権があるのか? これだけ地球規模でサンゴ礁がなくなっていく中で、このサンゴ礁も奪われたら、もう海洋環境を取り戻すことができないかもしれない。これに関しては、海洋環境を憂う人はどこの誰でも発言権はあると思います。たとえばそこに住んでいない学者でも、サンゴのことを研究している人が「辺野古の地先を埋めるなんて、地域の人が100%いいと言ったって駄目です」と言う権利もあるし。「価値が分かる人が当事者だ」と私は思っているんです。
 だから、「そのことの重大性が分かって、そのために居ても立っても居られない気持ちになる人が当事者であって、解決能力を唯一持っている」と私は思っていて。そこに住んでいても、血統がどうであっても、関心がない、気づかない人はたくさんいるし、闘いたくない人もいる。
 辺野古に戦前からずっと住んでいて、日本軍が来るわ、米軍が来るわ、基地が造られるわ、みんなモメてるわで、そこにいる人たちは、ニュースも見たくないし、外から来てワーワー反対運動をやっている人を見ても、気分が悪いとしか思わない。そのことを自分の人生から外したいと願って生きている人に、「でも、当事者でしょう。頑張って考えて」と言うこともまた、私は暴力だと思うんです。だから、考えない自由も、逃げる自由も、「そこにいるんだから頑張りなさい」と言われない自由もあると思います。

香山 そうですね。だけど、そういう発言しない人や見たくない人が利用されちゃうこともありますね。たとえば高江のある東村でパイナップル農家をやっていて「ヘリパッド反対の人たちが来てうるさくてしょうがない」とかというような思いの人もいるわけですよね。すると「ほら、村の人も迷惑だと言っています」とかいうのを声高に言う人もいる。

三上 そうそう。辺野古の人たちのところに行っては「反対運動の人って嫌でしょう」と聞いて回っているメディアもあります。

香山 そういう意味では、誰も本当に中立とか無関係ではいられないんですよね。「私は政治的なものを見たくないから、そういうのとは一切離れていよう」というのは、今の社会では、残念だけどあり得ない。

三上 あり得ない。政治的じゃない事柄って世の中にないですよね。「自分は中立」という絶対安全な丘にいて、いつもそこから物を眺めたいという気持ちは分かるけど、絶対的な中立の地点なんて人間に測ることができるはずないし、偏らず思考することも無理ですよね。


「芸能人は政治発言するな」という欺瞞

香山 残念なことに、「ニュース女子」という番組の問題(*)もありましたけど、基地に反対する人たちを「反日勢力」だとか「売国奴」だとか「外国の支援を受けている」みたいに言う人たちの声が、今すごく大きくなっちゃっている。

――「芸能人は政治発言するな」などという言説は多いですね。モデルのローラさんがSNSで辺野古の埋め立てに反対発言を出したら、テレビでも「勉強が足りない」「黙ってろ」と言われたり。

香山 そうですよね。

三上 5月に小泉今日子さんが「私、更に勉強してみました。読んで、見て、考えた。その上で今日も呟かずにはいられない。#検察庁法改正に抗議します」とツイートしたら、「政治的な発言をするな」って叩かれましたよね。「キョンキョンがそんなこと言う必要はないんだ」「アイドルの延長線上のフワッとした存在でいるべきだ」なんて、50代の女性に向かって、全くナンセンスなことを言う人たちが大勢いました。
 でもキョンキョンがこの話題を呟いた時に叩きに行く人って、香山先生が高江に来た時に「おまえが行くな」みたいなことを言った人と、何かグループが似ていると思いました。それまで自分が辺野古について発言するチャンスもなかったし、人権派として行動するような素養もなくて、でも何となく反対運動やっている人ってやな感じ、と思っている置いてけぼりさんが、同じく門外漢だと思っていたある人が辺野古や高江について発言したりすると、「何でおまえがやるんだ」って叩くことで、何もしていない自分を肯定して溜飲を下げるという。まともな発言をする人をみんなでコキ下ろしたって、決して自分が上がることはないのに、SNSがそういう場を提供している面があります。

香山 でも逆に、芸能人が政権を支持するような発言をしても「政治的だからやめろ」とは言われないわけじゃないですか。「安倍さんも頑張ってますよね」とか「今の政府はやることやってますよ」とか「みんな、足を引っ張るのはやめましょう」とか「応援しましょうよ」とか言えば、むしろ覚えがめでたい

三上 そうですね。だから、自分は主流派に乗りたい、多少媚びてでも何も考えないで勝ち組に乗っていたいという人たちにも、後ろめたさがあるんじゃないですかね。

香山 そうですね。本当に勢力が拮抗していれば、何も発言しないのは中立かもしれないけど、今こんなに権力のほうが肥大化している時に何も発言しないのは、実は知らない間に権力側に加担しているわけです。「いや~、私、政治は分かりません」とか言っていると、知らない間に権力側を後押しすることになる。

三上 そうですよ、完全に。A政党とB政党というのが拮抗していたら、どっちに偏るとか、二項対立みたいな構図が一時的に描けると思うんですけど、今って自公という勝ち馬と、そこに乗り切れない人たちと伝統的な野党がいろんな形で離合集散しているけど、全然バランスも取れてない。でも、「勝ち馬に乗ることでしか自分の安泰の道はない」という思考の人からしたら、「政府に反対する人たちを皆で叩いて、勝ち馬を絶対のものにしておいたほうがいい」という集団心理が働くのかも。だから「沖縄問題にコミットする人は、何となく自分たちの立場を危うくするんじゃないか」と感じるんじゃないですかね。

香山 うんうん。そういう人は、言い訳のように、「私も沖縄は大好きなんですよ」とか「移住したいぐらいです」「一年に何回も行くんですよ」と私的体験を話すんですよね。それからおもむろに「でも基地反対とかは、ちょっと……」と言う。つまりその人にとって沖縄というのは、ただの癒やしの島として利用するだけで、行って自分がリラックスさせてもらえばいい、としか思ってない。「沖縄大好きなんだけど」とか言いながら「でも、基地はそちらにお願いしたい」なんて都合よすぎますよ。
 沖縄の人でも何人か、デマゴーグみたいな人がいるじゃないですか。でも、その人たちがすごく声が大きかったり、そういう右派的な発言をする女性が産経新聞とかのお正月特集で安倍総理と一緒に晴れ着を着て写っていたことがありましたよね。

三上 でも彼らが沖縄の一般の人たちにどれだけ影響力があるかというと、あまり存在も知られていないのではないでしょうか。一部のメディアが「沖縄の人たちにもこういう人がいるんだ」とか、「実は基地反対より、こういう意見が多いんだ」と騒いで彼らに力を与えているだけで。

香山 そうなんですね。少しホッとしたような気もしますが、でも安心はできないですね。

(後編に続く。後編は8月18日アップ予定)

*「ニュース女子」問題:東京の地上波放送局TOKYO MXの情報番組「ニュース女子」2017年1月2日放送回で、「沖縄の基地に対する反対運動には日当が払われていた」などとする報道があり、「事実関係が間違っている」「沖縄に対する偏見を煽っている」など多数の視聴者意見が放送倫理・番組向上機構(BPO)に寄せられ、BPOは審議・調査の結果、MXが番組内容を適正にチェックせず、中核となった事実についても裏付けがないとして「重大な放送倫理違反があった」と発表。その後、同番組のMXでの放送は打ち切られた。同番組は、化粧品大手ディーエイチシーのグループ会社「DHCテレビジョン」が取材・制作し、MXは完成版の納品を受けて放送していた。

プロフィール
香山リカ(かやま りか)
1960年、北海道出身。東京医科大学卒業。精神科医。立教大学現代心理学部教授。著書に『「独裁」入門』(集英社新書)、『オジサンはなぜカン違いするのか』(廣済堂新書)、『ヘイト・悪趣味・サブカルチャー  根本敬論』(太田出版)、『皇室女子 〝鏡〟としてのロイヤル・ファミリー』(秀和システム)、『劣化する日本人 自分のことしか考えられない人たち』(ベスト新書)、『しがみつかない生き方 「ふつうの幸せ」を手に入れる10のルール』(幻冬舎新書)など著書多数。8月22日に徳田安春氏との共著『医療現場からみた新型コロナウイルス』(新日本出版社)発売。

三上智恵(みかみ ちえ)
ジャーナリスト、映画監督。毎日放送、琉球朝日放送でキャスターを務める傍らドキュメンタリーを制作。初監督映画「標的の村」(2013年)でキネマ旬報ベスト・テン文化映画部門1位他19の賞を受賞。フリーに転身後、映画「沖縄スパイ戦史」(大矢英代との共同監督作品、2018年)は、文化庁映画賞他8つの賞を受賞した。著書に『証言 沖縄スパイ戦史』(集英社新書)など。9月25日、本編114分に加え73分に及ぶ特典映像も収録した映画「沖縄スパイ戦史」DVD(紀伊國屋書店)が発売に。
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(その2/2へ)

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●《田中容疑者に限らずトラブルでニュースになった維新関係者は多い。サウナ、殺人未遂、公然わいせつ…。なぜ、こんなに続くのか。》

2021年05月29日 00時00分50秒 | Weblog

[※サンデーモーニング(2017年10月1日)(三「ト」物語)↑]


(2021年05月23日[日])
中沢佳子記者による、東京新聞の記事【公然わいせつ、北方領土で暴言…維新の不祥事なぜ相次ぐ? 署名偽造容疑の田中事務局長は衆院選の公認予定も】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/105431)。

 《愛知県の大村秀章知事のリコール(解職請求)運動を巡る署名偽造事件で19日に逮捕された活動団体事務局長の田中孝博容疑者(59)は、日本維新の会支部長を務め、次の衆院選の公認候補になる予定だった。振り返ると、田中容疑者に限らずトラブルでニュースになった維新関係者は多いサウナ、殺人未遂、公然わいせつ…。なぜ、こんなに続くのか。(中沢佳子)》。

 《愛知県で民主主義の根幹を揺るがす事態》《一種のテロ行為》《署名偽造によって容疑者が殺そうとしたのは長年大切に育ててきた民主主義である》…で、ようやく逮捕者。それにしても、スッゲェなぁ、お維。《維新関係者の不祥事は目に余る》《不祥事のデパート》。《田中容疑者に限らずトラブルでニュースになった維新関係者は多い。サウナ、殺人未遂、公然わいせつ…。なぜ、こんなに続くの》でしょうねぇ?

   『●ご冗談を橋下さん:「泣き落とし」の一環、「やめたらアカン」
              ……なんて許されない、すっぱり政界引退を
   『●《差別の歴史、力の差を無視して
     「どっちもどっち」論に持ち込む》(阿部岳さん)低民度…抗い続けねば
    《高江に派遣された大阪府警の機動隊員が県民を「土人」とののしった時、
     松井一郎府知事は「相手もむちゃくちゃ言っている。相手は全て許されるのか
     と言った》

   『●〈猛省と自重の決意の証…議員在職中において
      公私一切酒を口に致しません〉…飲酒で片づけられる暴言か?

 《「けんかスタイル」で党勢を広げる維新の手法》というよりも、「支離滅裂なスタイルによる…お維の手法」。それを支持する大阪の人たちを理解できない。《命をかけさせられるのはまたも大阪府民なのである》(リテラ)のに。《大阪を立て直したのは維新だと考える市民は今も多い》…あぁ。お維非支持の大阪の皆さんが、ホントにお気の毒。《政治家の資質に欠ける人材が紛れ込むようになり、党の質を低下》…《紛れ込む》というよりも、《政治家の資質に欠ける人材》でない人材を探す方が大変。誰か居たら、教えて下さい。《党の質》が高かった時期などあっただろうか?

 お維の不正への組織的関与は?
 大村秀章知事「河村氏と高須氏が(リコール運動の)首謀者人ごとのような言い逃れは通用しない河村氏はすべて事実を明らかにして責任を取るべきだ」。そして、次の焦点はお維の不正への組織的関与だ。(リテラ)《実際、維新が選挙活動に使っていた車と同一ナンバーの車が、リコール運動の街宣活動に使用されていたという情報もある。ようするに、維新は組織としてこのリコール運動をバックアップし、リコール運動を選挙活動に利用しようとしていた可能性もあるのだ》。次の焦点として、お維の組織的関与の徹底的解明を。
 東京新聞のコラム【筆洗/映画の「太陽がいっぱい」でアラン・ドロン演じる若者トム・リ…】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/105368?rct=hissen)によると、《…トム・リプリーが他人のサインを練習するシーンがある▼自分が殺害した大富豪の子息のサイン。サインを覚え、その人物にまんまとなりすまそうという魂胆である。大きな紙にプロジェクターでその人物のサインを投影し、何度も何度も上からなぞり、筆跡を覚えていく。リプリーの必死さが伝わってくる▼こちらの稚拙な署名偽造には太陽ではなく愚か者がいっぱいというタイトルをつけたくなる。大村秀章・愛知県知事に対するリコール署名偽造事件で愛知県警は運動団体事務局長で元県議ら四人を地方自治法違反の疑いで逮捕した▼リコール署名が思うように集まらない焦りからアルバイトを使って有権者の氏名を署名簿に書き写させていたとされる。発覚しない方がおかしいほど乱暴で子どもじみた手口である提出した署名簿の八割が偽造だったとはでたらめにもほどがある▼どこまで罪の重さを認識していたか。署名偽造によって容疑者が殺そうとしたのは長年大切に育ててきた民主主義である。署名が集まらないのなら偽造してしまえ。それは選挙でわれわれの投票用紙を奪われ、支持できない候補に知らぬ間に投票されてしまうことと同じである▼再発防止は無論、黒い企ての全貌を明らかにしたいかかわった人物はまだ「いっぱい」いるかもしれない。》

   『●リコール対象はコチラなのでは? 大阪市廃止「ト」構想の《関連経費
      として投入された公金は100億円を超える》、さらに公明党と密約
   『●「広域行政一元化」なんて言い始めた《大阪の3バカが活動拠点を
       国政に移せば、日本は目も当てられなくなるだろう》(適菜収さん)
   『●《橋下徹…「万博が実現したのは松井さんの政治力。安倍さんの
     おちょこに酒をついで『(万博は)必要ですよね総理』と口説いた」》

   『●お維大阪「ト」政による医療福祉の削減、大阪市廃止「ト」構想に
      かまけてCOVID19対策を放置…リコール対象はお維だったのでは?
   『●「2,912,628票」「3,661,371票」、ホントに小池「ト」知事でよかった
      の? COVID19禍の年末年始も弱者の支援や相談に応じていたのは誰?
   『●《医療や保健所を削減…ろくに対策もせず都構想住民投票を強行…
     つまり維新による人災》…お維支持者の皆さんは沈黙? お優しいことだ
   『●《吉村洋文…小池百合子…鈴木直道…菅義偉…安倍晋三…「最も評価
     できない政治家」…なら理解できるが、やはり日本は完全に壊れて…》
   『●《愛知県で民主主義の根幹を揺るがす事態が明らかになった。知事の
      リコールを求めた署名の八割余に無効》…リコールされるべきは?
   『●扇動者なりの責任を ――― デタラメで組織的不正な《リコールを後押し 
          しながら不正発覚にだんまりの百田尚樹、有本香、吉村知事》
   『●《おおっぴらに「賛同」を表明し「応援してます」などとエールを
     送っていた》…(組織的不正無しでの)真にリコールされるべきはお維
   『●泥縄、《茶番》――― いずれ静かに消えゆく〝ファクトチェック〟
      by お維 ⇨ 組織的不正なリコールの件はファクトか、デマか?
   『●《大阪維新「ファクトチェッカー」が一般市民の事実に基づく行政批判を
           吊るし上げ!「まず吉村のイソジンをチェックしろ」と非難殺到》
   『●《愛知県で民主主義の根幹を揺るがす事態》《一種のテロ行為》―――
         組織的不正なリコールへのお維の関与はファクトか、デマか?
   『●病床のダウンサイジング…《病床削減のために195億円もの巨額が
     計上…しかも、その病床削減のための財源は、消費増税分で賄われる》
   『●COVID19変異株による第4波に対して何を? 「#打つ手なし」で
     非常事態宣言解除 ―――― 無為無策無能過ぎるカースーオジサン
   『●大阪「ト」知事《「大阪は第4波に入った」「一足早く緊急事態宣言を
      解除したので、そのリバウンドもあると思う」…他人事のように分析》
   『●大阪「ト」知事三代が大阪破壊 … 「身体が痛いおばあさんに手術を
      待ってもらう知事が、先の万博を胸にぶら下げてる…」(坂本篤紀氏)
   『●《命をかけさせられるのはまたも大阪府民なのである》(リテラ)
     ――― お維を支持していない大阪の皆さんに、とても同情する……
   『●お維・田中孝博元愛知県議が、リコール不正署名事件で、大量の
     署名の書き写し作業の発注を認める…一方、河村たかし氏再選のトホホ

   『●大村秀章知事「河村氏と高須氏が首謀者。人ごとのような言い逃れは
      通用しない。河村氏はすべて事実を明らかにして責任を取るべきだ」


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https://www.tokyo-np.co.jp/article/105431

公然わいせつ、北方領土で暴言…維新の不祥事なぜ相次ぐ? 署名偽造容疑の田中事務局長は衆院選の公認予定も
2021年5月20日 12時35分

     (リコール活動団体の事務局長を務めた田中孝博容疑者)

 愛知県の大村秀章知事のリコール(解職請求)運動を巡る署名偽造事件で19日に逮捕された活動団体事務局長の田中孝博容疑者(59)は、日本維新の会支部長を務め、次の衆院選の公認候補になる予定だった。振り返ると、田中容疑者に限らずトラブルでニュースになった維新関係者は多い。サウナ、殺人未遂、公然わいせつ…。なぜ、こんなに続くのか。(中沢佳子)

【関連記事】県議任期中に負債を抱え、俳優業にも挑戦…田中容疑者の波乱の人生


◆「不祥事のデパート」の声も

 田中容疑者は地方自治法違反容疑で逮捕された。昨年10月、アルバイトを集めて署名を偽造した疑いが持たれている。次の衆院選に維新公認で出馬予定だった。問題発覚後に辞退したものの、記者会見などでは繰り返し不正への関与を否定していた。

 維新関係者の不祥事は目に余る。今年4月に知人を車ではねた日本維新の会の国会議員の男性公設秘書が大阪府警に逮捕された。なんと殺人未遂容疑で、世間を驚かせた。その後、容疑名は傷害に切り替わり、起訴猶予になった。

 大阪府池田市の冨田裕樹市長も市政を大混乱させた。家庭用サウナやトレーニング機器などさまざまな私物を市庁舎に持ち込み、市議会で追及されたのだ。大阪維新の会の公認で2019年4月に初当選した。問題発覚後に離党し、辞職する考えも表明した。

 他にもある。昨年8月、日本維新の会に所属していた東京都港区の男性区議が下半身を露出したとして、公然わいせつ罪で罰金15万円の略式命令を受けた。当時、この区議は維新の支部長。事件を受けて除名処分になった。19年5月には、日本維新の会に所属していた丸山穂高衆院議員が、北方領土のビザなし交流で訪れた国後島で、元島民に戦争で島を取り返すのは賛成ですかなどと言い、除名された。

 これでもまだ一部。「不祥事のデパート」とまで言い出す人がいる始末だ。なぜ続発するのか。


◆「けんかスタイル」

 「維新は党として不祥事と正面から向き合おうとしない原因究明も再発防止策の検討もせず、除名などでお茶を濁す自浄作用が働かない」とは、大阪政治ウオッチャーのジャーナリスト吉富有治氏。根底には、橋下徹氏が率いた地域政党「大阪維新の会」時代から続く、支持者の期待が根強いことも一因と見る。

 「かつて大阪は市職員の厚遇や不祥事などが大きな問題になった。そこへ府知事に就任した橋下氏が改革を唱え、喝采を浴びた」と吉富氏は振り返る。

 08年の府知事選で当選した橋下氏は10年に「大阪維新の会」をつくり、翌年の統一地方選で府議会単独過半数に。12年には国政政党「日本維新の会」を発足させた。「大阪を立て直したのは維新だと考える市民は今も多い。それが維新の強さであり、不祥事への甘さにつながった」

 吉富氏は「けんかスタイル」で党勢を広げる維新の手法も問題視する。「既存政党や公務員、マスコミなどを敵に仕立てて攻撃し、現状に不満を抱く人を取り込んできた。公認候補も、学歴や経歴など、見栄えを重視しがちだ。それで政治家の資質に欠ける人材が紛れ込むようになり、党の質を低下させた」

 政治評論家の小林吉弥氏は「維新は関西でこそ強いが、全国で見れば勢力が伸びていない、過渡期の政党。集まってくる人間の資質を見極められていない面がある」とみる。そして小林氏は「党内を引き締める存在もおらず、緩みも目立つ。内部統制をきかせなければ、本格政党として国民の信頼を得られない」とくぎを刺す。
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●《第二次安倍政権以降、司法の独立は脅かされつづけている》…〝本土〟マスコミの無関心も相まってソレが沖縄では如実に表れ続けている

2021年04月12日 00時00分16秒 | Weblog

[※ 辺野古は破壊「損」 【米軍飛行場の移設先として工事が進む沖縄県名護市の海岸】(東京新聞 2020年4月3日)↑]


(2021年03月28日[日])
琉球新報の【<社説>嘉手納爆音上告棄却 司法の責任を放棄した】 (https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1292949.html)。

 《第三者行為論の背後に「高度の政治性を有する安保条約は司法判断になじまない」とする統治行為論がある。統治行為論は米軍駐留を違憲とする一審を破棄した59年の「砂川事件」最高裁判決で示された。この時、米国の内政干渉により司法がゆがめられたことが米公文書で判明している》。

 最高裁第3小法廷・戸倉三郎裁判長は住民側の上告を棄却…。現在の最高裁裁判官は、アベ様の息のかかった方々ばかりだ、と言われています。

   『●アベ様のオトモダチのオトモダチを最高裁判事に任命?  
                「政治判断」乱発の最「低」裁からも忖度?
   『●あのアベ様のオトモダチのオトモダチ・木澤克之氏…
        《2017年最高裁判所裁判官国民審査》を迎える!!
    「【2017年最高裁判所裁判官国民審査】によると、以下の7名だそうです。
      ①小池裕
      ②戸倉三郎
      ③山口厚 
      ④菅野博之
      ⑤大谷直人
      ⑥木澤克之
      ⑦林景一
     …最後にもう一度、思い出そう…《はたしてこれらは、単なる偶然なのか
     つまり、安倍首相は最高裁人事まで私物化し、“オトモダチのオトモダチ”
     のために、ポストを用意してやったのではないか。そういう疑念が
     頭をもたげてくるのである》」

   『●「完全に司法に影響を与えようとする
     露骨な圧力にほかならない…暴挙」…着々と司法を掌握した効果
   『●「上告断念は、最高裁への抗議と不信任「最高裁には
         もはや何も期待できない」」…アベ様支配の最「低」裁
   『●《余ると分かっている電力を、なぜ原発で作り続けるのか?》
              核発電「麻薬」中毒なアベ様に忖度する九電
    《最高裁判事は十五人いるが、戸倉三郎裁判官は岡口裁判官が厳重注意
     された当時、東京高裁長官だったため今回の審理から外れた》
    《ツイッターへの不適切な投稿問題で東京高裁の岡口基一裁判官が
     戒告となった。「品位を辱めた」が理由だ。
     だが、さまざまな社会事象への裁判官の考えは、
     個人として発信していいのではないか

 《第二次安倍政権以降、司法の独立は脅かされつづけている》…〝本土〟マスコミの無関心も相まって、それが沖縄では如実に表れ続けている。アベ様や元・最低の官房長官による《メディアコントロール》の〝成果〟の一つでもある。

   『●アベ様らは何が何でも辺野古破壊、「ヒラメ裁判官が、
          よりによってこのタイミングで那覇支部長」に就任
   『●高江破壊差し止め仮処分申請が却下
     …司法判断ではなく、「工事者の政府に寄り添う」政治判断
   『●県の敗訴を前提にするアベ様や裁判長という 
      異様な辺野古破壊訴訟…そもそも「違法」を口にする資格は?
   『●「最低裁」のコールが聞こえる…沖縄負担軽減担当相らの
             「辺野古が唯一の解決策」をオウム返しでしょう…
   『●辺野古破壊への「県側の徹底抗戦はこれからだ…
       翁長知事は二の矢、三の矢で巻き返しを図るつもり」
   『●「戦争のためにカメラを回しません。
     戦争のためにペンを持ちません。戦争のために輪転機を回しません」
   『●望月衣塑子東京新聞記者、議論無く「「欧米列強に倣え、進め」
                    と武器輸出推進の道に歩みを進めている」
   『●壊憲反対の不断の声を: 
     「戦後の歴史の岐路かもしれません。不断の努力こそ求められます」
   『●「腐臭を放つ「判決」」と臥薪嘗胆:
     「銃剣とブルドーザー」から「自衛隊と機動隊とヒラメ裁判長」へ
   『●重大な誤りを含む「腐臭を放つ「判決」」:
     「沖縄を弄んだというしかない」異常な辺野古破壊訴訟判決
   『●辺野古破壊のデタラメ: 《司法の監視機能の形骸化》、
        どこが法治国家なのか? アベ様が統治する人治国家
    《辺野古岩礁破砕訴訟 監視機能が形骸化 …沖縄県名護市
     辺野古の岩礁破砕差し止め訴訟は一審に続き二審判決も裁判所の
     審理対象かどうかの入り口論に終始し、県の訴えを門前払いした
     国の違法性が問われている中、沖縄防衛局の法手続きの是非に
     一言も触れない判決司法の監視機能の形骸化といえる…
     福岡高裁那覇支部の大久保正道裁判長は一審那覇地裁に続き、
     漁業法の解釈や無許可の根拠法などについて国に主張を求めよう
     としなかった法解釈への見解を避け、問題解決への道筋も
     示さなかった

   『●目取真俊さん「裁判所が市民を守る立場にないなら、
     誰が市民を守るのか」!? 法的根拠もあいまいなまま長時間拘束
    《大久保正道裁判長…は、目取真さん側が刑事特別法による
     緊急逮捕は違憲ではないと判断した一審判決を不服とした
     控訴を棄却した…目取真さんは「裁判所が市民を守る立場に
     ないなら、誰が市民を守るのか」と批判し、上告する考えを示した》。

   『●非「地方創生」、「僕」(アベ様)が地方「僕」滅…
        沖縄の民意無視し、しかも再び八百長なその「手」で…
    「不服審査請求など論外だろう。そもそも行政不服審査法
     〈行政庁の処分その他公権力の行使にあたる行為に関する国民の
     不服申し立てについて規定する法律〉(大辞林)であり、一般国民の
     権利救済制度を使うこと自体がおかしい「個人」になりすまし
     救済を求め判断を仰ごうというのだからデタラメ過ぎる
     安倍政権は3年前にも辺野古移設で同様の禁じ手を使っている

   『●辺野古破壊を行政不服審査で強行する暴挙:
     「沖縄防衛局は…「私人」を強調するための偽装工作」
   『●アベ様という「私人」の暴挙…平和の党と共に
      辺野古破壊が目的化し、「目的達成」のためには手段選ばず
    《行政の不当行為に対して国民が不服を申し立てる行政不服審査法」に
     基づく不服審査請求を石井啓一国交大臣(公明党)に行い、裁決が
     出るまで効力を一時的に失わせる執行停止も求めたのだ》

   『●《良心に従い職権を行使する独立した存在》ではない
     大久保正道裁判長である限り、アベ様忖度な「行政判断」が続く

 《前代未聞の人事を発令してまで定年が延長されたのは、黒川検事長が安倍官邸と極めて近いからだ》。最低の官房長官殿のお気に入りの子飼いという訳ね。《安倍政権は、官邸に近い黒川検事長を検察トップである検事総長に就け、検察組織を官邸の支配下に置くつもりだ》…。
 金子勝さんは、以前、《権力に近ければ、罪を犯しても逮捕されない公安警察・検察が安倍政権を支配していることに事の本質が》。
 青木理さんは、《本来は一定の距離を保つべき政権と警察・検察が近づき過ぎるのは非常に危うい民主主義国家として極めて不健全な状態と言わざるを得ません》。
 金子勝さんは、さらに、《これまでも安倍政権は、積み上げてきた人事のルールを破って、NHK内閣法制局支配下に置いてきた。とうとう検察まで支配下に収めようとしている。もはや、この国は三権分立が成り立たなくなりはじめています》。最高裁も、最「低」裁となってすでに久しい。最高裁判事の人事までも私物化。

   『●アベ様のオトモダチのオトモダチを最高裁判事に任命?  
                「政治判断」乱発の最「低」裁からも忖度?
   『●あのアベ様のオトモダチのオトモダチ・木澤克之氏…
        《2017年最高裁判所裁判官国民審査》を迎える!!
   『●「完全に司法に影響を与えようとする露骨な圧力に
      ほかならない…暴挙」…着々と司法を掌握した効果
    《第二次安倍政権以降、司法の独立は脅かされつづけている
     というのも、政権を忖度したような判決が次々に下されているからだ
     …そして、なかでも忘れてはいけないのが、木澤克之氏だ。
     木澤氏は学校法人加計学園の元監事という経歴をもつ》
    「…人治主義国家の「国難」な「裸の王様」アベ様が、着々と司法を
     掌握した効果がジワジワと。《最高裁判事まで私物化》している。
     いまや、最「低」裁を頂点に、様々な司法判断を放棄…。
     もはや政治判断乱発なのは当たり前な酷い状態だ。こんな司法の状況下、
     「ヒラメ」な裁判官は、上を見て、忖度するに決まっている」

   『●裁判所も歪む…《国が開発の政策的な枠組みを決め、その下で
       電力会社に》核発電所を…《そして裁判所も一体となり…》
    「たとえ地裁・高裁レベルで勝訴しても、最高裁はいまや最「低」裁
     そして今や、最「低」裁判事の人事は…アベ様が掌握。
     大谷直人最高裁長官をはじめ、現最高裁判事14人全員、アベ様の息が
     かかっているアベ様派と言われている。三権分立が聞いてあきれる状況。
     アベ様らのやり口はデタラメ」

   『●《安倍政権は、官邸に近い黒川検事長を検察トップである検事総長に
        就け、検察組織を官邸の支配下に置くつもりだ》、あぁ………

 これで、警察国家・《極右独裁国家》の完成だ。《メディアコントロール》についても、言うまでもない。

   『●金子勝さん「安倍さん関連は検察も警察も一切動かない」
     「まるで犯罪者集団。泥棒だらけ」「来年は泥棒しませ~ん」
   『●金子勝さん《権力に近ければ、罪を犯しても逮捕されない
     …公安警察・検察が安倍政権を支配していることに事の本質が》
   『●《桜疑惑の追及を批判するメディアは、こういう連中のグルだ
           と考えた方がいいだろう。だまされてはいけない》

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https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1292949.html

<社説>嘉手納爆音上告棄却 司法の責任を放棄した
2021年3月26日 06:01

 沖縄で日常的に繰り返される騒音被害に、司法はなぜ真摯(しんし)に向き合わないのか。

 米軍嘉手納基地の周辺住民が騒音被害を訴えた第3次嘉手納爆音訴訟で、最高裁第3小法廷は早朝・夜間の米軍機飛行差し止めと、将来分の損害賠償を求めた住民側の上告を退けた。いずれも認めなかった二審福岡高裁那覇支部判決が確定した。

 嘉手納基地周辺は、憲法で保障されている基本的人権、生存権が侵害されている。1982年の第1次訴訟提起から39年いまだに騒音被害は改善されず不条理が繰り返されている。被害が放置されている実態を救済しないのは、司法の責任放棄だ。在沖米軍基地の自由使用を容認する日本政府の対米従属姿勢に、司法がお墨付きを与えた判決と言わざるを得ない。

 飛行差し止めについてはこれまで同様、基地の管理は米国に委ねられており、日本政府が規制できる立場にないという第三者行為論」によって退けた

 第三者行為論の背後に「高度の政治性を有する安保条約は司法判断になじまない」とする統治行為論がある。統治行為論は米軍駐留を違憲とする一審を破棄した59年の「砂川事件」最高裁判決で示された。この時、米国の内政干渉により司法がゆがめられたことが米公文書で判明している。

 第三者行為論と統治行為論は、日本の国家主権と司法の独立の否定にほかならない。60年以上前の対米従属の論理が、まかり通っているのは異常ではないか

 第3次訴訟では、世界保健機関(WHO)欧州事務局が示した騒音に関するガイドラインを基に、北海道大学の松井利仁教授が証言した。嘉手納基地周辺の住民1万7454人が高度の睡眠妨害を受けており、騒音が原因となって虚血性心疾患になる人が年間51人に達し、10人が亡くなっていると推定された。最高裁は世界共通の基準をどれだけ考慮し判決を下したのか

 最高裁が上告を退けた翌24日、嘉手納基地周辺上空で米軍横田基地配備の垂直離着陸輸送機CV22オスプレイ2機が低空飛行して、空中停止(ホバリング)を伴う訓練が確認された。

 嘉手納町によると同町兼久の騒音測定局で70デシベル以上の騒音が26回発生し、午前11時11分に最大97・2デシベルを記録した。70デシベルは「騒々しい街頭」に匹敵する。90デシベルは人に猛烈な不快感を与え長時間さらされると難聴になるとされる。

 騒音問題は何も解決していない。基地周辺に住む住民は基地がある限り未来永劫(えいごう)、被害を甘受せよとでも言うのだろうか。そのような理不尽を許してはならない。

 弁護団は来年1月にも第4次嘉手納爆音訴訟を提起する。25日には第3次普天間爆音訴訟団も那覇地裁沖縄支部に追加提訴した。政府が騒音被害を放置する以上、訴訟を起こさざるを得ない
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●《映画批評や社会活動をしてきた》「映画アクティビスト」木下昌明さん…《資本主義は人の命を食い物にしなければ生き延びられない》

2021年03月03日 00時00分15秒 | Weblog

(2020年12月28日[月])
志真秀弘さんによる、レイバーネットの追悼記事【〔週刊 本の発見〕70の坂を駆け登っていった〜木下昌明の本から】(http://www.labornetjp.org/news/2020/hon184)。

 《木下昌明さんが12月6日に亡くなった。享年82歳。 追悼の想いを込めてあらためて彼の著書を紹介したい》。

 先月、「映画アクティビスト」木下昌明さんがお亡くなりになりました。いつも、レイバーネットの映画評『木下昌明の映画の部屋』をとても楽しみにしていました。もう読めないのかと思うと、とても残念です。
 なぜ、『スクリーンの日本人 ~日本映画の社会学~』を購入したのかを思い出せません。「素晴らしい評論集。あまりタイトルについて深く考えずに読み始めた後、日本人論であることに気付く。深い。特に、労働者の視点が著者の特徴か。…非常に鋭い侵略戦争批判が随所に。」…とメモにあるが、どこで購入したのかも思い出せない。何かのキッカケで、レイバーネットの映画評を読み始めたためか。『週刊金曜日』でお名前を覚えたのかも。

   『●『スクリーンの日本人 ~日本映画の社会学~』読了(1/3)
   『●『スクリーンの日本人 ~日本映画の社会学~』読了(2/3)
   『●『スクリーンの日本人 ~日本映画の社会学~』読了(3/3)
   『●木下昌明さんの新刊『映画は自転車にのって』
   『●木下昌明さん、『死刑弁護人』映画評
   『●「浪江町で300頭の牛を一人で飼っている
        牧場主の吉沢正巳さん」国会前スピーチ
   『●映画『放射線を浴びた『X年後』』:
     「こんな巨大な事件が、…日本人としての資質が問われる」
   『●子供にもSLAPPする国: 三上智恵監督・
      映画『標的の村 ~国に訴えられた沖縄・高江の住民たち~』
   『●終わらない原発人災の影響:
     「震災さえ」ではなく 「原発さえなければ…」
   『●木下昌明さん、壊憲された「「憲法」に呪縛されて
       原発国家を推進する安倍自民党の奴隷となる日」
   『●東電原発人災から『X年後』でも同じことが…
      「死は個人の不摂生のせい」に、そして、「上から口封じ」
   『●「赤紙」の来る時代…
     綿井健陽さんの「“平和”のありがたさをしみじみとかみしめたくなる映画」
   『●「それは風評でなくて現実だ」: 東電核発電人災の
       「大地を受け継い」だ人々の葛藤、引き裂かれた心
   『●「死刑という刑罰」: 飯塚事件では「冤罪被害者」を死刑…
            「冤罪被害者」の命を、最早、償いようもない
   『●ガジュマル:瀬長亀次郎さん「不屈」の精神…
     「忖度政治を危ぶむ全国の多くの人々の心に響くに違いない」
   『●「自由新聞(フライエ プレッセ)!」と「下足番」新聞:
                  主犯の「A」(A夫妻)が抜けている
   『●武藤類子さん《沖縄で闘っている人の言葉…「国を相手に
        ケンカしたって勝てない。でも、おれはやるんだ」》
    「レイバーネットのコラム【●木下昌明の映画の部屋 250回/
     原発事故に翻弄された14人~土井敏邦監督『福島は語る』】
     …。《映画は、生活を根こそぎ奪われ、人生を翻弄された
     14人の被災者に焦点を当てている。…暮しの中から被災後の困難を
     浮かび上がらせているのが特徴だ》」

   『●自衛隊配備・ミサイル基地建設…『沖縄スパイ戦史』「自衛隊
              …昔と同じく住民を顧みない軍隊の本質」暴露
    「レイバーネット…のコラム【<木下昌明の映画の部屋 243回> 三上智恵
     大矢英代監督『沖縄スパイ戦史』/住民500人を死に追いやった犯罪】」

   『●「事実無根のデマ」…「もしこれが立件されれば、
       長谷川氏逮捕や花角新知事辞任の事態もありうるだろう」
   『●木下昌明さん《あの黒く目隠しされた羊…
     実は何も知らないで日々を送っているわたしたちのことではないのか?》
   『●『i -新聞記者ドキュメント-』…《「i」…一人ががんばれば
     みんなもがんばる――映画はそのことを教えてくれる》(木下昌明さん)
   『●ウチの首相は《対策の不備…科学的根拠の欠如…的外れ》など批判の山
        …文化・民度・首相のレベルに彼我の差を感じずには要られない
   『●木下昌明さん《ケン・ローチの『家族を想うとき』はすごい。
      しかし、働くものにとってはやりきれなさが残るかもしれない》
   『●《省エネの進展と再生可能エネルギーの増加で原発が稼働しなくても
     電力不足は生じず、温暖化対策も両立できる》…トドメは刺されている
   『●《映画批評や社会活動をしてきた》木下昌明さん…《あるところで
      「映画アクティビスト」と紹介…本人はとても気に入っていました》

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http://www.labornetjp.org/news/2020/hon184

〔週刊 本の発見〕木下昌明の本『ペンとカメラ』『〈いのち〉を食う』

週刊 本の発見 毎木曜掲載・第184回(2020/12/17)

70の坂を駆け登っていった―木下昌明の本から
『ペンとカメラ-時代と生きる』(2017年)『〈いのち〉を食う-3・11後の映画と現実』(2014年)〔いずれも1800円、績文堂出版刊〕評者:志真秀弘

 木下昌明さんが12月6日に亡くなった。享年82歳。追悼の想いを込めてあらためて彼の著書を紹介したい。著書を順にあげると『映画批評の冒険』(1984年、創樹社)、『スクリーンの日本人―日本映画の社会学』(1997年、影書房)、『映画と記憶―その虚偽と真実』(2002年、影書房)、『映画がたたかうとき-壊れゆく〈現代〉を見すえて』(2004年、影書房)、『映画は自転車にのって』(2010年、績文堂)となり、続いて表題にあげた2冊が加わる。

 どれから読むかを問われるなら、タイトルにあげた2冊から、つまりおしまいから出発へと遡るように読んでほしいと応えたい。

 『〈いのち〉を食う』のまえがきにこう書かれている。「3・11後、世界は大きく様変わりした」、人間も地球の生態系のひとつとして捉えなければこの危機に対処できない、そこで状況に介入し、文学・映画・テレビ・思想などジャンルを問わず追求する、と。枠を取っ払って縦横に批評する考えだ。その通りに、本文では『100000年後の安全』『イエロー・ケーキ』『ザ・テイク』などと並んでテレビドキュメンタリー『ETV特集・放射能汚染地図』も取り上げられている。3・11後世界は変わり、資本主義は人の命を食い物にしなければ生き延びられないことを、この本で木下は繰り返し主張する。このときすでに新自由主義の本性を、彼は捉えていた変化を敏感にとらえる彼の柔軟な思考は、この本からも読み取ることができる。加えてこのときから行動力に拍車がかかった

 3・11以降、毎週金曜日、彼は国会前集会に出かけ、カメラを回し、記事と動画を〈レイバーネット〉に投稿した。「報道陣に邪魔者扱いされても飄々と家庭用カメラを構える姿を、私は何度か見た」と土屋トカチが書いている(『週刊金曜日』)。

 カメラを握ったのは、しかしこのときが最初ではない。長時間労働で疲れ果てた娘に危機感を覚え、労働時間を記録するため「深夜から明け方まで寝ぼけ眼で」写した『娘の時間』(2003年)が初めての作品で、それは年に1度のレイバーフェスタ〈3分ビデオ〉に応募され、柱時計のシーンに切迫感と愛情が滲んで好評だった。それから『続・娘の時間』(04年)『息子の場合』(05年)と毎年応募したが、これらの作は国会前集会の映像記録と共に『〈いのち〉を食う』の付録DVD「木下昌明3分ビデオ選集」に収録されている。

 『ペンとカメラ』冒頭の「インターネットの活動に参加して」にはこうした闊達な行動に、彼の考えるネットの可能性が重ねて語られ興味深い。その上で彼は映画の人であり、映画を通して考えていた。ここにあげた2冊の本もそれを示す。とりわけ今世紀に入ると、誰がみても木下の映画批評は抜きん出ていた

     (*国会前の木下さん(2012年))

 2012年晩秋、彼にがんが見つかる。医師との面談をビデオに収め、関連書を読み、彼はがん医療のあり方と自分の行く末を模索し、批評も医療のあり方にまで及んだ。「余命1年」を幾度も宣告された。が、生き延びて映画『がんを育てた男』(松原明佐々木有美、2016年)の主人公に彼はなる。そんな木下を鎌田慧は「転んでもただでは起きない、ドキュメンタリー精神だ」(『東京新聞』)と評した。『ペンとカメラ』で『標的の島風かたか』(三上智恵)の批評が印象的だ。高江のたたかいで山城博治・平和運動センター議長(彼もガン患者)は機動隊員が襲いかかって女性の首にロープが絡まった瞬間、「敗北宣言」をして号泣する。木下はそこに「敗れても敗れてもたたかう非暴力精神のなんたるかをみた」。そして木下の非暴力思想も、花田清輝、柾木恭介をはじめとする芸術運動由来で、筋金入りだった。

 3・11以後ペンに加え、カメラも手にして、敵に厳しく、仲間である虐げられたものにはどこまでも愛情溢れる批評世界を作っていく。がんを抱えたことで世界と社会にとどまらず、人間の生き死ににまで木下の視線は届くことになる。そして彼の立脚点は、どこまでも今どうするかにあった。

 木下は、労働者文学賞の選考委員として、毎年多数の応募作品を読み、懇切な批評をし、選考をしていた。シアターΧ(カイ/東京・両国)の花田清輝に因むイベント企画にも上田美佐子、小沢信男、西田敬一氏等と協働して当たっていた。それにとどまらず、議論白熱の共同作業が木下は大好きだった。彼の後期3冊の編集時の目を三角にしてのやりとりが、今脳裏に蘇る。

 振り返ると、著書7冊のうち3冊は彼70代の作。60年安保闘争の頃ビン工場の検査工だった若者が日本文学学校の門を叩いた。そして幾星霜、かれ木下昌明の創造力は年を経てなお高まり、70の急坂をものともせず、がんを道連れに駆け登り、味わいある映像と文章とを遺して、消えていった。この生涯、あまりにもかっこ良すぎるではないか。

↓本の入手は 績文堂出版 12.26レイバーフェスタ会場でも販売します。


*「週刊 本の発見」は毎週木曜日に掲載します。筆者は、大西赤人・志真秀弘・菊池恵介・佐々木有美・根岸恵子・志水博子、ほかです。
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