「一人でも私腹を肥やそうとすると、政治経済が発生するの。
誰もそんなこと思わなきゃ、政治家も資本家もいらないの。
お金がなくても、コンスタントに貧乏だと、
ちゃんと人はしあわせなんじゃないかなぁ」
「二郎。世の中にはな、
最後まで抵抗することで徐々に変わっていくことがあるんだ。
奴隷制度や公民権運動がそうだ。
平等は心やさしい権力者が与えたものではない。
人民が戦って勝ち得たものだ。
誰かが戦わない限り、社会は変わらない」
「この島に来て、ぼくはいろんなことを経けんしました。
(中略)
でもいちばん大きな経けんは、
島の人たちとなかよくなれたことだと思います。
島の人はみんないい人で、困っているとすぐに助けてくれます。
困っていなくても世話をやこうとしています。
ただで食べ物を分けてくれるなんて、
東京では考えられないことですが、こっちではふつうです。
たぶん、自分だけとくをしようとする人がいないので、
みんな親切なんだと思います。
(中略)
人間は、欲ばりじゃなければ法りつも武器もいらないと思います。
これはただの理想かもしれませんが、
島の人たちを見ていると、そんな気がします。
もし地球上にこの島しかなかったら、
戦争は一度もおきていないと思います』
(以上、「サウスバウンド」奥田英朗:著 より)
今この国の政治家達は
借金だらけの財政にまた借金を重ねて金を資本家にばらまき
「武器を持たない」「武力を行使しない」という憲法の解釈を勝手に変え、
武器輸出三原則をねじ曲げて人殺しの道具を金儲けのために海外に売り、
大勢が未だに家に帰る目処すらつかない程の事故を起こした原発を稼働しようとし、
核のゴミの処分方法が不明のまま金儲けのために海外へ売ろうとし、
沖縄県民の意志に反して力づくで米軍基地を移設しようとし、
反対する者、邪魔する者は世間の目に触れないよう画策している。