参照記事:2022.07.15TECTURE NEWS LETTER
【設計施工は鹿島と竹中】
三井不動産、鹿島、京浜急行電鉄、 第一生命保険、竹中工務店、ディー・エヌ・エー、東急、 星野リゾートの8社は、 「横浜市旧市庁舎街区活用事業」の建築工事に着手した。横浜市旧市庁舎行政棟を保存・活用する総延べ約12万8500㎡の大規模複合施設で、 2025年12月の竣工・供用開始、 26年春のグランドオープンを目指す。タワー棟工区の設計施工は鹿島が担当。 タワー棟以外の工区は竹中工務店が設計施工予定者となる。 ランドスケープデザインはランドスケープ・プラス、 商環境デザインは窪田建築都市研究所。
JR、横浜市営地下鉄ブルーライン関内駅前の敷地約1万6500㎡に、33階建てのタワー棟、旧市庁舎行政棟、ライブビューイングアリーナ(LVA)棟などを建設する。「MINATO-MACHI LIVE(みなとまちライブ)」をまちづくりのコンセプトとし、「新旧融合」を特色に横浜文化の継承と格式ある景観を生み出す。次世代の横浜を象徴するエンターテインメントとイノベーションの拠点として、新たな感動とにぎわいの源泉となる街を創造する。
村野藤吾が設計した横浜市旧市庁舎行政棟は、ホテルと商業施設に再生する。
街区全体で横浜市建築物環境配慮制度(CASBEE横浜)のAランク、タワー棟で「DBJ Green Building認証」、オフィス部分で「ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)Oriented」、「CASBEEウェルネスオフィス」を取得する見込み。旧市庁舎の既存躯体を保存・活用することで、建て替えと比べてCO2排出量を約54%削減する。浸水対応として防災センター、変電設備、熱源設備を2階以上に配置し、タワー棟は高性能制震オイルダンパーと座屈拘束ブレースを採用し、行政棟は現在の免震構造を維持する。
新街区 全体イメージ(夜景)
旧市庁舎行政棟 改修後のイメージ(夜景)
ライブビューイングアリーナ 内観イメージ
ライブビューイングアリーナ外観および駅前広場イメージ
本プロジェクトは、横浜市の開港100周年記念事業の一環として、大規模なミクスドユース(mixed-use)として計画されています。
新街区の計画地は、JR根岸線関内駅と横浜市営地下鉄ブルーライン関内駅の南東側の駅前で、横浜高速鉄道みなとみらい線・日本大通り駅からもアクセスできる立地です。さらに計画地の隣には横浜スタジアムがあります。
同スタジアムと横浜公園方面とはデッキ(横浜市による整備事業、施設の供用開始に合わせて開通予定)でつながり、各駅との回遊性を高める計画も盛り込まれています。
エリア周遊と地域内交通を整備
プロジェクトと連動して、関内エリアを起点とした街歩きや観光を楽しめる、地域内交通の導入が検討されています。
2020年以降、計画地の周辺エリアでは、グリーンスローモビリティ[*]で周遊する走行実証実験を実施。交通量の多い大通りでの低速走行や、狭い道路での走行で安全性を確認し、乗客の乗降による交通負荷を検証しており、今後はルートなどが検討される予定です。