(8/30(金) 16:15 医療介護CBニュース)
今後も、地域の医療・介護を支える人材や次代の高齢者医療・研究を担う人材の育成に取り組んでほしい―。東京都が公表した地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターの2018年度の業務実績評価書では、「高齢者の地域での生活を支える研究」や「地域連携」など20項目について、評価を行ったり、業務改善を促したりしている。【新井哉】
評価書では、高齢者の医療と介護を支える専門人材の育成について、地域の訪問看護師への支援を通じて専門人材の育成に取り組んだことや、研究生や学生の受け入れなどを行い、今後の高齢者医療・研究を担う人材の育成に貢献したことを取り上げ、引き続き人材育成に取り組むよう求めた。
項目別の評価も掲載している。「地域連携」は、評定S(計画を大幅に上回って実施)、同A(計画を上回って実施)に次ぐ位置付けの同B(計画を概ね順調に実施)だった。
「地域連携」の項目の評定欄には、入院初期からの介入や看護師、MSW(医療ソーシャルワーカー)らによる多職種カンファレンスなど、早期退院に向けた取り組みを実施したことや、地域の医療機関や訪問看護師との連携を強化し、退院後も継続して質の高い医療、介護を受けられる環境の整備に努めたことを記載。「今後も、紹介率の向上など、更なる地域連携の強化に向けて取り組んでほしい」とした。
評定Aだった「認知症医療」については、精神科・緩和ケア病棟を除く全病棟において、認知症評価シートを原則全入院患者に施行するなど、認知症の早期ケアに努めたことを評価欄で取り上げ、「高度な技術を活用して早期診断の推進及び診断精度の向上を図るとともに、地域の人材育成や地域連携の推進に努め、地域における認知症対応力の向上に貢献していることは高く評価できる」とした。
地方独立行政法人の業務実績評価は知事が行うもので、評価の実施に当たっては、東京都地方独立行政法人評価委員会の意見を聴くこととなっている。