2023年11月22日 21時59分 NHKNEWSWEB
貴景勝(右)と激しく攻め合う朝乃山(左)。この後、下手投げで破る
大相撲九州場所は11日目、大関 霧島と、関脇 琴ノ若、それに平幕の熱海富士の3人が2敗を守りました。
九州場所は22日から終盤戦に入りました。
優勝争いトップは2敗で、このうち霧島は先場所敗れた関脇 若元春と結びの一番で対戦しました。霧島は立ち合いで低く当たって相手の上体を起こすと得意の左四つの形になり、そのまま危なげなく寄り切って2敗を守りました。
琴ノ若は過去3勝6敗と負け越している大関 貴景勝と対戦しました。立ち合いで貴景勝のあたりをしっかりと受け止めた後、さらにあたってきたところをいなして、そのまま相手の後ろに回り込んで送り出しで勝ちました。琴ノ若は9日目の豊昇龍に続いて大関から白星を挙げました。敗れた貴景勝は4敗目です。
熱海富士は新入幕の美ノ海に押し出しで勝って2敗を守りました。
3敗には大関 豊昇龍のほか、平幕の翠富士、竜電、一山本が続いています。
力士の談話 熱海富士「勝ってよかった 前に出られている」
平幕の熱海富士は22日勝って2敗を守り「勝ってよかった。前に出られている」と落ち着いて答えました。
2敗の平幕、一山本は関脇 大栄翔に敗れて3敗に後退し「相手が強かった。番付の違いってこれだけあるのだなと思った。相手の突きが強くて立ち上がってしまった」と反省しきりでした。
2敗の関脇 琴ノ若は通算の対戦成績では負け越している大関 貴景勝を破ってトップを守り「もちろん自信にしていきたいと思うし、こういう白星を大事にして積み重ねていければと思う。またあしたから集中してやっていきたい」と気を引き締めていました。
敗れた貴景勝は「またあした集中してやるしかない。しっかり切り替えるしかない」と静かに語りました。
大関 豊昇龍は大関経験者の朝乃山との投げの打ち合いを制して、3敗に踏みとどまり「落ち着いていた。稽古は十分なので、1日一番しっかりしていきたい」と話していました。
大関 霧島は関脇 若元春に力強い寄り切りで勝って2敗を守りました。霧島は「しっかり稽古したし、そこで自信をもっていくしかない。自分のやることをやっていくしかない」と淡々と話していました。
中入り後の勝敗
▽友風に錦富士は錦富士が「押し出し」で勝ちました。
▽宝富士に剣翔は剣翔が「寄り倒し」。
宝富士は負け越しました。
▽佐田の海に新入幕の北の若は佐田の海が「寄り倒し」。
▽狼雅に御嶽海は御嶽海が「寄り切り」。
新入幕の狼雅は負け越しです。
▽新入幕の美ノ海に熱海富士は熱海富士が「押し出し」で2敗を守りました。
▽遠藤に東白龍は遠藤が「押し出し」。
新入幕の東白龍は負け越し。
▽玉鷲に金峰山は玉鷲が「送り出し」。
▽北青鵬に王鵬は北青鵬が「小手投げ」。
▽平戸海に翠富士は翠富士が「押し出し」で勝ち越しました。
▽阿武咲に妙義龍は妙義龍が「引き落とし」。
▽竜電に錦木は竜電が「寄り切り」で勝ち越しました。
▽豪ノ山に隆の勝は隆の勝が21日の取組で、右ひざを痛めて22日から休場し豪ノ山が「不戦勝」です。
▽高安に湘南乃海は高安が「寄り切り」。
▽翔猿に宇良は翔猿が「押し倒し」。
▽明生に北勝富士は北勝富士が「寄り切り」。明生は負け越しました。
▽阿炎に正代は阿炎が「押し出し」。
▽大栄翔に一山本は大栄翔が「引き落とし」で勝ちました。
一山本は3敗に後退しました。
▽大関 貴景勝に琴ノ若は琴ノ若が「送り出し」で勝って2敗を守りました。
貴景勝は4敗に後退しました。
▽朝乃山に大関 豊昇龍は豊昇龍が「下手投げ」で勝ち越しを決めました。
▽若元春に大関 霧島は霧島が「寄り切り」で勝って2敗を守りました。
九州場所は11日目を終えて2敗で大関 霧島、関脇 琴ノ若、平幕 熱海富士の3人が並んでいます。
ひと場所で「水入り」2回 平成以降初
11日目に行われた取組で今場所2回目となる「水入り」がありました。
「水入り」となったのは十両の志摩ノ海と水戸龍の一番で開始から4分半以上が経過してもこう着状態が続いたため水入りとなりました。
再開後は、1分以上経過したあとに水戸龍が押し出しで長い相撲を制しました。
勝った水戸龍は「相手を疲れさせてからと思っていたが、やっと相手が疲れてきたかなと思ったら水入りになってしまった。きつかった」と話していました。
敗れた志摩ノ海は「左手がぱんぱんだ。待っていたらだめ、もっと動くべきだった」と話していました。
取組がいったん中断し、同じ状態から再開する「水入り」は今場所の7日目、北青鵬と翠富士との取組以来で、十両では平成11年の九州場所以来、24年ぶりです。
日本相撲協会によりますと、ひと場所で2回水入りになるのは、平成以降では初めてだということです。