25ftのかたつむり、、、だったことがある。

魚と道祖神の招きにあひて会社を辞め、トレーラーで旅するはずだったのだが。3年で再定住。4年でトレーラーも手放した。

放射性物質はどのくらい危ないのか。

2011-04-04 23:51:00 | Weblog
 昔々、ある科学系雑誌に、「なぜ、クジラはジャンプするか。」とかいう
題名の記事があった。読んでみると、結局、何故ジャンプするのか書いてい
なかった。この種の記事には、そういうことがしばしば有ることはある、、。

世間で言うところの
 「放射性物質がどのくらい危ないか。」
 「ただちに健康に影響する量ではない。」
というのはどういうことか。
 後者は簡単で、「後で効いてくる人もいるだろう。」と言っている。直ちに
健康に影響する量というのは、東海村だったか、ステンレスのバケツで水と核
物質を混ぜ、即席原子炉を作った人がいた。この場合、やった人は中性子線も
含めた放射線を大量に浴びた。その結果、始めは割合に元気だたが、すぐに
細胞が全く再生しなくなり、多臓器不全で2ヶ月ぐらいで亡くなった。

 で、意外に危なくないんじゃないかという例もある。初期の放射能科学で
特に有名な研究者達の例だ。核分裂の証拠を見つけたオットー・ハーン、一緒
に研究しそれが確実に核分裂だとしたリーゼ・マイトナー。ノーベル賞を2回
異なる分野で取ったマリー・キュリーの3人だ。ハーンは90歳近くまで生き
た。マイトナーも90才。Wikiによるとキュリーは再生不良性貧血で67才で
死んだらしい。三人とも、まだ危険だと認識されていない時代に放射性物質を
防護服もなく間近で、時には、恐ろしいことに素手で扱っていたのだ。

 マリー・キュリーと亭主のピエールは分離精製したラジウム塩が蒸発皿や
色々なものに着いて青く光るのが見えるほどの量を扱っていたらしい。相当
無茶な量でIAEAが聞いたら引きつるほどの量だろう。マリー・キュリーの
遺品は今でも防護服を着ないと閲覧できないほどの残留放射能が残っているら
しい。死因も再生不良性貧血で放射線被爆が疑われる。しかし、彼女は後年
X線診療車を普及させることに尽力し、その過程でX線に大量被爆、その結果の
再生不良性貧血だという疑いがあるらしい。実験室では、それくらい派手に浴び
ても直ちに健康に影響することはなかったかもしれないのだ。
 ハーンはハーンで、ウラン235が核分裂したカスを精製し、その物質が
化学的に何なのか分かるほどの量を分離生成して確認したということだ。今、
それがそこらの化学研究室に有ったら、研究室は閉鎖、周りは除染で立ち入り
禁止、新聞は非常識と言って研究所を叩く、IAEAはボーゼンとして腰を
抜かすだろう。とにかく、彼もとんでもない量の放射性物質を扱っていたはず
だ。
 マイトナーはマイトナーで、机の下には200kgぐらいのウラニウム塩を
置いてあり、当然ながらそれからの放射線に毎日大量に被爆していた。IAEA
なら聞いただけでオシッコを漏らすほどの量だろう。これを毎日だ!
(この辺りについては、シュプリンガージャパン発行、クラウフ・ホフマン著
「オットーハーン」を読んでくれ。この本、結構面白い。)

 ところが、三人は上記のようにそれなりに生きている。これは、彼らは良く
訓練された化学者であり、未知の毒物を扱う可能性があることを前提で試料を
扱っていたからだという話がある。試料を扱った後は必ず手を丁寧に洗ってい
たのだ。んで、この手洗いが放射能の体内への取り込みを防ぎ、彼らは扱った
放射能のせいで短命ならずにすんだということだ。キュリーの場合は「?」だが。

 で、今回の原発の汚染も手洗いが効くかというと、ちょっと難しい。彼らが
使った水は放射能で汚染されていなかった。水が汚染されていては、手に着い
た他人のウンコを別人のウンコにこすり付けて取ろうとしているようなもんだ。
水がきれいな内はせいぜい手を洗うことにして、水が汚染されたら、さてさて、
どうするか。

 で、結局、どのくらい危ないかということになると、最初に書いたとおり
だ。危ないと言えば危ないような。危なくないと言えば危なくないような。

長文、ごめん。