庭の花たちと野の花散策記

山野草と梅が大好きの「雑草」。花以外は思考不可の植物人間の庭の花と野の花散策記です。

アフリカハマユウらしい アフリカハマユウとインドハマユウの混同

2019年08月01日 | 庭の花たち

ハマユウらしいものをお預かりしていたのですが、見事に咲きました。

昨年8月に牧師夫人がいただいたということで、管理ができないからということでお預かりしました。ハマユウは当地には自生していません。それは当地が寒すぎるからです。
また10年近く前にハマユウの種をいただき苗を起こしましたが、いまだ花が咲きません。ということで冬季は廊下に取り込み、春になって屋外に出しておいたところ、

7月26日に大きな蕾が出ているのに気づきました。花弁の色からピンクの花であることがはっきりしました。じつは赤系の花であることは、葉の折れ目が濃い茶色になっていたのでそれとなくはわかったのです。
それで、ネットで赤系の花を咲かせるのはもしかしてインドハマユウではないかと推量し、花が咲いたら名前を確認しようと待っていたのでした。

花はとてもやさしいピンク色です。早速ネットで調べました。日本語のネットで調べてゆくうちに疑問が湧いてきました。インドハマユウとアフリカハマユウというのがあって、両者は別物とあったり、両者は同じ物であったりして、さっぱりわかりません。

仕方なく関連しそうないくつかの学名から外国のページを探り、どうやらこの花が、Crinum × powellii(パウエリー) ではないかと思うに至りました。
Crinum × powellii(パウエリー) は両親ともにアフリカハマユウです。もしこの花がパウエリーであるならアフリカハマユウの園芸種ということですね。
Crinum × powellii(パウエリー)はCrinum longifolium(Crinum bullbispermumと同じ?)を種子親に、Crinum mooreiを花粉親として交配したものということです。
この両者は耐寒性も日本のハマユウよりもあるということです。そして、その子のパウエリーは両親よりもすぐれた耐寒性をもっているとか。冬季は屋内に取り込んだとは言っても、こんなにきれいな花を咲かせるとはさすがですね。
牧師夫人から送り主へ花の咲いたことをお伝えしたところお喜びになっておられたということでした。物言わぬ花ですが、千の言葉にもまさる微笑みで人と人とを優しくつないでくれました。



なぜ、日本語のネット検索ではアフリカハマユウとインドハマユウが混同されているのか?
 調べてみましたらある植物学者がアフリカハマユウをインドハマユウとしてしまったことに端を発したために、多くの図鑑も長い間名前はインドハマユウで写真はアフリカハマユウ、説明は?ということで、園芸界にも混乱が広がりました。これには疑問がいだかれ、のちにやはりアフリカハマユウであったとわかったのですが、いまだにアフリカハマユウ=インドハマユウなどと説明されている図鑑やネットがあることがわかってきました。 この辺のことが慾斎研究会だより 2009年NO.119に詳しく書いてありました。


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2 コメント

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一緒じゃないのですね (サンタさん)
2019-08-01 20:16:10
アフリカハマユウとインドハマユウは今まで同じだと思っていました。
インドハマユウは別にあるのですね。
勉強になりました。
本当のインドハマユウはどんな花でしょうか?
ネットで花の違いを調べましたが違いな分かりにくいですね。
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サンタさんへ (雑草)
2019-08-01 21:46:41
こんばんは
ハマユウはもともと馴染みが少ない花なのでお預かりしてからのにわか勉強ですので、詳しいことがわかりませんが、アフリカハマユウはアフリカが自生地のもの、インドハマユウはインドが自生地のものと言うことにしますと、
Crinum asiaticum はパソコン訳ですが。
インド洋諸島、東アジア、熱帯アジア、オーストラリア、太平洋諸島に固有です。メキシコ、西インド諸島、フロリダ、ルイジアナ、多数の太平洋諸島、マダガスカル、チャゴス諸島に帰化したとみなされます。
Crinum latifoliumについては
インドやスリランカから東南アジア本土の多くを通じて中国南部(広西省、貴州、雲南)まで、アジアで自然に成長します。また、西インド諸島とチャゴス諸島にも帰化したと伝えられている。
という説明がありました。ということでこのあたりをインドハマユウとしたらよいのでしょうかね。
ただし、ブログの最後に書きました「慾斎研究会だより」によりますと、最初にインドハマユウの名をつけたのは、小石川植物園で栽培していたものの標本に基づいて記載した。とあります。この標本の植物はアフリカハマユウであったとあります。
ということは自生地がインドであるところの名前の通りのインドハマユウは見ていないのに、インドハマユウ(Crinum latifolium, L. イントハマユウ Tokio, cult.)という名を作ったわけで、この時点では本当のインドハマユウはなかったということでしょうかね。
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