生徒の間違いで多いものの一つに、”3人称・単数・現在”のSを付け忘れるミスがある。 ”3人称・単数・現在”のSの付け忘れは、単なる不注意と言ってしまえば、それまでだが、特に頻出するミスには、それなりの理由がある。
1) He cook dinner.
2) My father cook dinner in place of my mother.
3) My father usually cook dinner in place of my mother.
1)の文であればすぐに気がつく誤りが、3)では、見落とされることになる。特に主語と動詞のあいだに副詞などが入って、主語と動詞とが離れてしまうと、この見落とし率がグンと高くなる。この位置にくる副詞としては、頻度の副詞が多い。頻度の副詞とは sometimes always never usually seldom といった副詞であるが、特に語尾が s で終わっている副詞の場合には、この見落とし率がさらに高くなる。おそらくその 副詞の語尾の s が無意識に、”3人称・単数・現在”の s と錯覚され、すでに付いているように思ってしまうためであろう。これは、英作文のときに顕著に見られるミスである。
4) Mr. Jones sometimes use the library near the park.
5) His sister always practice the piano on Sunday morning.
上記の文が以下のようだったら、一目瞭然のミスである。
4) He use the library.
5) She practice the piano.