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HOTEL RWANDA

2006-05-01 01:56:45 | BOOKS&MOVIES

ホテル・ルワンダ
2004年度アカデミー賞脚本賞・主演男優賞・助演女優賞
いいから、見て欲しい。
これは”実際に起きた物語”。

1994年、アフリカ ルワンダ。
100日間に及ぶジェノサイド(大量虐殺)で100万人が殺された。
たった1人の勇気ある男が殺されゆく1200人の命を救う。

ルワンダには多数派のフツ族と少数派のツチ族の間に長年の民族間の諍いがあった。そもそもフツ族とツチ族との人種差別の争いを引き起こしたのは、先進国による植民地政策のせいだ。
占領したベルギーは、ルワンダを分裂させるため、同じ言葉、同じ宗教の人々を容姿の違いで「ツチ」か「フツ」かに分けた。IDカードなるものを発行し、ベルギーはツチ族を優遇し民族差別をたたき込んだ。
ベルギーが撤退した後、フツ族が今までの恨みをはらし、政権を奪取する。圧政が続くも、国外に逃亡していたツチ族がルワンダに侵攻し内戦が勃発する。
そしてフツ族の大統領が暗殺され(真偽は定かでないが)、日頃からツチ族に恨みを溜めていたフツ族の民兵達はツチ族全滅のため大量虐殺を始める…。

主人公はホテルの支配人、ポール。
フツ族の彼は、穏健派。
民兵のツチ族を侮辱するラジオ放送にも耳を貸さない。
なぜなら、ポールの奥さんはツチ族。
民族差別があっても、仲良くツチもフツも関係なく暮らしている人達ももちろん多くいた。
なのに、ある日突然、フツの民兵達による理由なき虐殺が始められる。
家族を守るため、隣人を守るため、ホテルに匿うポール。
行き場のない人達が避難民としてホテルに集まるようになり、ホテルの難民は1268人に膨れ上がってしまった…。

国連の平和維持軍は外国人だけを連れて撤退してしまう。
平和維持軍の大佐は言う。
「俺に向かって唾を吐け。
君が信じてる西側の超大国はルワンダは救う価値がないと思ってる。君らはアフリカ人だ。軍は撤退する。虐殺を止めもしない。」
街の虐殺の映像を世界中に流して欲しいと言うポールに、ジャーナリストは言う。
「世界の人々はあの映像を見て、恐いね、と言ってディナーを続ける。」
ルワンダ人を置いて国外退去する外国人が泣く。
「恥ずかしい。何も出来ず恥ずかしい。」

援助は誰も来ない。

ポールは妻に言う。
「もし民兵が(ホテルに)突入してきたら、ナタで殴り殺されるくらいなら、子供を抱いてここ(屋上)から飛び降りると約束してくれ。」
ポールは従業員達に言う。
(世界中の知り合いの有識者に電話して危機的状況を伝え救援を懇願した後、)
「電話を通してあなたの手と握手し、感謝している、と。そしてその手を離して受話器を置いた瞬間に、私は死ぬだろう、と言いなさい。相手に自分を恥じさせ、救援に来させろ。」


なぜ国連は、大国は手を差し伸べない?
100万人の虐殺が「大量虐殺かどうか判断できない」?

ポールは英雄なんかじゃない。
家族を、隣人を、同じルワンダ人を見捨てられなかっただけだ。
だって、「現実を見ている」、から。
生き延びようとなんとかもがいて、ぎりぎりの幸運続きで匿ったみんなを生き延びさせることが出来ただけだ。
いつ、誰が殺されていても、おかしくなかった。

でも、100万人中の1200人の命だけ。
100日間続いたから、1日1万人も殺されていたのか…。

正直、映像はきつかった。
何度となく、もうやめて、と思った。
でも目をそらしちゃいけない。知らなければいけない。
これはたった10年前の、出来事。
道にえんえんと続く死体の数々。
おとな子供関係なく、ツチなら殺す、いたぶる、民兵達。
惨殺を見てあまりのショックに言葉が発せなくなる、子供。

陽気に歌う子供たち。
民族的なダンス。
いきいきとアフリカの文化が輝く。
なのに、なのに。

エンディングに流れる歌詞に胸がえぐられる。
どうしてアメリカ合衆国はあるのに、アフリカ合衆国になることは出来ないのか。
どうしてUnited Kingdom(英国)があるのに、United Kingdom of Africaになることが出来ないのか。

どうして民族対立が起きるのか。
先進国の蒔いた種。
無責任な超大国達。


混沌としていて、私の中で渦巻く思いをまだ消化できない。
何もかも悲しいし、誰を憎めばいいのかよく分からない。
思考回路がストップしたままだ。

以前の私には戻れない、と思う。
大げさではなく、そう思うくらい、知ってしまったからには引き受けたものがあるように思う。
知らないことをもっと知らなければいけない。
感じたことのないことを感じなければいけない。
残酷な現実を認めなければいけない。
これが現実。
ひどい部分も、醜い部分も、人間の弱さも。

無知な自分、非力な自分がもどかしい。
人種差別、暴力、非人道的行為、貧富の差のある世界が、憎い。
「見て見ぬ振り」をするrich peopleである自分が恥ずかしい。

見過ごせない。
そんな思いに頭がいっぱいになる。
とにかく、悲しい。

考えがまとまらないままなので、また書きます。