tsutomuに借りて読みました。
ユーイング肉腫で9歳で逝ってしまったナオちゃん。
ナオちゃんのお母さんの言葉、あとがきより。
「今度生まれ変わったら、世界で一番幸福な境遇で生まれ変わって欲しい。
誰よりもがんばったのだから、今度は健康で何不自由ない人生を送ってもらいたい。」
これが、親の思い。
出産を控えた親がみんな、願うこと。「五体満足にさえ生まれてくれればいい。」
代わってあげたい、親の私が代わってあげたい。
子の思い。
「でもお母さんだったら耐えられないと思うよ。だからナオでいいんだ。」
「ナオまだ死ねないんだ。お母さん心の準備が出来てないから。」
お母さんはあまり私と年齢が変わらない。自分だったらどうよ?
自分はまだ親になれない。人間的に未熟だ。
でも、親になってから、成長するものなのかもしれないと思った。
でもでも、こうゆう苦しい経験をしたことのないまま、親になる人はいっぱいいる。
病院に毎日片道2時間かけて電車で通う。
「夏休みは家にずっとこどもがいてうざったい。」なんて言う親がいて。
それがどれだけ、幸運なことか!と言い返したくなった、とナオのお母さん。
自分もそんなことを言う親になるかもしれない。
気づけるかどうか、自分の幸運さに。
そのありがたさと誰にでも当たり前ではないことに。
そんなこと言う親には絶対なりたくない。
ナオは9歳までしか生きられなかったけれど、人間として魂は何十年分もの人生を生きた。
今から私が何年かかるだろう。
そう思うくらい、人への優しさや思いやりに溢れた子だった。
病院のベットの上で自分のことよりも人のことをお祈りする。
息を引き取る間際まで、弟のこと、親のことを思いやる。
私は自分のことばかり考えてないか?
周りの人にいつもちゃんと感謝の気持ちを示せているか?
世の中は決して公平ではない。
それは分かってるよ。わかってるんだけど。
でも、自分の身にふりかからないと、それを感じず、ただ傲慢にも自分のラッキーな境遇を当たり前と受け止めてしまう。
前に何かで読んだ本に書いてあった。
障害は誰しもがもって生まれてくる可能性があって(先天性のものとか)、でもその障害を何千・何万分の1とかの確率で背負わなかった分、その1人に背負ってもらっているんだから、その人をサポートすることは当たり前の義務だろう。と。
例えば、ダウンsymdromなら1/1000人(1/700とか)って言われているけど、そのダウンにならなかった1/999に入れたことを「ラッキー」で済ますのではなくて、自分の代わりになってくれた人がいると考えて、1/999なりの責任を負うってこと。
街で会って「あ、ダウンの子だー。」で済ますんじゃなくて、自分のその1人だったかもしれないと考えて、何か手伝ってあげるとか、単に理解を示す、だけでもいいと思う。
世の中は公平じゃない。自分は超ラッキーな境遇。
ってことを心に忘れないように刻んで、で、感謝の気持ちを持ちながら、命を大事に生きていきたいなと思う。
自分が幸せに生きていることを感謝。
さぁ、どうしよう。
あと本を読んでて思ったこと。
やっぱり小児科医になりたい!
何も悪いことしてないのに子供たちが不治の病で苦しんでいるのを可哀想でつらいから小児科は無理、なんて言う医学生もいるけど、私はそうは思わないな。
こどもは生きることに迷いがない!!
パワフル。
見習わなきゃ☆
昨日、研究室に行った。
そこは前に2,3回ぬいぐるみ病院を相談しにいってお世話になっている先生がいる所で、院生対象のゼミに来てもいいよとお誘いいただき、うきうきと行くことにした。
授業よりも全然おもしろかった!!
内容は、論文を一つ取り上げてstudy critics(論文の批評)をするというもの。
前回行ったときは母乳が下痢の罹患リスクを下げるかどうかという論文で、これも面白かったんだけど、今回は超低体重児(超未熟児)の思春期から大人への推移についての調査。
この研究、コホート研究*1で20年くらいずっと追いかけていて、私はすごくいいな(お金はかかっているものの)と思った。こうゆうのやってみたいと。
だって、夢を与えるもの!夢があるもの!この結果。
簡単に説明すると、超未熟児(501~1000g)の多数*2はearlier difficulties(初期の困難、障害とか最初学校についていくのが大変だったとかetc)を乗り越えfunctional young adult(社会的に自立した大人)になれる、ていうのが結論!
これって超未熟児の親たちに希望を持たせるよね。
もちろんこの論文の全てが正しいとか言いたいわけではないけど(先生方は色々つっこんでいたし)、でもコホート研究をこんなにしっかり長期間やれるってのはすごいなと思った。手間とお金かかるもん。
超未熟児で産まれた子達が20数年後、どんな教育を受けたか(高校・大学…)、仕事についたか・どんな仕事か、結婚は?、出産は?、その子達(対象)の親はどんな教育を受けた人だったのか…。
先生は日本でもやれないかなって言ってた。もうやっているとこもあるかもって。
やっぱ、私、小児科興味あるなー。
人をみたい、人とふれあいたいとずっと思ってて、臨床しか興味なかったけど、こうゆう夢のある研究ならしたいと思った。
何か未知なることを明らかにする研究も大事なんだろうけど、やっぱ人の役に立つ・人に希望を与える(新しい治療薬の開発でもいいし。)研究がいいねぇ~。
なんにせよ、英語!疫学のお勉強!それから、あくなき知識欲^^!!
でもって、大事なのは日々の授業との両立!(1学期始まって早々、部活やら勉強会エルモやらで、なおざりに…><)
先生に感謝。いい医者に研究者にならねば。
<つけたし>
あぁ、3年3学期最後のテストが社会医学(疫学)だったのに、もう忘れかけてた…><
ちょい復習。
*1コホート研究:曝露群と非曝露群を追跡調査していく。長期間に及び、コストが高い。
ちなみに、ケースコントロール研究:アウトカム(患者群と非患者群)からさかのぼって、後ろ向きに調査する。バイアスがかかりやすい。
論文説明補足すると、
*2この未熟児は退院できた人、ってことね。退院出来たのが45%、て書いてたから、超未熟児の半数はやっぱ病院で死ぬのね。もっとも数値(survive率)は施設や色んな要因で変わりそうだけど。つまり、結論は超未熟児でも退院さえ出来れば比較的健常人と同じ様な生活・将来がおくれたという研究だったって訳。