UNITED93
日本公開は29日、明日だと言う。
この映画、9.11を取り上げた内容だ。
united93と言う飛行機は、ハイジャックされた飛行機の中で乗客がテロリスト達に勇敢に立ち向かい、建物に突っ込むことは免れたものの、ペンタゴン付近に墜落した、あの飛行機の名前。
さっきnews23で私も初めてこの映画を知った。
「9.11を忘れてはいけない。」
「これは語り継がねばならない。」
胸を張って声高に主張しながら、遺族の写真を掲げ、試写会に続くレッドカーペット上で、テレビのインタビューに答える遺族。
(日本では考えられない。アメリカ的!!)
9.11の記憶を風化させてはならないと、必死な遺族達。
遺族や生き残った人(飛行機やビルで)もエキストラで出演してる。
その一方で、
「盲目的すぎる」
「時期尚早だ。悪夢が蘇る。」
「金儲けに過ぎない。」
と、反発も多い。
実際予告編を流したら、気分が悪くなったという声が殺到し、予告編の上映すら、取りやめた映画館もあるという。
私も時期尚早だと思う。
ルワンダのジェノサイド(1990年代くらい)だって、今映画になってるからこそ見れるけど、9.11は未だにリアルだ。
5年前。
私はリアルタイムで見た。
当時高校2年生。日本は9月12日で、12日は友達の誕生日だったからよく覚えてる。
大分はチャンネル数が少ない。(フジテレビもあんまり写らない。)
だから実家ではケーブルテレビに加入してて、MTVもwowowも、BBCも、写るようにしてた。
夜の9時とか10時頃。
今のソファでチャンネルを回していた私は、たまたまBBCを見ていた。
あんまり意味は分からなくても、ニュース英語を聞いたり画面を見てるのが好きだった。
突然、番組の司会者の表情が変わって、緊急ニュースの雰囲気になる。
映し出される、青空の摩天楼、NOWYORK。
あれがエンパイヤステートビルディング?なんて、お父さんに聞いていた、私。
「あれ、なんで焦ってるだろ、このリポーター。」
「あ、ビルが火事なのね。」
最初、ただの火事だと思った。
画面が変わる。
偶然その事故現場をビデオカメラに撮っていた一般人のビデオが流れた。
「あれ、飛行機が突っ込んだ!ね、お父さん、何あれ!」
それから、しばらく父と私は画面に釘付け、飛行機事故で突っ込んだものと思っていた。
繰り返し、テンパって叫ぶように、何かを言うリポーター。
情報が錯綜していて何がなんだか分からない、番組のキャスター。
1時間くらい経過して、ある言葉が繰り返しテロップに出てくるようになった。
"HIJACKED"
事態が飲み込めた私と父は焦って家族中をテレビ前に呼んだ。
そしたら、
2機目がworld trade center buildingに突っ込んだ!
私はその2時間後の2ビル倒壊まで、全部見てしまった。
気がついたら夜中の1時になっていた。
テロ、飛行機が危ないと、高校2年生の11月に予定されていたニュージーランドでの修学旅行は中止され、高校2年の2月に長野でスキーになった、と言う思い出つきで、覚えてる。
衝撃だった。
戦争を自分の目で見たことがない私には、テロは戦争じゃないけれど、とにかくほんとに恐怖を覚えた。
国の対立、宗教の対立、民族の対立が、何の罪もない人を大量に殺してしまうのを、初めて自分の目で見た。
戦争は教科書の中の世界じゃないと、初めて実感した夜だったと思う。
未だ世界中で内戦や紛争やテロや地雷や、教科書の中でしか日本人は知らないようなことが起こっていると思うと、ほんとに恐い。
日本だっていつそうなるか分からない。
世界平和!
めっちゃデカイ言葉だけど、実現する日を見てみたい。
やっぱ、この映画は見たくないかも。
みんなは、どう思う?この映画の上映。