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かわいくて、わがままな弟

2006-03-14 19:46:56 | BOOKS&MOVIES

かわいくて、わがままな弟
著者 金澤絵里子 (講談社)

今日の昼間、東京に国際保健関係のシンポジウムに行こうと思っていた。
でも部活が長引いて、往復の交通費と3時間くらいしか講演を聴けないのとで、断念。
本屋さんに立ち寄ったことろ、探していたこの本を見つけちゃいました。
早速、購入。
特大サイズのカフェミストを片手に、スタバで熟読。
周りの目を気にせずに、泣きながら読んでしまいました。
行くはずだった東京分以上の価値だった気がする…。


主人公は、金澤正和くん。
出身は大分県。別府市。
英語と世界にまつわることが大好きで、オタクなくらい物知り。
どこまでも明るく、楽天的で、彼の周りにはいつも友達がいっぱい。
大学は、かの有名なICU。
授業は全部英語で、ユニークなカリキュラム、海外留学提携大学も多く、実は私もあこがれていた。
享年21歳。
彼は筋ジストロフィーでした。
(しかもデュシェンヌ型。一番重症な進行性筋ジスと授業で習った…。)
筋ジスのノンフィクションの本でしょ?
かわいそうだけど、そうゆう本よくあるよね…。
なんて絶対思って欲しくない。
いいから読んでみて欲しい。みんな。

え?ちょっと待って…?筋ジスで、ICU…???
少しこの病気を知っている人ならそう思うだろう。
進行性に筋肉が衰えていくこの病気。
鉛筆を握ること、ページをめくること、
いやいや、体を支えること、呼吸をすることすら、困難だったはず。


私は彼と少し知り合いなのだ。
大分県。
21歳。
英語塾。
ぴんと来た人いるかな?

彼は私より学年がいっこ上でしたが、そう、英語塾が一緒でした。
しもごおり。
本にも出てくるけれど、その塾は本当にスパルタでついていくのは相当きつい。
私もかなり泣きながらついていったようなものだ。
大学受験なんかを目指してるのではなく、いかに国際社会に通用できるEnglishCommunicaterになれるかを目指していて、
膨大な量の英文暗記(見ないで言える!書ける!)やスピーチ、ディスカッションについていけずにやめる人が多い。
私も「世界中の人と対等に話がしたい!」という理想を抱いたのはこの塾に行っていたから。
英語の楽しさ、世界に出ていくチャレンジ精神を養った、思い出の場だ。
彼は英語と世界がほんとうに大好きで、全国スピーチコンテストの最終選考まで進んだり、ICUに進学して平和構築の勉強に励んでたんだって。
そこまで健常者でもかなりのハイレベルの勉強を、病気と闘いながら、明るく生き抜いた姿を、みんなも読んで欲しい。


本の写真をみて、「あぁ。」と思った。
塾では学年が違うから一緒に授業を受けたことはなかったけれど、廊下でよくすれ違ったっけ。
車いすにのって通っていた人なんて彼しかいないから、覚えているよ。
お母さんが車いすを押しているところ。
友達が車いすを押してあげている姿。
私もエレベーターのボタンを押してあげたことがある気がする。
あの時間を一緒に共有した人が、もうこの世にいない。
世界を夢見て、英語をしゃべっていた空間。
私と彼との接点はそこしかないけれど、今後英語を話すとき、海外に行くとき、彼の姿を、彼の夢を、keep in mind し続けたいと。
それが自分自身の励みになるし、彼の夢を引き継ぐささやかなの方法だと思うから。


この本で読んで欲しいのは、彼の頑張りだけでなく、お母さんやお姉ちゃん、友達、理解ある先生達の惜しみない愛情と思いやり。
いつもいつも学校では世話を焼いてくれた横山くん。
高校の試験の始まる直前なんて、結構殺気立っているのに、「何かない?」といつも声をかけ、肘の角度を変えてあげたり、鉛筆拾ってあげたり出来る?
介護に明け暮れる彼のお母さんのことまで気遣ったり…。
24時間365日介護している家族だって、ホントにすごい。
衝突や葛藤は色々あって逃げ出したくなっても、健常者と同じ教育を受けさせ、それどころか可能性をどんどん伸ばし、やりたいことをやらせる最大限の努力を惜しまない…。
障害者になかなか理解のない日本社会(大学受験とか!怒りと悲しみを感じる内容が書かれてます…)だけれど、彼の育った環境、小学校~高校はとても恵まれていたと思う。
恵まれた環境を作り出した、家族の力が、やっぱり、すごい。
なんだか、スゴイなんていうちっぽけな言葉じゃ、表しきれないや。


筋ジスの平均寿命は20歳前後。
簡単に教科書には書いてある。
おいおい、て思う。
医療と現実のこの愕然とした距離は何だ?
彼の頭はちょーーークリアで、国際関係論とか平和構築論とか外交論とか国際法とかコミュニケーション論とか、日々の世界情勢やトップニュースやゴシップとか、友達とのたわいのない会話や家族との憎まれ口とか、
そうゆう当たり前のことをやっている頭をもっていて、
なのになのに、
体が機能をストップさせてしまったんだって。
最後の頃、彼は何を考えていたんだろう?
やりたいことがいっぱいあって、やり残したことも多いんだろうな。。

無力感を感じる。医療の限界と、生命の限界を。

 

でもでも彼はさいっこーーーーに、HAPPYだった!
すてきなえがおをしている^^
HAPPYな人生を生ききった。

自分はどうよ?
どんな人生を生きる?
明日死んだらどう思う?
HAPPYな人生を、精一杯生ききったと、胸を張って言える?

後悔よりも、周りの人への感謝で胸をいっぱいにして、
「なんてステキな人生だったんだ!
もっともっと生きて色々したかったけど、こんなに頑張った!
自分自身HAPPYに過ごせし、色んな人をHAPPYに出来たんだ!
夢も叶えたんだ!
ありがとう、お父さんお母さんお兄ちゃん妹。
ありがとう、今まで私にかかわった全ての人。」
そう言える人生を送りたいです。


正和くんは本当にかっこいい生き方でした。
少しでも見習えるように頑張りたいと思います。


心が洗われるよう、とはこんな気分なのかもね。
是非みんな、読んでみて下さい。

2006年3月14日スタバにて☆