ずっと、ずっと、好きなヒトがいた。
ボクはずっと、ずっと、片思いだった。
**************************************
近鉄南大阪線恵我ノ荘駅のまん前にある肉屋さん。
開店は10時半。
でも、いったの、10時。
あぁ、30分もある。
ショック。
また、未練を残して東京へ戻らないといけない。
そのとき、バイクに乗ったおっちゃんがやって来た。
「あ、コロッケでっか?揚げます、揚げます、ちょっと待ってて」
肉屋の大将がやって来たのだ。
「あ、すいません、開店前から」
「かまいません、かまいません、何個揚げましょ」
柔らかいなぁ、大阪人の返しって。
大将は、注文した15個のコロッケを丁寧に丁寧に
油の中へ、入れていった。
ジュージュー、コロッケの揚がる音。
なんて心地いいBGMなんだ。
そういや、こうして、コロッケが揚がるのを待っているのって
何年ぶりだろう。
あのときは、いえなかった言葉。
あのときは、伝えれなかった言葉。
いつもいつも、好きなヒトに素直に好きといえなかった自分がいる。
好きなヒトに素直に好きといえるヒトになりたい。
よし、今日は思い切っていってみよう。
「あの、ボク、ここのコロッケ大好きなんです」
いっちゃった。
いっちゃった。
とうとう、いっちゃった。
大将、顔をくしゃくしゃにして、とても喜んでくれた。
「そうでっか、そうでっか」
そこから、大将はウレシそうに、あのコロッケの作り方を
教えてくれた。
あの甘さのモトは、やっぱり、玉葱だった。
玉葱は生を使ってること、普通のコロッケよりも肉の量がとても多いこと。
40年間、変わらず、この味を守っているんだって。
高1の春、羽曳野へ引っ越してきてから、ボクはなにも知らず、ずっとずっと、
あの肉屋さんのコロッケを食べ続けてきた。
ただ美味しい美味しいとだけ思い続けながら。
そして、16年の歳月を経て、ついに、大将にこの熱い思いを
伝えることができたのだ。
スッキリした。
とても、スッキリした。
「実は、母親に頼んで、いつも大量に東京へ送ってもらってたの
ボクなんです」
「あ、そうでっか、そうでっか、お母さんにはいつもお世話になってますよ」
「また、送ってもらっていいですか」
「あ、かまいまへん、かまいまへん、いくらでも送ります」
ボクは大将に、名刺を渡した。
ボクの存在を、大将に知ってもらうことができた。
ずっとずっと、好きだった大将に、ボクの存在を胸に刻んでもらった。
別になにしてもらいたいんじゃないんです。
ただずっとずっと、ボクのために、美味しいコロッケを作ってくれたら
それだけでいい。
それだけで、ボクは幸せなのだから。
15個っていったのに、「16個揚げといたからね」。
その優しさで、また大将のことが好きになった。
「ほな、東京でも頑張ってくださいね」
温かい言葉をかけてくれた。
熱々のコロッケを持ったまま、ボクは電車にのった。
恵我之荘駅が小さくなっていった。
肉屋の大将が小さくなっていった。
オカンとも30分話せたし、大将とも10分話せた。
たった40分の会話だったけど
ボクには列記とした、『大阪に帰る理由』だ。
この理由がある限り、ボクはこの街に帰ってくる。
**************************************
ずっと、ずっと、好きなヒトがいた。
ボクはずっと、ずっと、片思いだった。
ついに、ボクは好きなヒトに素直に好きといえるようになった。
**************************************
実は、その買って帰ったコロッケは、
なぎさちゃんのためだったなんて、
ここではいえない。
そんな下心、あるわけない。
うそ。
ありまくり。
なぎさちゃんの笑顔を想像して
買って帰った。
決して、ガチャピンのためではない。
やっぱり、なぎさちゃんも
ガチャピンも喜んでくれた。
相当、喜んでくれた。
じゃろ?じゃろ?
美味しいじゃろ?
そりゃ、なぎさちゃん、ボクのこと、
好きになるじゃろ?
ならねーよ。
早速、東京に戻って、コロッケを60個注文した。
明日、お店に届きます。
これからも、ボクは、大将もコロッケも大好きでいる。
このコロッケは、たくさんのヒトに幸せを与えているけれど
絶対、絶対、このコロッケはボクに食べられて幸せなはず。
だってだって、本当に本当に、16年前から愛してやまなかったのだから。
**************************************
ずっと、ずっと、好きなヒトがいた。
ボクはずっと、ずっと、片思いだった。
ついに、ボクは好きなヒトに素直に好きといえるようになった。
片思いが、両思いになった。
**************************************
大阪日記、おしまい。
ちょっと、シリアスすぎたな、3個の大阪日記。
らしくないな。
笑い少なかったな。
たまにはいっか。
いいよね。
たまには、じじじじじじじんと来る話、書きたかったんだ。
日曜は、青空合コンBBQ。
こりゃ、笑いだらけだろな。
笑かすで。笑かすで。笑い転がすで。
モテ期だし、またヒトに好きになられたらどうしよう。
ボクは今、コロッケに夢中なんだから、困るんだよねー。
ボクはずっと、ずっと、片思いだった。
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近鉄南大阪線恵我ノ荘駅のまん前にある肉屋さん。
開店は10時半。
でも、いったの、10時。
あぁ、30分もある。
ショック。
また、未練を残して東京へ戻らないといけない。
そのとき、バイクに乗ったおっちゃんがやって来た。
「あ、コロッケでっか?揚げます、揚げます、ちょっと待ってて」
肉屋の大将がやって来たのだ。
「あ、すいません、開店前から」
「かまいません、かまいません、何個揚げましょ」
柔らかいなぁ、大阪人の返しって。
大将は、注文した15個のコロッケを丁寧に丁寧に
油の中へ、入れていった。
ジュージュー、コロッケの揚がる音。
なんて心地いいBGMなんだ。
そういや、こうして、コロッケが揚がるのを待っているのって
何年ぶりだろう。
あのときは、いえなかった言葉。
あのときは、伝えれなかった言葉。
いつもいつも、好きなヒトに素直に好きといえなかった自分がいる。
好きなヒトに素直に好きといえるヒトになりたい。
よし、今日は思い切っていってみよう。
「あの、ボク、ここのコロッケ大好きなんです」
いっちゃった。
いっちゃった。
とうとう、いっちゃった。
大将、顔をくしゃくしゃにして、とても喜んでくれた。
「そうでっか、そうでっか」
そこから、大将はウレシそうに、あのコロッケの作り方を
教えてくれた。
あの甘さのモトは、やっぱり、玉葱だった。
玉葱は生を使ってること、普通のコロッケよりも肉の量がとても多いこと。
40年間、変わらず、この味を守っているんだって。
高1の春、羽曳野へ引っ越してきてから、ボクはなにも知らず、ずっとずっと、
あの肉屋さんのコロッケを食べ続けてきた。
ただ美味しい美味しいとだけ思い続けながら。
そして、16年の歳月を経て、ついに、大将にこの熱い思いを
伝えることができたのだ。
スッキリした。
とても、スッキリした。
「実は、母親に頼んで、いつも大量に東京へ送ってもらってたの
ボクなんです」
「あ、そうでっか、そうでっか、お母さんにはいつもお世話になってますよ」
「また、送ってもらっていいですか」
「あ、かまいまへん、かまいまへん、いくらでも送ります」
ボクは大将に、名刺を渡した。
ボクの存在を、大将に知ってもらうことができた。
ずっとずっと、好きだった大将に、ボクの存在を胸に刻んでもらった。
別になにしてもらいたいんじゃないんです。
ただずっとずっと、ボクのために、美味しいコロッケを作ってくれたら
それだけでいい。
それだけで、ボクは幸せなのだから。
15個っていったのに、「16個揚げといたからね」。
その優しさで、また大将のことが好きになった。
「ほな、東京でも頑張ってくださいね」
温かい言葉をかけてくれた。
熱々のコロッケを持ったまま、ボクは電車にのった。
恵我之荘駅が小さくなっていった。
肉屋の大将が小さくなっていった。
オカンとも30分話せたし、大将とも10分話せた。
たった40分の会話だったけど
ボクには列記とした、『大阪に帰る理由』だ。
この理由がある限り、ボクはこの街に帰ってくる。
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ずっと、ずっと、好きなヒトがいた。
ボクはずっと、ずっと、片思いだった。
ついに、ボクは好きなヒトに素直に好きといえるようになった。
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実は、その買って帰ったコロッケは、
なぎさちゃんのためだったなんて、
ここではいえない。
そんな下心、あるわけない。
うそ。
ありまくり。
なぎさちゃんの笑顔を想像して
買って帰った。
決して、ガチャピンのためではない。
やっぱり、なぎさちゃんも
ガチャピンも喜んでくれた。
相当、喜んでくれた。
じゃろ?じゃろ?
美味しいじゃろ?
そりゃ、なぎさちゃん、ボクのこと、
好きになるじゃろ?
ならねーよ。
早速、東京に戻って、コロッケを60個注文した。
明日、お店に届きます。
これからも、ボクは、大将もコロッケも大好きでいる。
このコロッケは、たくさんのヒトに幸せを与えているけれど
絶対、絶対、このコロッケはボクに食べられて幸せなはず。
だってだって、本当に本当に、16年前から愛してやまなかったのだから。
**************************************
ずっと、ずっと、好きなヒトがいた。
ボクはずっと、ずっと、片思いだった。
ついに、ボクは好きなヒトに素直に好きといえるようになった。
片思いが、両思いになった。
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大阪日記、おしまい。
ちょっと、シリアスすぎたな、3個の大阪日記。
らしくないな。
笑い少なかったな。
たまにはいっか。
いいよね。
たまには、じじじじじじじんと来る話、書きたかったんだ。
日曜は、青空合コンBBQ。
こりゃ、笑いだらけだろな。
笑かすで。笑かすで。笑い転がすで。
モテ期だし、またヒトに好きになられたらどうしよう。
ボクは今、コロッケに夢中なんだから、困るんだよねー。
恵我之荘か~。そんなに遠ないな~。
いっぺん、行って買ってみよかな~。
大阪日記、よかったで。どれも大阪の味、出まくりや~っ!
そんな風に思われて、
大将も、嬉しさいっぱいですね。
コロッケも、誇りいっぱいですね。
コロッケに生まれたかい、
あったってものだよ。
食べいこーっと。
らぐ、せっかくだし、行っておいでよ~。
八尾からやったら、外環ですぐですよ。
大和川こえて、藤井寺こえたら、恵我之荘はすぐです。
って、超マニアックな地名ばっかですね。
らぐさんとは、同じ学区なんで、とても親近感を
覚えます。
はやく、このコロッケ、食べてもらいたいですー。
とロッケさん、
そうそう、コロッケに生まれてコロッケは
幸せっすよ。
16年前は、別にそんな意識してなかったんですけど
気が付けば、そばにいたって感じです。
元気つけるときは、いつもコロッケ食べてたし、
元気なくなったときも、いつもコロッケ食べてたし、
カタチいびつで、昭和の香り、プンプンするけど
あの肉厚、最高なんす。
もっともっと、コロッケのええとこ、
広めまっせー。