信じるということ・・・

2010-06-18 18:48:23 | 日記
人は信じるに足りる存在である・・・・
2004年の台風23号で、洪水の一夜を観光バスの屋根で明かした
中島明子さんが 新刊『バス水没事故 幸せをくれた10時間』にそう書いている。
京都府舞鶴市の国道で立ち往生したバス。乗り合わせた37人の
平均年齢は60代半ばだった。濁流が車内に満ちる中、割った窓から
全員が屋根に。水は屋根を越え、立ちすくむ人々の腰に迫った。
流されぬよう隣と肩や腕を組み、ひと固まりになった。
思いやりは思いやりを生む。暗闇で体を温めあううちに、
みんな一緒に助かるぞという連帯感が広がったという。
「上を向いて歩こう」の合唱で睡魔に耐えた話はよく知られる。
看護士を長く勤めた著者は振り返る。
「自らをなげうって、無意識のうちに誰かのために行動できる人たちが、
この世界にはごくごく当たり前に存在する。
あの夜、私は64歳にしてそれを知ることができました。」
極限を生き抜いての感慨である。
人間は細やかな善意だけで動くものではない。
わが身はかわいく、世にはせこい敵意や鈍感があふれるが
人は助け合う本能を備えていると信じたい。
お互い最も賢いはずの動物に生まれてきたのだから・・・
                        朝日新聞:天声人語より・・・

極限を生き抜くこと・・・・はたして 自分の過ごすこの一生に
経験できるだろうか・・・と思う。
自然な気持ちで、誰にでも優しくなれること
そして、自然な気持ちで助け合える世界にあこがれる。

いつも 見返りを期待してしまう自分がすごく寂しい人間だと感じる。
信じるということ・・・
信じあえること・・・
ほんとにシンプルだけど、とても崇高な意味があるのだなって思う。