以前勤めていた会社の「元上司」とは、
今でもメールや電話で、時々話しをしたり、食事に出かけたりと、
けっこう「良い」お付き合いをさせてもらっている。
そんな彼が、深刻に悩んでいることがあって
年明けにあうこととなった
自宅マンションのベランダから、隣の喫茶店がみえる
お店の名前は「アメリカン」・・・・・だった
・・・・・・と思っていたが。
オーナーがかわったのか、いつからか「エベレスト」になっていた
名前がかわっても、外からの雰囲気は、「アメリカン」のままで
この辺の住人で、店に通う人でなければ、店名がかわったことさえ気付かない。
彼とあう日、仕事終りの時間帯であったこと含めて
ゆっくり食事とる時間もお互いになくて
「じゃ~サテンでもいく?」と、彼を「エベレスト」にさそった
「ええで、ところで、その店?コーヒーだけでええの?」
「・・・・・?」
喫茶店と思って歩いていた私の目にはいった看板には『居酒屋・カレー』
とかかれてあった・・・
店のガラスには、「アメリカン」時代の「アイスコーヒー」CMポスターが
はられたままだった
「・・・・ええんちゃう?」
と、2人してドアをあけて足を踏み入れた・・・
『いらっしゃいませぇぇ~~~』
関西弁ではなくて、どこかぎこちないなまりのはいった声・・・
おそらく「アメリカン」のままなんだろう
テーブルも椅子も、カウンターも、そのまんま喫茶店だった
しかし・・・・・店の壁には、ちょっとスリランカチックなタペストリー
コーヒー豆の香りではなくて、ターメリック?
オリエンタルな香りがすぅごくただよっていた
・・・・・どうやら、カレー専門店ならしい
・・・・・
2人して、どぎまぎしながら、分厚いメニューをのぞいていた
そして、手元におかれた「おはし」は・・・・・
・・・・・・・だった。
まったくお酒のめない彼だったので
わたしだけチューハイレモンをたのみ、ちくわキューリとイカリングをオーダーした
寿司屋の割り箸をながめつつ、深刻な話しがはじめられず
2人して笑いがこみ上げてきた
『ドォ~ぞぉ』と、配膳されたグラスの中身は
すごく「グリーン」・・・・「レモン?ああぁま、なんでもええけど(笑)」
く
・・・・やっぱりライムのチューハイだった
話しも終り、お会計の時、
「今度は、カレー食べにくるわ」と、彼は真剣に話しかけていた。
「俺、カレー好きやねん」
都会は、隣の住人がどんな人かもわからないというが
あんなでっかい「喫茶店」さえも、
わからん