生きること・・・・・

「待っとったんで。11時になるの（笑）」
数日前に訪問したときよりも、ひとまわり小さくなったかな？と感じた

「今日は、デートしてほしんよ。サーバーまで行って　ポカリ買いたい」




幼少の頃、長崎で被爆・・・・
「被爆者の会、役員しとるんやけど、年々集まる人も少のうなってな。あの人も、この人も、ここ悪い、あそこ悪い（笑）
　薬の数や種類の自慢するようになったわ」

肺がんをわずらっている。もうステージは４・・・・まさに末期だ。
夫婦二人ぐらしで、奥さんは深刻な認知症。
週末は、ショートステイのサービスを受けているため、生活を支援するヘルパーが旦那さんを支える。

食事や掃除というサービスも、もちろん大切な仕事だが、シンプルな言葉だけで会話できなくなった夫婦の苦悩
心配して訪ねてくる娘や息子の話・・・などなど、愚痴や　直面する死への不安　自分の気持ちをもてあますのだろう

「うちのかあさん、なんべん言うてもわからんのや。夫婦二人やねんから　ごはんは2合でええ言うてるのに　３合たきよる」
しょうもないことだが、このやりとりが繰り返し繰り返しふたりの間におこる。
認知症でないご主人にしてみれば、自分の病気とも戦いつつ、奥さんの病気とも戦っている。

もう、そんな奥さんを大きな心で　ゆったりと受け入れる余裕がないのだ。

「お母さん、今までがんばって働いてきたんやから、もう好きなようにさしたったらええねん（笑）」

「・・・・・そうやな」・・・・・はかなげな笑顔が、ちょっとさびしくなる。

アジサイ咲く公園で、ひと休みした。
公園のベンチで、見上げる空には、羊のようなまるい雲が、たくさん浮かんでいる。
吹く風を感じて、野鳥のさえずりに耳をかたむける。

いつまでも、いつまでも、こんな時間が続けばいいのに・・・・

いま、この一秒一秒が・・・アジサイの色に感動し、葉っぱの手触りに驚いたりすること

がっつり働きづめだった自分自身の時間を、ねぎらってほしいと感じる１時間だった。



訪問介護の仕事は、「きたない・安い・きびしい」と言われるけれど

人が人として生きていくことを、サポートできる仕事

心に寄り添い、共に生きているこの時間を大切にしたいと感じさせてくれるものだと思う

出会いがあり、別れがあり、もう二度とあえない別れになることもたくさんあるけれど

「人間としての心」をはぐくむことができる


・・・・・・・・・・この仕事が、本当に大好きだ・・・・・・・・・・

寄り添う心・・・・・

守口市にある事務所から、少し遠い寝屋川市。

所長が長くお付き合いある介護事業所より、「どうしてもヘルパーさんを変えたい」という話が、
3年前・・・・

・・・・・・今もその出先は、うちの事務所からヘルパーサービスにはいっている・・・・・


パーキンソン病を患う利用者さんで、糖尿や高血圧など、いくつかの病気とうまくお付き合いしていかないといけない
状況で、服薬も、半端ない薬の種類

特にパーキンソンは、どのタイプの薬がその人にぴったりくるかというのが重要なポイントで
どの人も、自分にピッタリな薬と出会うまで、たいへん苦しい時間を過ごす。

この現場も、看護と介護の両方から、スタッフがサポートする。
訪問の看護師さんが、服薬のチェック、お薬カレンダーに薬をセットする。利用者さんの状況をうかがいつつ
散歩に同行したり、歩き方やしゃべり方のチェックを行う
訪問のヘルパーさんが、食事や掃除洗濯といった生活面のサポートをする。



・・・・・・よくありがちなのですが、医療という世界で生きる看護師は、介護の世界と認めないことが多い・・・・

簡単に言うと、仲良くない場合が多い（笑）ヘルパーの立場から話すと、「なぁ～んか、お高い感じすんねん、あの看護師！」

ヘルパーには、医療的なことはまったくわからないもんやと思っている人が多いかもしれない（笑）

困難な現場ほど、お互いを分かり合い、利用者含め、その家族を支えていくのが医療と介護のはずやのに、なかなか実現できていないのだ




先日、その現場に出入りする看護師さんと話す機会があった
連絡ノートを読む限り、すごく利用者に寄り添い、よく動いてくれる方。
ほんとに、現場が好きなんだなっと、文面から感じていた。

「先日の通院で、パーキンの薬が変わりました。そしたら、トイレに行くと、壁から小人が飛び出してくる姿がみえるようになったと
おっしゃってます」

薬によっては幻覚がみえたりするとは、よく聞く。それは、「しかたがない」ことなのだが・・・・・


「少しでも、みえる幻覚が少なくなればと思いまして、トイレの壁に動物の写真、貼ってみました（笑）」

・・・・・・・なんか、この看護師さん、好きやわぁぁぁぁ～って、ほんとに感じた・・・・・・・・・

そして、打ち合わせが終わり、看護師さんは次の現場へ

どんな写真やろうか？子猫やトイプードルみたいな子犬？・・・そんな想像で胸ふくらませて

トイレのドアをあけた・・・・・・

・・・・・・・・・・・その壁、トイレの壁には・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




ジョッキーがまたがる競走馬が、一気に駆け抜ける、躍動感あふれるＪＲＡのポスターだった・・・・・・・










「うん・・・・さすがやわ。」
















トラきちのつぶやき

阪神、打率も防御率も、得点圏打率も、12球団中、いちばんあかんに近い11位やのに

なんで今は、3位なんやろか？

がんばれ！阪神タイガース！！