ヘルパーの仕事を始めて・・・・一番苦手と感じる利用者さんだった
娘さんとお孫さんが 血縁者だが、独居
常に「身内は お金借りる時だけ 優しくて 普段は電話ひとつよこさへん・・・」
さびしさからくる心の病気。腎臓疾患があるため 食事制限と服薬が重要
油断すると 体全体の浮腫がひどくなるのだ
自分の膝で体を支えることができず、歩行困難・・・身長157cm 体重90㎏
まず 体重を落とすことが先決だが・・・・
「もう 誰がきてくれるわけでもないから 好きなものたくさん食べたい・・・・
我慢してまで 長生きしたくない」
・・・・・といいつつも 死ぬことをいちばん恐れているのが事実だった・・・・・
「生きたい・・・行き続けたい」が 本音なのだ
娘さんも お孫さんも 彼女の理不尽な愚痴を聞くことが嫌だった
それに それぞれの事情もある・・・
そして 先月の半ば・・・・通院介助で 車椅子で病院までつれて行った時
「独りで家にいてても 生活できるレベルになってないから
状態が落ち着くまで リハビリとして 入院されたほうがいいでしょう・・・」
管理された食事と 減量で 独居生活できるレベルまであげる・・・
はたして 彼女はその試練にたえられるだろうか
12月2日 入院前の検査すべてをヘルパーで対応
入院手続きのみ 家族さんにゆだねる・・・
サービスとサービスの合間に入る 通院介助だった
それから約2週間・・・・その利用者さんの娘さんから 事務所に電話があった
「腎臓の機能が予想以上に落ちているらしく 透析が必要なのですが
母は 透析することを嫌がっています。・・・」
透析しなければ 年内もつかどうかのところまで 事態は悪くなっているそうだ
娘さんも お孫さんも 仮に透析することで 家にもどってきたとしても
頻繁に様子をうかがいに行くことができないという理由から
「透析はしない」という 結論に達したという電話の内容だった
仮に 透析がスタートし 体重も落とせた・・・・・
けれど 寂しさを満たすものがなく
毎晩 切ない思いで涙を流す夜がつづくのなら・・・
この選択は「良い」ものなのかもしれない・・・・
だけど・・・・血の繋がる母への思い
「なかなか頻繁には あいに行かれへんかもしれへんけど
おかぁちゃん 透析して 今より楽になって がんばって行こうや・・・」
・・・・・どうして その言葉が出ないのか・・・・・
『延命治療を辞める』決断・・・・・・ある意味・・・・・殺人と紙一重かなって感じた
いろいろな思いが交錯する 今日だった・・・・・