ビアグラス・・・・

2011-09-16 21:06:51 | 日記
小雨ぱらつく午後に・・・
本日 最後の訪問先を 訪ねた

風も少し強くなって 先日の台風を思い出していた
「また 追い討ちかけるような ことには ならんとってほしいな・・・」

自転車を 訪問先である『Kクリニック』駐輪場に停め
赤いレンガの階段を駆け上がる
キッチンのお勝手口は わたしを迎え入れるために 施錠がはずされている

「こんにちはぁ~ Kせんせぇ~い(笑)」
「はぁ~い どうぞ~~」

いつもの 張りの良い声が 聞こえる


今日は お孫さんが通う幼稚園で「敬老会」があったらしく
ハート模様がたくさん手書きされた「孫の手」を みせてくれた(笑)
「あはっ 可愛いわぁ~ 先生 ほら ここだけ ハートじゃなくて スイカやね」

2人で 顔を見合わせながら 笑う
この時間が とても好きだ
ほんとに この仕事につけて よかったな・・・と感じてしまう

入浴介助サービスが 半分ほど過ぎた頃
「飾ってある 陶器のビアグラスいつもみてるやろ?
 1つ プレゼントしようと思って 用意してあるねん・笑」

ちょっと ドキっとした(笑)
「何?何? ロイヤルコペンハーゲン? ウェッジウッド? ジノリ? ノリタケ?」
心の中で つぶやいていた・・・・

・・・・・もちろん その「気持ちだけ」いただいて・笑・・・・・・・

お風呂からあがって 着替えをすませた時
彼女が 大切そうにもって来たグラスは・・・・

東京ディズニーランドアニバーサリービアグラス・・・
もちろん 特注
シンデレラ城をバックに ディズニーランドのロゴが 流星をちりばめて
透き通ったガラスに 「切子細工」として 掘りこまれてある・・・
ミッキーやミニーが描かれていないのに
このグラスが ディズニーランドの今までを祝う品であることが 
心に伝わる 「匠」の技だった
「主人の大切な友人が おみやげにくれたんだけどね
 まったく口もつけることが なかったら あなたにプレゼントしたいと思って」

言葉が出なかった・・・・なんだか 胸が熱くなった

そのグラスを手にとり 切子に触れた・・・

左手のひらに メインとなる切り子の模様と その裏にも 感じるものがあった

「Dr. Kajiura」・・・・・・・


「せんせい・・・・これ みて(笑)ちゃんと 名前が入ってあるよ
 これは もらうことできへんわ」

「(爆) あらぁ~ 全然 いままで 気つかんかったわぁ・・・
 こんなんプレゼントしたら 誰からもらったか ばれるやんね(笑)」




これで 穏便に プレゼントをいただかずに 終われると思ったけど・・・・




「私が一番好きな ガラス工芸師の グラス プレゼントするわ」






家に帰って 調べてみたら
1つ・・・5万円だった・・・・・・


いつも 彼女と一緒に ビール飲んでるって
思ってたら ええかな(笑)




傷だらけの街へ・・・・

2011-09-12 22:08:18 | 日記
9月11日は・・・父とわたしには 特別な日

「成就寺に 寄りたいねん」


「線香はもってるんか?」
「うん 大丈夫 お花は 多分 お父ちゃんがかえてると思うから・・・」

つくつくぼうしが 西日にあおられるように鳴いている

霊園へと続く 石畳の上を ふわふわと足が浮いているような感覚で歩いた


・・・・・お母ちゃん ただいま・・・・・
細く白い線香の煙に 遠くの世界が見えるようなきがした
わたしの心の中の母は いつも若く 静かに笑っている
母の姿を探して 見えなくなった38年前の今日だった・・・・


勝浦までの道中 国道は 海岸線を走る
たくさんの瓦礫が 白い浜にうちあげられている・・・・
串本町を越えたあたりから 風景が一変した


田んぼだった場所に たくさんのゴミが山のようにつみあげられ
車道だけが 辛うじて確保されていた

線路のいたるところに 大木や土砂が かぶさっていた・・・
すれ違う車は 救援物資を運ぶトラックが ほとんど
自衛隊のトレーラーや 給水車・・・
宮城県 福島県 岩手県と書かれたトレーラーが たくさん入ってきている
そして ボランティアを乗せたバスが 数台行きかう
東北の傷がまだいえないというのに 胸が熱くなり涙がこぼれた

サンダルから長靴に履き替え 車をおりた

もう 道がない・・・
足が重い     濁流が暴れた後の川
泥が乾き 粒子の細かい砂となり あたりを埃だらけにする
一刻も早く この泥をかきださなければならないのに 
水が断絶している・・・・瓦礫の撤去ができず 支援の車が入れない


地方自治体としての 動きがまったくみえない
だれも この先をどう動くか決めることができないのだ
限られた命の絆が みえなくなりそうな 壮絶な風景だった


実家近くまで 車を寄せてもらった時
近畿大学と書かれた大きな給水車が 真横に入ってきた

そう・・・実家 隣は 近畿大学水産試験場がある
はまちの養殖をしているのだ・・・・
海水で 水槽の水はまかなえるのだが
学生達の 生活をささえる水なのだろう・・・

父が生活する集落では 行方不明者も死者もでなかったが
ほとんどが 高齢者・・・・水汲みだけでも たいへんな作業だ
テレビでは 被災状況と 給水場所・入浴できる旅館や民宿の案内が
流れている・・・・・ここが 同じ日本なのかと感じるくらい
状況は 過酷に荒れ果てている・・・





「とにかく今は・・・何も手伝ってもらわれへんから
 おちついてから もう1回 帰ってきて欲しい・・・・・」

父の話を静かにきいた




お正月までに  あと1回・・・・・・帰省が必要




おそらく1回では 足りないだろうけど・・・・
この秋・・・・ゆうすけにとっても 正念場


翌朝 まだ暗い5時半・・・父が運転する車で 白浜までおくりとどけてもらった

なにごともなかったように 白浜⇔天王寺間は 列車が動いている
父の車のブレーキランプがみえなくなるまで 見送った
どこか 胸の痛みがとれない・・・別れだった・・・・・


秋休み・・・・

2011-09-12 12:08:29 | 日記
お盆休みをとることできなかった 振りかえに

秋休み・・・・和歌山の実家に帰ることにしていた

大阪の南玄関口 天王寺駅から那智勝浦へ
『スーパーくろしお』&『オーシャンアロー』が 南紀JR紀勢本線の特急だ

先日の台風12号の影響で 紀伊天満駅から那智駅途中の 鉄橋が 崩落している



父より「白浜から 臨時の各駅停車が出てるから それで 帰っておいで・・・」

天王寺駅で 「白浜以南は すべての運行を取りやめています・・・・」

・・・・・・・まぁ 代行輸送のバスもあるやろうし 白浜まで とりあえず・・・




しかし・・・・現実は 厳しかった
白浜駅のホームに 降りた時 ホーム下の線路をみると
錆だらけだ・・・・電車が しばらく 走っていないという証拠・・・



JR和歌山駅を過ぎたあたりで デッキへと いそいだ
「白浜から新宮までの臨時列車が ないみたいやから・・・・
 ・・・・・・白浜まで 迎えにきて欲しいねん・・・

父のいとこに電話してしまった
父のいとこと言っても そんなに年もかわらないのだが・・・

大阪の某製薬会社営業を10年して 家業を継ぐために 郷里に戻っている
いつも・・・「俺の大切な30代を 故郷のためにささげたんや・笑 一度しかない人生    好き勝手にすごして何が悪いねん

デッキからかけた電話に 「今からすぐ出るから 白浜で まっとけぇ~~~」

白浜駅に到着して ほどなく 「どこに おるねん・・・・今 着いたから 外に出ておいで・・・」

広い タクシー&観光バスのロータリーを 見渡すと

スバル フォレスター・・・シルバーが まぶしい

「おおっ また べっぴんになって 俺に犯されること承知で
電話してきたんか・・・がははははははは


あのねぇ~ 久しぶりやねんから もっと 『美しい挨拶』できへんか

白浜の温泉街で 昼食

ファミリーで切盛りしていると思われし 中華料理屋さん
めちゃくちゃ いそがしそう
ここで 一時間ほど 台風の後 街の様子がどうなのか
いろいろ話をしてくれた・・・・

白浜の街は ほんとに普通・・・・実家ある 那智勝浦の現状を知るまで
他人事のように 彼の話を聞いていた・・・

彼が この台風で 受けた被害の話・・・
商売に必要な倉庫4つ すべて浸水
PC 複合機 壊滅状態・・・

車・・・8台なんとか 大丈夫・・・「中学校の運動場に 避難させたから 車は 大丈夫やったわ・・・」

大雨には 慣れている地域だが 通常の大雨800mmに対して 1500mmが
約5時間降り続いたらしい・・・「夜中2時に 2階の畳が 噴水におしあげられるように はずれた・・・」 

ダムの管理が 前年に 和歌山県から関西電力に移管されたばかりということもあって
貯水調整が うまくいってなかったのも 今回の被害の大きさに繋がっているらしい




助手席で のんびり 景色をながめることが少ない現実
今日だけ・・・南紀の海を 思う存分 眺めた・・・


最後のお勤め・・・・・

2011-09-09 16:52:59 | 日記
半年に1回ほど PTAの当番が回ってくる
土曜日午後の校庭開放時・・・・みはり当番(遊具の貸与や片付けなど)
通学途中の横断歩道で 見守る当番

小学校6年の今年・・・・最後の当番が今朝回ってきた



この「腕章」をつけて マンション前の横断歩道に立つ(笑)
1ヶ月前・・・・9月仕事のスケジュールシフトを組むときに
「来月の9日は 朝一番のサービスは 入れません
 旗振り当番あるんで

「ぶぶぶぶぶぶぶっ まだ 子供さんって小学生やってんやんな
 なぁ~んか イメージないわぁ」

「意味不明な反応やわ・・・・」

どうも 子供がいるようには見えないらしい
「もう 大きい子供さんのイメージあるわ」
・・・・・たしかに でかいのは事実・・・・が 小学生・・・

もう この「まもるんジャー」の腕章をつけることはない・・・・・(笑)

「『関西医大病院』へ どうしても朝1番入らなあかん用事があるねん
だから 9時過ぎには 守口へ入れる?」
旗と腕章を 班長さんに返したあと もうダッシュでにエンジンをかけた

今日は 阪神高速で出勤・・・・
『駒川入口1K渋滞』悲しい電光掲示板
それでもめげずに「阪神高速 14号松原線」に流れこんだ・・・

ゆったりと 環状線に合流するまで 10分かからなかった
なだらかなカーブを走りながら 少し靄のかかった大阪市内を眺めていた
「渋滞も たまにはええやんな・笑」



環状線から守口線への分岐点 ちょうど北浜出口が守口への分岐
環状線からは3車線をまたがねばならない
何回走っても 一番緊張する分岐点だ
ウインカーを出し サイドミラーとルームミラーを確認しながら
バンバン飛ばして走る車を縫って 車線変更していくのだ
「左半分が そげおちそうやな

守口線からの眺めが大好きだ
大きく流れる淀川の姿を ドライブしながら眺めることができるから(笑)

どうして こんなに「淀川」が好きなのか わからないけど・・・・

家を出て 事務所下まで わずか25分・・・「やっぱ 700円の値打ちあるわ」


今日のお昼



むしょうに たこ焼きが食べたくなった