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kisetsunokazeni

ときには空を見上げて深呼吸。無駄と思える時間も必要な時がある。

まぼろしの背中

2019-11-20 17:39:33 | 日記

それはまだ

わたしが生まれて間もないころのお話

母方の祖父は

自分で育てた野菜やお菓子なんかをもって

時々うちに来ていて

その時母が仕事で忙しかったりすると

必然的に私の面倒をちょっと見ていたよう

それでわたしが泣きはじめると

おむつ替えやミルクを与えたりするけど

それでも全然泣き止まないときは

背中におんぶして景色を見せに外に出ていく

そうして

電気屋さんの首振り人形で遊ばせたり

小学校の子供たちが遊ぶさまを見せたりするうちに

最寄りの駅に着いて

しばらくそこで行き来する電車を眺めさせていたけれど

わたしがようやく眠りはじめると

祖父はそろそろ家に帰りたくなり

そのまま私を連れて

電車で自宅に戻っていった

そこでゆっくり休んだわたしは

祖母や伯父夫婦に優しく世話をしてもらい

夜遅くなって母がバスで迎えに行く、なんてことが

時々あったらしい

それはわたしには全く記憶にないことなんだけれど

美しい秋の暮れゆく空を見ていると

何十年か前のこんな夕暮れに

祖父の背中のぬくもりにつつまれて

安心して眠りについたことがあったのかと思う

お酒が大好きで

いつもニコニコしていたやさしい祖父

そんな懐かしい思い出の中に

記憶にはない

まぼろしの背中もまた

わたしにとって大切な1ページになっている

 

遊びに来てくださって、ありがとうございました


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2 コメント

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Unknown (bkbxc001)
2019-11-20 23:53:25
あたたかい思い出話にジンとしました。私幼き日に、母に背負われて寒い冬お使いか何かに行った時の、なんとも、言えないあたたかい記憶が今も残ってるのです😊
そして思うのは、おとうと犬くんも、今、わんずままさんに抱っこされながら、そんな幼き日々のことを、わんずままさんから発する匂いから、思い起こしてるのでは?と思うのです💕
わんずままさんも、私も、そして、おとうと犬くんも、そんな暖まる過去と、そこから繋がる今があり、きっと幸せなんだと思います✨
今日もとりとめのない意味不明な私のコメントで、すみません🙏

こちらは雪が降った地方もあり寒さが増してきましたよ😅
体も心も温かくして、おとうと犬くんと色々なお話してくださいね😊
返信する
お返事(bkbxc001さんへ) (わんずまま)
2019-11-21 16:02:23
コメントありがとうございます。

ランママさんにもお母様の背中の素敵な思い出があるんですね。
わたしのこのお話は後から母に聞いたものですが、子供の頃の暖かなぬくもりの思い出は、何か特別な感じがします。
おとうと犬は小さい頃から抱っこが好きで、お散歩中抱っこってことがかなりありました。
なので、もし今そういうふうに思ってくれているならすごくうれしいし、そうだといいなと思います。
今おとうと犬はご飯もあまり食べられず、強制給仕をされていて、点滴もやらされて、つらいことが多いので、少しでも心安らぐ時間が持てればと思っていますが、なかなかうまくいきません。
犬生の最後の時間をおとうと犬らしく過ごせるようにしてあげたいのですが・・・
心からおとうと犬の気持ちが聞きたい今日この頃です。

そちらではもう雪ですか・・・
今年はインフルエンザがすでに流行しています。
お体にお気をつけて、ランさんと楽しい日々をお過ごしください。
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