夢地蔵

田舎の映像作家の備忘録

レンズ無しの Leica をどうやって使うか

2021-05-29 11:20:04 | Weblog
1936年製 Leica D.R.P が手に入ったけど正規の中古レンズは相場がとんでもないことになっています。
どうしましょう。このままでは宝の持ち腐れです。


昔弟が要らないと置いていった引き伸ばし機を処分した際何かに使えるかもと取っておいた部品の中にレンズがあります。


よくある考えですが、引き伸ばし機のレンズは通常ライカマウントの39mm、機械的には取り付け可能。
ただしヘリコイドが無いのでピント調整が効きません。引き伸ばし機はピント調整をベローズ機構でやるのでフランジバックという概念もないみたいです。


このレンズについて詳しくないのでこのリングは何?


いつものことですが頭の上に豆電球がぼんやり点きました。
ピントは固定焦点にしちゃえばいいじゃないか。5m程度で固定して絞り込んで撮ればパンフォーカスでいけるだろう。
調べたら Leica のフランジバックは28.8mm。シャッターをバルブで開いてノギスで測ったらほぼ規定通りでした。
さっそく有り合わせの金具でこんなのを作って


レンズはリングで挟みました。金具の板厚はリングを締めたギャップと同じです。
これで引き伸ばし機のレンズのフランジバックを調べようという訳です。


リングが落ちない程度でしっかり締まる隙間は 2.2mm 、締めこんだときは1.2mm なのでこの範囲で 5m に合わせることができればスペーサーを入れて解決するんですが。


なにはともあれ大体どのあたりでピントが合うか試してみました。
摺りガラスが有れば確実に実験できるんですが手元に無いのでレジ袋を切って代用。

写真ではわかりにくいけど空の雲、つまり無限遠がレジ袋に鮮明に写っています。

なんとか摺りガラスを手に入れてしっかりした実験セットにしてレンズのフランジバックを測定する必要があります。
感触では 30mm 程度なので Leica のフランジバック 28.8mm との差をスペーサーで合わせればいけるはずです。

面白くなってきました。

ここで写真をやる人に言いたいことがあります(前にも書いたかな)。
写真の世界ではとにかくボケが好まれる傾向で、いかに背景をきれいにボカすかが課題のようですがどうしてなんでしょう。
背景をボカすことで主題が浮き上がるといいますが、特に望遠でボカした写真は彼らの思惑と逆に画面が平坦になって立体感が出ません。
私の場合も8ミリを始めた頃は望遠で背景をボカすのが好きでしたが、画面が平面的になるので卒業しました。ビデオも写真も撮りますが基本的にパンフォーカスです。
Leica が引き伸ばし機のレンズで 撮れるようになったらもちろんパンフォーカス!

さて、どこかに小さな摺りガラスはないかな。
コメント
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