ゆいもあ亭【非】日常

映画や小説などのフィクション(非・日常)に関するブログ

惑星大戦争 大好き!

2006-05-19 | 映画
*gooサイトからの引越し記事

アニメのような(「宇宙戦艦ヤマト」ブームだな)実写もの。アイドルに依存した(浅野ゆう子や森田健作は青春スターだ!)映画も得意。そのうえ世の中は「スター・ウォーズ」を待っているじゃないか! ここは特撮の「東宝」に任せとけ!

……事実はそれ以下に安易だったに違いない。「惑星大戦争」の制作事情は。


「惑星大戦争」は大好きな映画だ。

……そう、断言してしまうと「人間性」を疑われるに違いない。

……しかし!

あの、野暮ったい演出! 脳内補完さえ怠らなければ胸躍る特撮のシチュエーション、脳内補完さえ、これまた、怠らなければ日本では「スター・ウォーズ(後のエピソードⅣ 新たなる希望)」さえ未公開であった時期というのに、ジャバの帆船のレイアばりの、SMチックな衣装を先取りしたと言えなくもない、あのリビドー直撃(大げさ、ね)場面!

……興奮していないで整理しよう。

そう。見所は満載なのだ。

出演者は 以下のコメントを参照。その他には 宮内洋!



見所ピックアップ!【ネタバレ注意】


その1 ダイナミズム満点の、宇宙防衛艦「轟天号」の出撃シーン!

メシエ13番星団に属する恒星ヨミの第3惑星から、はるばる2万光年の距離を遥かにやって来た侵略者を迎撃するため、秘密裏に南洋の孤島で建造されていた宇宙防衛艦「轟天号」。
「轟天号」とは、東宝の特撮名画「海底軍艦」の名前。その発進シーンは「海底軍艦」の焼き直しなのだが、原盤よりもある意味ダイナミックなのだ。オリジナル「轟天号」は発進ゲートが敵ムウ帝国人の攻撃によって開かなくなったため、やむなく先頭のドリルでゲートを破壊するのだが、宇宙防衛艦の方は最初から発進ゲートが用意されていなかったのではないかと思われる。
あたかも、「轟天号」が出撃するときは必ず超緊急事態である。従って平常の出撃は想定外なのでゲートなどはない、と言わんばかり。先頭のドリルとレーザーの照射で島の地表まで穴を穿ち、飛び立っていく! 津島利章のテーマ曲も勇壮だ。


その2 名曲が胸に迫る!

唯一の紅毛碧眼人メンバーであるジミーを回収後、宇宙へと旅立つ轟天! このシーンはベタな音楽フォスターの「金髪のジェニー」によって、「愛する地球」への思いを盛り上げる……このシーンと東映「宇宙からのメッセージ」のカメササ婆さんの末期の回想は、とても恥ずかしく、あまりに情けないのでもう一度見たくなる。


その3 リビドー直撃、サービスショット!

上にも少し書いたが、浅野ゆう子の、黒革の衣装で半裸(実際はそれほどではない。本来はもっと際どい衣装を想定しているのだろうな、と脳内補正)・緊縛姿に、マンモス鈴木演ずる(っつうか、着ぐるみなんだけどね)角牛熊男(つのうしくまおとこ? なんか呼び名があったかな? もちろんチューウィーのパクりです)のツーショットが素敵だ。この角牛熊男、「ガンダム」も放映されていないこの時点でヒートホーク(というか、ビームマサカリというか)を持っているのだが、もちろんこれもライト・セーバーのパクりというわけである。


その4 艦載機、発進!
 
これまた、ヤマトのコスモ・ゼロのパクりに当たる轟天の艦載機の、発進方法が素敵なのである。リボルバー式の拳銃の回転動輪(リボルバー)のような射出口(カタパルト)があって、一機発進すると、動輪が回転、次を射出! ……と、まあ、玩具みたいでよいのです。
(そういえば轟天は、「海底軍艦」のパッケージ替えプラモくらいしか出てなかったな。このギミックを付けた玩具があればよかったのに)。


その5 恋のライバル金星の空に散華す!
 
劇中の森田健作と沖雅也、浅野ゆう子は三角関係。敵に捕らえられた(その3状態の)浅野ゆう子救出作戦で森田健作は敵艦に潜入、これを空から援護するのが(その4の)艦載機なのだが、見事に救出に成功、という時に沖雅也機は打ち落とされてしまうのであった。しばらくNASAかどこかに出向していた森田健作は、恋の鞘当てでは沖雅也に負けていたはずだというのに! 無念なり、沖雅也!(シナリオ上のご都合主義の犠牲者である)


その6 ダイナミズム再び!
 
敵戦艦(劇中でガレー船とも言われる、古色燦然たる帆船を金色にカラリングした)「大魔艦」との、金星上空での一騎討ちが素晴らしい(はずなんだ、脳内で補正したシーンでは)! 赤黒い空、吹き上がる火山の炎、金色の「大魔艦」、銀色の「轟天号」、黄色いレイザー・ビームを応酬しあいながら巨艦がすれ違う! ……かなり格好いいイメージだ。吊りのピアノ線が見えるんだけどね。


その7 止めの金星大爆発! 

「大魔艦」に対し、劣勢となった「轟天号」。
艦長池部良。彼は浅野ゆう子の父で、天才科学者。自ら設計・造船指揮を執った「轟天号」の艦長を務めていたわけだが、実は大変な秘密を抱えていたのである。彼は惑星を破壊できるほどの超エネルギーを発見、実用可能にしていたのである。この危険きわまる最終兵器の秘密もろとも、あらかじめこの超エネルギー兵器を仕込んであった「轟天号」先頭ドリル部で、彼は「大魔艦」に特攻する! 「ゴジラ」のオキシジン・デストロイア平田昭彦=芹沢博士と同じように。
先頭ドリルなしの情けない姿で金星を後にする轟天! 金星には無数にヒビが入り、大爆発! って、地球にも影響あるんじゃないのか、おい!

ネタバレ満載でご紹介しましたが、どうです、見たくありませんか。
DVDは東宝ものですので、残念ながら値段が高めです。廉価版か、レンタルが出て欲しいところ。書いた本人もまた見たくなったぞ!


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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
沖雅也 (ふわまる)
2006-05-20 16:51:11
『ゆいもあ亭』開設おめでとうございます。

惑星大戦争、初めて知りました。

森田健作、浅野ゆう子、そして沖雅也ですか!いいですね~

(カッコよかったですね。)

風吹ジュンと沖雅也の大昔の映画、題名が思い出せない。(内容もですが。笑)

おもしろかったことだけは覚えています。



今後とも、ゆいもあ亭、楽しみにしていますね。
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おそらくマニアックネタだらけに (yuimor)
2006-05-21 11:23:53
ふわまるさん、書き込みありがとうございます。



「風吹ジュンと沖雅也の大昔の映画」を、風吹ジュンのフィルモグラフィーで確認しました。



テレビでの共演はこのほかにもあるようなのですが、映画では以下の二本のようです。



「白熱〔デッドヒート〕」(77年東宝)

「火の鳥」(78年東宝)



「火の鳥」なら、これは市川崑監督の、「黎明編」の実写映画化作品で、尾美トシノリ(現・としのり)が12歳の天才少年だったころの作品ですから内容や題名を忘れるはずがないと思われます。



「白熱〔デッドヒート〕」の可能性が高いだろうと思います。

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そうそう! (ふわまる)
2006-05-22 09:54:23
そうでした!白熱(デッドヒート)です。

古本屋でカバーなしの文庫本を買った記憶があります。

たぶん、家の中のどこかにあると思います。



77年の映画でしたか。映画館で観たのか、テレビで観たのかも覚えていませんが、

たしか、セリカが出てきたような・・・



さすがはyuimorさん!大正解でした。ありがとうございます。
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「白熱(デッドヒート)」 (yuimor)
2006-05-22 12:46:56
文庫もお読みでしたか!



原作ではラストに「競う」「ファントム=金メタのスカG」が、実は幻(ファントム)と戦うために捨てた彼女が手切れ金を積んで買い求めた偽の金メタのスカGで、それを知った主人公がもはや復讐は終わったとか納得した瞬間に本物が現れて走り去り、まさに幻となる……というような締めくくりだったと思うのですが、映画版では違うオチだったように思います。



田中光二原作で、同じ石田勝心監督の作品では「東京湾炎上」(原作は「爆発の臨界」)の方が印象深いのです。



原作の「アポロは月に行かなかった」ネタには一切触れられていないのですけれど……。
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いい加減な記憶 (ふわまる)
2006-05-22 15:33:16


セリカでなく、スカGでしたか。(^^ゞ

記憶とともに、文庫本も発掘しないと!



やはり、内容はしっかり思い出せませんが、

映画を観た後、本も読んだということはたぶんおもしろかったのでしょうね。



沖雅也、生きていたらいい俳優さんでしょうね。合掌
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Unknown (けーぶるまん)
2006-06-11 23:31:09
記事拝見いたしました。

なんとも愛溢れる記事で、

一度見たことのある者としても

楽しく読むことができました

(そしてまた、作品を味わいなおすことができました)。



週明けには「例」のものお持ちしますね。



これからも、その「お勧め上手」ぶりを発揮していただいて、世に散る楽しい作品をどんどんとご紹介いただければと思います。
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