ゆいもあ亭【非】日常

映画や小説などのフィクション(非・日常)に関するブログ

ずーっと、ZOOっと、きっとゾッとするよ。

2006-09-13 | 映画
ZOO」(乙一原作 オムニバス・ホラー)を見た。

 カザリとヨーコ
 題名は双子の姉妹の名前。カザリは母にネコっ可愛がりにされており、一方のヨーコはDVを受けている。その待遇の落差の、理由もわからないのだが、ヨーコはそんなことには頓着しておらず、母を愛し、可愛い妹を愛している。何しろ母のどんな暴力も平気だし、カザリの差し出す食べ残しや吐き捨てたものさえ、親切と感じ、有り難がる始末。ところがある日、迷子犬を届けた家で歓待され、自分の不遇を自覚する。終盤、「王子と乞食」の歪められた寓話であるかのように、ふたりは入れ替わり、カザリはヨーコとして殺されるが、ヨーコはカンザスのお気楽娘がテリアを連れて不思議な国を旅するように、颯爽と家を出て行くのだった。


 SEVEN ROOMS
 突然攫(さら)われて密室に閉じ込められた姉弟。鉄扉に閉ざされた密室には、ただ一枚の食パンと水が入れられた器が置いてあるだけ。部屋の中を浅い溝(どぶ)が流れている。姉が弟に命じ、その溝を使って外に抜けられないか調べさせるが、結局隣り合わせの部屋に抜けられるだけだった。しかし、その結果、ここには七室があり、その内の一室は空室で、残りには全て若い女性が閉じ込められているとわかった。ひとりは錯乱しており、6時に殺されるとわめいている。翌日、空室には新しい女性がおり、錯乱者は消えていた。そして、各室の女性が監禁されている期間は全て一日ずつずれていることもわかった。つまり、誘拐犯は、順に7日目を迎えた女性を殺し、新たにひとりを攫ってくるのだ! この悪夢の青髭の屋敷を抜け出す方法はあるのか。姉は命がけの奇策を思いつくのだった……。


 So far
 一見幽霊譚に見え、実はとても皮肉な「心理」劇である。


 日だまりの詩
 実に丁寧なつくりのアニメである。丘の家で主人の埋葬のために作られた少女アンドロイド。主人の死の日が迫る中、少女アンドロイドは生きることの悦びと切なさと……理解していく。


 ZOO
 これが一番不気味で、しかし、お粗末な作品だった。

*閉じた短編として見てよい。まあ、一番無難で胸に染みたのは「陽だまりの詩」かな。*

*本当にお奨め作品ですよ!*


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