街川は雨を含んでふくらまず水のひかりは家のあかりだ
たのみいし本をもらいにいく夜のコンビニまでの道のりと雨
千葉聡『短歌は最強アイテム』を読んでぼろぼろなみだをこぼす
窓側の席なるわれは外をみる「空賊」という語をころがしながら
淡水湖ひとつかかえてそのめぐりきり立つ山はひだあまた持つ
るいるいとさてもるいるいと連なれる眼下の雲はよろこびならん
きんいろのプレミアムビールを飲むだろうこれが仕事でなかったならば
ポータブルサンダーはよくはたらいてわが持つ腕にしびれはたまる
玄関の柱がうまく塗れないと言われてあたまをさげるおしごと
妻と子に「博多通りもん」八個入りささげてひとつ仕事を終える
_/_/_/ 未来4月号掲載歌 _/_/_/
_/_/_/ ニューアトランティス欄 _/_/_/