TOKYO CRUISE (6月4日)
はでな船ぺたんこの船でかい船午前十時の日の出桟橋
桟橋と船の段差は少なくてまたいで渡ることあじけなし
ぺたんこの船は天井低いゆえ中腰のままあるく木の床
地ビールはひとり一杯くばられて勝鬨橋の下くぐりゆく
つつじ咲く川辺の道を走るひと佃大橋さらりとくぐる
何運ぶひとの銅像立たせるかゆるい曲がりの中央大橋
黒い鳥水面近く飛ぶを見る永代橋を低くくぐれば
ああ東京、三層構造隅田川大橋重き車をのせて
すれ違うぺたんこの船に手を振れば手は振りかえす清洲橋下
新大橋オレンジの橋川べりを黄色い服のひと走りゆく
地ビールにぺたんこ船に酔いながら両国橋をゆるりとくぐる
総武線鉄橋下から見上げれば鉄の隙間に昼はきらめく
蔵前に「くらまえようちえん」ありき蔵前橋をくぐりてすぐに
厩橋くぐればふたつみっつよつ静かに夜を待つ屋形船
駒形橋低くくぐれば「あさくさ」の文字多くなり終点近し
吾妻橋くぐればそこは船着場ぺたんこの船を待つひとあまた
浅草にふらりおり立ちふり向けば霞みのなかにスカイツリー見ゆ