そしてまた不穏な夜がおとずれて玄関のカギを確かめている
あたたまるやがてわたしは眠くなる脚のあいだに腕さし入れて
玄関のブーツはぜんぶ折れ曲がり黒く細かいうぶげはえてる
フリスクをのどにとろかせながら言う思いどおりにいくはずなどと
にぎやかな交差点にはまざらない色が(匂いが)ちらばっている
幸いをさけびつづけるヒヨドリの羽をめくればおとなしくなる
ななめっていう方法を知らなくて橋をわたってそしてよこぎる
白線が消えてしまえばどこへでも車をとめてもよいということ
みどりいろした石ころはみがいても色は変わらずただ光るだけ
とがらせた鉛筆がさししめす先そこには何があるというのか
マテバシイの落ち葉を掃いて集めれば細かい砂も集まってくる
てのひらに缶コーヒーのぬくもりをもらって今日は始まってゆく