映画で楽しむ世界史

映画、演劇、オペラを題材に世界史を学ぶ、語ることが楽しくなりました

5月4日NHK「偉大なる旅人・鄭和」

2006-05-04 15:04:09 | 舞台は東アジア・中国

ゴールデンウイークのゴールデンタイムに・・・あまり有名でもない中国の軍人航海使「鄭和」のドキュメンタリー。中国やアメリカの学者も出演させ「中国のコロンブス」とでも言いたそうなトーンであったが、まだ史実は固められないようだ。

それにしても、14世紀ようやくモンゴルの支配を脱した明王朝(金陵=南京)が思う存分腕を伸ばす時代。「靖難の変」で「君側の奸を除いて帝室の難を靖んず」というスローガンを実現させた永楽帝は、有能な宦官を重用し万里の長城を作り直したり、イスラム人たる「鄭和」を「南海遠征」に出させる。

彼は1405年からの約30年間に、7回にわたり大艦隊を率いて東南アジア、インド南西岸、ペルシャ湾、アラビア、アフリカ東岸にまで出かけ情報収集と貿易に従事した。喜望峰を越えて大西洋洋まで達したかどうか・・・分からない。

それにしても、このドキュメンタリーは、例えばマレーシアやスリランカあるいはアフリカ海岸国での鄭和の行動・・・いずれかの宗教に偏ることなく経済中心で成功を収めたことを強調している。

それは良いとしても、DNAの中に中華思想を持つ人たちが「東アジア共同体」の主導権を狙って、一種の鄭和主義を掲げて宣伝してくるとどういうことになるのだろうか。5月の杞憂でしょうか。

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