ウィスキー
南アメリカの人口350万人程のウルグァイ、日本人にとってはあまりご縁がないが、
近時はサッカーの日本チームの対戦相手として存在が目立ってきた。
その国のヒット映画「ウィスキー」、小資本で旨く創ったなという感じ。
どこにでもありそうな「人生のホロリ映画」、あまり難しく考えないで味わえばいい。
主人公は、さびれた靴下工場の老社長。母の看護に疲れ、
日常必要なこと以外話をするのも億劫に . . . 本文を読む
「ウォールストリート」。
前作から24年。刑務所を出てきたマイケル・ダグラスが、大学教授ぶって「バブルの物語」を講演したり庶民ぶって地下鉄に乗ったり、
最近のバブル(サブプライムローン問題)を反省しながら、
一方では「人間世界には繰返し起こるとこと」を分っていて・・・また投資で大儲け。
しかし娘の結婚・妊娠を前にして、孫の顔を見たくなって・・・人間的に終わります。
(了)
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2月12日NHKhi、蜷川幸雄、彩の国劇場の「冬物語」。
この劇を見るたび思う疑問、シチリアとボヘミアの関係。
シェクスピアは種本を変えて両国をとり替えたため「ボヘミアの海岸」などというあり得ないことが起きたとされているが、そもそも歴史上どうして双方の交流が生じたかが問題。 . . . 本文を読む
2月14日NHKbs「愛と追憶の日々」を改めて見て、
このアカデミー賞作品の面白さがやっと分った。日本語でいえばこの映画「庶民的」あるいは「大阪的」。
母と娘の葛藤の日々を描きつつ、普通の人間の本音が明け透けに語られる。
建前でものを言うのが可笑しい、何とも言えない悲哀が漂うところ。 . . . 本文を読む
アルゼンチン映画「ステイト・オブ・ウォー」
1982年、南大西洋の戦争、イギリス側から言えばフォークランド紛争、アルゼンチン側から言えば「マルビナス戦争」を描き、トライベッカ映画祭で賞をとったという。
実録風な描き方で、前線にいた兵士たちの虚しさはよく分かるが、戦争の背景の説明や、戦争の全体感が描かれておらず、物足りない、勿体ない。
考えてみれば、この戦争、アルゼンチン、イギリスの「領土争い . . . 本文を読む
「セントラルステーション」は「ロード・ムービー」の一、二を争う秀作、
色んな映画賞を総なめした。それのみか、80年代以降生まれた映画の中でも
「ニュー・シネマ・パラダイス」に匹敵する名作だと思う。
現代ブラジルの種々社会問題を率直に挿入している点も好感持てる。
ブラジル等中南米諸国は、その時々の政権が映画造りに金を出したり止めたりの変遷を繰返してきたが、ようやく自身の文化の発露としての映画の位置 . . . 本文を読む
コロンビア生まれのノーベル賞作家ガルシア・マルケスの小説を映画にした「コレラの時代の愛」
この映画を最も皮相的にストーリーのみを追うとすれば、卑猥な言葉だが助平男の「千人切り」物語。
生涯622人もの女の「カタログ」がある男が、厚かましくも、恥ずかしげもなく、70歳を超えても初恋の女を50年超愛していた、そして再会して、623人目に挑戦するところで・・・The End となるという話。
但し . . . 本文を読む
フランス史上重要かつ悪名高い「聖バーソロミューの虐殺」はデュマの小説になったこともあり何度も映画化されるが、最近の物は1994年の「王妃マルゴ」。セザール賞を幾つかとった大作だが、どうも過剰演出でかえってリアルさ・信頼性を欠く。フランス映画は歴史物はヘタだ。 . . . 本文を読む
今週の「映画で楽しむ世界史」は「クロムウェル」を紹介して、イギリスの清教徒革命を振りかえろうと思う。それにしても「クロムウェル」という映画、教科書的すぎて面白くないのだが・・・。 . . . 本文を読む
映画「ソーシャル・ネットワーク」を見るとよくわかるが、Facebookの最初の発想は、なんの事ない、学生たちの「雨夜の品定め」のための「電子釣書(つりがき)」システムに他ならない。このシステムが世の中をどう変えたか、映画のパートⅡを作って欲しい。 . . . 本文を読む
数少ない、オランダ史に触れる映画
司馬遼太郎氏が好きだったオランダ。
「街道をゆく」の中でも、特に日本人にとって「オランダ紀行」は必読書だと思うが、その中で彼はオランダの黄金期・レンブラントの絵画を絶賛する。
一言でいえば、近代的な意味での市民社会は17世紀オランダで初めて成立したが、その象徴ともいえるのが「集団肖像画」・・・聖書画ではない、国王諸侯の絵でもない、
まさに生きた市民が初めて主役 . . . 本文を読む