「ラスト・ハーレム」
オスマントルコを扱った映画をいろいろ探すのだが、なかなか良いものがない。
やっとあった「ラスト・ハーレム」(1999年伊仏トルコ合作)・・・
男性顧客を呼び込もうと苦心したタイトルなのだろうが、あまり効果は無かったようだ。
内容もさることながら、画面が終始暗く、字幕が少なく筋書きも分かりにくい。
こういう映画はよほどその作品の背景となる歴史や文化に精通した人の監修を仰ぎ . . . 本文を読む
ザ・メッセージ
1、 ザ・メッセージという映画の特色
キリスト教は三位一体という理屈を持ち、「神の子」イエスの処刑の場面やイエスの苦悩に満ちた顔を共通のイメージとして持っているのに対し、イスラム教は神を姿、形で認識しない、してはいけないのである。イスラム教はアッラーの神に対する絶対帰依を要求し、下手に姿、形を見せると下衆の議論を招くからだろうか、偶像禁止が徹底していてマホメッド(最近はムハ . . . 本文を読む
「アラビアのロレンス」は間違いなく名画。必見を要するが、いったいこれはどこの国の話?アフリカと答えたら落第。アラブと答えても曖昧。サウジアラビアと答えるのが正解だろう。
アラビア半島が歴史に登場するのは、シバの女王とイスラム教教祖のムハンマド。その後イスラム世界の中心はダマスクス、バクダット、イスタンブールと移り、メッカの地は長らく忘れられたまま。オスマントルコは教祖にそれなりの敬意を表して太守を . . . 本文を読む
1、もっとトルコが知りたい
現在のトルコ共和国は、宗教人口から言えばイスラム国家ということなのだろうが、イスラムでは真っ先に「政教分離」を徹底させ、人口が増え経済的にも急成長。今後地政学的にも最も注目される国の一つ。
そのトルコが・・・1987年、EUに加盟を申請し、99年には交渉候補国となり、これから本格交渉が始まるという。そもそもEEC発足時(1955年)、欧州統合の精神は「民主主義、市 . . . 本文を読む
キリストの受難劇のミュージカル化
宗教という言葉に真面目な人は、新約聖書のクライマックス部分、キリスト最後の7日間をブロードウェイミュージカルにして演じる、あるいはそれを映画にするなんて、ほんとにいいのかしらと思ってしまうだろうが・・・。
これがなかなか良く出来ている。
「裏切り者」ユダの視線を軸にし、エルサレム神殿の大司祭カイアファやローマの総 . . . 本文を読む
久々の十字軍映画 「キングダム・オブ・ヘブン」はオ-ランド・ブルーム主演の鳴り物入りなのに、スートーリーや状況設定がお粗末、お金をかけたのになんとももったいない。
昔、十字軍映画はいろいろあったが下火になってから久しい。十字軍は明らかに中世キリスト教(ローマ教皇)の蛮行で政治的、軍事的には完全な失敗策。これをローマ法王庁は、なんと2000年になって公式に認め・・・
昨年なくなったヨ . . . 本文を読む
話題の映画、スピルバーグ監督の「ミュンヘン」の一つの見方
事実に基づいて丁寧に作った秀作ではあるが、シナリオに難があるのか、ドラマ的盛上がりや感動という面では物足りない、期待はずれ。
しかしスピルバーグの意図を以下のように解すると大変重要な後世に残る映画なのかも知れない(ややオーバー)。
イスラエル・パレスチナの紛争は3000年来のもの・・・我々日本人は双方の執拗さ、寛容精神のなさに辟易 . . . 本文を読む