「テルマエ・ロマエ」
「テルマエ・ロマエ」とはラテン語で「ローマの浴場」の意味。
古代ローマ時代と現代日本の入浴文化を比べてみるという着想がいい。
現代日本にタイムスリップした古代ローマ人の浴場設計技師が、
日本の風呂文化にカルチャーショックを覚え、大真面目なリアクションを返す。
やがては時の皇帝ハドリアヌスに仕え、温泉文化をもって政治軍事にも関わることに
・・・タイムスリップの楽しみの極み . . . 本文を読む
ファウスト(2)
最近のドイツ旅行はかっての「ロマンテック街道」一辺倒から脱し、メルヘン街道、
古城街道、ファンタステック街道、アルペン街道等々いろんな観光ルートが楽しめるようだ。
中でも「ゲーテ街道」は、ライプチッヒから中央ドイツを南西に横切ってゆくのだが、
途中イエナ、ワイマール、アイゼナハなど正に、ゲーテ・シラーを彷彿させる街町を通ってゆく。
そこで問題のゲーテ。彼は当時のドイツでいえば . . . 本文を読む
ファウスト(1)
第68回ヴェネチア国際映画祭で「金獅子賞」を獲った「ファウスト」。
言わずと知れたドイツの文豪ゲーテの代表作を映画化したもの。
原作の「ファウスト」は、中世ドイツに実在したと言われるドクトル・ファウストゥスの伝説を下敷きに、
ゲーテが一生かけて完成した大作。
主人公ファウスト博士は、医学を始め、錬金術や占星術など考えられるあらゆる知識を会得したが、
その限界に至ったのかどう . . . 本文を読む
「マンデラの名もなき看守」
アカデミー賞の外国映画賞を受賞したというだけあって、確かに秀作。
歴史&ヒューマンドラマとして爽やかな感動を覚える、歴史に残るものだろう。
少しコメント
観客、特に日本人などは主人公のグレゴリー・は何国人だと思っているだろう。
失礼ながら、あまり歴史に意識のない人は、映像から受ける印象からいって、
てっきりイギリス人と思ってしまうのではなかろうか。
未確認なのだが . . . 本文を読む
メキシコ革命:ラテンアメリカで最初の社会革命?カウディーヨの政権闘争?
1、ディアス再選に対する反対運動・・・1910マデロ「サン・ルイス・ポトシ計画」
2、マデーロによる「革命」・・・1911南部のサパタ、北部ビリャ、カランサなど
3、ウエルタ将軍のクーデター・・・守旧派による反革命⇒19113マデロなど暗殺
4、ウエルタ政権の打倒・・・北部のビリャ・カランサによる「護憲革命軍」活躍
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「風とライオン」を鑑賞するために、モロッコ史概観
<ベルベル人対アラブ人> ベルベル人といっても・・・いろんな種族。
歴史・・・ムラビート朝、ムワヒッド朝は一時スペイン(イベリア半島)を制覇したことも。
17世紀以来、アラブ系「アラウィー朝」、紆余曲折はあるも、現在も王制「ムハンマド6世」。
19世紀末混迷、モロッコ事件、1912フランスの保護領に、第一次世界大戦の火種として有名。
現在の . . . 本文を読む
「オペラ座の怪人」(2)
③この原作の「怪人=奇形児」から少し私見をこじつけると・・・。
フランスの大衆娯楽分野には「美女と野獣もの」という系譜がある。
そもそも「美女と野獣」は1756年に出版された民話集に端を発するが、
野獣が美女に懸想する話を取り込んだ物語は多く、音楽、バレー、
映画、ミュージカルと盛んに繰り返される。
最も元話に近いのはジャン・コクトーの「美女と野獣」。
最 . . . 本文を読む
「オペラ座の怪人」(1)
①イギリスの貴族音楽家アンドリュー・ロイド・ウェバーのミュージカル(映画もあり)。
確かに音楽は重厚・甘美、文句なく素晴らしいし、舞台は豪華絢爛、
推理・怪奇的要素も加わり大ヒットした理由は分かる気がする。
しかし物語の筋は、猥雑なものをいろいろ混ぜ込んだ感じで何ともすっきりしない。
ストーリーだけで論じるとすれば、明らかにB級、駄作極まりない。
要はオ . . . 本文を読む
「ラスト・ハーレム」
オスマントルコを扱った映画をいろいろ探すのだが、なかなか良いものがない。
やっとあった「ラスト・ハーレム」(1999年伊仏トルコ合作)・・・
男性顧客を呼び込もうと苦心したタイトルなのだろうが、あまり効果は無かったようだ。
内容もさることながら、画面が終始暗く、字幕が少なく筋書きも分かりにくい。
こういう映画はよほどその作品の背景となる歴史や文化に精通した人の監修を仰ぎ . . . 本文を読む