「マンデラの名もなき看守」
アカデミー賞の外国映画賞を受賞したというだけあって、確かに秀作。
歴史&ヒューマンドラマとして爽やかな感動を覚える、歴史に残るものだろう。
少しコメント
観客、特に日本人などは主人公のグレゴリー・は何国人だと思っているだろう。
失礼ながら、あまり歴史に意識のない人は、映像から受ける印象からいって、
てっきりイギリス人と思ってしまうのではなかろうか。
未確認なのだが . . . 本文を読む
「風とライオン」を鑑賞するために、モロッコ史概観
<ベルベル人対アラブ人> ベルベル人といっても・・・いろんな種族。
歴史・・・ムラビート朝、ムワヒッド朝は一時スペイン(イベリア半島)を制覇したことも。
17世紀以来、アラブ系「アラウィー朝」、紆余曲折はあるも、現在も王制「ムハンマド6世」。
19世紀末混迷、モロッコ事件、1912フランスの保護領に、第一次世界大戦の火種として有名。
現在の . . . 本文を読む
アラビアのロレンスに匹敵する砂漠の名作。特に主役のアンソニー・クインはアラビアのロレンスのピーター・オットールよりずっといい。又ムッソリーニが出てくる場面が秀逸、以下に見るような後進国イタリアの焦りがよく出ている。
英仏独に比べイタリアは植民地政策で決定的に出遅れる。又工業力、軍事力が育ってないから他の先進国と競合するとすぐ引っ込まざるをえないのだが、それでもかってローマ帝国を作ったという自負も . . . 本文を読む
「風とライオン」という映画はどう見ればいいのか。
勿論、主役ショーン・コネリーが演ずるモロッコ・ベルベル人のリフ族の首長ライズリの活躍がテーマ。
・・・19世紀末モロッコはオスマントルコの支配を脱したものの、ヨーロッパの列強に侵略され現地人も内紛を繰り返し、独立の気概高いライズリにとっては見るに見かねるだらしのなさ。アメリカ人を誘拐して関心をかい、堕落しきった現地スルタンあるいはそれを繰るフランス . . . 本文を読む
アフリカ分割(2)フランスの横断政策他
1、マグリブ地域のアルジェリア
アフリカ史は難しい、というより日本人、日本文化とはあまりにも異質で、歴史上の接触もなく、学校で学ぶ気もなく教える気もなく親近感がないまま、どこか遠い国の関係ない話にしか思えない、そういう人が多い筈。しかしなにせグローバリゼーションの昨今、知らぬ存ぜぬでは通用しない。それにしても、古代からのエジプトは別として、 . . . 本文を読む
植民地争奪戦(1)イギリスのアフリカ縦断政策
1、アフリカ分割、英仏の対立
18世紀末アメリカを独立させてしまったイギリスは、改めてエジプトを基点にアジアの植民地、インド、中国経営に乗り出す(「ベンガルの槍騎兵」「阿片戦争」などの映画がある)。しかし西洋史中心に記述するとして、・・・ここではアフリカでの植民地争奪戦・・・まずイギリスの縦断政策について書く。
イギリスは、アフリカ政策に当た . . . 本文を読む
「バベル」は必見作品、現代社会の急所をついている
いくら情報通信手段が発達しても、言葉が通じないと、通じても心が通じないと、問題は解決できない。国際政治の舞台でも、個人の日常の生活でも。
この映画はそれを伝えようとする。どうやって。一つの事件を、推理小説的展開に分解し、見るものを引き込んでゆく。モロッコ、ベルベル人の住む山中、アメリカメキシコ国境の街、そして東京。いったい何が . . . 本文を読む
アフリカ映画はいつも心を重くさせる
1、この映画の舞台、シェラレオネは「ライオンの山」という意味だそうだ。
15世紀中頃ポルトガルがやってきて・・・奴隷や象牙などの交易を始め・・・激しい植民地獲得競争の修羅場にさらされる。
そして18世紀後半いち早く奴隷貿易廃止を実践しようとしたイギリス人が解放奴隷の入植地を作り「フリータウン」となずけたのが今の首都。その後関心は内陸部の . . . 本文を読む
ハンフリー・ボガード主演男優賞の「アフリカの女王」
この映画は同名の小説をベースにしたもので、単純に娯楽大作として楽しめばいいのだが、正直言ってこの作品、日本人にヒンと来るだろうか。そもそも女性がアフリカ奥地をうろつき歩くことなど考えられるだろうか。
しかし西洋人にとって(アメリカ人も含め)アフリカは隣の大陸、自分達が征服する土地。だから女性にもそういう意識はあっ . . . 本文を読む
オペラの中で最も人気があって上演回数も多いといわれるのが「アイーダ」。
第二幕ラダメス将軍の凱旋式で流れるファンファーレは、トランペット奏者が最も張り切るところであろう。サッカー場での応援メロディーとしても一世を風靡した。(今もしている?)
ところで最初このオペラに接した時、エジプトに何故エチオピアの王女が現れるのか不思議に思ったものだ。しかし少し調べてみると、
① エジプトの南、今のスーダ . . . 本文を読む
久しぶりに「モロッコ」を見た。
この映画は1930年のアメリカ映画。日本初の字幕つき映画との勲章を持っている(1931年、昭和6年)。当時、日本では全く知識も利害関係もない外国、アフリカとはいえ何か白さ、エキゾッチクさを感じさせるモロッコで、まさに映画ならではの恋愛行動とその表現・・・今のお爺ちゃんお婆ちゃんたちはびっくりしたに違いない。
しかし一体この映画はどの辺の歴史を背景にし . . . 本文を読む