日本版ダイ・ハード「ホワイトアウト」
真保祐一の原作は吉川英治文学新人賞を受賞し、
このミステリーがすごい!で国内部門1位に選ばれるなど、評判の高いベストセラー。
若松監督は、映画デヴュー作として相当張り切って作られた、その意気は良く伝わってくる。
しかし意識してか無意識にか、あの「ダイ・ハード」と全く同じ作り方。
主演の織田祐二もそれは充分感じていただろう。ブルース・リーに劣らぬ「不死身」 . . . 本文を読む
昨日のNHKの番組「小笠原諸島 いのちの森と海」
・・・恥ずかしながら小笠原のこと気にしたことがなかったこともあり、大変感動した。
番組の案内役にCWニコルさんを選んでいるのが良い
・・・彼が小笠原の自然の美しさ、生態系上の重要性等などを自身の言葉で語っている。
一番ショックだったのは、小笠原の歴史ものがたり
・・・日本人が最初に発見し、居住者もおり、その領有権は間違いないものの、
・・・1 . . . 本文を読む
東映映画「反逆児」(1961年)は今井大輔監督自身が脚本を書き、絶頂期の中村錦之助(萬屋錦之助)を用いた力作。原作は大仏次郎の「築山殿始末」。
この原作・映画の「築山殿事件」や「信康仕置事件」は徳川家康物には必ず出てくる有名な話・・・有名偉人の優秀な嫡男が、理不尽な話で若くして悶死を余儀なくされるという話は、菊地寛の「忠直卿行状記」と双璧だと思う。
歴史上は、この原作や映画で描かれているストー . . . 本文を読む
吉川英治の原作「新・平家物語」を映画化したものという。
それはその通りなのだが、映画の内容は「Young Kiromori」=「若き日の清盛」といったもので、吉川の作品を通して映画化したものではない。
しかし一般に「平清盛」といえば、奢る平家を象徴する悪者で歴史上の役割も正当ではない中、この映画は平安末期、武家の台頭という歴史背景をも取り入れつつ「若き日の清盛」を見せてくれる貴重な映画だ。
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日本初の総天然色映画「地獄門」がデジタルリメイクされて、NHKに登場。
本邦初の「色つき映画」ということで気合いが入ったようだ。衣笠監督の色の演出が入念で、結果的にそれが日本人の色彩感覚、美的センスを海外に知らせることになり、
本作はアカデミー賞にて衣裳デザイン賞(和田三造)と名誉賞(外国語映画賞)を受賞し、
カンヌ国際映画祭でもグランプリを受賞した。
但しそれだけではない。
原作が菊地寛の . . . 本文を読む
現在上映中の「硫黄島からの手紙」。アカデミー賞の話題になっているとの噂(作り話?)もありやで、観客動員好調のようだ。
太平洋戦争末期の「硫黄島の戦い」については様々な角度から調査研究論評など数多くあり、この映画はそれらの幾つかを読んで出かけると、それらの記事を追体験するような感情移入の気持ちも沸くのではなかろうか。
アメリカ人監督クリント・イーストウッドとそのスタッフにより製作された映画の中で . . . 本文を読む
1、ロシアの南下・東方進出、日本海到達
西洋史のほうに焦点を当ててみていると、帝政ロシアの対外進出政策(いわゆる南下政策)は失敗したと書かれることが多い。しかしピョートル1世、エカチェリーナ2世以降とにかくロシアの領土拡大は自領土のあらゆる外延におよび・・・北西バルト諸国、真西のポーランド、南西黒海越え、南中央アジアトルコ民族諸国、ウイグル、モンゴル、オホーツク海、日本海沿岸・・・後世結果的に . . . 本文を読む