ヴェルディ中期の名作「運命の力」は先ずはタイトルがいい、また序曲がいい。双方で劇の意味するところを端的に暗示し、期待感を高める。ドラマはスペイン、セヴィリアの貴族の館から始まるが、以下気になるところにこだわると・・・。
1、主人公アルヴァーロ
ドラマの冒頭、主人公アルヴァーロはカラトラーヴァ侯爵の娘エレオノーラとの逢引の場を父に見つかり、誤って拳銃 . . . 本文を読む
いささか旧聞になるが、荒川静香さんで有名になったトゥーランドットだが、いったいこのオペラの時代背景はどうなのだろう。
トゥーランドットと呼ばれる異民族の姫や「ダッタンの王子」などが中国の宮殿に現れるとははどういうことなのか少し考えてみたい。
1、中国史を踏まえて
解説本によっては、このオペラの話は「伝説の時代」などと書いて済ませているものもあるがそんなに安易 . . . 本文を読む
かの有名なワグナーのオペラ「ローエングリン」。
あまり難しいこと考えずに素直に楽しめばいいのだが、それにしても我々日本人にはちょと分かりにくい点が多すぎる。少なくとも以下の疑問を頭に入れて見た方がいいと思う。
1、国王ハインリッヒ1世とは何者か
・・・・・ドイツの名門ザクセンの初代の王様。カール大帝のフランク王国が分裂し、今のドイツ「東フランク王国」はバラバラの状態が続くが . . . 本文を読む
1、海上を彷徨う伝説
オペラ「さまよえるオランダ人」は西洋史全般あるいはヴァイキングの故郷バルト海周辺によくある海洋伝説に基ずく。ワーグラーはいくつかの伝説をつなぎ併せたようだが、基本になったのは以下の話。
「喜望峰を回ろうとしていたオランダ船が長く嵐の海で漂流し、船長と水夫たちとの争いが起きる。船長はそこで神に毒づいたため神罰を受け、彼の船は喜望峰あたりを永 . . . 本文を読む