エンゼルシュタインの「イワン雷帝」。いろんなことで有名な映画だが、
映画を見るときの大筋、ポイントを絞ると以下三点。
① ロシア史上最蛮勇をふるった皇帝・・・貴族や教会を強権でもって抑え込む。
② ロシアの領土拡大・・・モンゴルの末裔国家を滅ぼす。初めてシベリア進出。
③ 勝手・奔放な私生活・・・6回の結婚、息子殺し、後継者争いからロシア分裂。
この中でも、特に②の一つ、「カザンハーン国」 . . . 本文を読む
エンゼルシュタインの映画で有名な「アレキサンドル・ネフスキー」・・・ロシアの古事記ともいうべきものだ。
ロシアに行くとこの言葉(名前)は頻発する・・・教会や修道院の名前、地名や道路、ビルのの名前、その他至るところで・・・。
要するに、彼はドイツ人に勝った英雄なのだ(正確に言えば1240年、当時北東欧で猛威をふるったドイツ騎士団国家に「チュド湖の戦い」で勝った)。しかしちょうどその時期、東より攻 . . . 本文を読む
ロシアの古事記「ルスランとリュドミーラ」
19世紀中頃からロシアは急速に「国民芸術家」を育て、いわば国家意識昂揚のためのストーリーに音楽をつけた「国民オペラ」をいくつか作るが、
プーシキンが古い民話を物語に書き、グリンカが曲をつけた「ルスランとリュドミーラ」はロシアの建国物語、ロシアの古事記ともいうべきものだ。
ストーリーはよくある「公家の姫の婿取り物語」なのだが・・・・・・
この公家は一体 . . . 本文を読む
第二次世界大戦の転換点となったスターリングラード
ヒトラーはヨーロッパ征服戦争(第二次世界大戦)を始めるにあたり、直前の1939年8月23日にソ連と相互不可侵条約を結び、9月1日からポーランドなど東欧北欧諸国を歯牙にかけ、翌年5月から一転して西部戦線ではベネルックス3国とフランスを降伏させ、さて次は?
イギリスは既にドイツに宣戦布告しているということからすれば、「イギリス上陸作戦 . . . 本文を読む
1、ソ連の存続期間は74年
現在のロシアの前にあったあの大国の正式国名は「ロシア・ソヴィエト社会主義共和国連邦」。これを通常「ソ連」といい続けてきたが、改めて考えると「ソ連」という国名は何かおかしい。
なぜなら「ソヴィエト」はもともとは会議の意味であるが、ロシア革命時に「労働者兵士の協議会」を呼ぶ言葉となり、共産主義的意味が付け加えられる・・・日本流に言えば左翼用語。
「ソ連=労 . . . 本文を読む
ロシア革命後8年目の1925年に製作された映画・・・
ソ連政府の革命賛歌、革命正当化の意図がありありであるが・・・
それを抜きにしてエイゼンシュテイン監督が用いた多彩な映画手法は今後の映画芸術に大きな影響を与えたといわれる・・・映画ファンには必見の映画である。
1905年1月・・・血の日曜日事件・・・旅順陥落など戦争反対の声が大きくなり。ペテルスブルグでのストライキ、僧侶ガボンに . . . 本文を読む
文豪トルストイの最後の長編「復活」を、イタリア人で「グッド・モーニング バビロン」を撮ったタヴィアーニ兄弟監督が映画化した。2002年モスクワ国際映画祭グランプリ受賞作とのこと。
この兄弟は他にもトルストイの短編をいくつか映画化しており(「サン・ミケーレのおんどり」「太陽は夜も輝く」)、ちょっとしたこだわりがありそう。人間に対する心やさしい目線が合うのかも知れない。
しかしこの映画は何かもう一つピ . . . 本文を読む
1、耳に残ったのは「真珠採りのタンゴ」
この映画はとにかく音楽が素晴らしい。導入部分から流れる、何とも言えぬ哀愁をおびたあるいは澄み切った、と同時に重厚なメロディー。何処かで聴いた曲。やっと思い出した曲名が「真珠採りのタンゴ」 。これが何故この映画で・・・?
そもそもこの曲は、あのカルメンの作曲家ビゼーのオペラ「真珠採り」に出てくる「ナディールのロマンス」として知られているという。この「 . . . 本文を読む