童話作家アンデルセンのファンタジー的伝記映画
昨年12月の海外ニュースで、
「アンデルセンの最初の童話『獣脂のろうそく』が発見された」との記事に目がついて、
2001年物の「アンデルセン夢と冒険の物語」という映画があったことを思い出した。
題名通りアンデルセンの伝記映画ではあるのだが、彼は相当奇人だったというのが定説のようで、
映画に登場するアンデルセンも相当な「子供」「礼儀知らず」で、思わ . . . 本文を読む
日本版ダイ・ハード「ホワイトアウト」
真保祐一の原作は吉川英治文学新人賞を受賞し、
このミステリーがすごい!で国内部門1位に選ばれるなど、評判の高いベストセラー。
若松監督は、映画デヴュー作として相当張り切って作られた、その意気は良く伝わってくる。
しかし意識してか無意識にか、あの「ダイ・ハード」と全く同じ作り方。
主演の織田祐二もそれは充分感じていただろう。ブルース・リーに劣らぬ「不死身」 . . . 本文を読む
映画「レ・ミゼラブル」
世界の文学史上、ヴィクトル・ユゴーの「レ・ミゼラブル」は、その長編ぶりや時代背景の設定ぶりから
「戦争と平和」と並ぶものと言う人もいるが、「戦争と平和」よりはずっと大衆的で、
波乱万丈のストーリーを売物にする通俗小説に近いように思う。
しかし確かに面白い。だからこそ、エンタテインメント・ビジネスが取上げやすいのだろう。
今回は何とミュージカルが大ヒットし、それを映画化し . . . 本文を読む
この映画の原題は「マックス・マヌス」、
彼はノルウェー人で、同国では第二次世界大戦一番の英雄とされている人物。
それで邦題は「ナチスが最も恐れた男」としたのだろうが、DVDのストーリー紹介の中で、
「マックス・マヌスは、反ナチスの思いから、志願してフィンランドでロシアとの戦いに参加した後、
ナチ占領下のノルウェーに帰郷した」と記載されている点、少し注意を要する。
第二次世界大戦の始まりを、時 . . . 本文を読む
古くから「シェクスピア別人説」は多々あり、喧々諤々の議論が尽きない。
シェクスピアの作品があまりにも見事であり、圧倒されること甚だしいから、彼のキャリアを調べると、
これが何ともプアーで、ストラットフォードの田舎の貧しいなめし皮職人の息子が、
あれだけのものを書いたとは思えない。
そこから英文学者たちは、当時の知識・教養・地位の人の中から、
あれらの作品を書けるであろう人物を探し始める。
河 . . . 本文を読む
本年度第85回のアカデミー賞「作品賞」受賞作品だけあって文句なく素晴らしい。
何故だろう・・・アカデミー賞の中でも最も権威ある作品賞、いろんな観点から
「素晴らしい」とされたのは当然なのだが、最大の理由は作品を貫くテンポ感ではないだろうか。
基本的には歴史的事実に基くシナリオで、それも相当「重い」、現在も影を引きずる、
1979年の「イランのアメリカ大使館人質事件」を描くのだから、ついいろいろ . . . 本文を読む