映画で楽しむ世界史

映画、演劇、オペラを題材に世界史を学ぶ、語ることが楽しくなりました

ダ・ヴィンチ・コードへの興味(5)<ベン・ハー>

2006-05-30 16:59:16 | 講演資料レジメ
マグダラのマリアの謎 「ダ・ヴィンチ・コード」の本当の主役はマグダラのマリア。彼女は一体何者なのであろうか。 彼女はもともと娼婦であってイエスに遭って信仰に目覚めたとの説は、カソリックサイドが公式に流したのかどうかは定かでないが(おそらく噂を振りまいた?)最近はあまり流行らない。 学者の説では「マグダラ」とは先ず町の名前・・・ガラリアの漁業町とされている。更には、彼女はガラリア湖南東に古 . . . 本文を読む

ダ・ヴィンチ・コードへの興味(4)<聖衣>

2006-05-30 16:58:43 | 講演資料レジメ
聖遺物伝説・・・映画「聖衣」など 映画が今の大きさに拡大された「シネマスコープ映画」の第一作が「聖衣」という映画(1953年)、ならびにその続編の「ディミトリアスと闘士」(1954年)。  聖書はキリスト処刑の場面の描写は特に詳細で、イエスが処刑されたとき身につけていた衣服は兵士達に奪われる・・・「上衣は4つに分けられ4人の手に渡り、下衣は一枚織りであったので、兵士たちは誰のものに . . . 本文を読む

ダ・ヴィンチ・コードへの興味(3)<クオ・ヴァディス>

2006-05-30 16:58:16 | 講演資料レジメ
「クオ・ヴァディス」(主よ、どこにゆきたもう)  ノーベル賞作家シェンキヴィッチの原作を映画化した「クオヴァデッス」はあまりにも有名。世の中に、強烈にローマ帝国ネロ皇帝の暴君ぶりとキリスト教受難の様子を定着させてしまった。この映画はもはや著作権が切れて、500円DVDで見れる。 少し考えると・・・何故キリスト教はローマ帝国とそんなに対立したのであろうか。 ローマ人はそれほど抽象的な . . . 本文を読む

ダ・ヴィンチ・コードへの興味(2)<パッション>

2006-05-29 19:10:47 | 講演資料レジメ
キリストの受難と復活 イエスの生涯、特にハイライトとなる十字架処刑と復活の場面は何度か映画化されている。 古くは「奇跡の丘」「インクワイアリー」「偉大な生涯の物語」など、最近はメル・ギブソンの「パッション」。パッションは特に忠実に聖書をなぞり、イエスの最後の1日を描く・・・メル・ギブソンは当時エルサレムで話されていたであろう(現代では死語になっている)アムル語をしゃべるほど。アメリカで大ヒッ . . . 本文を読む

ダ・ヴィンチ・コードへの興味(1)<ジーザス・クライスト・スーパースター>

2006-05-29 19:10:21 | 講演資料レジメ
イエスは神か人か 先ずは映画の話。 昔イエスを題材に「ふざけた」映画があった。 1973年「ジーザス・クライスト・スーパースター」というミュージカル映画。イスラエルの砂漠の真ん中で現代の若者がイエス最後の7日間を歌とダンスで演じるのだが・・・なんとイエスはマグダマのマリアと恋をする、それに嫉妬するユダがイエスを裏切るという筋書き。  また、1988年「最後の誘惑」という映画は、ノーベ . . . 本文を読む

ダ・ヴィンチ・コードを見る前に

2006-05-29 19:09:56 | 講演資料レジメ
ダ・ヴィンチ・コードは西洋史の謎の缶詰 この本は、先ずはエンターテイン本として楽しめばよいのだが、それにしても少しヨーロッパのキリスト教社会の歴史の謎や番組編の知識があったほうが断然面白い。 ユダヤ教と対立したキリスト教は、やがてローマ帝国に認められ、そのためにも教義を「三位一体説」に統一し、フランク王国と持ちつ持たれつの面従腹背関係を結び、ローマ教皇として中世世界を支配する。 そこで最大 . . . 本文を読む

ダ・ヴィンチ・コードへの興味(6)テンプル騎士団

2006-05-27 20:24:52 | 講演資料レジメ
テンプル騎士団の実像 宗教騎士団は、なんとなく西欧崇拝気分が残っている一部の人で「かっこいい、高潔な」イメージを持っている人がいると思うが、惑わされてはならない。 これを日本流に言えば「僧兵」、あるいは後世の言葉で言えば(宗教色を抜いて)植民地の警護あるいは経営会社。構成員は騎士と言っても一部の貴族のお坊ちゃまとあとは俄仕立ての荒くれ者と考えていい。 テンプル騎士団は、1128年、第一 . . . 本文を読む

久々の十字軍「キングダム・オブ・ヘブン」

2006-05-22 16:22:56 | 舞台はトルコ・中近東
久々の十字軍映画 「キングダム・オブ・ヘブン」はオ-ランド・ブルーム主演の鳴り物入りなのに、スートーリーや状況設定がお粗末、お金をかけたのになんとももったいない。  昔、十字軍映画はいろいろあったが下火になってから久しい。十字軍は明らかに中世キリスト教(ローマ教皇)の蛮行で政治的、軍事的には完全な失敗策。これをローマ法王庁は、なんと2000年になって公式に認め・・・ 昨年なくなったヨ . . . 本文を読む

復讐国家イスラエルを描く「ミュンヘン」

2006-05-22 16:17:56 | 舞台はトルコ・中近東
話題の映画、スピルバーグ監督の「ミュンヘン」の一つの見方 事実に基づいて丁寧に作った秀作ではあるが、シナリオに難があるのか、ドラマ的盛上がりや感動という面では物足りない、期待はずれ。 しかしスピルバーグの意図を以下のように解すると大変重要な後世に残る映画なのかも知れない(ややオーバー)。 イスラエル・パレスチナの紛争は3000年来のもの・・・我々日本人は双方の執拗さ、寛容精神のなさに辟易 . . . 本文を読む

カサブランカ

2006-05-22 16:16:44 | 舞台はアメリカ
毎年この時期2月は、NHKも放送番組が種切れになるのでしょうか。衛星放送など、名作映画を登場させることが多くなるような気がします・・・先週から「第三の男」や「アラバマ物語」などアカデミー賞ものを並べています。 そのトップバッターだったのが「カサブランカ」。 この映画は地理的、時代的背景を知ろうとすると実に面白い。 モロッコは、ヨーロッパ人にとって特別の土地。カルタゴの植民地から開け・・・いろい . . . 本文を読む

「モロッコ」で何の戦い?

2006-05-22 16:14:49 | 舞台はアフリカ
久しぶりに「モロッコ」を見た。 この映画は1930年のアメリカ映画。日本初の字幕つき映画との勲章を持っている(1931年、昭和6年)。当時、日本では全く知識も利害関係もない外国、アフリカとはいえ何か白さ、エキゾッチクさを感じさせるモロッコで、まさに映画ならではの恋愛行動とその表現・・・今のお爺ちゃんお婆ちゃんたちはびっくりしたに違いない。  しかし一体この映画はどの辺の歴史を背景にし . . . 本文を読む

史実で迫る「タイタニック」

2006-05-22 16:13:46 | 舞台はイギリス・アイルランド
4月29日NHK衛星放送でタイタニックを改めて見る 確かに大作、エンターテインメント超一級品。音楽が素晴らしい。しかし、海洋客船ものとしては「ポセンドン・アドベンチャー」の方が遥かにいい。というより若い恋人たちはタイタニック、熟年層は「ポセイドン」であろう。 この映画の主役タイタニックの沈没は、1912年の歴然たる事実。イギリスのホワイト・スターライン社の誇る豪華客船タイタニックは4月10 . . . 本文を読む

タイタニックかポセイドンか

2006-05-22 16:09:20 | 舞台はイギリス・アイルランド
4月29日NHK衛星放送でタイタニックを見る 確かに大作、エンターテインメント超一級品。音楽が素晴らしい。 しかし、海洋客船ものとしては「ポセンドン・アドベンチャー」の方が遥かにいい。というより若い恋人たちはタイタニック、熟年層は「ポセイドン」であろう。  この映画の主役タイタニックの沈没は、1912年の歴然たる事実。イギリスのホワイト・スターライン社の誇る豪華客船タイタニックは . . . 本文を読む

ニューワールドより楽しい映画

2006-05-22 16:08:33 | 舞台はアメリカ
この映画「ニューワールド」は、アメリカ人なら誰もが知ってるアメリカ建国時の美談物語、 アメリカの歴史教科書には必ず出てくる話の映画化。(少し丁寧に言うと、アメリカは先ず13の州から始まるが、歴史的には最重要なヴァージニア州の建国神話。当時の面影を残すウイリアムズバーグは観光の名所) 今時何故この映画がでてきたのか・・・よく分からない。同じ内容なら1995年のディズニーの長編漫画「ポカホンタス . . . 本文を読む