「アランフェス協奏曲」・・・・・この有名なギター曲の題名・地名が気になって、調べると以下のような「アランフェスの蜂起」という事件がある。
①時はフランス革命の真っ最中。スペインの王室は腐敗・混乱の極み。国王カルロス4世は愚鈍の象徴、王妃ルイサは我欲のかたまり。王妃の愛人で近衛兵のゴドイを宰相にまで仕立て上げ、フランス革命勃発に際しては異端尋問を強化するのみ。しかし若い皇太子フェルディナンドが . . . 本文を読む
スペインの光と影とは
スペイン史を述べる本にはこの国の光と影という表現がよく使われる。確かにいい表現なのだが、こういう情緒的な言葉だけで終わってしまうのは惜しい。もう少し立ち入って考えてみるとどういうことだろう。
スペインは色んな民族に侵入され、色んな文物を持ち込まれ、服従し反発しといった苦難の歴史を持つ。スペイン人はこれといった思想や哲学は生まない、持たない。入り込んできた色々なもの、イスラ . . . 本文を読む
ヴェルディのオペラ「トロヴァトーレ」のテーマは復讐。身勝手な領主のもとで虐げられたジプシー女の思わぬ復讐・・・それはわが子(?)を火刑に処すこと。
このオペラは火に関する歌や科白が多く、舞台も火の赤が目立つ。さすがキリスト教の異端尋問で「火あぶりの刑」を多用したスペインのものらしい。
火には何か人間を興奮させるものがあるのだろう。ルキノ・ヴィスコンティ監督の歴史三部作の一つ、有名な「夏の嵐」(1 . . . 本文を読む
ヴェルディ中期の名作「運命の力」は先ずはタイトルがいい、また序曲がいい。双方で劇の意味するところを端的に暗示し、期待感を高める。ドラマはスペイン、セヴィリアの貴族の館から始まるが、以下気になるところにこだわると・・・。
1、主人公アルヴァーロ
ドラマの冒頭、主人公アルヴァーロはカラトラーヴァ侯爵の娘エレオノーラとの逢引の場を父に見つかり、誤って拳銃 . . . 本文を読む
オペラ「ドン・カルロ」は、スペインのフィリップ2世とその王妃、そして息子を巡る三角関係が主な筋書きとされるが、ここでフィリップ2世の王妃を整理しておこう。
彼は71年の全生涯の間に4人の妻を持った・・・王は敬虔なキリスト教徒であるから当然であるが、時期的にダブっての結婚はない、後の奥方は先の方が亡くなってからのお輿入れ。
この4人の顔ぶれや結婚の経緯など見れば、当時の国際政治 . . . 本文を読む
1月6日のNHK芸術劇場は、昨年10月新国立劇場での「ドン・カルロ」
(この番組は、森田美由紀アナウンサーファンの筆者としては毎回逃さずに見たいと思うのだが、なにせ深夜なのでやりにくい)
このオペラはドイツのシラーの戯曲をオペラ化したもの。ストーリーはフィクションだが、登場人物は実在の王子、王様。歴史好きには絶対見逃せないが、ある程度の歴史知識がないと面白くない。
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3月22日NHK衛星第二放送 スペインを舞台とした歴史映画はあまりないから「エル・シド」は貴重。
この映画はどこでロケしたか知らないが、スペインの禿山地形や「お城」の状景はよく描かれていると思う(カスティーリアはラテン語で城の意、その名の通り多くの城を築いたと言う、日本語のカステラもここからか?)。但し、映像効果のためか、城が立派すぎて天井が高すぎる・・・内部の装飾を少しイスラム風に工夫している . . . 本文を読む