映画で楽しむ世界史

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「砂漠のライオン」イタリアの植民地政策

2010-12-26 18:35:49 | 舞台はアフリカ

アラビアのロレンスに匹敵する砂漠の名作。特に主役のアンソニー・クインはアラビアのロレンスのピーター・オットールよりずっといい。又ムッソリーニが出てくる場面が秀逸、以下に見るような後進国イタリアの焦りがよく出ている。

英仏独に比べイタリアは植民地政策で決定的に出遅れる。又工業力、軍事力が育ってないから他の先進国と競合するとすぐ引っ込まざるをえないのだが、それでもかってローマ帝国を作ったという自負もある。

1、先ずはチュニジアを狙うがフランスに負けて失敗

2、1882年エリトリア、ソマリランドを奪取し、古くからのエチオピア王国征服を試みるが、1896年アドワの戦いに敗れる・・・この戦いはヨーロッパの白人が現地人に完敗した戦いとして有名。

3、1911年、フランス、ドイツが第二次モロッコ事件に忙しいときに、フランスと話をつけ、トルコよりトリポリ、キレナイカ(今のリビア)を手に入れる。

4、1922年、ファシスト党率いるムッソリーニが実権を握り一党独裁体制を固めると、ローマ帝国再興を夢見て、アフリカ植民地政策を積極化し、・・・映画「砂漠のライオン」に見るようにリビアを痛めつける。頑強に抵抗する「オマール・ムクター」を捕獲するため砂漠に有刺鉄線400キロを張り巡らしたが、各国から古代ローマの「ハドリアヌスの壁」ならぬ「ローマの壁」と揶揄された。

5、更に1935年、エチオピア侵略を開始し、翌年エチオピア併合を果たすが、国際社会の猛烈な反発にあい、遂には国際連盟を脱退する

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