停車場の図
32×37cm
無限に遠くまで続いてゐる、
この長い長い柵の寂しさ。人気
のない構内では、貨車が静かに
眠つて居るし、屋根を越えて空
の向うに、遠いパノラマの郷愁
がひろがつて居る。これこそ詩
人の出発する、最初の悲しい停
車場である。
「萩原朔太郎全集 第2巻」による
「詩」というよりは、挿絵の解説風。
散文詩といえばいいのでしょうか。
この銅版画を見て、朔太郎は、とにかく「寂しさ」を感じるわけです。
そう言われてこの絵をみると、どこまでも寂しい風景に見えてきて
不思議な感覚に襲われます。