プルサーマル計画を憂慮する有志の会

原発問題に関して投稿します。

1,130万ベクレルの雨水を放出

2013-09-18 11:24:57 | 日記
 堰に溜まった放射能汚染水1、130トンを、「雨水と判断できるものは放水した」と東電は記者会見で発表しました。ストロンチウム90などのベータ線は、1リットル当たり3~24ベクレルだったそうです。(タンクから漏れていないエリアもありますから、一概には言えませんが)例えば、1リットル当たり10ベクレルとすれば、1トンに含まれるベータ線を発する放射性物質は約1,130万ベクレル、20ベクレルなら2,260万ベクレル、放出基準(限界値)の30ベクレルなら3,490万ベクレルの放射性物質が含まれています。セシウムなどベータ線以外の放射性物質も含まれていますから、この汚染水が単なる「雨水」などと判断できるような物では決してありません。

 高濃度の「雨水」はポンプでまたタンクに戻したそうですが、(その量は分かりませんが)余裕のないタンクがまたかなり消費されてしまったと東電は言っていました。堰に溜まる「雨水」だけが問題ではありません。原発の敷地内を流れている地下水は1日800~1,000トンだそうですが、これは原発の敷地や阿武隈高地に降った雨が、地下に浸透し、それが地下水となって流れて来ています。敷地内だけで年間約400万トンの雨が降り、その内100万トン~150万トンが地下に滲み込んでいるそうです。(参照は『朝日新聞』)でも台風18号が福島県内にもたらした雨は、2日間だけでも80ミリ近いそうです。雨量が増えれば、それだけ地下水が増え、汚染水もそれだけ増えてしまうということです。

 9月10日現在で、建屋地下やトレンチに溜まった汚染水、そしてタンクに保管している汚染水の総量は43万5千トンで、1年間で13万7千トンも増えたそうです。こうしたことは想定されていたことで、その対策をとるべきでした。でも(今朝の朝日新聞にもあるとおり)「建屋の地下を囲う鋼鉄製の遮水壁の設置」も、東電側の「設置費用の1,000億円を債務に計上すれば、市場から破綻の心配がある会社だと見られる」との懸念から頓挫しています。当時の民主党政権も責任を逃れる為に事故対応を東電に押し付けっぱなしにして、自ら作ったこの「地下水汚染防止対策報告書」を実行に移すことができませんでした。東電、(当時の民主党の)政府のどちらにも(また、原発を推進してきた自民党政権にも)、現在に至ったこの重大な汚染水事故の大きな責任があると思うのです。

 いずれにしても、(国家的危機なのですから)今からでも、やるべきこと、でき得る全てのことを、時を置かず実施して戴きたいと心から願っています・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成25年9月18日)

H4タンク周辺でストロンチウム17万ベクレル

2013-09-17 09:19:49 | 日記
 300トンの高濃度汚染水が漏れたタンク周辺のH4エリアの堰に溜まった雨水から、ストロンチウムなどのベータ線が17万ベクレル検出されました。(参照は『朝日新聞』)台風による雨水がこれまで漏れた放射性物質に汚染されたと思われています。東電は、ポンプで汲み上げて、タンクに戻す方針です。(ANNニュースでは)別のタンク周辺でも1,000ベクレルを超えるストロンチウム等が複数ヶ所(別の報道では5ヶ所)検出されています。

 また、(15日には)Bエリアの(高さ30センチの)堰から雨水が溢れ出しています。さらにCエリアに溜まった雨水は、(B線の)放出基準値1ℓ当たり30ベクレル以下(8~24ベクレル)だということで、堰の外に放出しています。(これも大量の雨水で薄まっただけです。最終的には海に流れ出ます)また、セシウムの濃度は測っていないということです。

 一方、(高濃度放射能汚染水が流出した)タンク北側約20メートルの観測井戸から(14日)採取の地下水からは、1ℓ当たり17万ベクレルの放射性トリチウムが検出されています。汚染は確実に広がっていると考えられます。
(1ℓ当たりの放射性トリチウム濃度の変遷)
9月 8日  4,200bq
9日  2万9,000bq
10日  6万4,000bq
11日  9万7,000bq
12日 13万0、000bq
   13日 15万0、000bq
   14日 17万0,000bq

P.S. 今回の東電の汚染された雨水の放出に関して、「マニュアルの手順を踏んでいない」、「原子力規制庁の了解を得ていない」との報道もありました。放出基準も、薄めればクリアできてしまいますから、あっても無いようなものです。雨の影響を受けない(溜まらない)ように、覆いでもあれば良いのですが、それもなかなか難しいのでしょう・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成25年9月17日)

トリチウム15万ベクレルに

2013-09-15 12:48:18 | 日記
 連日汚染水の濃度が上昇している(高濃度放射能汚染水が流出した)タンク北側約20メートルの観測井戸から(13日)採取の地下水から、1ℓ当たり15万ベクレルのトリチウムが検出されました。

東電は昨年の高濃度汚染水漏出の影響の可能性もあるとしています。今回の流出だとすると、地下水が上流に1日40センチ移動したことになり、かなり早いスピードですから、昨年3月の事故の影響なのかもしれません。昨年の流出は汚染水100トンが地中に滲み込んだそうです。今回は300トンですから、1年以上たって、現在進行している濃度上昇の3倍の影響が出るということになりそうです・・・

(1ℓ当たりの放射性トリチウム濃度の変遷)
9月 8日  4,200bq
9日  2万9,000bq
10日  6万4,000bq
11日  9万7,000bq
12日 13万0、000bq
   13日 15万0、000bq

P.S. 原発には、「過渡現象記録装置」という装置があって、100分の1秒毎に、「原子炉の出力、圧力、水位、温度、炉心流量・再循環系データ、給水系データ、主蒸気系データ、格納容器」などのデータをハードディスクに記録しているそうです。(参照は『朝日新聞』)東電は、このデータのほんの一部しか公表していません。元東京電力社員の(炉心の設計・管理に携っていた)木村さんは、全てのデータを出そうとしない東電、そして再稼動に突き進む政府に対して、「今、原発の再稼動に関する安全審査が始まろうとしています。原因究明が終わっていない段階で、再稼動するなんて愚かな行為」だと記者会見で述べられました。事故原因が分からないのに、事故を防ぐことはできません。(伊方原発でも始まりましたが)安全を審査することすらできないと思うのです・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成25年9月15日)

トリチウム13万ベクレルに上昇

2013-09-14 10:57:52 | 日記
高濃度放射能汚染水300トンが流出したタンク北側約20メートルの観測井戸から(12日)採取した地下水から、1ℓ当たり13万ベクレルのトリチウムが検出され、連日濃度が上昇しています。

(1ℓ当たりの放射性トリチウム濃度の変遷)
9月 8日  4,200bq
9日  2万9,000bq
10日  6万4,000bq
11日  9万7,000bq
12日 13万0、000bq

P.S. 原子力規制委員会は、レベル3の高濃度汚染水流出事故で、外洋へ流出した放射性物質の影響を専門家会合で検討、「福島第1原発の専用港の外では、殆ど検出されない程度に低下している」との見解を出しました。しかし、これは「低下」したのではなく、膨大な量の海水に薄められ、今の技術では検出限界にあるというだけです。また、一旦希釈したものでも、(溜まり易い)どこかでホットスポットが形成されるのも自然の摂理です。(そこの深海魚が人の口に入ることもあるかもしれません)これをもって影響がないとは、言い切れないと思うのです・・・

P.S.2 福島第1原発近海のセシウムの濃度に関して、昨年の5月から約2年近く、東電は放射線の影響を誤った方法で修正して、実際より低い値を公表していたそうです。測り直したところ、1リットル当たり数ベクレル高くなったとのことです。規制委員会は「初歩的なミス」だと指摘、今年5月からは改善しているとのことです。海水の量は膨大ですから、1ベクレルでも1,000トンの海水で1,000ベクレル、1万トン、10万トンの海水では、1万ベクレル、10万ベクレルの差が出ます。「初歩的」なヒューマンエラーが、意図的なものでないことを信じたいと思います・・・

P.S.3 安倍首相が福島第1原発を現場視察するそうです。形だけなら現場は混乱するだけだと思います。汚染水が流出したタンクの周辺は毎時50μSv、近づけない高放射線の場所も多数あるかと思います。(どのような想定外のことが起きるか分かりませんから)「前線」に総理ご自身が出向くのは危険過ぎると思います。電事連は、(半年間)各原発から約10人の応援部隊を派遣するそうです。実際に前線を支援する実働部隊こそが、今「フクイチ」には必要なのだと思うのです・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成25年9月14日)

放射性トリチウム9万7千ベクレル

2013-09-13 12:20:32 | 日記
 (高濃度放射能汚染水300トンが流出した)タンクの北側約20メートルの井戸から11日採取の地下水から、1ℓ当たり9万7,000ベクレルの放射性トリチウムが検出されました。

 この間の数値は、
9月8日 4,200bq → 9日 2万9,000bq → 10日 6万4,000bq → 11日 9万7,000bq
 となっており、(残念ながら)連日の濃度上昇が汚染の広がりを示しています。

 同原発の敷地内には1日1,000トンの地下水が流入していますから、その敷地内に汚染水保管のタンクを設置すること自体が、非常に大きなリスクを抱えることになっています。地下水の影響を受けない場所に、(耐久性の高い)汚染水の漏れない構造のタンクや貯水槽を造り、移送できれば良いのですが。

 また、(「クローズアップ現代」でも指摘されていたのですが、)凍土壁が設置されても、山側と海側の凍土壁を同時に造らないといけないそうです。地下水位が下がると、建屋から逆に汚染水が流れ出て、汚染がさらに広がる危険性があるからです。凍土壁に関しては、果たして上手くやれるのか、その効果がどうなのか、(正直)私には良く分かりません・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成25年9月13日)

観測井戸から6万4千ベクレルのトリチウム

2013-09-12 11:29:05 | 日記
 (300トンが流出した)タンクの北側約20メートルの観測井戸から、9日採取の地下水からは1ℓ当たり2万9,000ベクレルのトリチウムが、10日採取の地下水では、6万4,000ベクレルのトリチウムが検出されました。1日で2倍以上になっています。また、4日に650ベクレル、8日は3,200ベクレルだったストロンチウムは、10日採取の地下水では2,000ベクレルとのことです。

こうしたトリチウムやストロンチウムの濃度上昇は、明らかに今回のタンクからの高濃度汚染水流出の影響だと思われます。この観測井戸はタンクの上流ですが、移動速度は1日約40センチです。下流だともっと速く移動していると考えられ、(残念ながら)汚染の広がりは思った以上に速いようです。

 また、(事故直後に1,500トンが流入した)海側のトレンチに溜まった超高濃度汚染水ですが、2号機海側の観測井戸の地下水からは、1ℓ当たり10万ベクレル以上のトリチウムが検出されており、「比較的速い速度で海に(超高濃度汚染水)が流出し続けている可能性が高い」と指摘されています。(海側に)凍土壁を造り、溢れてきた地下水を汲み上げてはいますが、効果は現れていないとのことです。

 (昨日の「クローズアップ現代」では)トレンチはコンクリートの壁で取り囲まれていますが、コンクリートの継ぎ目から水が漏れ出てしまい、外から確認できる部分は止水しているそうですが、(現在)漏洩箇所の把握はできておらず、見えないところは手付かずの状態で、依然、トレンチからの超高濃度汚染水の流出を止める良い手だてはないそうです。

 また、(福島第1原発の)現場は、「兎も角、人がいない」「本当に苦しい」との相澤副社長の言葉が象徴するように、疲弊しており、メルトダウン以降の極めて深刻な状況とのことです。モニタリング(観測)井戸を掘る人材さえ確保するのが難しく、(国による)人材面の早急な支援が必要です。最早、国が「全面」に出るしかない原子力災害なのですが・・・

P.S. 本日、衆議院経済産業委員会が福島第1原発の現場視察を行いますが、依然、閉会中の国会審議は先延ばしにされるそうです。政府もそうですが、国会の動きも極めて遅いように思います。汚染水問題は、最早国家の有事であるという認識が(彼らには)ないのかもしれません。もし、「有事」であるとの認識にも拘らず、このような対応をしているとしたならば、この「戦争」の結末は極めて厳しいものとならざるをえないと思うのです・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成25年9月12日)

放射能汚染水対策チーム

2013-09-11 11:35:05 | 日記
 政府は、初めて開いた「廃炉・汚染水対策関係閣僚会議」で、原子力規制庁や文科省、経産省などから実務者数十人で構成する「廃炉・汚染水対策チーム」を作りました。座長は茂木経産大臣です。(以下、参照は『朝日新聞』)技術的に困難な課題に関しては、海外の専門家の意見も募るとのことです。

只、政府が行なうのは予算を付けることと、対策の取りまとめだけです。口とお金は出すけれど、(肝心の)汚染水対策は東電まかせのままだそうで、(確かに1,2歩前には出てきましたが)これでは現場の過酷さが緩和されるとは思えません。本当に過酷事故を起こした原発をコントロールし、汚染水問題を収束させる為には、有事と同じ対応が必要だと思います。陣頭指揮を執る政治家は勿論、自衛隊の投入など、人材も含めた支援が無ければ、今の東電では最早対応し切れるものではないと思うのです。

(オリンピックに関する会合で)安倍総理は、汚染水問題に「政府一丸となって責任を果たしていく」と力説されたそうです。(政権は変わっても)原子力災害は未だ収束せず、放射能汚染水事故は拡大の一途を辿っています。対策本部の本部長は言うまでもなく総理大臣です。オリンピック招致のプレゼンでの発言を実行する為にも、安倍総理に陣頭指揮を執って戴きたいと思うのです・・・

P.S. 福島第1原発の前線で過酷な作業を強いられている作業員や職員の方々は、長期に渡る泥沼の闘いに疲弊されているのではないかと思います。それでも、状況は段々と悪くなっています。汚染水など事態は完全に収束不能に近い状態で、(鉛の粉を原子炉に流し込むなど)できることは何でもやっていくしかないと思います。でも、今の東電の人員では、不可能ではないでしょうか?国が実働部隊を派遣するべき「有事」が起こっていると私は思うのです・・・

P.S.2 福島第1原発の(専用の)港湾内の海水は、1日その半分が外海の海水と入れ替わっているそうです。「ブロック」されているどころではありません。(特にシルトフェンス内の海水は)吸い上げるか、吸着させて除去していかなければいけないものです。シルトフェンスを垂らしているだけでは、結局は外へ出てしまうからです。何故、港湾の出口を封鎖して、(土砂など)吸着させる物を投入していかないのでしょうか?海外各国も、同じことを思っていると(私は)思うのです・・・

P.S.3 ぎりぎりの生活で自主避難していた家族が福島に戻ると、知らぬ間に避難していたことが周りに広まって、よそよそしい態度に晒され孤立してしまうそうです。(戻った)ある母親は、自分が不安を抱えていることを誰にも相談できず苦しんでいました。住み続けている人たちも、避難している人たちも、また戻った方々も、同じ不安と苦しみを抱えているに違いありません。彼らの誰にも、事故や避難に関する罪も責任もありません。不幸にさらに不幸が重なることに、忍び難さを感じざるを得ません・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成25年9月11日)

地下水汚染3,200ベクレル

2013-09-10 09:44:12 | 日記
 (安倍総理の言われる)「完全にブロックされている」港湾の出口では、8月19日には68ベクレルのトリチウムが検出されています。シルトフェンスは(外側の放射性物質の濃度を5分の1程度にはできますが)海水の行き来を完全にストップできるものではありません。(記者会見で)「(原発は)コントロール下にあるのか?」との質問に東電は、「1日も早く安定した状態にもって行きたい」と繰り返すのがやっとだったようです。逆に、「コントロール下にある」というのは(総理は)どういう意味で発言したのか、政府に問い合わせたそうです。収束しないどころか、(自業自得なのでしょうが)事故が相次ぐ原発の状況に苦悶し続けている東電にとって、「寝耳に水」の発言だったと思います。

 56年ぶりに日本で開催されるオリンピックのニュースばかりが流れる昨日は、とても憂鬱な1日でした。私一人、世間から見捨てられたような感覚でした。(未だ仮設住宅で暮らす)避難されている方々はどのような思いでおられるのだろうかと、考えました。ニュースでは今後7年間で3兆円の経済効果との試算が出ていました。1年で4,000億円強です、意味のない除染だけで吹き飛びかねない数字です。賠償、除染、廃炉どころか事故の対応にどれだけ税金を投入していかなければならないのか、試算すらできません。オリンピック・バブルを期待する気持ちには到底なれませんでした。

 (今朝の『朝日新聞』には左下に小さく)地下水から3,200ベクレルとありました。(300トンの高濃度汚染水が流出した)タンクの北側約20メートルの観測井戸から(8日に)採取した地下水から、ストロンチウムなど1リットル当たり3,200ベクレル検出されたそうです。地下水汚染が確実に広がっています。しかも上流にです。衝撃的な事実です・・・しかも、タンクから南側約20メートルの観測井戸からは、既に4日に採取の地下水から650ベクレルが検出されていたそうです。オリンピック開催地が決まるまで、(東電は)公表を控えていたのでしょう。

 「被曝量は国内のどの地域でも基準の100分の1」、「健康問題は今までも、現在も、将来も全く問題ないと約束する」、「抜本解決に向けたプログラムを私が責任をもって決定し、すでに着手している」との総理の発言は、非常に重いものがあります。佐藤福島県知事は、「国際公約をした」、「その約束をしっかり守って欲しい」と言われました。かなり事実とは違う(総理の)発言ですが、(今は只)有言したことを、せめて実行して頂きたいと願うのみです・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成25年9月10日)

「福島第1原発の状況はコントロールされている」?

2013-09-08 12:27:18 | 日記
 IOC総会の記者会見で安倍総理は、福島第1原発の状況はコントロールされている」、「(汚染水は)港湾内の0.3キロメートルの範囲内で完全にブロックされている」、「全く問題はない」と世界に向って発信しました。只、今回のレベル3の事故では、漏れ出たタンクから(一部の汚染水が)直接外海へと流出しており、「完全にはブロック」されておらず、流出した汚染水の広がりを止める術は最早ありません。一国の首相が世界に向って事実と異なることを発言したとなると、日本の信用を落としはしないかと危惧します。

 一方、タンクから地下水へと流出した高濃度の汚染水については、ブログ「3・11東日本大震災後の日本」で正確な分析をして下さっているので、以下、(要約しながら)引用させて戴きます。

「H-3(トリチウム)は水分子として存在するため、地下水の流速=H-3(トリチウム)の流速になります。従って、汚染水が地下水に流れ込んだ場合は、まずはH-3が最初に検出される可能性が高い」、現在検出されているトリチウムが、地下水バイパス用の揚水井戸で、「No.10が76→290Bq/Lに、No.11が57→300Bq/Lに、No.12が450→900Bq/Lにそれぞれ大きく上昇していることがわかります。また、No.7も30→470Bq/Lに上昇しています」が、「地下水の流速が1日30cm程度とするならば、昨年3/26の漏洩事故の影響という可能性」がある、ちなみに、「昨年3/26に漏えいしたのは120トン。この時海に流れたのは約80Lで、20トンを回収し、100トンが地中に流出した」とのことです。

今回の漏出7月前半ということですから、例えばトリチウムの移動速度は速くて1日30cmだそうですので、50日×0.3m=15mしか移動していないことになり、流出したタンクから海側に100メートル離れた「地下水バイパス」用の井戸で放射性物質が検出されていないのも当然です。100メートル移動するには、約333日、ほぼ1年掛かることになります。ちなみに、地下水の流速は東電の資料では(地形や場所によっても変わるのでしょうが)1日10cmの場合もありうるとのことで、(この場合)移動時間は3倍掛かることになります。いずれにしても、放置すれば、海へと流出することになります。

また流出した高濃度の汚染水について、「今回の(タンクからの)漏えいで一番問題にされている核種はトリチウムでは」なく、「全β(線)の中に半分ほど含まれるSr(ストロンチウム)-90です。H4エリアのタンクに入れられているRO濃縮水は、セシウム除去装置を通しているためセシウムはかなり除去されています。そのため、検出しやすいγ核種は少なくなっているのですが、β核種であるSr(ストロンチウム)やH-3(トリチウム)はほとんど全く除去されていません。今回の漏えいしたタンクでも、8/26に発表された、当該タンクNo.5の核種のデータによると、Cs(セシウム)-137が92,000Bq/L、全β(線)が2.0E+08Bq/L=200,000,000Bq/L(2億ベクレル/L)でした。これまでの経験からSr-90(ストロンチウム)はこの50-60%という事が言えますから、Sr-90は約1億ベクレル/L」の高濃度の汚染水が流出したということです。残念ながら、(汚染水だけを見ても)コントロールできている状況からは程遠い現状だと思うのです・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成25年9月8日)

高濃度汚染水流出事故

2013-09-06 12:44:31 | 日記
 (既に昨日の報道でご存知だと思いますが)タンクから漏れた300トンの放射能汚染水が地下水に達していることが(残念ながら)確認されました。同タンクの南約10メートルの位置に(新たに)掘られた観測井戸の、地下7メートルの地点の地下水を採取した水から、ストロンチウムなどベータ線を出す放射性物質を検出、1リットル当たり650ベクレルとのことです。

 また、同タンクから海側に100メートル離れた「地下水バイパス」用の井戸からは、今のところ放射性物質は検出されていませんが、上流の地下水が汚染されていますから、下流の地下水への影響は避けられないかと思われます。(昨日も書きましたが)「地下水バイパス」は難しいように思います。

いずれにしても、漏出した300トンの高濃度汚染水は、単にタンクから漏れ出たというだけでなく、(まだ確認はされていませんが)排水溝から外海へ、或いは滲み込んだ土壌から地下水へ、(これもまだ確認されていませんが)最後は(専用港)海へ流れ出していくということです。最早漏出ではなく、「流出」事故なのです。敷地内からの汚染地下水(1日)300トンやトレンチから漏出している超高濃度の汚染水に加えて、さらなる汚染水の流出ということで、非常に深刻な状況だということです・・・

P.S. IOC総会での記者会見で、五輪招致委員会の竹田理事長の回答に、海外メディアは「失望」しているそうです。「東京は全く問題になっていない」、「住民は普通に暮らしている」などの答えに、「東京だけ安全なら良いとも聞こえ、福島の人々への配慮が足りないのではないか」との声もあるそうです。(最早)汚染水流出問題となっている今回の事故自体への危機感や事態の大きさの認識が違っているのではないかと、(私のみならず)誰もがそう感じているのではないかと思うのです・・・

P.S.2 韓国は、今回の高濃度放射能汚染水流出事故を受け、福島や岩手、宮城など8県の水産物の輸入を禁止しました。放射能汚染を危惧し、同国民の健康を慮ってのことです。立場が逆であれば、日本も同じことをするでしょう。では、日本国民はどうすれば良いのでしょうか?これは単なる風評被害ではありません。高濃度の放射性物質で汚染された300トンもの汚染水が(今後も含め)海に流れ出た事故です。汚染が確認されるまでは、食べ続けるのでしょうか?それとも、汚染が確認される前に、自粛すべきなのでしょうか?漁業関係者の方々は、どうなるのでしょう?賠償されるのでしょうか?兎に角、深刻な問題です・・・

P.S.3 ある方から、福島の受刑者は全て県外に移送された。また、受刑者には福島産の物は食べさせていない、との裏話を聞きました。これは本当なのでしょうか?受刑者の(健康を含め)人権が守られることは大切です。しかし、その「人権」が守られることなく(放射性物質に囲まれた)生活を強いられている人々の人権はどうなるのでしょう。(基準以下だということで)汚染された食物を食べさせられている住民の「人権」はどうなっているのでしょうか?(詮無いことではありますが)強い憤りを感じざるを得ません・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成25年9月6日)