プルサーマル計画を憂慮する有志の会

原発問題に関して投稿します。

観測井戸から6万4千ベクレルのトリチウム

2013-09-12 11:29:05 | 日記
 (300トンが流出した)タンクの北側約20メートルの観測井戸から、9日採取の地下水からは1ℓ当たり2万9,000ベクレルのトリチウムが、10日採取の地下水では、6万4,000ベクレルのトリチウムが検出されました。1日で2倍以上になっています。また、4日に650ベクレル、8日は3,200ベクレルだったストロンチウムは、10日採取の地下水では2,000ベクレルとのことです。

こうしたトリチウムやストロンチウムの濃度上昇は、明らかに今回のタンクからの高濃度汚染水流出の影響だと思われます。この観測井戸はタンクの上流ですが、移動速度は1日約40センチです。下流だともっと速く移動していると考えられ、(残念ながら)汚染の広がりは思った以上に速いようです。

 また、(事故直後に1,500トンが流入した)海側のトレンチに溜まった超高濃度汚染水ですが、2号機海側の観測井戸の地下水からは、1ℓ当たり10万ベクレル以上のトリチウムが検出されており、「比較的速い速度で海に(超高濃度汚染水)が流出し続けている可能性が高い」と指摘されています。(海側に)凍土壁を造り、溢れてきた地下水を汲み上げてはいますが、効果は現れていないとのことです。

 (昨日の「クローズアップ現代」では)トレンチはコンクリートの壁で取り囲まれていますが、コンクリートの継ぎ目から水が漏れ出てしまい、外から確認できる部分は止水しているそうですが、(現在)漏洩箇所の把握はできておらず、見えないところは手付かずの状態で、依然、トレンチからの超高濃度汚染水の流出を止める良い手だてはないそうです。

 また、(福島第1原発の)現場は、「兎も角、人がいない」「本当に苦しい」との相澤副社長の言葉が象徴するように、疲弊しており、メルトダウン以降の極めて深刻な状況とのことです。モニタリング(観測)井戸を掘る人材さえ確保するのが難しく、(国による)人材面の早急な支援が必要です。最早、国が「全面」に出るしかない原子力災害なのですが・・・

P.S. 本日、衆議院経済産業委員会が福島第1原発の現場視察を行いますが、依然、閉会中の国会審議は先延ばしにされるそうです。政府もそうですが、国会の動きも極めて遅いように思います。汚染水問題は、最早国家の有事であるという認識が(彼らには)ないのかもしれません。もし、「有事」であるとの認識にも拘らず、このような対応をしているとしたならば、この「戦争」の結末は極めて厳しいものとならざるをえないと思うのです・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成25年9月12日)