プルサーマル計画を憂慮する有志の会

原発問題に関して投稿します。

フクシマとミナマタの共通点②

2014-03-27 09:58:20 | 日記
 昨日に引き続き、インタビュー記事の紹介です。熊本県知事の蒲島氏の話を要約しながら、フクシマとミナマタの共通点について、考えていきたいと思います。(以下、引用は『朝日新聞』)

「原発事故から3年が過ぎ・・・しかし被害を受けた住民の多くは、いまだに将来設計の絵図を描けないでい」る、そこには「公式確認から60年が経とうとしてなお、解決しない水俣病と共通する問題が透けて見える」、原発事故の「責任が国にあるのか、東京電力にあるのかが明確でない点です」、「水俣病も同様でした」、「発生当初、国、県は責任を認めず・・・チッソは・・・責任や補償の範囲を限定しようとした。その結果、被害が拡大し、救済も送れてしま」ったのです。

また、「健康への影響の判定が難しいのも似ています。・・・風評被害や差別が付きまとうのも同じです。・・・水俣病では原因究明が遅れたため、偏見や差別を気にして病を公言できない人たちがいました。原発事故でも、偏見や風評被害を怖がり、あえて何もせず、被害が広がる恐れがある」、「福島が『終わらない水俣』と同じ事態を繰り返さないかと心配でなりません」

「これら負の共通点を克服するには・・・行政がまず全面的に責任を認めるべきです。水俣病では2004年の最高裁判決でようやく国と県の責任が認められたが、水俣病が戦後復興や高度経済成長という・・・国策の過程で起きた事実を考えると遅すぎです。発生当時から、国が責任を持って対策を主導していたら、状況は違っていたはず」だと指摘、「原発も・・・国策で推進され・・・事故を起こした」、「必ず責任が問われます。できるだけ早く責任を認めるのが賢明」だと警告しています。

そして、「放射能が拡散した時点で、誰が何処にいたかが、今なら分かる。国の責任で網羅的な調査を即、やるべき」、また「放射線の影響を調べる健康調査を実施し、被曝に起因する症状があれば、国が全責任を持って治す」、さらに「風評被害と差別に(対して)は、科学的なデータを示すしかない・・・それも政治の役割」だと指摘しています。

熊本県は「水銀フリー熊本宣言」を行なっていますが、知事は、胎児性・小児性患者の方々など、「病に苦しむ全ての人が安心して暮らせるまで、水俣病の問題は終わることはない」とし、原発に関しても「核フリーに舵を切り、段階的に政策を積み重ねてみては」と提言、さらに「福島は水俣の轍(てつ)を踏んではいけない!被災者が安心して将来設計ができる『安心の体系』を、政治は早急に構築する必要があ」ると、あくまで「被害者の立場に立つ」ことを強調されています。その通りだと思いました・・・

P.S.  蒲島熊本県知事や元宮古市長の熊坂医師の指摘は、非常に的確で適切だと思いました。只、国や政治家がその責任を認め、被害者に立場に立って為すべきことをやるかどうか、非常に疑義があります。同じことがまた繰り返される、もう既に原発直後からこの3年間で、同じことが繰り返されている、その現実を目の当たりにしているからです。被害はもう既に出ており、今後さらに悪化の一途を辿るであろうことは、誰の目に明らかではないかと思います。(国が自ら主導して為すべきことを実施するとは到底思えませんから)それを何処まで押し返していくのか、(厳しい現実ですが)それが問われているのだと思います・・・

P.S.2 福島第1原発内に設置された配管などを開閉する弁に、接続先を確認するタグ(名板)が付いていなかった問題で、当初未設置の数を1,500ヶ所としていた東電ですが、3,500ヶ所に訂正したとのことです。設置すべき対象の弁は5,000ヶ所で7割の弁にタグが付いていなかったことになります。事故後も配管の接続ミスで放射能汚染水が漏れたトラブルがありました。(私はタグの設置義務があることを知りませんでしたから)配管に目印でも付けておいたら、接続ミスなど起きないのではと書いたと記憶しています。(事故前に)設置義務のあるタグすらこれだけ付けていなかった東電ですから、敷地内を巡る仮設の配管にある弁には、今でもタグは全く付いていないのではないかと思います。そう言えば、先日の高濃度汚染水100トン漏れの事故でも、開いているべき弁が閉じ、閉まっているべき弁が開いていました。(これはタグ云々の問題ではありませんが)タグが付いていれば、もう少しは注意を喚起できていたかもしれません・・・

P.S.3 プールから使用済燃料を取り出している福島第1原発4号機ですが、天井のクレーンからフックを降ろしたところ、故障を示すランプが点灯して停止したそうです。キャスクは吊り下げていなかったので幸いでしたが、吊り下げた後で停止していたら、(キャスクに入れてあるとは言え)放射線が上昇し、危険な状況になっていたかもしれません。改めて、(作業員の方々にとって)危険な作業なのだと思いました・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成26年3月27日)