プルサーマル計画を憂慮する有志の会

原発問題に関して投稿します。

再放射能汚染水1万5千トン

2014-03-20 10:17:01 | 日記
 (タンクとタンクが配管で繋がっているため)ALPSで処理できずに高濃度汚染水が流れ込んだタンクに溜っていた(トリチウム以外は一応処理済みの)汚染水が「再汚染」され、最大で約1万5千トンに上るとのことです。(以下、参照・引用は『朝日新聞』)

 処理されずにタンクに流れ込んだ高濃度汚染水は約900トンでしたが、移送先のタンクは21基が繋がっている状態で、計1万5千トンが溜っています。この汚染水は再び処理しなければいけませんし、21期のタンクも配管も汚染されてしまいました。東電は汚染されたタンクや配管の洗浄ができるか検討していますが、「タンクに(処理されない)汚染水が流れることは想定しておらず、見通しが甘かった」と話しています。

未だB系統での故障の原因は分かっていませんが、東電は3月上旬にフィルターの交換をしており、「1つの系統だけ異常が出ている状況なら、フィルターの交換作業が原因と関係している可能性がある」と述べています。フィルターは定期的に交換しないと目詰まりを起こしますので、その作業でこうしたトラブルが起こるとなると、度々こうしたトラブルによる停止や再汚染の危険性は高まります

 現在、ALPSによる処理待ちの高濃度汚染水は約34万トンあるとのことですが、トラブル続きで停止が相次ぐALPSは試運転すら終えることができていません。試運転開始すら1年以上遅れたALPSですから、(残念ながら)今後もこうしたトラブルは続いていくと思われます。それにしても、(タンクがこれほど繋がっていることもそうですが)こんなトラブルを全く「想定」していないなど、「リスク管理」が余りにもなっていないと思うのです。政府も、再稼動云々の前に、汚染水処理など事故対策をまずきちんと行なって戴きたいと思うのです・・・

P.S. 米国議会で証言した元GEの技術者ブライデンボー氏が指摘したのは、マークⅠ型の格納容器だけではありませんでした。「配管貫通部の樹脂の弱さ、機器の多様性の欠如、共通原因故障の恐れなどの技術的な問題から、政府の規制の不十分さ、平和目的の原発と核兵器生産の技術の密接なつながり、核拡散の恐れ」という政治的な問題点も指摘しています。「マークⅠ」は技術的にも政治的にも問題があるようです・・・

P.S.2 さらに同氏の証言は日本の原子力業界にも及び、「日本の原子力産業は情報を非常に保護したがる」、「新聞がスクープしない限り、ほとんど何も公開しません」、「敦賀原発だったように思うが、電力会社は(ある)問題を規制当局の(当時の)通産省にもオープンにしませんでした」と述べています。隠蔽しているのか、規制側も知っても知らない振りをしているのか分かりませんが、いずれにしても、国民には何も知らされることはない業界だということだと思います・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成26年3月20日)