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ミュンヘンなんて、どこ吹く風

ミュンヘン工科大留学、ロンドンの設計事務所HCLA勤務を経て
群馬で建築設計に携わりつつ、京都で研究に励む日々の記録

discharge

2012-03-08 22:54:32 | ロンドン・hcla
水曜日 木曜日
大きなプロジェクトと小さなプロジェクトを行き来しながら作業。イギリスでは設計がある程度進むとplanning application(縮尺1:100~1:20レベルでの設計)を行政区に提出する。契約上はここまでが固定報酬で、ここから先は建設費に応じた%で報酬が計算されることになる。planning applicationは既存建物の取り壊し許可+新築建物の建設許可を行政区に仰ぐものである。planning applicationによってその土地をどう開発することができるかが明文化される。施主によってはplanning applicationを通した上で土地を転売する人も入れば、逆に建設許可付きの土地を買ってその許可範囲内で建築家に設計させる人もいる。applicationが受理され計画委員会での審議の末に設計の続行が認められる(planning approval)と、conditionと呼ばれる条件が列挙された手紙が発行される(decision letter)。行政区が実現してほしいことをconditionとして明記しておくことで、申請段階では不明確だったディテールなどが設計が進んだ段階で改めてチェックされることになる。たいていは既存建物の取り壊し前と新築建物の建設開始前にそれぞれ達成されるべきconditionが設定されていて、それを行政区に対して実演して見せることを「conditionをdischargeする」という。そのあとは待った無しで現場が動き出す。

昼休み、最近入った若い同僚がポートフォリオを持って僕に相談しに来た。その中で紹介されているプロジェクト(親戚の家)が実現しそうなので、そのためのplanning applicationを準備しているのだという。構法として想定しているものが僕が携わっていたプロジェクトに近いので、その適正をチェックしてもらえないかと。イギリスでは施工例は少ないが、彼はちゃんと調べているようだった。たしかにおあつらえ向けに見えるが、経験上いくつか問題になりそうなことがあるので教えてあげる。ちょうど運良く近々施工業者と会う機会がありそうなので、そのあとに彼も紹介してあげることにした。

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2 Comments(10/1 コメント投稿終了予定)

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Unknown ()
2012-03-14 13:08:01
話とは何の脈絡もありませんが、最近我々、ムービー作ること多いですよね、それでこのプログラムは考えさせらるモノでした。プレゼンやムービーに限らず、イベントベースの出来事をプログラムするときに、過去の映画のテニオハを勉強しておくことはとても興味深かったです。よかったらどうぞ

http://veohdownload.blog37.fc2.com/blog-entry-13304.html

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編集 (こみ)
2012-03-20 10:07:05
ありがとう。興味深い。
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