ミュンヘンなんて、どこ吹く風

ミュンヘン工科大留学、ロンドンの設計事務所HCLA勤務を経て
群馬で建築設計に携わりつつ、京都で研究に励む日々の記録

天使のそり

2012-12-14 00:14:03 | ロンドン・hcla
終日小さなプロジェクトの作業。ファサードに関するレポートの製作、防音と耐火の要求条件をもとに壁タイプの整理とSpecificationのアップデート、サブコンから上がってきたプレキャストコンクリートの基部(starter bar)ディテールのレビュー。それと月曜日のミーティング用にディレクターに現在の状況をブリーフ。現場では基礎のコンクリートを打つための鉄筋が配され始めた。机上では、外から中から建物の設計を検査する日々が続く。夜は奥さんと待ち合わせて会社の近くの酒屋さんHedonism Winesへ。ワインはもとより、広い店内ではウィスキーから日本酒からなんでも揃う。その後映画館curson mayfairへ移動してロイヤルバレエの生中継『The Nutcracker』を観る。主役のクララとくるみ割り人形がアメリカンな感じがするなあと思っていたら、二人の表情、特に大きく開いた口がディズニー映画のヒーローヒロインに似ているからだと休憩後の第二幕を観ていて気づいた。音楽がとてもよくできていて何度観ても飽きない演目である。第二幕の冒頭では屈指の場面であるロシア人の踊りでは、第一幕でクララの恋人として登場したダンサーとドロゼルマイヤーの助手として登場したダンサーがロシア人に扮して現れ、くるみ割り人形と一緒に3人で踊る。キャスト表を見ていなければ同一人物であることに気づかなかったが、クララをめぐる若い男性三人が一幕と二幕の虚実をつなぐように集合する面白い趣向である。休憩時間中に流れる舞台裏を紹介する映像で、第一幕の最後に登場し主人公達をお菓子の国へと導く「天使のそり」の話が出た。クララとくるみ割り人形が後部座席に乗った台車はバッテリー駆動で、前に乗った天使役の女性ダンサーが手元のボタンで操縦しているらしい。演出家が言う。「ダンススクールで天使役を募集するときに言うんだよ。このなかに運転免許を持っている人はいますか?って。スクーターの免許を持っていたりしたら安心だね。これまではみなうまくやってきたよ。だって大惨事にだってなりかねないんだから。オーケストラピットに突っ込んじゃうことだってありえなくはないしさ?」
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