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顎鬚仙人残日録

日残りて昏るるに未だ遠し…

久方ぶりで、草津温泉

2016年12月12日 | 旅行
草津温泉は全体の自然湧出量が日本一を誇り毎分32,300リットル以上、1日に200リットルドラム缶約23万本分もの温泉が湧き出している日本三名泉、「源泉かけ流し」に充分の量です。しかもその泉質は日本有数の酸性度で、pH値は2.1(湯畑源泉)、殺菌力が強いため万病に効くと言われています。

温泉街の中心にあり、草津温泉を代表する源泉の湯畑でも、毎分4000リットルの温泉が湧き出ていていつも湯けむりを舞い上げています。湯温60℃と高温のため7本の長い木樋を通して自然に温度を下げてから湯滝となって滝壷に流れ落ちています。

この滝壷の底に取湯口があり、近辺の宿や共同浴場に送られていますが、その他にも源泉がいくつもあり、直接独自の湯を引いている宿も数多くあります。また、木樋には硫黄分が酸化し沈殿するので、2ヶ月に1回採取し草津名物の「湯の花」として販売していますので、これが「湯畑」といわれる所以です。

湯畑の一画にある足湯、手を入れると結構高温でした。やはり中国人観光客の話し声が多いのは、どこの観光地も同じです。

湯畑を見下ろせる高台に位置する草津山光泉寺は、正治二年(1200)に草津領主湯本氏が再建したと伝えられている真言宗豊山派の古刹です。本堂手前にある元禄16年(1703)建立の釈迦堂の本尊・薬師如来は、元禄時代に東大寺公慶上人が造ったといわれ真偽の程が不明でしたが、平成17年の調査により、事実であると判明。300年を経て有名になったことから、「遅咲き如来」呼ばれるようになりました。遅咲きの願いが叶うそうですのでお参りしてきましたが、もう完全に手遅れかもしれません。

熱い源泉の効能をそのまま薄めずに冷ますために、「草津節」などを唄いながら長い木の板でかき混ぜる「湯もみ」が有名ですが、宿泊したホテル櫻井でも模擬のショーなどが行われ、宿泊客が多数参加していました。設備、サービスは申し分ないホテルですが、お客様を楽しませ、非日常のひとときを演出する努力があるからこそ、オフシーズンでもこのような賑わいがあるのだと納得しました。

世界遺産 富岡製糸場

2016年12月09日 | 旅行
明治維新後、富国強兵を目指した新政府は、外貨獲得のため、生糸の品質改善・生産向上を急ぎ、明治5年(1872)にフランス人技術者を招いて洋式の繰糸機を備えた官営の模範工場をつくりました。当時すでに世界最大の規模をもち、4年後には日本人だけで創業されその後の日本の工業化の始まりになりました。

その後民間に払い下げられた後は、高品質に重点を置いた生糸は海外で高く評価され、昭和62年(1987)の操業停止後もほとんどの建物は大切に保管され、現在は富岡市で保存管理を行っています。平成26年(2014)に世界遺産(文化遺産)に登録され、繰糸所、西置繭所、東置繭所の3棟が「国宝」となりました。

明治5年創業の東置繭所(国宝)は日本の伝統的な柱と梁で構成する構造と、西洋の煉瓦造が合体した構造の木骨煉瓦造、煉瓦の積み方にも特色がありました。長さ104.4m,高さ14.8mで、2階に乾燥繭を貯蔵しました。

場内は平日なのに団体観光客が何組も連なっていますが、音声ガイドという小さな受信機を首からぶら下げてイヤホンを耳につけていると、隣同士のグループが違った説明を聞いていても担当ガイドの声だけがキレイに聞こえる優れものを使用しています。

繰糸所の140mもある長い建物、残っている繰糸機は昭和41年設置のものですが、操業から何度も改良され、特に戦後自動化された繰糸機は全世界に輸出され、世界の絹産業を支えました。

世界遺産ブームの中では地味で渋い施設ですが、観光客も多く熱心にガイドの話を聞いていました。何よりも操業停止した工場を年間1億以上の経費をかけて保存し、日本の産業の近代化に貢献した建物を残した片倉工業の姿勢に感銘を受けました。

茨城県民の森

2016年12月03日 | 山歩き
小春日和の好日、久方ぶりに近所の仲間と県民の森に出かけました。

昭和43年に明治百年を記念して作られた64万7000㎡の広大な自然を生かした森林公園で、コナラ、カシなど約360種の樹木と、キジ・アカゲラなど約90種類の野鳥のバードウォッチングも楽しめ、森林浴やハイキングに最適です。お昼はこの大きな樹の下でいただきました。

入り口には鳥獣センター、野鳥や、鑑賞鳥の飼育舎があり、観察できます。また傷ついたり、弱ったりしている野鳥を保護し、手当てをする救護禽舎があり、回復後は自然に帰しています。

森のカルチャーセンターは、いろんな野鳥の展示の他に、森の木に親しんでもらうため木材に関するものを展示しています。また園内で採取された植物標本なども手にとって見られます。

広大な自然林の中に、手を加えない遊歩道が配置されていて、地図をしっかり見ながら歩かないと迷子になりそうです。中高年のご夫婦ハイカー、トレイルランニングの若者などと頻繁にすれ違いました。

40年以上も前、小さかった娘たちをよく連れてきて遊んだ一画も、木々が大きく育ってすっかりイメージが変わってしまいました。(人間も自然も)昔の面影はありません。

隣接する茨城県植物園、きのこ博士館などを合わせて80.9ヘクタールの広大な自然いっぱいの施設、植物園(70歳以上無料)を除いてすべて無料というのも嬉しい自然いっぱいのフィールドです。