顎鬚仙人残日録

日残りて昏るるに未だ遠し…

キンラン(金蘭)、ギンラン(銀蘭)…街中の公園で

2022年05月17日 | 季節の花

この時期に山野の林間に咲くキンラン(金蘭)とギンラン(銀蘭)、以前見つけたことのある街中の公園で未だ健在かどうか行ってみました。

最初の公園は、県の施設に付随した林の中でのギンランの群生、これは数年前に施設でも気づいてロープの枠を設置しましたが、いつもの規模でギンランが咲いていました。


同じ状況の中で生育するキンランがきっとあるはずだと周りを探したところ、少し離れた植込みの中に1本のキンランを見つけました。どちらもラン科キンラン属、花は完全に開かないのは同じですが、キンランの花の方がひと回り大きいです。


もう一つの公園は、30年ほど前にできた大規模住宅団地の中の緑地、林や池の自然をそのまま残してある中で、何度か見つけたことがありました。

ありました!キンランが林の中にあちこち顔を出していました。それも増えているようです。


林の中で名前の通り金色に輝いているのですぐわかります。数十株は見つけたでしょうか。


銀も見えますが、ここでは金の方が圧倒的に多く見かけました。文章を打っていても、心地よい、まるで五輪の響きです。


絶滅危惧種に指定されている可憐な蘭が、街の中の公園で存続しているのを見て嬉しくなりました。
興味がなくて気付かないのか?それとも家に持ち帰っても生育しないということを知っているから? 

キンランギンランは、特殊な土壌の中の菌根菌(きんこんきん)という鐘の音のような名前の菌と共生して生きているので、持ち帰っての栽培は極めて難しいとされています。野草店でも取り扱いはほとんどありません。この情報が広く理解され、そっと見守るだけにしておきたいものです。

我が歳時記には未掲載、例句もあまり見つかりませんでした。

金蘭の霧の底ゆく人の声  角川源義
金蘭や小雨降りつつ金極む    雨宮美智子
金銀の蘭存わす森ニュータウン  顎鬚仙人  

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