顎鬚仙人残日録

日残りて昏るるに未だ遠し…

水戸城大手門復元工事

2018年12月25日 | 水戸の観光

水戸城の二の丸入り口に復元される大手門の工事は、今年の春から始まり、2階の屋根も出来上がって秋には上棟式が行われ、その大きな全体像が見えてきました。

完成予定の大手門は、幅約17.2m,奥行き5.7m、高さ13.3m、延べ床面積118.8㎡のケヤキ、ヒノキなどを使った木造建築で、来秋9月のいきいき茨城ゆめ国体開催前までの完成を目指しています。

平成5年以降何度も実施した発掘調査の結果、その規模と位置が判明し、また、絵図や古写真も確認して遺構を保護しながら、在来工法による復元整備を行っています。

また大手門完成後には、二の丸南西の端に「二の丸隅櫓」と大手門から隅櫓までの「土塀」の復元工事が始まります。この部分は、水戸駅から望めるランドマークとして観光振興に役立つ期待がかけられています。

大手門から空堀跡(旧6号国道)を渡ってすぐの三の丸には、藩校弘道館の白壁が凛として連なっているので、大手門と相まって歴史的な景観がいっそう高まる一画になると思います。

今から177年前、9代水戸藩主斉昭公が開設した弘道館は日本一の規模と内容を誇り、ここでの教育はいわゆる水戸学といわれ、幕末から明治に向かう大きなうねりの思想的バックボーンとなり、薩摩、長州などの幕末の志士達に大きな影響を与えました。

不幸にして肝心の水戸藩では藩内抗争が明治まで続き、新しい時代つくりには加わることができませんでしたが、時代の魁となった一時期もあった学びの館です。重要文化財のその正庁、正門、手前に対試場のこのアングルは、歴まちカードにも使われているのを真似て撮りました。

歴史まちづくりカード(歴まちカード)とは、国土交通省の各地方整備局が平成29年10月から始めた、歴まち認定都市の象徴的な風景写真や歴史まちづくり情報を紹介したカード型パンフレットです。大きさ6.3センチ✕8.8センチで、茨城県では水戸弘道館と真壁の街並みの2種類が各15000枚発行され、弘道館のカードは弘道館入口事務所で配布していますが、まだ残数があるそうです。(一人一枚です。)