◆ふえ・のおと◆フルーティストYoriko KASAI 葛西賀子 officialblog

~ヨーロッパ仕込みの音楽作り、研究を重ねたフルート基礎奏法・・最近は太極拳を通して体幹づくり研究も進んでいます!!

◆ 子供を大切にしたい。

2010-09-19 10:02:07 | 雑談
三連休!
初日の昨日は、地元でのお仕事♪

ご縁あって、近くの小学校へ。
「家庭教育学級」として、コンサートを行いました


題して、”作曲家の歴史を辿ろう!コンサート”

あくまで、単なるコンサートではなく、子供たちに音楽の勉強、
クラシック音楽がより身近になりますように・・との願いで
実現した今回のコンサート、

綿密(?)に計画をして、当日の会場には、
学校時代によく音楽室に貼ってあったように、

バッハ ~ モーツァルト ~ ベートーヴェン ~ シューベルト

彼らの肖像画を、大きくのばして舞台上に貼っていただき、

バッハが「音楽の父」とよばれる本当の意味からスタートし、
その後、モーツァルトやベートーヴェン、シューベルト・・
作曲技法が脈々と先代作曲家からつながり、発展を遂げている

これらの音楽歴史の繋がりを、お話を交えながら演奏していきました


会場は、子供たちとそのご両親で満杯!半分くらいが子供たちで、
これは私にとっては初めてのこと!?で圧巻でしたが、

「こんにちは~」と挨拶すると、
「こんにちは~!」と大きな声で返してくれる

作曲家の肖像画を指さしながら、「これは、誰かな~!?」と聞くと、
ハイ、ハイ!と率先して挙手し、大きな声で嬉しそうに、
「シューベルト!」など答えてくれる♪


子供たちは、まっすぐな興味で、目を大きく開いて、身を乗り出して
こちらの演奏を見てくる。

その純粋無垢に聞き入る姿を見ていると、いつもとふと少し違う感覚?で
おのずと演奏する自分に力が湧いてくる・・



小学生の中でも、低学年が多いです、とあらかじめうかがっていたので、

選曲も、なるべく長くなく、それでいて
その作曲家の特徴がよくあらわれている曲を、ね!

バッハは、管弦楽組曲ロ短調の中の、「ポロネーズ」「バディネリ」、
モーツァルトはピアノ曲の「きらきら星変奏曲」のフルート版を使って。
ベートーヴェンは子供たちがとても好きな、「エリーゼのために」をピアノソロで。
シューベルトはもちろん歌曲!今回は、学校教材にもなっている「ます」など。


私たちが普段取り組むクラシック音楽には、
ほとんど歌詞がないのが通常ですが、歌だけは、歌詞がついている。

けれどこれは本当は・・本当に、クラシック音楽の源。
大事なことだと思うんですね。


ドイツ時代に、先生から

「音楽の基本は ”Lied(歌曲)”だ。

まず、たくさんの歌曲をフルートで吹いて、歌詞の意味を勉強し、
考えながら、音楽にそれを表し奏す勉強をしなさい」と言われました。

悲しい歌詞には短調だったり、恋心には優しいフレーズ、
楽しい歌詞には長調や軽快なリズム、・・

歌詞のついているフレーズから、そのフレーズの「色」を勉強し
たくさん経験を重ねていくことで、

歌詞のない楽曲にも、おのずと自分のイメージ力がついてくる。

(・・だから自分の音楽力を育てるには、必ずしもクラシックでなくとも、
ポップスでも全然OKだと思うのですよ!
いい歌詞の音楽はたくさんありますから


・・ということで、
なるべく歌詞があり、お話性があって親しみやすい音楽を今回は選び、

たとえば「きらきら星」。
本当はフランス民謡で、歌詞は全然違います。

「お母さん、聞いてください(申しましょう)。
お父さんがボクに、えらい立派な人になるんだよ、というけれど、
ボクはまだアメ玉の方が好きなんだ。・・」

というような歌詞。

その歌詞のテーマを、モーツァルトが12の変奏曲にしたことで、
ぴょんぴょん跳ねたり、くるくる回ったり、あるいは泣いたり、走ったり・・
いろいろな子供の表情をまるで表しているような変奏!?

シューベルトの「ます」にしても、
ピアノの連符が、まるで魚がするするっと泳いでいるような音形。

この「ます」の途中までの歌詞を説明して、

さぁ、お魚さんは最後、
無事逃げ切れたでしょうか?つかまってしまったでしょうか!?
演奏をよ~く聴いて、想像して考えてみてネ
演奏が終わったら答え聞くからね~!?とか、

ベートーヴェンの「エリーゼのために」では、
歌詞はないけど、今度は聴きながら想像力を働かせて。

エリーゼさんを想ってこの曲をつくったベートーヴェン、
さぁ、全体的に悲しげなこの曲。
でも、途中でエリーゼとの想いを嬉しくなったり、ぐっと苦しくなったり・・!?
想像して聴いてみてください!


・・こんなゲーム感覚で楽しむような!?コンサートでしたが、

その小学校は、子供たちも親御さんたちも、本当にとっても良くて・・
私たちも本当にいっぱい元気をもらって、帰路についたのでした


私実は、今自分がフルートをやっている原点って、

小学校の芸術鑑賞会で、初めて、本物のフルート演奏を聴いたことでした。
(あのときは、アルルの女のメヌエットでした、)

すごく強烈に今でもあの体育館でのフルート演奏を覚えているんです。


そんな風に、昨日のコンサートが、
子供たちの心に少しでも、響いてくれたらいいな。

クラシック音楽って、決してとっつきにくいとか、堅苦しいものでなく、

数百年前に生きた偉大な作曲家だって、もちろん人間で、

彼らが作曲したクラシック音楽というものは、
私たちも日々いつも思うような感情などと・・本当はとても身近なものなんだよ、と

少しでも音楽に親しみを感じてくれたらいいな、と願うのでした

小学校の聴きに来てくださった皆さん、
そして企画運営をしてくださった関係者の方々、
本当にありがとうございました!!
人気ブログランキングへ にほんブログ村 クラシックブログ フルートへ
↑クリック応援、いつもありがとうございます

◆フルート音痴解消!?

2010-09-16 16:27:09 | 大切なこと
今日は涼しいですね!

夏の間上がりっぱなしだったフルートの音程も!?
これから冬に向けて、調整具合が少し変わってくることでしょう。


さて今日は、その音程に関するお話です


普段一人で練習している分には気にならなくとも、
いざ、ピアノと合わせたり、フルートや他の楽器とアンサンブルしたり…

そんな時に、音程は急に一番深刻な問題として浮上してきます

今私の教室でも、10月末の発表会に向けて…
ぼちぼちとピアノとの合わせを含めた練習も始まっているので、
生徒さんにとっては現実的な問題となって!?日々取り組んでいますが


音程を合わすのに、最終的に一番理想の目標は、

自分の吹いている旋律中に、
その時はピアノなどでどんな和声(ハーモニー)が鳴っているかを把握し、

さらには、その音楽の(ピアノの伴奏の)ハーモニーの中で、
自分の旋律の音が、その和音の中のどこの位置の音(和音の第何音目か)なのか・・・

ここまで頑張って自覚できるようにすると、
ピアノのハーモニーに溶け込むよう、耳でよく聞きながら音程よく吹けます。

…んが!(^o^;)
それが、、言うは易し、行うは難し!
(しかし、そうまず心がけるのは大きな大きな一歩ではあります)


そこでやっぱり助けの手立てとなるのが、チューナー。

チューナーとは、吹いているときの音程が高いか、低いかを
メーターで示してくれる、音程測定の機械です。


チューナーを使うと言っても、
吹奏楽部で残念ながらよくみられるような、
いつでもなんでも!?響きを無視し、倍音を消してしまってつぶれた音でも
メーター0に合わしてしまうような使い方ではなくて、

(昨今の吹奏楽部の練習で、非常に多くこのケースを見ますが…
常にチューナーを気にし、見ながら練習することは、
メーターをみる目に集中がいってしまい、
本当にそれがよい響きか、耳を使う能力が育たず…
そんな使い方は却って、大きな危険をうみだします。

せっかくの若いうちの、耳が育てられる柔軟な時期に、
この方法は非常にもったいないように思います。。)

かといって、、ではフレーズの、
ピアノと合わない"なんとなく音痴"(^^;を克服するには!?


さきほどチューナーに頼りすぎの危険さを述べましたが、
チューナーも上手く利用すれば、大きな音痴改善の武器になります

もちろん、練習の傍らにいつも一応電源ONで、
時々、フレーズの終わりや伸ばしている箇所で横目でチラと
確認するのは音程を気にできる良い練習ですが、

講習会でのレングリさんからヒントを得、
私自身も普段の練習に使っている練習をご紹介します♪

チューナーを用い、なおかつ響きを損なわない、
上手く早く音感を得られるよいトレーニング…。


チューナーを用いながら、その音、その旋律を"歌い"ます!

あんまり速いフレーズは歌えませんが、
こと、音程が気になるような場所というのは
えてして長く伸ばしている音や、ゆったりと歌うフレーズです。

まずは歌うことで、音程をとり、定める練習です。


さあ実際、何となく自分の中でうまくいかない音、あるいは音の跳躍を
チューナーを見ながら歌ってみましょう!

…どうですか?
最初、メーターが激しく左右に触れてしまいませんか?
(一発でふれなかったら凄いです即フルートに戻りましょう!)

Stuetze(横隔膜の支え)を使わないと、
メーターが左右にガクガク動くのがわかります。

また、チューナーを用いながら歌う際、喉に軽く手を触れながら歌ってみると、
案外…首がカタイ!?かもしれません。

首の筋肉をこわばらせて歌っている場合、
これが下顎、及び首・鎖骨周辺が緊張している証拠です。

きっと歌ってみてかたい場合、またはかたいところなどは、
フルートでも同じことが起こっているかもと考えられます。


歌とフルートはお互いとてもリンクしています!

フルートを吹きながら私たちは、
自分の首の緊張状態をさぐることはなかなか困難ですが、

歌うことは手で首の状態を探れますから、
自分が喉をどう使ってるか、また、フルートでむずかしい音の移動など、
意外と歌うこと&喉に触れて筋肉の動きを知ることで、
あらたな発見があるかもしれません!


歌うことは、音感や音程、音楽の流れ、音の響きや呼吸…
すべてに良く通ずるオールマイティーな練習手段です

ぜひ、普段の練習に積極的に取り入れてみてくださーい(^-^)/♪
人気ブログランキングへ にほんブログ村 クラシックブログ フルートへ
↑クリック応援、いつもありがとうございます

◆現物のもつ凄さ

2010-09-07 18:55:26 | 【つぶやき】
久々の休日

近くの緑地公園に散歩がてら、
公園内にある美術館で面白そうな展覧会をやっていたので、
引き寄せられるようにふらりと立ち寄ってみました。



モネやゴッホ、ピカソなど著名な画家の作品から、20世紀の作品まで。


おぉ、やっぱりフランス人画家の作品は
フランス音楽とやっぱりとても色彩感が通じるものがある…、

とか、

スイスの画家の作品・その描写から、
マルタン(スイス人作曲家)のバラードがどうしても頭に流れてきて(^^;)、

先日のレングリさんや、ニコレさん、グラーフさんといった、
スイス人音楽家のキャラクターや言葉が妙に納得いったり…

絵に、残念ながら特に深い造詣はないのですが・・
それでも、この時代の絵を見ていると、
やたらと音楽との共通性、芸術という分野を考えさせられるのです。


でも一番強く感じたことは、
ゆっくり本物の絵画を見終わって、最後にミュージアムショップで、
気に入った絵の葉書でも記念に買おうかな、と寄った時。


現物の絵のタッチ、力のこめかた、臨場感、立体感、色彩感…

…画家直接の息吹。


ハガキは、買えませんでした。

現物の臨場感、これこそが本当に心に訴えてくるもの。

音楽も本当にそういうものではないかと、どうしても強く思ってしまうのでした。
人気ブログランキングへ にほんブログ村 クラシックブログ フルートへ
↑クリック応援、いつもありがとうございます

◆歌うこととフルート

2010-09-04 10:20:17 | 大切なこと
9月に入ったというのに、まだまだ残暑厳しいですね!(+_+)


さてさて、

前回の、軽く口笛を吹くようなアンブシュア→
下顎を緊張させず、ほどよく脱力させながら吹く…
にリンクした、次のテーマです!(^-^)/


下顎の緊張は、自身では気づきにくいですが、
フルートを下顎につけると、案外気づかぬうちに起こっている場合があります。

もしかして自分の音、締まっているかも…?と心配な方、

喉(首)に手の平全体を優しくあてがいながら、
フルートを吹くアンブシュアをしてみてください。

引くようなアンブシュアなど、早い場合は、この時点ですでに
触れた手に喉の筋肉にひきつりを感じるかもしれませんし、
あるいは
そのまま、(フルートを吹くときのように)息を吸ったり吹いたりしてみると
その動作の中で、緊張を感じるかもしれません。

本当は、フルートを左手片手で持てる場合は、
実際にフルートを左手で構え、(ソかラかシの音で)吹きながら
右手で喉を触れられると、より実際的に、フルートを吹く際に
自身の喉に余分な力が入っていないか探ることができます。

(本当は…手の大きさにも拠るので、無理は禁物ですが、、
左手片手で持って吹けるくらい、楽器のバランスを"若干"外めに
構えるほうが、下唇・下顎を押し潰すような圧力が内側にかからず、
顎の自由性も増し、音も向こう側に飛び、吹くためにはよいです…)


さて、
吹こうとする瞬間・また吸う瞬間に
首の筋肉に少しでも緊張の動きが認められた場合、
それは、下顎の緊張と繋がっている場合も多々あり、
実際に音を出してみたら固い音となって現れているでしょう。

下顎と喉の筋肉はつながっています。


ここで少しそのための練習をご紹介(^-^)/

始めは楽器を使わず、どの音でもいいので、
自分にとって"低め"の、気持ちよく歌える音を、歌ってみてください。

なるべく、小さすぎない・美しい響きを伴う豊かな発声で。


さてその際、喉元を手の平でさわりながら歌ってみましょう。

歌う際、また、吸う際、喉にこわばりはありませんか?

もしこわばっていなければOK!話は早いです(^-^)/

そのまま、その喉元の脱力感で(少し拡がり感があればなおのこと○)
フルートを用いて吹いてみましょう。


もし、こわばっていたら、
少ーし、下顎を落としながら(歯と歯の間・口の中をもう少しポカンと開け、
舌を軽く下歯列の中に沈めます)
喉元がやわらかく下に下がるのを感じられたら、
もう一度歌ってみましょう。

…先程より、深い歌声が出ましたでしょうか?

(喉を無理に開けようとすると、下に下げすぎてこわばるケースもあります。
そういう場合はこわばりがとれるまで、無理な下顎の下げを、
筋肉が弛むまで、自然な自分の顎のポジションに戻してください。)


喉に過度な緊張を伴わずに歌えるようになったら、
その喉の状態で、今度はフルートを吹くことを試してみてください。

できるなら、ソ・ラ・シあたりで左手片手でフルートを吹き、
右手で喉元をさわり確認しながら…。


声を深く響かせ歌えることと、フルートを響かせることは、
とても共通点があり、
体や体の中の使い方、また音感・音程(頭)のためにもとても良い練習です!

正直、100の技術に関するポイント(お腹がどうとか口がどうとか)を並べ、
却って体のあちこちを意識しすぎておかしくなる結果になるよりも…
美しく歌えることを体で学び覚え、会得するほうが
もしかしてフルートの美しい音のためにシンプルで早道かもしれません。


歌は音程もとれないし、苦手…
もちろん、そうおっしゃる方も多いでしょう。

でも、歌うこと=声帯も、筋肉の慣れ(場合によって鍛えとも言えましょうか…)

とりあえずやり始めてみること、

そして、スポーツ選手が欠かさず筋トレするように…継続することが、

筋肉が鍛わり、歌うことに慣れ、自信が次第につきだし、
よいフルートの息づかい、音、歌いや流れに繋がっていくのではないでしょうか。


他にもおすすめ練習に、
声を出しながら、フルートを同時に吹くやり方があります。
(低めの声が、喉のポジションも力のあまり入らない下になってよいでしょう(^-^))

グラーフ氏の『チェックアップ』にも、その"声出し(歌い)練習"が
載っていますが、多少難易度が高いので、まずは単に、
低めの単音を+声でロングトーンで充分よいでしょう。

歌うこととフルートの大事な関連性、でした!(^o^ゞ
人気ブログランキングへ にほんブログ村 クラシックブログ フルートへ
↑クリック応援、いつもありがとうございます