フルートのもつその美しい音色を極めることは、
フルートを吹く上で追い求める永遠の課題の一つだと思います。
そこでよく問題にもちあがるのが、アンブシュア(口の形)。
けれど、ちょっと待ってください!
口の形は、言うなれば息の出口。
水まきホースの口がよく例えにあげられますが、口の形状は
息の出方や方向が変えられるという一つの要素ではあります。
しかし、もともと息でつくられるこの楽器の音は、口を考える前に、
注意すべき「盲点」が実はたくさんあるように思います。
このブログによく登場する、「音を頭でイメージすること」は
今回はさておき(とはいえ技術面とは別に常に大切な事ですが)
今日は技術面において、アンブシュア以前に見直す箇所の一つ、
「右手の持ち方」について少し言及したいと思います。
以前、「持ち方はバランス」というお話をしましたが、その中でも
特に、”右手が楽器にどうつくか”が、アンブシュア(に限らず、
腕や肩、ひいては呼吸までにも)に多大な影響を及ぼします。
あえて、
”右手が楽器をどう持つか”という書き方はしませんでしたが、
右手の親指や、ましてや他の動かす指で、楽器を
”(握るように)持って”しまうことは、
一見楽器をしっかり支えているかのようですが、
この長い楽器・・右手に力が加わりすぎていると、「てこの原理」で
反対端であるリップ部分にも反動で振動が大きく伝わってしまい、
その振動を感じた口が、振動に堪えようと、力が入ってしまう、
という悪循環ループに陥ってしまうのです。
そういううちに、おのずと力んだアンブシュアになってしまう
可能性もあるわけです。
またスムーズな運指の問題からいっても、
本当にリラックスしての速い指の動きの実現には、
理想的には(ピアノ等でもいえることですが)どこの関節にも
過度の力がはいっていない状態をつくってあげることが、
速く、邪魔なく、そして一本一本きちんと独立した指の動きを
させてあげることができるのです。
そのためには、指でなるべく楽器を持つことなく、
前述した「バランス」で楽器を保持することが必要なのです。
◆◇◆
さて、前置きが長くなりましたが、具体的な話です。
① × ② ○
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/65/8f/9cc381b1536509b2e516b466eca313e4_s.jpg)
まずは、親指の指紋側の面積をたくさん使ってがっしり管を
つかんでしまっているようでしたら、やめます。(①)
親指はたたでさえ他の指に比べて短い上、五本すべての指先が
一つの管に位置しなければいけないわけですから、
その短い親指がさらに、指紋部分を完全に上に向けるように
べったり指の腹で管につけて、楽器の下から持ってしまうと、
他の長い指などは否応なしにさらに関節を曲げないと
キィの上に指を置けない状態になってしまいます。
その状態で、(― 人によっては関節が過度に曲がった指でも
問題なく速く動かせるかもしれませんが)
実際的には、指の動き(特に「薬指」)が完全には独立せず、
あるいは、各指が微妙に変な方向に曲がってしまうために、
リングキィだと穴がふさがらない、などの問題が生じてきます。
仮に指の動き的に問題がないにしても、さらには
「手首の曲がり」と相まって、楽器を内側に回してしまい、
下唇・下顎が自然と引かれてしまい、
自在なタンギングや、柔軟なアンブシュアによる音の跳躍や
pp~ffなどの音量のレンジに対応しきれない、など、
フルートを吹く上でどこかしら不都合が生じてくるはずです。
これらすべてをクリアするには、前述したような、
手指をリラックスさせた状態 ―
どこの関節も過度に緊張していない、各関節が緩やかな曲線を
描いているような状態をつくってあげることです。
(もちろんこれには手首も含みます)
右親指は、指の腹の方でなく、なるべく指先に近い方(そうすると
親指が長くなり、他の指が曲がる負担が少なくなります。)
そして、
爪の右上側(ほとんど指先に近い部分)で、管の真下でなく、
管体の少し手前側に軽くつけ、前方向に押す程度で充分です。
もちろんこの親指は、正しいバランス
(左人差し指の付け根の支えを軸とした、
下顎・左人差し指・右親指の”バランス”)をしないことには
楽器がズリ落ちてしまうようでうまくできませんので、
今までどちらか片方の手に負担をかけて持っていた場合には、
一朝一夕にはできず、時間をかけて慣れなければなりません。
しかし、本当に最終的に、
一部の手指に過度の負担がいかない正しいバランスで
楽器を支えることができれば、
アンブシュアへの負担も減り、腕や肩などの過度の力みも減り、
しいては呼吸等への良い影響にもつながっていけることでしょう。
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フルートを吹く上で追い求める永遠の課題の一つだと思います。
そこでよく問題にもちあがるのが、アンブシュア(口の形)。
けれど、ちょっと待ってください!
口の形は、言うなれば息の出口。
水まきホースの口がよく例えにあげられますが、口の形状は
息の出方や方向が変えられるという一つの要素ではあります。
しかし、もともと息でつくられるこの楽器の音は、口を考える前に、
注意すべき「盲点」が実はたくさんあるように思います。
このブログによく登場する、「音を頭でイメージすること」は
今回はさておき(とはいえ技術面とは別に常に大切な事ですが)
今日は技術面において、アンブシュア以前に見直す箇所の一つ、
「右手の持ち方」について少し言及したいと思います。
以前、「持ち方はバランス」というお話をしましたが、その中でも
特に、”右手が楽器にどうつくか”が、アンブシュア(に限らず、
腕や肩、ひいては呼吸までにも)に多大な影響を及ぼします。
あえて、
”右手が楽器をどう持つか”という書き方はしませんでしたが、
右手の親指や、ましてや他の動かす指で、楽器を
”(握るように)持って”しまうことは、
一見楽器をしっかり支えているかのようですが、
この長い楽器・・右手に力が加わりすぎていると、「てこの原理」で
反対端であるリップ部分にも反動で振動が大きく伝わってしまい、
その振動を感じた口が、振動に堪えようと、力が入ってしまう、
という悪循環ループに陥ってしまうのです。
そういううちに、おのずと力んだアンブシュアになってしまう
可能性もあるわけです。
またスムーズな運指の問題からいっても、
本当にリラックスしての速い指の動きの実現には、
理想的には(ピアノ等でもいえることですが)どこの関節にも
過度の力がはいっていない状態をつくってあげることが、
速く、邪魔なく、そして一本一本きちんと独立した指の動きを
させてあげることができるのです。
そのためには、指でなるべく楽器を持つことなく、
前述した「バランス」で楽器を保持することが必要なのです。
◆◇◆
さて、前置きが長くなりましたが、具体的な話です。
① × ② ○
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/69/85/15dc8fe001b06dbd0f9f867e08e8fddc_s.jpg)
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まずは、親指の指紋側の面積をたくさん使ってがっしり管を
つかんでしまっているようでしたら、やめます。(①)
親指はたたでさえ他の指に比べて短い上、五本すべての指先が
一つの管に位置しなければいけないわけですから、
その短い親指がさらに、指紋部分を完全に上に向けるように
べったり指の腹で管につけて、楽器の下から持ってしまうと、
他の長い指などは否応なしにさらに関節を曲げないと
キィの上に指を置けない状態になってしまいます。
その状態で、(― 人によっては関節が過度に曲がった指でも
問題なく速く動かせるかもしれませんが)
実際的には、指の動き(特に「薬指」)が完全には独立せず、
あるいは、各指が微妙に変な方向に曲がってしまうために、
リングキィだと穴がふさがらない、などの問題が生じてきます。
仮に指の動き的に問題がないにしても、さらには
「手首の曲がり」と相まって、楽器を内側に回してしまい、
下唇・下顎が自然と引かれてしまい、
自在なタンギングや、柔軟なアンブシュアによる音の跳躍や
pp~ffなどの音量のレンジに対応しきれない、など、
フルートを吹く上でどこかしら不都合が生じてくるはずです。
これらすべてをクリアするには、前述したような、
手指をリラックスさせた状態 ―
どこの関節も過度に緊張していない、各関節が緩やかな曲線を
描いているような状態をつくってあげることです。
(もちろんこれには手首も含みます)
右親指は、指の腹の方でなく、なるべく指先に近い方(そうすると
親指が長くなり、他の指が曲がる負担が少なくなります。)
そして、
爪の右上側(ほとんど指先に近い部分)で、管の真下でなく、
管体の少し手前側に軽くつけ、前方向に押す程度で充分です。
もちろんこの親指は、正しいバランス
(左人差し指の付け根の支えを軸とした、
下顎・左人差し指・右親指の”バランス”)をしないことには
楽器がズリ落ちてしまうようでうまくできませんので、
今までどちらか片方の手に負担をかけて持っていた場合には、
一朝一夕にはできず、時間をかけて慣れなければなりません。
しかし、本当に最終的に、
一部の手指に過度の負担がいかない正しいバランスで
楽器を支えることができれば、
アンブシュアへの負担も減り、腕や肩などの過度の力みも減り、
しいては呼吸等への良い影響にもつながっていけることでしょう。
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