◆ふえ・のおと◆フルーティストYoriko KASAI 葛西賀子 officialblog

~ヨーロッパ仕込みの音楽作り、研究を重ねたフルート基礎奏法・・最近は太極拳を通して体幹づくり研究も進んでいます!!

◆乗せたらすぐ吹こう!?

2010-08-28 23:34:55 | アンブシュア
高原と温泉の素晴らしい場所で、良い音楽・良い研修に触れられた
先週の一週間は、再び東京に帰った今でも、
本当に良い余韻とモチベーションとなって現れてくれています(^-^)

◆◇

今回はフルートを口への当て方。

定まらなくて時間がかかる…と悩んでいる方も少なくないと思います。

そこでまた、レングリ・ノートをもとに(^^)/


まず彼の教えをそのままご紹介すると、

「フルートを当てる時には、下から・内側から、上にずらすように"外側"に」

こうあてると、下唇を損なわないのです。

下唇を損なわないということは、上下唇の、穴がきちんと揃う。


さて、その下唇の"下"の部分にプレートを当てる際、
唇を横に引っ張ったりなど、あれこれと口のフォルムをつくることはせず・・
さっと当てて、パッと吹けるくらい!?

少し口をつぐむ程度(軽い口笛のようなフォルム)の、なるべくシンプルな、
不自然に力のはいってないアンブシュアで吹きましょう、
とおっしゃっていました。


よく見かける当て方に、
フルートの歌口の穴と、自分の両唇を、
まず内側にしてお互い全面的にあてがい、それから外側に回す…
付け方の人がいる。

これは、下唇にプレートのプレッシャーがかかったまま
=当然下唇は引っ込んだまま…吹かなければいけなくなるので、
良くない当て方だと、レングリさんは指摘されてました。

その当て方をするのは、
フルートの歌口が感覚的にどこかわかりにくいから、
唇にまず当てて確認してみないとできない…というお話をよくうかがいますが、

そうするといつまでたっても下唇の引き&下顎の緊張は治らず、
従って、吹く"最終的な"自由度を得る道からは、
残念ながら遠ざかってしまいます…。

ですので、もし、上記の症状、それに伴う悩みがあてはまる、
という方はやっぱりぜひ、この方法を試みてみてください(^-^)


また、"口をへの字形にする"タイプのアンブシュアも然りです。

これ、私も一時期試してみましたが、
音は確かに美しい音も出すことは可能ですが…少し音が細い…
プラス、跳躍やタンギングはなんだか難しい!(+_+)

…やっぱり唇を引っ張る行為には、残念ながら変わらないのです。


引っ張るということは、息が散る。

また、引っ張ることは、下顎の柔軟さをロックさせてしまいます。

前後には何とか動かせますけども・・。

下顎前後でも、音の跳躍や、多少の音量のコントロールは可能ですが…
前後運動は、耳の前にある下顎の関節にとって、とてつもない負荷です。

私を含め、顎関節症に悩まされるようなケースも注意しなければなりません。。


それより、もっとシンプルで有機的なアンブシュアは、
さきほどの説明のように、
プレートにシンプルに乗せることです。


レングリさんは、口笛のフォルムと似てなくはない、とも言われていました。
(口笛でも、すごい口を突き出すような形ではありません。・・控えめな!?)


喉元・首を手で触れてみると、そのアンブシュアが喉に負担を
かけていないか、筋肉の緊張・動きでわかります。

唇を、引っ張ったり、への字口にすると、
一気に首の筋肉がかたまりませんか?

一方、顎を軽く落とすような、軽い口笛の口をつくるくらいは、
首の筋肉に緊張感は発生せず、さほど影響がないことを
触れる手から感じとれるでしょう(^-^)

…ということは、喉がしまらず、よって呼吸にも影響しない、
よりシンプルに演奏ができるアンブシュアがそれ、ということです。


もし、今までが全然違うアンブシュアだったら、改良最初は
ほとんどと言っていいほど、最初から良い音は難しいでしょう。

私も、元がトロンボーン吹きだったため、引っ張った口からの
アンブシュア改良で、相当の根気と年数を要しました。

でもそれは、今までと違った筋肉を使うからであって、
口がまだ新しいアンブシュアの息のフォーカスを覚えていないからなので、
あきらめずやり続けさえすれば、変化は現れてきます。

うまくいかないとあきらめたらそれまでで、
大切なのは、探求と集中と根気です!
そうすれば・・新たな道をつかめる第一歩であることは、
本当に実感をこめて…お奨めいたします!(^-^)/
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◆帰宅☆息遣いその後

2010-08-25 23:03:55 | 【つぶやき】
レングリさんにお別れを告げ、
泣く泣く(!?)草津から下山してまいりました!

草津も今年は信じられない暑さではありましたが、
やっぱり東京は暑い。。(+_+)


でも、どっぷりレングリさんのレッスンを吸収できた
この一週間は、大げさじゃなく私の一生の財産です!

上写真は、
お昼を一緒に食べた際にパチリ☆と
記念撮影していただいたのですが、

このときにだいぶ熱くフルートや音楽のディスカッションができて、

テーマは、
技術でない、音楽を心から感じる"情感"とはどこからくるか?
とか、
日本人がヨーロッパ音楽であるクラシックに取り組む
ことに対する彼の見解、
などなど色々でしたが、

目をギラギラと輝かせ、語るレングリさん!

音楽やフルートに対する情熱の凄さに、
とにかく話していて、本当に熱くて、楽しくて…引き込まれ、
真から"音楽家"だと感じました。

2週間ご一緒できず、残念です…。


でも!充実した、的確な彼のレッスン名言は、
端的に書いたはずなのに、最終的に実に10ページに!(・・;)

草津からライヴ?は残念ながらこれでひとまず…ですが、
書き留めた10Pのレングリ・ノートから、
どんどん自分自身や生徒さんのレッスンに反映させていき、
中でも有用なことはブログにもご紹介できるように…
(書き続ける気力を保てるよう…!?(^o^;))
頑張りまっす!

◆◇

さて、
前回書いた"息を肺を満たすようたっぷり吸う"

のその後について、
あまりに効果が高かったので!続きを書こうと思います(^-^ゞ


もう一度おさらい、

吹く前は必ず(最初のうちは特に時間をとり、焦らず丁寧に)
静かに(吸音は極力たてず)、深く…
肺いっぱいに空気が満ちるように、たっぷり吸う。

で、ホーッといい具合に脱力させ落とした下顎で、
フルートの口をつくり、
フゥーッと流すように"前に"たっぷり吐く(吹く)


本当に身に付くまで、根気は結構いりますが(^^;

慣れるまではとことん!頻繁にロングトーンなどで
根気よく練習し、吹くクセをつけると、
すでに数日でも効果が出、肺活量?の絶対値もあがってきます!

もちろん初めのうちは、息をたっぷり吸うアクションが、
下顎や喉の緊張を引き起こしそうですが、
極力ボケッと(^_^;)だらんと顎を落とし、息を吸うように…。


興味深いのは、
レングリさんも、トロンボーンのバウスフィールドさんも
おっしゃることはかなり同じで、

たっぷり吸う、

そして、

歌の人がその人の体で響きをつくるように、
弦楽器が弓のひきかたで響きをつくるように、

管楽器は息の圧=体の中の圧で、
その響きを生み出さなければいけない。

その源が息であり、
響きの空間が拡げた胸郭であり…

さらに面白かったのは、
レングリさんもバウスフィールドさんも、

その響きの"圧"を"ここを押してつくりなさい"、と、
胸の中心を指したこと。

実際は押せるような場所ではもちろんないので、
"そういう感覚"でしょう。

しかし、胸郭(肋骨内)の拡張は保ちつつ、
胸の当たりに「圧」を感じながら吹く。

(吹く際に、上唇を極力下に押さえつけず、
上に響かす意識も忘れずに!(^-^)b)

それにたっぷり吸う、のコンビネーションで
音づくりに励むことは、

最初のうちは練習ですぐ疲れがきたものの(^_^;)
また、なかなかすぐ結果があらわれずとも、

根気の先には、

かなりのご褒美(効果!)が待っている…ことでしょう!(^-^)/
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◆息は吸えるものだから!?

2010-08-24 14:18:22 | 【つぶやき】
↑講習会場所の、草津温泉・天狗山を仰ぎながら
緑のゲレンデに静かに座り、書いています。

緑はいいです、心が落ち着きます。(^-^)

◆◇

今日はレングリさんのレッスンは休講なので、【番外編】です!


天才トロンボーン奏者と言われる!?現在ウィーンフィルの
バウスフィールドさんのレッスンを覗いてきました。


本当に・・「名音楽家」に楽器は関係ないです!

特に同じ管楽器だったので、とっても勉強になりました!(^o^ゞ
(後は過去に私自身が6年に渡り
実はトロンボーン吹きだったこともあり(^^;))



呼吸の話です。

トロンボーンももちろん、フルート同様、音の豊かな響きは
非常に重要な問題です。

もう…レッスンを聞いていると、とてもとても
レングリさんのおっしゃることと繋がるのですが、

豊かな音には、たっぷり流れる息(吐く方)が必要です。

吐く息が必要ということは、吸う息も当然必要。

肺が満タンになるほど、空気をたくさん据えてないと、
豊かな音などノーチャンス!

これはレングリさんもレッスン内で再三おっしゃっています。



言及されていたのは、その、吸い方。

バウスフィールドさんも、
今までにありとあらゆる呼吸法を試してみたそうです。

肋骨の下の方を拡げる、
背中を開ける、横隔膜を下げる…etc.etc


そして、そんな試行錯誤の末たどり着いた結論。

「上体のどこにも"わざと"な力を加えず、
いつもしっかりとニュートラルな状態であれば、
体はいつでも吸いに対応してくれる。

あとは、息をたくさん吸うんだという"意志"が
本人にさえ忘れずにあればね!」


あぁ、結論的にもっともだ(^o^;)と思いました。


たくさん息を吸おうと思うと体はかたまりがちですが、
そのときに上体全体を、
前にも後ろにも、ニュートラルを意識する。


そして…さぁ!吸う練習(^-^)b

はじめはゆったり4拍かけて、
深く、ゆっくり、

1・2・3・4…
(で、肺を満タンにするように)

で、一気にフゥーッと吐く!

吸う際、吸う雑音が咽や口で出ないように。
(少し下顎を落とし口の中に空間を開けて深く吸うと、
シューという吸音は消えます)


まずはゆっくり4拍で、
肺を静かに深く満タンにすることができたならば、

今度は3拍で、
つぎは2拍で、


そして最終的には1拍という短い拍で、
静かに、深く、速く、そしてできるだけ肺満タンに!
吸えるようにトレーニングしていきます(^-^)b


また、pやppを美しく鳴らしたいのなら、
小さく…と思うとつい吐く息も吸う息も、そして支えも、
アクションが小さくなってしまいがちですが…

なおのこと、
f以上に肺にたくさんの息のタンク→支えを要するので
気をつけなければなりません、とも。


また、面白かった雑談は、
「男性だから(体のつくり的に)呼吸が深くできる、とか、
逆に女性だから息や支えが細い、などとは、
僕は全く思わない!」と力説されていたこと。

現に友達で、細い女性の奏者でも、スーパー奏者はたくさんいる!と。


要は、呼吸のために、日々トレーニングに、
どれだけまじめに取りかかっているか・・が実力の差であって
男女は関係ない!と力説されていました。

少し耳がイタイお話!?
さてさてどうなのでしょう!?(^o^ゞ

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◆体を起こして!開けて!

2010-08-22 22:58:07 | 【つぶやき】
レングリさんの講習ももう5日経ちました!

レングリさんのお話は、本当に多角的で(^-^)、
色々な練習方法やアイデアが、レッスン中に泉のように出てきます。


今日は、この5日間で最も多く出てきた注意点、

そして私もまさに、
過去日本で勉強していたときには欠けていて、
ドイツで最初にくらった洗礼(パンチ?(^^;)

そしてそのことはおそらく、
日本の家屋や気候も関係していて…

日本で吹くフルーティストにとって最も条件が厳しく、
気づきにくく、注意しなければならないことかもしれません。


それは、
「真のフルートの響きとは」

低音から高音まで、空間にたっぷり響く音。

実は日本の家屋は、(練習場所にもよりますが)
天井の低さや、壁の素材、また特に今の時期は湿気なども、
音の響きに少なからず影響してしまうのです。。

音の響きを助けてくれないのみならず…
むしろ吸音してしまうような状況すらある現実も(>_<)
だからつい唇に頼り、過度の力で吹き込んでしまう…
ということも、残念ながら否めません。。

様々な要因で、
"自然にまかせた"音が上へと行く響き、
作りづらいと思います…。


ドイツに行って初めて音を出したときは、
響きの良さ…吹き心地のよさ?にとても驚いたショックは
今でも覚えています!

本当に力をいれなくても、ふわっと上に吹くだけで、
音が空間にのっていくのです…


また、フルートは、内向きにまわしてしまうことで、
"一見"(聞?)、音が濃く、また吹きやすく
(←エッヂが近づくので)聞こえる。

ただしその音は、
本当の意味で通る鳴りではありません。

いくら傍では美しくとも、遠くで聞けば聞くほど、
細く通らない音となってしまうのです。


だから、本当に集中して「耳」を使い、
(あるいは、きちんとした耳をもつ指導者につき、)

そば鳴りに誤魔化されず惑わされない、
音作りに励まないといけない。


きちんと遠鳴りする豊かな音は、近くで聞いた時、
必ずしもまったく雑味のない美しい音とは限りません。

むしろ、
息が楽器の中と外の空間に、半々に入るようにするには、
若干楽器を外めに向けないとですので、
近くで聞くと、ある種の雑音は聞こえる場合もあると思います。


この講習会でも、
受講生皆さん、決して汚い音ではありませんでしたが、
(むしろきれいな音なのですが)

それでも、レングリさんが音の出し方を少し直すと、
音がするっと素直に、そして太く豊かに、
確かにさらに良く聞こえてくるようになる!


その治し方はいたってシンプルです。

「体を起こして!」
(↑譜面を見る・息を吸うなどのアクションで
知らぬ内にすぐ前のめりになってしまう)

「上唇中央から鼻にかかけて(上顎)、上に開けて!」
(↑下に吹きこみすぎて、音の響きが潰れないよう)

もちろん、
体を起こす際など、今度は背中が縮まないよう、
やり過ぎ注意など…(^^;)

語れば細かい注釈も多々ですが…

携帯なので、とりあえず今回はこれにて。。(>_人気ブログランキングへ にほんブログ村 クラシックブログ フルートへ
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◆音が汚い原因は2つ

2010-08-20 22:03:57 | 【つぶやき】
レングリさん講習レポート・その2です(^-^)/


ホントに書ききれないので、
慌てず少しずつ…(^^;

今日は、

「音が汚い原因、大きく分けて2つ、
何だかわかりますか?」

に、ついて少し。


これには、

1.出る息が過多

2.息のフォーカス(焦点)がない

(以下、レングリさんの言葉に私自身の見解・解説を含めます)


1は、誤解しないでください!(^-^)b
息が、では、少なければいい、という話ではありません。

微妙なニュアンスですが、
お腹のStuetze(支え)、胸郭の空間(開き)により
体の中からくる、息の「ボリューム」はしっかり必要です。

ただ単に、フルートに入れられる息のキャパを超すほどの、
口の穴から多量に出過ぎ、吹きすぎは、
音が汚くなる原因となるということです。


2.は、口の穴の問題。
例えば、一番良くある例は、口の両端を引きすぎ。
水のホースの口をつぶすかのごとく、
息のフォーカスは散り、音は汚く薄くなりますよね。

それから、上唇の、下への圧力かけすぎ(響きは上に!)、
(↑この話はまたとても重要なので、
別にテーマで取り上げたいです!)

それからそれから、
下唇を楽器(リッププレート)で押し潰しすぎによる、
下唇のフォーカス喪失…。

下唇は特に、色々・様々な音の変化やニュアンスに、
非常にフレキシブル(柔軟)でなければならないため、
リッププレートで押し付けないように
特に注意せねばなりません(>_人気ブログランキングへ にほんブログ村 クラシックブログ フルートへ
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◆レングリ氏講習会レポ〓

2010-08-19 19:17:29 | 雑談
やってきました!(*^o^)/草津国際音楽祭♪

(携帯から初投稿です、うまくいくでしょうか…)

この音楽祭は、日本が誇る名湯、草津温泉に、
毎夏恒例で世界的に著名な演奏家が一同に集まり、
(しかもほとんど各楽器に)
2週間毎日その演奏家たちによる講習会とコンサートという…

なんとも贅沢な空間です!


私は過去8年近くに渡り、この音楽祭のスタッフとしても
働かせていただいたので、本当に夏にこの音楽祭にくると、
タダイマ!という気分になります。

世界の演奏家と間近にいられるこの2週間、

思えば…学生時代のこの強烈(?)でかけがえのない経験が、
私の興味をドイツへと向け、そして実際ドイツに行き、
今の演奏家としての自分が在るのかもしれません。

そんな、大切な場所です!


今年は特に、フルートの講師がフェリックス・レングリさんと聞いて、
これはとにかく何としてもいかねば~!と
一週間の強引なお休みをとり(^o^;)、
はるばるやってきたわけであります。



さて、昨日・今日で講習も二日目を終えたところですが、
この二日でもすでに、フルート演奏に取り組むにあたり、
何が大切であるかをしっかりと再確認できました。


受講生の皆さん、まずはとてもレベルが高いです!

音は美しいし、指はまわる。

けどいつも受講生の演奏後に、レングリさん問います…


「その曲にどんなキャラクター、思い、イメージがあるか?」


それは具体的に管楽器においては、
「歌」と「息運び」!

まさにまさに、私が偶然前回のブログで書いた内容で、
本当に嬉しくなってしまいました(^^)d


総合的に、彼(レングリさん)が毎受講生に言わんとしていること、

そして、そこが今日のフルート勉強者に残念ながら、
一番勉強にとる時間が欠けているのではないかということ…


こうもおっしゃっていました。

単純に、今の若いフルート勉強者は難曲ばかり取り組んでいる。

こんにちのコンクールが…課題曲が、そういう原因の危険な種を
つくってしまってもいて、これも非常に危険なことだ…
と言葉を濁しておられましたが、、

自分の身の丈に合わないような難曲をやろうとすることは、
当然指周り等にばかり練習時間がいってしまい、
その曲の音楽感まで辿り着ける余裕がなくなってしまう。

「フルートを吹く」こと=指がまわる、音が美しく鳴る、など、
フルート技術に関することのみに興味と時間がいってしまうと、
やっと曲が出来上がったとて、その演奏は
非常に平坦に、無味乾燥に(いくら音がきれいでも)聞こえます。

本当に人の心を打つ演奏、
世界の名演奏家が、演奏において最も大切にしていること、
それは、「音楽」。


近現代の、難しい曲が例え指が回って吹けても、
なぜかモーツァルトのアンダンテや、ベートーヴェンのソナタ、バッハなどは
何かが難しく、指は簡単なはずなのに、どう歌っていいか…
何か、何かがしっくり来ない。
体の動きも、音楽に反していて、何かヘン。
いくら吹いても納得がいかない…

そんな時は、これらの時代の音楽には、
フレーズのかたまり(楽節)や和声感、イントネーション、倚音などの
理解・自覚が抜けている時です。

音楽とは、楽節感やそれに伴うフレーズの流れ、
♭や♯・長調や短調などの調性、
トニカやドミナントに始まる曲を彩る数多くのハーモニー、
はたまた違った角度から、その音楽の国籍や歴史、
はたまた自分の人生ともリンクさせた想像力…

こんなことたちが、音楽の緊張や弛緩の源であり、
このまさに、緊張と弛緩の連続こそが、
聴く人の心を捕らえて離さないカギなのです。

世界の巨匠とて、最初からこれらができた訳ではありません。

でも、演奏者はまさに、これらに時間を
一番大切にかけなければいけないのではないでしょうか。


もちろん、安定したテクニックは不可欠です。

けど、取り組む曲が難しすぎて、テクニック関連で練習の集中力が
終わってしまうのは、非常に残念なことだ…と
レングリさんは述べておりました。


テクニックの練習は、曲の中ですべきではない、

その前にしっかりと、モイーズやタファネル&ゴーベールなどのテクニック教本
(しかしこれらも、ただ指を速くする目的のみで用いるのではない、
いつも「適切」なklang~響きを伴うよう細心の注意を払い…
いえ、払えるくらい無理のないテンポで)

それから、たくさんのエチュード!<練習曲>

テクニック面はとにかくこれらをたくさん用いて別に養いなさい、

そして曲に対峙するときは、いつも"ziel"フレーズにおける目標や、
緊張と緩和…これら音楽のことを考えながら取り組みなさい。

これが、私を含め今日のフルート練習者に
一番大切なことと理解しました。


本当は後は、その延長戦上に、
では私達フルーティスト、そして管楽器奏者は
それに息運びをどうするかが不可欠要素だ
という話にもかなりのこと、また具体的な練習方法をおっしゃっていましたが、
とても書ききれないので…(^o^;)

また次回に!(^-^)/

(今日一日でノート3枚書くくらい、彼の名言は隅から隅まで盛りだくさんです…!)


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◆管楽器の息は、音楽の生命

2010-08-16 18:19:37 | 呼吸
久々の更新
外国人のゲストも無事にドイツに戻りやっとブログが書けます・・


ドイツの友人たち・ザンドラとディエゴの来日からあっという間の3週間!

コンサートと、レッスン等の通常業務(?)に加え、
初にっぽんの彼らのお世話に、自分の時間は皆無というほどに
怒涛の日々ではありましたが・・

彼らと過ごした3週間は、慣れた日本でありながらも、
新たな外国人の視点で、東京のすばらしさをたくさん再発見できた・・
かけがえのない日々でした


彼らと合同で行った、サロン・テッセラのコンサートもおかげさまでほぼ

ドイツバロックの世界から、ディエゴのチャランゴと、
熊本さんの素敵なパーカッションが加わり、暑い夏に、熱い!ラテンの夜♪

お越しくださった方々には、あらためて御礼申し上げます、
どうもありがとうございました!


さて、この3週間の彼らの滞在の中で、収穫はそれだけではありませんでした

滞在中、ザンドラたっての希望で、できるだけ私の生徒さんのレッスンに
合同で参加してもらいました

時々、彼女の視点でアドヴァイスをしてもらったのですが、
これがまた・・生徒さんにはとても良い刺激になって、
レッスンを受けるうちに演奏がどんどん生き生きと変わっていくのです!


これには、彼女のマジックがありました。

実はドイツ人、基本的に「ドレミ」で歌えません。。

彼らは、ド・レ・ミを ツェー・デー・エーというドイツ語で読みます。

そしてこのツェーデーエーは、私たちが、曲の中でドレミファソ~と
歌いながら言えるほど、早口で読めるシロモノではないため
彼らドイツ人が歌うときは タララ~ とか ラララ~ です。

しかし、こんな小さなこと・・ですが、これが思いのほか効果が大きい!

ドレミファソーと歌うより、それはもちろん、
タララララ~の方が、音楽的流れは止まらずにありますよね!?

(私はこの件に関し、ドイツにいるときにすでにこの違いの面白さを感じ・・、
ドレミを用いて歌うことは、フレーズの流れ、ハーモニー(和声)の流れの前には、
「ドレミ教育の弊害」という論文を書きたいと思うほど!?^^;何かある気がします)


身振り手振り、生徒さんの横で一生懸命に歌いながら
息の出、音楽の流れを促すザンドラ。

生徒さんは、横で朗々と歌われるうちに、どんどん影響され、
息が出て、表現が増していくのです・・・


そして。
それだけではなく、
彼女は、フルートを用いずに息の出だけの練習を、レッスン中よく取り入れていました。

フゥーッ・フゥーッ
フッ・フッ・フッ・フッ フゥーッ

などなど。

ついつい、すぐ楽器を用いての練習にはいりがちですが、
大抵、何らかの原因で音の出、音の豊かさが十分でない人は、
まずこの息だけの練習においても、十分な風音が口から出ていません。

しかし、練習しはじめが不充分で始まっても、
フルートを構える邪魔(?)がなく、息のコントロールに集中できるため、

力を抜くポイントをうまく促しながら、数回続けてフゥーッと吐くごとに、
どんどん息は深く、豊かに、スピードを伴って流れ出てきます

ザンドラからこのことの大切さを学んで以来、私もこれをレッスンに
積極的に取り入れていますが・・・すごく効果大です!!


息の出が十分豊かにまとまるまで、根拠と体力はお互いにいりますが
それで息の出を整えた後でのフルートの音色は、100%の確率で伸びやかで・・
豊かな音へと素晴らしい変化を遂げる


このように、
管楽器演奏において、息運びが生命、ということの大切さを、
彼女の朗々と歌うレッスン、そして具体的な息練習と、
様々な角度から、教えてもらいました

私にとっても、本当に貴重で有意義な勉強期間でした!!


しかし実は、私の勉強月間は今回のこれだけに留まりません!

明日から、某音楽祭にフェリックス・レングリ氏の講習会を少し覗いてまいります!(^-^ゞ

レングリさんは、最初はドイツ時代に、
私の住んでいた町ワイマールに講習にいらしたことで、その凄さを目の当たりにしました。

演奏の巧みはもちろん言わずともがな!ですが・・指導がまた素晴らしい。

ご自身がとても努力の方とのことで、彼から出てくる指導の言葉に、
とても重みがあるのです…。

いつか、じっくりと吸収したいと思っていた彼のフルートイズム。
念願かなって(しかも日本で!)長期のマスタークラス。

短期間でしか行けませんが
しっかり勉強、吸収し、自身の演奏にもレッスンにも・・反映させていきたいと思います!

できるなら…できるだけ!このブログにも講習会レポートを書きたいと思っております!
楽しみにしててください♪(^-^)/

ではでは☆行ってきま~す

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